最新の観てきた!クチコミ一覧

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桜の園 四幕の喜劇

桜の園 四幕の喜劇

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても面白かったです。
古典的な内容の中に今どきの笑いも散りばめていて、演者の皆さんの表情豊かな演技も良かったです。大変楽しめました。
あと、開演ギリギリに伺ったのですが、スタッフのかたの対応もとても良く気持ちよかったです。ありがとうございました

はかりしれない光をもつもの

はかりしれない光をもつもの

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/11/03 (火) ~ 2020/11/10 (火)公演終了

満足度★★★★

久しぶりのシアターミラクルでした。内容は最初パタパタ感があり、どうなるかと思いましたが、最後はうまくまとめて感じでした。演者の皆さんの熱演も良かったですね。毎回、色々な試みで楽しませてくれるので次も期待ですね。

Galateia

Galateia

幻想芸術集団Les Miroirs

シアターシャイン(東京都)

2020/11/07 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

 中々、練った脚本。

ネタバレBOX

 ガラテイアは海のニンフ、ネーレウスの娘でこの名は乳白の女を意味する。ピュグマリオンはキュプロス島の王、象牙で作られた女に恋しアフロディテーに象牙像に似た女を与えるよう願った。結果、象牙の女に命が吹き込まれ、女との間に子迄生まれた。
今作はこの神話上の人物達と彫刻家、オーギュスト・ロダン。その恋人でも弟子でもあったカミーユ・クローデルの関係を重ね合わせつつ、カミーユの非凡であるが故の、あの時代に天才を示した女性であるが故の居所の無い即ち余計者としての苦悩と、ロダンの内妻の位置を占めていた凡庸であるが故にアイデンティファイ可能なローズの対比が当に彼女を引き裂いた大きな原因の1つであることを示すと共に、20代後半にはロダンの子を宿しながら堕胎させられたことによるショックも大きかったに違いない点は描かず、多くの自己作品を破壊した史実をロダンが創ったガラテイア像破壊に仮託して描き、その大理石像に命が吹き込まれ、ロダンはその大理石像に恋する形になっている。何れにせよ、居場所の無いカミーユの孤立に対して安定した母のようなローズの下に帰っていったロダンの裏切り、カミーユとの愛の証であった胎児の堕胎強制、唯でさえ鋭敏な天才であるが故に気位の高いアーティスト・カミーユの感性がズタズタに切り裂かれてゆくのは必然であった。1864年12月生まれの彼女は、遂に1913年に発狂、その後は生涯を精神病院で過ごした。因みに精神が不安定をきたしたのは1905年頃からである。
ところでカミーユを演じた女優さん、どことなく写真で見るカミーユの顔だちに似ている。また、中盤ずっと身に着けている衣装も、写真で見るカミーユの衣装に極めて近い。勝手な想像をするなら、本来カミーユに似ているハズのガラテイア像が別人の如く彼女の目に映るのも、この精神のアンバランスを表していると言えよう。ローズについては、「花飾り帽子の女の子」のモデルとしても有名だ。キュートな女性であったことは間違いあるまい。今作でもそのことがベースになった挿話が挿入されている。
桜の園 四幕の喜劇

桜の園 四幕の喜劇

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★

わかりやすくて、おもしろくて、感動しました。

忖度裁判

忖度裁判

ワンツーワークス

シアターX(東京都)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/05 (木) 14:00

その忖度、誰のためですか?と問い続けた2時間。
ストップモーションの動きが、思考停止のようで印象的。
いじめも結局は忖度の果てのひとつか、と思われた。
裁判員6番の迫力に一票!

ネタバレBOX

お受験ママ友同士だったのに、そのママ友の娘を自分の車に乗せ
放置して死なせたという裁判が開かれる。
本当に雑事に紛れて、乗せていることを忘れてしまったのか、
ママ友に対する嫌がらせだったのか、
ライバルの子を、殺意を持って放置したのか・・・。
集められた裁判員6名、補充裁判員3名はそれぞれ本名を名乗らず
番号で呼び合っている。
世間が注目する、マスコミも注目する、判決には前例がある・・・。
緊張し、翻弄され、忖度だか先入観だかもうわからなくなっていく裁判員たち。

中で6番(奥村洋治)の家庭でのやり取りが挿入されるのがミソ。
彼の娘は職場でいじめに遭っている。
ある時娘は父親に職場の写真を見せる。
この中の全員が彼女を無視しているのだと言う。
そこに写っている上司は、裁判員3番の男だった。
「自分で何とかする」と言い張る娘、娘にまかせようという妻。
だが父親はある方法で3番の男に立ち向かう。

法廷ものの群像劇としては、バラエティに富んだキャラや
裁判のシステムを上手く説明していて、楽しめる。
最も影響力のある忖度をしている人物は
裁判長をはじめとする裁判官側ではないか。
世間の注目度や過去の判決事例を、合理的と言えば言えなくもないが
常にバランスを取ろうと躍起になっている。
中道路線から外れまいとするように見える。

さて、職場でいじめを受けている娘をどうやって助けようか。
父親である6番はどれほど知恵を絞ったことだろう。
その結果が、裁判の休憩時間に語られる「夢の話」だ。
誰かを罵倒し続ける夢を見る、という彼の話は最終日
「昨日あなたが夢に出て来た」と、3番の男に向けられる。

裁判員たちを、常に上から目線で仕切り続けた3番の男は、
完膚なきまでに論理の皮をひん剥かれ、罵られる。
この迫力が素晴らしい。
誰かを守ろうと闘う強さに溢れている。

法廷と並行して、この6番の娘のいじめを持ってきたことにより
罪の意識の無い“忖度”が急に身近になる。
いじめる部下たちは、この上司である3番の男に忖度している。
同僚たちにも忖度している。
忖度の連鎖は、やがて一人の人間の命を追いつめるかもしれない。
父親の罵声には、その危機感があふれていて、それが
単なる罵声でなく、正当な批判として突き刺さる。

「自分で何とかする」という娘の気持を尊重したいという
父としての“究極の忖度”がここにはある。
その忖度の強い優しさに打たれる。


ビューティフル【11/24昼は舞台機構の不具合のため公演中止】

ビューティフル【11/24昼は舞台機構の不具合のため公演中止】

東宝

帝国劇場(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/28 (土)公演終了

満足度★★★★

3年前の初演はキャロル役のWキャストのうち水樹奈々版しか観られなかったので、今回は平原綾香版を。平原キャロルの歌は流石の説得力だったけど、今年いろいろ環境の変化があった水樹キャロルの方も何だか気になって来た。

客席は1つ置きで、ロビーのベンチも間を空けてでしか座れず。初演の時はロビーにサイン入りの大判ディスプレイボードなどもあって華やかだったのが、今回はほとんどなしで少々寂しい。第1幕80分、第2幕65分。休憩が換気+トイレの混み具合を考慮してか30分と長め。

ネタバレBOX

ジェリー・ゴフィンとの結婚生活の溝の描き方がやや弱め、というのは初演でも感じたことだが、あまりそれを生々しくやると、このミュージカルの楽しさや清々しさが減じられてしまうのかも。
The last night recipe

The last night recipe

iaku

AI・HALL(兵庫県)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった☆主人公の女性の思考や生き様に一ミリも共感出来ないので、あの運命に涙するような切ない感情は沸いて来ないです★その代わり回りの登場人物達があまりに魅力的でストーリーに深みを与えていて極上のドラマに仕上がってるのが素晴らしかったです☆

桜の園 四幕の喜劇

桜の園 四幕の喜劇

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

タイトルにある「四幕の喜劇」は、表層的な笑いを誘い喜劇とした訳ではないだろうが、結果的に観せ方(演出)がそうなったように思う。チェーホフの戯曲は、当時のロシアの社会・政治状況を背景に旧・新を代表した人物を登場させ、矛盾した状況を皮肉ることで喜劇化したのではないか。もっとも個人的には単なる喜劇ではなく”悲喜劇”のように思えるのだが…。
いまだにこの作品が読まれ、上演されるのは、時代を超えてそこに生きる人々の生命力を賛辞しているからではないか。没落富豪(貴族)のラネーフスカヤを始め、未来志向のロパーヒンやモトフィーモフ、登場する人物すべてが何とか生きようとする、その人間洞察、鋭い社会批判を指摘する。そして現代でも色褪せない生き生きとした会話が魅力である。
戯曲は面白いが、それを体現する役者の演技力に差があるようで、芝居としてはバランスを欠いたようで残念。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

四幕(第一幕:昔ながらの子供部屋内、第二幕:原野、第三幕:客間、第四幕は第一幕と同じ)とあるが、舞台セットは転換しない。基本的には素舞台で、いくつかの箱馬を並べ、その配置の変化で状況の違いを見せる。また何種類かの飲み物で場面を補足する工夫。
素舞台であるだけに、役者の技量が問われるところ。先に記したように演技力のバランスを欠きかみ合わない会話劇の面白さが十分伝わらない。

梗概は、没落富豪のラネーフスカヤ夫人は、裕福だった頃の感覚が抜けず、お金を浪費し続け借金だらけ。生まれ育った家、土地ー桜の園が競売にかけられることに…。何とかそれを回避しようとする養女ワーリャ、親身にアドバイスする商人のロバーヒン。19世紀末の農奴解放令後のロシアという背景である。八方塞の状況において、各人が志向する未来も異なる。しかし足元はそれでも逞しく生きる、その共通した思いがラストシーンの救いに繋がる。

生まれ育った家や土地を失う女主人、その養女で、何とかこの危機的状況が回避できないかと祈る姿、それだけ観ればセンチメンタルになる。一方、商人や学生(ベーチャ)は成り上がり者らしく強か。互いにすれ違う会話がyesかnoの二者択一という限定ーまさしくTo be, or not to be, that is the question.の世界。一方そこはかとなく漂うほろ苦いユーモアが物語の基調を形成しているから悲劇であり喜劇でもある。

社会的なことは桜の園(自然)を破壊し、金銭のために別荘(開発)を建て金儲けを企てる。過去の栄華にしがみつく人々、一方未来というか目先の金儲けに目がくらむ人々。その短絡的な思いは、別荘開発によってすぐ金が入るが、回復するのに何十年、何百年かかるか分からない自然破壊の代償をもって得たもの。そこに人間の愚かしさ、矛盾を見るようだ。
次回公演を楽しみにしております。
秘密基地

秘密基地

劇団アレン座

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

話し自体はイイショと比べてそんなに暗くないが、2,3回観劇すると色々考えさせて、未熟な私にとって素晴らしい作品だと思います。

最終電車極楽橋往

最終電車極楽橋往

MEHEM

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2020/10/16 (金) ~ 2020/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇場での観劇、アーカイブ配信での観劇、ノベライズ。
様々な媒体で楽しませて頂きました。

ネタバレBOX

時は大正時代、怪異が居る世界、大正浪漫の世界。
華族の家柄、父親の分からない子供ということで、肩身の狭い想いをしながら過ごすエミ。
母の死をきっかけに家を出されることに。
そこに現れる、母の旧友の青山。
青山に連れ出され、見知らぬ父親を探す旅に出る。
汽車の旅、切符は書き手の想いの残る手紙。
汽車ってのがいいですよね、銀河鉄道とか色々と連想する。
手紙は白紙、文字が消失している、切符を切る毎に、そこに書かれていたはずの思い出の残る場所へ誘われる。

巡る場所には、それぞれ怪異がいて、それぞれに父親との思い出が語られる。
ここがとても楽しかったです、一緒に旅してる気分。
旅を通して各キャラクターの個性が掘り下げられて、役がどんどん質感をもっていき、親しみが湧く。
スピンオフで、この巡る場面いっぱい創れそう、ていうか観たい、もしくは読みたい。
怪異と聞くと個人的には某物語シリーズが頭に浮かびますが、怪異辞典とかあったら読みたいかも、他にどんな怪異がいるんだろう、でもあんまりおどろおどろしくない書き口なのがいいな。

青山の想いがせつなかった…。
思い出の中、ちづちゃんと一緒にいる時の青山の表情が、あまりに幸せそうで、愛おしさが滲み出ていて。
正一の消失の真相明らかになり、ちづちゃんの娘から責められ罵られ想いを暴かれた時の青山の泣き出す一歩手前な表情が、あまりに辛そうで悲しそうで。
ずっと好きだった想い人が、突如現れた男に奪われてゆく、それを祝うことしかできない、見てることしかできない。
記憶から消えてもなお、独りぼっちにされてもなお、夫を想い続けこちらに想いを向けてはくれないちづちゃんを前にした時の絶望。
ずっと、ずっと、傍に居続けていたのは自分なのに。
自分にもしものことがあった時は娘をよろしくと、憎い恋敵との間との子を託された時の気持ちは、如何程だったろうか。
それでも、正一の消失に罪の意識を背負う青山は、託された娘を連れて、父親に会わせる旅に出る、命を賭した贖罪。

エミが青山を責め立てている場面は、辛かった。
紹介はした、だけど選んだのは正一自身、拒絶することもできた、なのに言い訳するでもなく、弁明するでなく、エミの言葉全部受け止めて罪を背負って死を選ぶなんて。
幼い頃からきっと青山はずっとエミのことも可愛がってた、大切にしてくれてた。
それも全部なかったことかのように、帳消しに、そんなのって…。

青山は、果たしてそんなに悪いことをしたのだろうか、と思う。
確かにサトリに引き合わせはした、だがしかし、無理強いをしたわけではない、サトリと契約することを選び取ったのは正一自身。
自身の存在と引き換えにしてまでも、小説家として成功を納めたかった、納得のいく作品を書き上げたかった、そしてそれは叶った。
取引の代償で結果自身がどうなってしまうのか、事前にどこまで承知しての選択だったのかは分からない、でも劇中のサトリの台詞からは納得ずくだったのだと覗える。
ならば、例え存在がこの世から消えてしまおうとも、書きたいものが書けて、そしてその作品はこの世に残り続ける、それは自身満足のいく人生だったのではないだろうか…。
何が正しくて、何が間違っていて、何が幸せで、何が不幸せか、それは他人が決めることではない、自分だけのもの。
正一はどこまでも芸術家で、そして妻も芸術家だった夫を愛していた、芸術と妻どちらの方が大切だったかということではなく、そんなの比較できることではなく。

それでもやはり心残りは、妻を置いてゆくこと、産まれてくる子供に一目会うこともできないこと。
その心残りこそが、この旅の始まりだった。

旅を終え。
父が書き残した作品、その足跡を辿って引継ぎ書いた娘の作品、永遠に残り続ける親子の競作。
父の作品は、人の記憶から消えても残り続け。
母の記憶からも父は消えたけれども消えて尚、愛していたという感情だけは残り続けていた、覚えてないのに、気持ちだけは。
同じように、この旅で見た父の記憶は娘の記憶からは消えてしまうけれども、著書と共に、父への慕わしさは残り続けるのだろう。
旅に出る前とは違う、旅に出たことは無駄ではなかった、得られた温もり。
旅を通して、周りの自分を支えてくれる存在にも気づけた、従妹は自分を大切に思ってくれてるし、旅を一緒にしてきた二人も心から自分を心配してくれてる、自分はひとりだという思い込みから脱せた。

作品は時代を越えて残り続ける、人が没した後々までも。
そしていつかこの作品を読んだ誰かが、また旅に…ということまで思い馳せてみたり。
観終わった後までも、この世界から去りがたい、抜け出しがたい気持ちにさせられる。
美術、灯り、音楽、衣装、演じる皆々が、隙なく揺らぎなく世界を創り上げてくれていたので、わたしは一瞬たりとも現実に還ることなく、この世界に居続けられた。
きっとこの舞台の上にあるどれが何一つ欠けたとしても誰ひとり欠けたとしても、実現はしなかったのではないだろうか、結集したからこそ。
この作品を劇場で観られて良かった、観終わってまだこの世界に浸かっていたいなぁと思わされる極上の2時間を過ごさせて頂きました。

また後にノベライズも読みました。
人物像や関係性等が舞台版とは異なる印象で。
これはこれでまた一つの並行世界、作品における姉妹として。
舞台のコミカライズが流行っている昨今ですが、わたしは触れたことがあまりなく。
こうして世界が広がって紡がれてゆくのも、悪くないなと思いました。
京都の鞍馬山、南海高野線の極楽橋駅という、聖地巡りも悪くない。
桜の園 四幕の喜劇

桜の園 四幕の喜劇

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/07 (土) 13:00

重厚で、ユーモアもあり、素敵な舞台でした。

異空間クラスター

異空間クラスター

壱劇屋

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2020/10/28 (水) ~ 2020/10/29 (木)公演終了

満足度★★★★

面白かった。久しぶりに音の圧を浴びて、テンションあがった。前作(?)の『空間スペース 3D』のニュアンスもありつつ、今回制限ある中で新しいアイデアもあったのが良かった。ラップもダンスも皮肉めいた演出も好き、何より踊りたくなるような公演好き。微体験。

初恋2020

初恋2020

日穏-bion-

シアター風姿花伝(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/06 (金) 19:30

 いつもながらの「いい芝居」を見せてもらった。
 2008年に劇団の旗揚げ公演で上演し、2014年に再演した作品で、4話の短篇集の三演。もともとは11人いた役者を4人に絞り、主宰の岩瀬と客演の伊原は全話に登場することになった。
 1話「観覧車」は2008年の物語。観覧車の同じゴンドラに、高所恐怖症の女(岩瀬)とヘビースモーカーの男(伊原)が乗り合わせるが…、という展開。笑わせつつも切なく終わる。20分。2話「手紙」は1950年が舞台で、戦争から帰ってきた男(伊原)が水商売の女(中島)のヒモになって一緒に暮らしているところに戦争前に婚約していた女(岩瀬)が訪ねて来るが…。戦争で別れることになった男女の切ない物語だ。20分。3話の「幼なじみ」は2008年を舞台に、兄(服部)と妹2人(岩瀬・中島)とやっている田舎の文具店に、東京に出た幼なじみ(伊原)が久々に訪ねて来る…。幼い頃の恋心が切なく終わる。20分。ここで換気のため休憩が入り、4話「故郷の雪」は1964年という前の東京オリンピックの年に、娼婦宿の女(岩瀬)のところに客の男(伊原)が来たが、別れた恋人との思い出を女に演じさせるという変わった客…。これも別れた恋人との切ない思い出の物語だ。30分。どの話も切ない別れを描いているし、戦争の悲惨さという通奏低音もありそうだで、緩やかに繋がれている辺りは、岩瀬の脚本の巧さを感じた。
 大久保貴寛のバイオリン演奏が各話を繋ぐ。

手紙

手紙

劇団キンダースペース

劇団キンダースペース アトリエ(埼玉県)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/11/06 (金) 15:00

コロナ禍以降、古典劇を観たいと思い続けてきた。コロナ禍の現状を反映した新作や、福島禍と結びつけるような作品、うんざりだ。もう十分に疲れた、まだ疲れさせるつもりかと。

モームの作品、十分だ。「手紙」、イプセンほど堂には入っていないが、人間の愚かさを諦観するよい作品だと思う。

人の愚かさを描こうとするときに、共感や同情は無用だ。どうしても、情緒に流れてしまいがちになるし、悲観や哀感は下げすみを伴う。ただただ、冷徹であること。

主人公レズリーの行動に、弁解の余地はないだろう。パンフレットにて原田一樹氏が、恋愛の幻想性に触れている。が、それを説いたうえでも、その幻想性は、理性に対する感情の詐
術でしかなく、その詐術に意識無意識にかかわりなく乗っかってしまうことに、人間の愚かさを観ることになる。

ネタバレBOX

この舞台の面白さは、レズリーが犯した罪(夫への裏切り、愛人の殺害)そのものは、手紙の存在なくしても、断罪されてしかるべきであるのに、手紙の存在が彼女の罪を増幅したことにある。ロバートの未来の喪失、ハワードの背任行為、そして物語後に生じたであろう数々の軋轢、レズリーに訪れるであろう厳しい孤独。

 今回の作品を観る限り、どうも強さが足りないと思う。そもそも手紙が出てきたのって、家に手紙が置きっぱなしになっていた(あるいは、愛人が妻に念のために託しておいた、といって売っちゃうんだものなあ。でもその方が大きな復讐と考えられなくもない。)
 周囲の人物たちが、もっと注意深く現場状況を探り、2人お関係を追っていれば、かようなまでの悲劇は起きなかったのではないか。甘い憶測と偏った判断が、ロバートやハワード、そして一層(自業自得とはいえ)レズリーから何を奪ったのか。
 愚かさの連鎖は、冷淡なまでに被害を拡大させるのだということを、もっとラストに向けて強度をもって描いて欲しかった気がする。これでは、レズリーの懺悔録でしかない。
コロス県自殺市呪い村四丁目

コロス県自殺市呪い村四丁目

U-33project

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/10/30 (金) ~ 2020/11/03 (火)公演終了

満足度★★

鑑賞日2020/11/01 (日) 19:00

 書き忘れていたので、今更だけど書く。なんだか勿体ない芝居だった。
 「鈴木さん」が亡くなり、通夜に、恋人・上司・同僚・親友・趣味仲間・友達・ライバルが来るが、個人の遺志でゲームをすることになり…、という奇妙な設定。それぞれの設定の意味が今一つ分からず、演じられている内容も今一つよく分からない。当パンで作者は「過剰を過剰に表現した」と書いていて、確かに過剰と思うものが表現されているが、登場人物達がゲームを続ける動因が分からず、「???」で終わってしまった。
 役者陣の力量があることは分かるので、なんだか勿体ないと思ってしまう。

陽だまりの彼女

陽だまりの彼女

劇団時乃旅人

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2020/02/29 (土) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

半年以上遅れの「観てきた!」コメントで申し訳ありません。
コロナ禍非常事態宣言前に拝見した最後の公演。

千秋楽観劇。

『中学時代バカでチビでいじめられっ子だった真緒と、客先で再開した浩介。2人は恋に落ち、幸せな日々が続く筈が…』

珠玉の純愛ファンタジー。女子が男子に読ませたい恋愛小説ナンバー1の舞台化。
割愛されたエピソード等あり少し残念ですが、でも感動した!
劇団時乃旅人さんの公演を拝見したら、映画の方も拝見したくなりました。
レンタルしようっと!

劇団晴天の「曇天短編集」vol.2

劇団晴天の「曇天短編集」vol.2

2223project

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/11/06 (金) ~ 2020/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/11/06 (金) 19:30

115分。休憩なし。

判で押したような

判で押したような

劇団さんばれんてぃーの

STAGE+PLUS(大阪府)

2020/02/29 (土) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

半年以上遅れの「観てきた!」コメントで申し訳ありません。

千秋楽観劇。
和大OGのさんばれさん、やっと拝見できました。

電子錠一斉施錠テストで缶詰にされた先生と職員と判子ちゃん。
ゆとり世代や判子ちゃんの不遇を巡り、気まずい空気が…

奇妙なシチュエーションですが、妙に現実っぽく、でもコミカル。
絶妙なバランスで面白かった!

忍武の砦

忍武の砦

劇団光合聲

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2020/02/29 (土) ~ 2020/03/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

半年以上遅れの「観てきた!」コメントで申し訳ありません。

学生演劇のいろんな劇団さんから(精鋭の)役者さんが参加。

信長,家康,武田の情報戦のすえ、
桶狭間,姉川,長篠,築山&信康切腹,伊賀の影で…
とても興味深い解釈で、面白い結末でした。

狭い舞台で大勢での殺陣、迫力満点、所作や着物等も見応え有り。

ps.開始5分遅れ含め145分は少し長かった。
もう少し短目が良いかも…

盗め!スージーウー!!

盗め!スージーウー!!

0F-ゼロフレーム-

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2020/02/27 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

半年以上遅れの「観てきた!」コメントで申し訳ありません。

千秋楽観劇

世界1の泥棒目指し、おチャラケと真面目Grに別れて泥棒合戦?
世界1の富豪からお宝を頂け!

ダンスも見応え有り!
何故おチャラケGrが泥棒として成り立っているのか?素朴に疑問!
そんなこんなで、色んな物がごった煮で少し整理が必要な気も…まっ愉しければ良いか!

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