最新の観てきた!クチコミ一覧

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フライングチェック

フライングチェック

第2劇場

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2020/02/28 (金) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

半年以上遅れの「観てきた!」コメントで申し訳ありません。

妊娠検査薬の大量発注…
妊娠は早期発見、母体の安静が大事…
ドラッグストアーの説明責任?!
Xpマシンの更新は?
フライングチェック!

個性的な役者さんが繰り広げる、なんやかんやドタバタ愉しい。
愉しいんだけど、虚しい!?不思議な公演。

追伸、出演者の皆さんの新人公演にも伺いましたが、皆さん立派に成長!

『雪間の草』

『雪間の草』

虚空旅団

さかい利晶の杜(大阪府)

2020/11/01 (日) ~ 2020/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

利休は、三好 信長 秀吉 3人の天下人の中、
権力に媚びずに、茶の世界、文化を成熟させた。
後に秀吉に切腹させられても。
文化、学問は、権力になびくと、一時だけの飾りになる。
利休の妻、息子、妻が勧める妾 家族
時代物 人を想う気持ち
とても聞き取りやすい 解りやすい台詞 面白かった。

リトル・ウェンズデイ

リトル・ウェンズデイ

自由劇場

シアターD300(神戸大学国際文化学部大講義室)(兵庫県)

2020/02/28 (金) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

半年以上遅れの「観てきた!」コメントで申し訳ありません。

昨年の卒業公演観劇。
大戦下のドイツ。
士官学校とレジスタンス双方から戦争を描いた赤鬼さんの人気の演目。
この演目2度目の観劇だが、若者達の生き様が儚く切なく、時には残虐に描かれ、ジゲキさんらしく所々コネタを交え、卒公に相応しい仕上がりでした!
ご卒業おめでとう!
今迄ありがとう!

今年も卒業公演拝見したいな。

隕石の栞

隕石の栞

ルドルフ

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2020/02/22 (土) ~ 2020/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

半年以上遅れの「観てきた!」コメントで申し訳ありません。

『男は会社を辞職し天体観測しつつ静かに過ごすつもりが…』
記憶喪失や父探す娘、旧友が集まり、隕石…

SFチックな展開だが、登場人物が濃くて人間臭くて、コメディタッチのヒューマンドラマが広がってく。
男の怪しさ、栞と要の個性の爆発、引き込まれた。
観応え十分!
傑作!

JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾

JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

JACROW、以前どこかで観た気がしていたが、中村氏演出舞台を見たのみで自作舞台は初めてであった。
劇団固有の世界というのはやはりある。演劇の成立の仕方というのは様々で、現実世界の一角で、現実世界に帰属する生身の体が架空の世界を「作る」仕事、この要は俳優の仕事となるが、この芝居では田中角栄という実在人物(わが子ども時代「ま~しょの~」の物真似で超有名人であった)の存在のさせ方が独自であった。他にも娘真紀子、山東昭子、中曽根、大平、福田、小沢、金丸と1970年代後半~80年代半ばの政界人オールスターが(パロディでなく)史実を演じるべく、しかし形態模写もまじえて登場する。その模写が興醒めとならず激動の政界ドラマを加速させる。一見物真似的にみえる表現がリアリズムな演技と不思議に共存するのだ。
記憶に残る竹下元首相の「あ~せ~こ~せ~と言ってたら創生会ができた」等と超つまんね~コメント(自分で作っておきながら自分に責任はないかのような表現と周囲のにやけ笑いに子供ながらに白けた記憶が)、またその後経世会で「御大田中角栄と離反」なんて報道も朧げに覚えている塩梅なので、耳馴染みのある人物のドラマを楽しく見た面はある。が、それでけではないと思う。
自分の言葉を語らず都合の悪い質問にふて腐れ、ふてぶてしく会見を打ち切り、又制限し、小煩い記者をターゲットにし出禁へと誘導したり(これしきで動揺する記者クラブの方が亜然であるが...)、のらりくらり逃げを打つしか能無しの菅首相(さすが安倍の政治私物化をサポートした手腕、というか単に貧層な哲学を発揮)を見て嘆息ばかりつくこの頃だから、余計に田中角栄という人物が対照的に存在感を持つ。人の心を動かす言葉を探り、人を説得し続ける政治家像に、政治の「あるべき」原点をみる思いがするんである。
ドラマの葛藤は、「田中派(党内多数派=決定権を握る)からは絶対に首相を出さない」とするこの頑固親父(角栄)が中曽根康弘(風見鶏と竹下派に言われた)を推して二期目の首相に就任した事態に至って、若手(60前後)竹下登を押す金丸・小沢を筆頭とする分派がついに創生会~経世会の既成事実化によって派閥乗っ取りを仕掛ける部分である。
(会は表向き政策勉強会であるが派閥政治の常套で「次の主流派に乗り遅れるな」という平議員の心理に働きかける。小池都知事がぶち上げたあの「希望の党」に民進党議員がうかうかと参集したのを想起せよ・・その後小池はハシゴを外した完全な「罠」。政策論争での選挙戦を「させなかった」のが小池現都知事である事を忘る勿れ。)

その角栄は数年来彼を疑獄に陥れたロッキードの案件では刑事被告人となっている。人気はあるが首相にはなれない。でもって、長い裁判の結果、有罪判決を下される。この事も要素となり政界での力を失う動きとなっていく。
史実を辿ったドラマだが、角栄の人物形象が優れている。(上に述べたが)通常省略される「物真似」をしながらの演技は、しかしこの人物像の場合抜かせなかったかも知れない。演説の調子、田中派の側近議員らを労う言葉、気遣い等一々気が利いており、「愛らしい」親父像であるが、特に演説は、高度成長期のスタンダードであるインフラ整備、地元企業への利益誘導が「地元の利益=全体の利益」である時代、たとえ方便であっても魅力的である。そこには貧しさへの共感と思いやり、不平等の是正という公共理念が流れているからだ。
何よりこの人物は、この数年極まった「説明しない」「理念、目標のない単なる政権維持のための政治」「不都合を排除する(公文書さえ廃棄、改竄する)」など日本のレベルの低さの無惨な露呈を痛ましく思う心に、一つのオルタナティブを示し、力強く溜飲を下げる。現実(史実)に連なるこの舞台はその数十年先である現在に連なり、劇場の中に完結して終わらず人物らの思いがチリチリと火が燻るように鳴っているようである。

ヴィヨン

ヴィヨン

アン・ラト(unrato)

シアター風姿花伝(東京都)

2020/10/28 (水) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

配信での視聴ができるとなるとつい手が出る。unrato=大河内直子演出と認識していたが今回は文学座新鋭稲葉賀恵。台本を持って喋る朗読劇だがかなり演出が入り、立ち位置、動き、台詞の割り振り、音楽、照明と結構作り込まれていた。
「ヴィヨンの妻」は映画を観たので太宰の分身らしき放蕩文士と妻の話であったのを思い出したが、紅一点の霧矢大夢+3男優の好演でコラージュ風の構成が一つの世界観に織り上げられている。終盤唐突に挿入される「藪の中」(映画『羅生門』の原作)の一場面も違和感なく効果的であった。

「獣の時間」「少年Bが住む家」

「獣の時間」「少年Bが住む家」

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2020/10/23 (金) ~ 2020/11/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/10/30 (金) 14:00

「少年Bが住む家」
よい舞台だなあ。ここには、悩んだり、失望したりしながらも、どうにか一筋の光明を見出そうとする、強靭というわけでないけれど、けして失われない幸福への意志がある。
 デファンが一四歳の時に犯した殺人の背景については、あまり描かれないが、それはそれとして彼の贖罪意識を軽微なものとさせない。むしろその事件の深淵を漂わせるように繰り返される暗転、暗闇の描写が、何物かに囚われたこの家族の悲劇をひどく私の皮膚感に刺激として残させるのだ。
 

ネタバレBOX

デファンに見える14歳までの自分、それは殺した友人の両親に謝罪へと向かう彼の贖罪への原動力である。姉の目は温かい、人はこれほどまでに優しくなれるのか、父の行動はたくましい、人はこれほどまでに強くなれるのか。だから、母は慟哭の闇に引き込まれることなく、最後の最後までデファンの背中を見つめることができるのだろう。

 保護監察官の「ヤコブの相撲」の話。彼は神に勝つことをもって、自ら生きる使命に気付かされた人間と言えるかもしれません。人生には、けして絶望などないのだと悟りながら。
はかりしれない光をもつもの

はかりしれない光をもつもの

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/11/03 (火) ~ 2020/11/10 (火)公演終了

満足度★★★

前半が静かにゆっくりとした展開でしたが、途中休憩後の後半になって、全体的に動きが出てきて、脚本がよく練られた内容であることが感じられました。前半のもやもやがうまく、最後にまとまったように思いました。

ネタバレBOX

小道具にもう少し手を加えてほしかったと感じました。
手作りの弁当(?)はあったのですが、飲み物(ペットボトルのお茶、缶ビール)、ごみ(四角い箱)など、臨場感が伝わってこないのでした。
「獣の時間」「少年Bが住む家」

「獣の時間」「少年Bが住む家」

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2020/10/23 (金) ~ 2020/11/02 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/29 (木) 14:00

座席I列3番

「獣の時間」
この役者陣ならば、ちょっとやそっと脚本が拙くとも、相応に魅せてしまうのだから、評価はそう悪かろうはずはない。煽情的なタイトルも、内容と相まって、よいセンスだなあとと感心する。
 ただ、私がびっくりしたのは、これが新作で、日本でのこの時期、公開前提で作られているということ。何か、はあ?となってしまった。日本帝国主義批判ですか。朝鮮植民地支配下の朝鮮人差別への断罪。まあ、それもよいだろう。あるいはプロデューサーかシライケイタ自身が選んだ脚本であるとすれば、それはそれで納得したと思うのだけれど。

 こうした作品は、もっともっと昔に書けたはずであり、より生々しく精緻な心理描写が観客を引き付けたのではないかと思うのだ。今これ、わざわざ書いてくる?という感想。
シライケイタの、パンフで前向きな海外舞台人との現在の交流を語っていることからして、
ホントにこの本でよかったのかな?と心配になる。別に、日韓の明るい未来を、何ていうつもりもないけれど。
 朝鮮人差別も、純粋な青少年たちの心を蝕むものではなく、その純真無垢な心が融和と相互理解を進めていくのだ、という主張。その通りかもしれません。

ネタバレBOX

 ただ、松本の妻がひたすら手をかけていた薔薇の蔓。彼女はそれによって本来は見えるものが見えなかったのではなく、敢えてそれを装飾することで見えないようにしていたのだなあ、という心理の蓋は、物語全般を構成する底盤として、彼女の悲惨な最期をもっていして貫徹されていたと思う。

 涼子を含めて、ただただ、ここに登場する日本人の皆、愚かしいことよ。結局、夢をかなえる可能性は、テスにしか許されていないのだから。

 消えそうにない不満が募る舞台、でも、芝居はすばらしいのだよなあ。
忖度裁判

忖度裁判

ワンツーワークス

シアターX(東京都)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/11/05 (木) 14:00

座席F列3番

おそらく、観劇に赴いた割と多くの人が、かの「12人の・・・」怒っていても、優しくてもよいのだけれど、を期待していたのではないかと思う。まあ、そうした法廷劇、サスペンスやミステリーではないにしても、題名からして司法制度を皮肉ったりしたコメディや風刺劇。

と、結局どちらでもなかった。何だったんでしょう。時の流行語にもなった(それで、初めて、私はこの漢字を知りました)「忖度」、裁判所が検事や世論に忖度したということは明快なのだけれど、それを皮肉ったり批判したりするのでもない。
検事側に殺人罪の適用が難しいからと予備的訴因を付けることを示唆する(敢えて、顔を立てて命令ではなく、検事側が自発的に行ったとする意図で)ところで、そうした配慮に裁判官の1人が、感情的な対応をする場面があるが、そんな目づらしいことでもないだろう。

題名や題材の解題はともかくも、観客はこの芝居をどう見ればよいというのだろう。はっきり言って、事件についてはわかるが、そこのまつわる情報量があまりに少なすぎで、裁判員の視点で観劇もできないし、裁判員たちも没個性で魅力を感じない。1号や、4号、7号のようなにぎやかしの存在も必要だと思うので否定するものではない。けれど、2号が語る「孤独」、8号が述べる「驚き」は、おそらく加害者の量刑をはかるうえで、重要な展開だと思うのだが、事件そのものが全く見えてこないので、どう受け止めてよいのか戸惑うばかりだ。3号と5号が進行を仕切るのだが、訳ありげな5号が訳ありげなままで、彼女の科会社の心情に対する共鳴が、どこから来るものやらさっぱり?
裁判官同士の確執も何に起因しているのか判らないし。

ネタバレBOX

激しい議論も、大きな疑問も、強い信念も示されることなく、審議は淡々と進み、多数決を繰り返して、量刑が決まりましたとさ。
最後判決が上告されて、みたいなどんでん返しも期待したけれど、それもなかったなあ。

 冒頭とラストを飾る6号の夢の話、おそらくは、3号が娘の上司だということを何らかの理由で知った6号が、娘の仕事のことで、計画的に意趣返しをしたのだろうと思うけれど、それいるかなあ。3号の自宅での出来事を描くためだけに下手に家具を置いたり。だいたい、娘が自分で解決するといっているのだし、詳しい話もしていないだから、、、、
 
 得体のしれない、というかよく解らない芝居でした。
 オープニングのダンスの高揚感と、6号の呪詛の怖さに評価+★1つ
はかりしれない光をもつもの

はかりしれない光をもつもの

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/11/03 (火) ~ 2020/11/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

めっちゃ楽しかったです。演者も芸達者たち、まちがいない!

くちづけ

くちづけ

タクフェス

サンシャイン劇場(東京都)

2020/10/29 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

笑いも多いけど、かなりシリアスで悲しい話なんですよね。何回か観ている演目だけど、今回は特に身に沁みました。

ゲバルトローザ

ゲバルトローザ

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2020/10/29 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

ところどころ「飛龍伝」っぽいような。

桜の園 四幕の喜劇

桜の園 四幕の喜劇

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです。ミュージカルの要素もあり、笑いも所々はいり、オペラのような高級感もあり最高でした。ここまでいいとは、ビックリしました。
主役の女性の役者さん、貴族の奥様の雰囲気が、バッチリでていて、世間知らずだけど、無邪気で可愛らしくて、上品で、素敵でした。
他の役者さんも、特徴のある、キャラクターを、魅力に演じていて、感動しました。
個人的には、私が見たかった作品は、まさにこれです。
本当に満足しました。
最高に素晴らしい作品でした。次回も、絶対観たいです。

カチューシャ、黒い目など、音楽も、お芝居を盛り上げていて、聴いていて、うっとりした。

シャンドレ

シャンドレ

小松台東

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/11/04 (水) ~ 2020/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/11/06 (金) 14:00

110分。休憩なし。

くちづけ

くちづけ

タクフェス

サンシャイン劇場(東京都)

2020/10/29 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつもそうなのか、収録日だったから殊更なのか宅間さんの要求が厳しくて若い役者さんが大変そうで思わず「頑張れ!」と声をかけたくなりました(かけませんでしたが)。瞬発力とそれが出せる日頃の勉強が大切だよねと思ったことでした。
そんなシーンや、柴田さんのシーンも面白くて大笑いしたのに、最後(いえ、途中もです)には泣いてしまう、タクフェスの舞台はずるい。

フリムンシスターズ【12月1日(火)と12月2日(水)の大阪公演中止】

フリムンシスターズ【12月1日(火)と12月2日(水)の大阪公演中止】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2020/10/24 (土) ~ 2020/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

ギャグと笑いと毒にくるんで、新宿二丁目のゲイ街や沖縄の米軍基地にまつわる差別や悲しみを描いていく。人生で挫折した登場人物たちの、再起の物語。自由への新たな一歩が最後は明るく華やかに歌い上げられる。松尾スズキには珍しい、メッセージがくっきりとした向日的な作品。たいへんおもしろかった。

ミュージカルなので、歌の場面も物語を盛り上げ、大いに感情を高まらせてくれた。猥雑で下ネタ連発の、少々長い前日譚のあれこれの後、冴えないコンビ店員(実は沖縄のユタの=長澤まさみ)と、落ち目の大女優(秋山菜津子)と付き人のゲイ(阿部サダヲ)が出会う。その第一幕の後半、長澤まさみが街中を突っ走っていく「うちはフリムン」から、物語が一気に活気づく。登場人物をリアルに造形し、観客の感情移入で、その世界を共に生きるというリアリズム演劇ではないので(いうまでもありませんが)、壮大なおふざけの中に、笑いと悲しみ、社会と歴史がうむ切ないあつれき、そしてあすを生きる活力がうまれてくる。デフォルメや人物像の単純化も多いので、そこは要注意。しかし、作者の視線は基本的にあたたかい。

「後ろからズドン」で、どんどん人物が死ぬが、死ぬことに悲惨はない。死んだ人は皆、派手な衣装で舞台に現れて、芝居を盛り上げる。ドンパチの見せ場が多く、最後は爆発・火災まであって、観客へのスペクタクルなサービス満点。はやめちゃとも言える様々な伏線をちゃんと最後は回収して、衣装も華やかな大団円だった。

長澤まさみは可愛いだけでなく、大いにはっちゃけていた。秋山菜津子も緩急自在にぶたいを牽引。おねえと江戸っ子をくるくるかわる阿部サダヲのギャグも絶品だった。ゲイの親分・信長とヤクザの親玉・徳川を演じ分けた、存在感たっぷりの皆川猿時の芸達者も素晴らしかった。そして、芸大声楽科で学び元劇団四季の笠松はるの歌が、ずば抜けて良かった。休憩20分含め3時間30分だが、長さを感じなかった。特に第2幕はもっとみていたいほど。

はかりしれない光をもつもの

はかりしれない光をもつもの

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/11/03 (火) ~ 2020/11/10 (火)公演終了

満足度★★★★

以前、読んだ本に、大仏の建立には、不思議な力が働いている、とあった。
その意味でも、この作品は、最後まで観たとき、奥が深い、と感じた。
最初は、単なる、よくある、青春群像劇と思ったが、途中から、違うと感じた。
終わってから、いろいろ、考えを巡らし、楽しませてもらった。
ネタバレのほうに.....

ネタバレBOX

最後に大仏に向かって、たまを投げた役者さん、最初は冷静だったが、最後は熱っぽく語り、すごーく、魅力的でした。
The last night recipe

The last night recipe

iaku

AI・HALL(兵庫県)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても場面場面が綺麗でした。また、人がもつ価値観は十人十色であることを再認識させられました。幸せとは何か?今のコロナ禍で、もう一度じっくり考えてみたいと思いました。幸福度が低い日本にとって、是非とも観てもらいたい演劇だと思います。

桜の園 四幕の喜劇

桜の園 四幕の喜劇

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

 初日を拝見、序盤ちょっと硬かったが中盤からほぐれ終盤には各々のキャラも立ってグンと良くなった。(華4つ☆)

ネタバレBOX


 それにしても、ロパーヒンの懸命な嘆願に耳を貸すこともできず、ラネーフスカヤの浪費癖は止まぬ。習慣となったその浪費は当に第2の天性として極楽蜻蛉そのまま。アーニャにしても母の浪費癖を止める手立てはなく、養女でしっかり者のワーニャは敬虔な信徒であっても、作者チェーホフより22歳年下のヴァージニア・ウルフがフェミニズムの先駆者としてその才をジェンダーの壁を超えようとすることで示したような発想さえできず節約することと、祈ることしかできぬ、彼女のキャラ創りは、当時のロシアの先進ヨーロッパ僻地としての複合意識やそのような文化レベルを表してもいよう。いい意味でも悪い意味でもこの指摘は当て嵌まろう。その分、人間存在の不如意をその存在感の深みに於いて表現する文豪が多く生まれたのもまたロシアなのであり、革命を何とか成し遂げたのもロシアであったことは、恐らく偶然ではない。人間存在が支えを失った革命前夜へ至る過程とでも捉えたら良いかも知れぬ。その意味、日本の作品であれば、太宰の「斜陽」の直治のキャラは案外、今作の登場人物に近かろう。例えば直治程自嘲的ではないアンドレーエヴィチはグータラで、オブローモフ程では無いにせよ貴族のプライドばかりで役立たずのウツケである。万年大学生トロフィーモフは、精神の革命を目論んではいそうだが、実務面が弱そうだ。シメオーノフも金銭にだらしないし、シャルロッタは頭も良くしっかりしているものの、出身階層が不確定な弱みを持つ。ドゥニャーシャは移り気、エピホードフは絵に描いたようなミムメモ。ヤーシャは、小手先の効く軽い男、フィールスは、時の流れの残酷を己の身に刻む老婆。旅の男、物乞い等が登場するが、トドのつまり、砂上の楼閣に過ぎなかった没落貴族とその破産を懸命に食い止めようと図った元農奴の倅・ロパーヒンの、現実をしっかり見つめ対処法を示しあまつさえ無駄遣いのフォローさえもしながら、遂には旧主人の魂の痛みを最小限に抑えようとの己の救いの手が届かなかったことに対する苦い人生の苦悩が、唯現実に破産という事態に遭遇して初めて身につまされるほど愚かな旧資産家達・極楽蜻蛉に対比され、それでも尚生きて行かねばならぬ場で、それまでの人生経験で培った人間関係にそれこそ、川島雄三ではないが“さよならだけが人生だ!”と言わざるを得ないような侘しさが表現されており、当にこの点にこそ、今作が我々現代人に訴えてくる底の無い虚無に向き合う人間実存が示されているであろう。今作を選び、今上演することに大きな意味を見た。初日の硬ささえ取れれば評価は更に高くなろう。

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