最新の観てきた!クチコミ一覧

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ムサシ

ムサシ

ホリプロ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/09/02 (木) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

渋谷の初日観劇。コロナの憂鬱を吹き飛ばすような満員の客席。初演からほとんど変わらない座組で、主演級の俳優が綺羅星のように並ぶ舞台。圧巻の三時間だった。今回、沢庵和尚役が塚本幸男に交代。初演で演じた辻萬長さんは8月になくなり、カーテンコールでは、井上ひさし、蜷川幸雄とともに、辻さんの遺影もキャストがもって現れた。芝居のメッセージそのままに、死者から生者へとバトンタッチしながら公演を重ねる。初演から12年、まさに一種のロングラン公演になりつつある。

この舞台は見るたびに違う側面に気づかされるが、吉田鋼太郎の色気と茶目っ気たっぷりの演技が目を引いた。魅力はセリフだけでない、四場「狸」の、仇討のための剣術稽古とその後の決闘は、身体表現としてダンスのようで面白い。また、白石加代子の見せ場は、初演では二場の「蛸」の能にびっくり仰天したが、もうひとつ、5場の「鏡」はそれ以上の長セリフ(身の上話)と見せ場になっていることも発見した。

そういえば、音楽も尺八と拍子木を使った、冒頭の純和風から、ついで竹やぶに寺が出現するところはアンサンブルのテーマ曲と、いろいろ趣向を凝らす。討ち入りそのほか、ざわざわする場面では、舞台じゅうの竹やぶが揺れるのも効果万点。

ネタバレBOX


「年をとったものはそれだけ、冥土に近いのだから、その話は聞いておくものだ」というせりふは、実は皆冥土の住人として、最後の訴えを聞いて欲しいというラストの伏線になっている。筆屋乙女(鈴木杏)たちが仇討ち前に、「成仏できずに、この世をさまよい続けるのは嫌。平心様は残って、私たちを弔ってください」とみなで必死にすがりつつ念仏を唱えるのも、ラストの「成仏させてください」と見事に重なる伏線。ただ、その場では「葬式はまだ早い」とギャグで終わるので、伏線とは気づかないのもうまい。

ラストは知っていても、見ていて心にグッとくる。「おふたりがお命を大切になさることで、私たちを成仏させてください」と、俳優たちが白装束で必死にすがると、迫力がある。「成仏を、成仏を、成仏を!」という願いの迫力は、文字だけとは、全然違うところだ。

四場の最後、塚本・沢庵和尚が「大事な宝物が…宝物が…」と、セリフが飛んだらしく言いよどんでいると、吉田・柳生宗矩が「よくわからんが、言いたいことはなんとなく分かるぞ」とカバーして、客席、大爆笑だった。機転を利かした絶妙な受けであった。
丘の上、ねむのき産婦人科

丘の上、ねむのき産婦人科

DULL-COLORED POP

ザ・スズナリ(東京都)

2021/08/11 (水) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#丘の上、ねむのき産婦人科
#DULL-COLORED POP
#ダルカラ
#A通常版
B男女入れ替え版を観てからの観劇となり、期待以上の効果がB版によってもたらされたのではないかと思う。特筆すべきは #李そじん さん。最も客席の共感を呼ぶ二人の話のように思う。西洋のように子どもを預けて夫婦も大人の時間を楽しむ…というスタイルは馴染まない日本の一般的な家庭の悩み。ユーモアを織り交ぜながら、大人の楽しみを削って子どもに合わせなければならない未来を想定する。子ども優先を良しとし、そこへ導いたのに…遠い目をする妻の微かに滲む憂いに胸がギュ~ッとなった。頬をつたう一筋のソレが予想外のタイミングで胸を突かれた。寄り添っているようで妻の不安に気付けず、妻との時間を大切にしているようで検診から流れた時間に気付けない #東谷英人 さん演じる夫。この夫がダメなのではなく、多くの日本の男性がそうであろうということこそが胸を痛める。客席の笑いと涙が一番多かった二人。李そじんさんの瞳の雄弁さに今作でも心奪われた。

#岸田研二 さんがイイ。出過ぎない存在感。それでいて、困惑や葛藤がクッキリと浮かび上がる。今後も観続けたい俳優さん。

驚きは #倉橋愛実 さん。福島三部作の1961再演時で出会った彼女。ハスキーなのに張りのある通る声が好きな「女の子」だった。それが見事に艶やかなオンナとしてそこにいて…惚れ惚れ。ジーンズの脚のなんと美しいことか。彼女が仕掛けた地獄の入口。その奥の景色はどんなことになっているだろう。背筋が凍る気持ちがした。

カノン【8月19日~31日公演中止】

カノン【8月19日~31日公演中止】

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/08/19 (木) ~ 2021/09/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

野上絹代の『カノン』を観劇。
(野田秀樹の戯曲を若手が演出するシリーズ)

京の街では猫の瞳(キャッツアイ)という盗賊があちこちに出没している。
そんな最中、女首領・紗金が天麩羅判官に捕まってしまうが、牢番の太郎をたぶらかし脱獄をする。失敗を犯した太郎だが名誉挽回に猫の瞳のスパイになるのだが、気がつくと彼らの思想に感化され皆と一緒に自由を盗みに行くのであった.... 。
野田秀樹版を観てないのが悔やまれるが、夢の遊民社を彷彿される圧倒的な速さで俳優は走り出し、見立て、セリフが飛び交う。以前にはなかった機能を有効に使い、速さは更に加速度を増す。戯曲の言葉遊びの部分を大事にしているせいか、台詞の裏に書かれているテーマが大きく効いてくる。
野田秀樹版は猫の瞳(キャッツ・アイ)を連合赤軍とし、紗金は永田洋子だ。
勿論今回もそうなのだが、野上絹代は決して連合赤軍と声を大にせず、自由を求めている世界の革命家へのレクイエムとして描いているからか、戯曲の世界観が一段と大きくなり作品のテーマが己に深く食い込んでくる。

猫の瞳(キャッツ・アイ)が盗み出そうとするドラクロワの『民主を導く自由の女神』
それこそが彼らが狙う自由なのだ。
だが盗み込んだ先には巨大な鉄球が打ち込まれ、空から沢山のビラが降ってくる。
世界のあちこちで行われている、永遠に終わる事のない自由を盗む行為に本当に自由があるのだろうか…?
KPOPミュージカル「BACK TO THE STAGE」シーズン1

KPOPミュージカル「BACK TO THE STAGE」シーズン1

Smile Music Hour

シアターシャイン(東京都)

2021/08/24 (火) ~ 2021/09/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

あの小劇場、シアターシャインでKPOPミュージカルという異色の組み合わせ。
帝国劇場とまで言わなくても本来そこそこな収容人数&お洒落な劇場で公演してもおかしくないモノをシアターシャインで観た場合どうなるか・・・観客一人あたり、舞台から受け取る熱量がリアルにハンパなく、妙~に緊張しました。
こういう高揚感と隣り合わせの緊張感は大歓迎です。

実際にもっと大きな劇場の場合、ライバルグループの出現とか人間関係図にも肉付けが必要なのでしょうが、本作はすごくシンプル。
シンプルにて青春アイドルの王道。
もうちょいストーリーに細工があっても良かったかなと。
しかしシンプルであってもミュージカルな流れは何故か全然退屈しないですね、それに加えて緊張しちゃっているからもう。

KPOPアイドル物ゆえ、コンサートシーンも多数。
5人グループが激しく歌い踊るには窮屈じゃ?と思える舞台スペース
まさに所狭しと歌い踊っていました!

もし推しのキャストがいたり、見つかったりしたなら★は5つを遥か突き破ること間違いなしの濃厚な空間でした。

おとうふ

おとうふ

劇団道学先生

OFF OFFシアター(東京都)

2021/08/27 (金) ~ 2021/09/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/09/02 (木) 14:00

木綿。105分。休憩なし。

丘の上、ねむのき産婦人科

丘の上、ねむのき産婦人科

DULL-COLORED POP

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/09/01 (水) ~ 2021/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

母親に感謝です❕でも、将来の日本は大変だ…😰産婦人科になる医者も減り、子供👦を育てる金も…😢これも無能な政治家と税金で飯食ってる公務員が原因ダ!日本もタリバンみたいな変革者が必要かも。

丘の上、ねむのき産婦人科

丘の上、ねむのき産婦人科

DULL-COLORED POP

ザ・スズナリ(東京都)

2021/08/11 (水) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#丘の上、ねむのき産婦人科
#DULL-COLORED POP
#ダルカラ
#B男女入れ替え版
ABを2回ずつ購入したので、本当はAから観たかったけれど逆から。
福島三部作に続いて、よく取材(資料等を含め)されて書かれた作品で、妊娠出産にまつわるさまざまなケースが提示される。「なるほどなぁ」や「そうだよなぁ」が積み上がる。
産婦人科の待合室の悲喜こもごも。いろんな男女がそれぞれの事情を抱えてそこにいる。それぞれの表情がそれを映し出す。
この男女入れ替え版は、やはり意図せずとも何かがデフォルメされてしまうのではなかろうか。もしかすると、単純に、男女を入れ替える演劇があまり好きではないからそう感じてしまうのかもしれないけれど。ただ、この取り組みはむしろ、男女を入れ替えないバージョンに活きてくるのではないかと期待する。カップル双方の台詞、逆の立場の感情を考え演じてみたからこそ掴める何かがあって、それが自分の性による感情表現に変化をもたらせると期待する。

デンギョ-!(再演)

デンギョ-!(再演)

小松台東

ザ・スズナリ(東京都)

2021/09/01 (水) ~ 2021/09/07 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#小松台東
#デンギョー!
ウイルス感染予防としてではなく、人間関係には適切なソーシャルディスタンスはある。実質的な距離を保つことと同様に、関わりや関係性における適切な距離というモノも存在し、それを保つということも良好な人間関係には必要だと思われる。それは壁と言い換えてもいい。自分の心や生活を守る城壁。それを越えて踏み込むこと踏み込まれることには恐怖を感じる。多くの人が他者のことに興味津々ではあるけれど、上手に見て見ぬふりをし無関心無干渉でバランスをとる。実生活ではそうやって衝突を回避しながら生きているものだ。しかし、ココの人たちは違う。その城壁を飛び越えて懐に入って行き入って来る。飛び越えて相手に関係を迫る原動力は愛に他ならない。

人間に…仲間に…人生に…向き合うのか、そっぽを向くのか。
ここに集まった人は、みんな向き合う。ひとりひとりが皆、人生という舞台の主人公なのだということを思い出させてくれる。それほどまでに、全員が素敵で、全員に存在意義を感じ、ここで語られないドラマを生きてきた人間として確かにそこに存在した。

気になるのは、今作のJOKERとも言える、最後までヒール役を貫くスズキの存在。このシリーズでずっと憎まれ役を演じ続ける #瓜生和成 さんのタフネスに敬服する。

人と生きる上で、やはり挨拶は重要だなと感じさせられる。流されれば絶望や孤独が胸に刺さり、交わされれば安堵と喜びが胸を満たす。乾いた心が一瞬で潤う。市井の人々を応援する演劇が、また一つ誕生した。いや、再演だから…「成長した」と言った方がいいだろうか?

それにしても、特筆すべきは #吉田電話 さんの素晴らしさ。彼が演じるイワキリがそこにいる自然さが愛すべき世界だ。奇しくもパラリンピック開催期間に上演されていることに感謝し、この世界が、素晴らしき愛すべき世界に近づけることを願う。

THE SHOW MUST GO ON

THE SHOW MUST GO ON

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2021/09/01 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

終わりに近づくにつれ、爆笑度が上がり、最後の場は、笑いっぱなしだった。カトケンはもちろん、ワンツーワークスの奥村洋治、Pカンパニーの林次樹、お馴染みの加藤忍と、とぼけた辻親八と、存在感のある芸達者な役者が揃って、面白かった。秘書役の岡崎加奈も可愛くて、若い作家の恋人役にピッタリ。マネージャー役の新井康弘が、強面で頑固なわからずや役を好演していて、この壁を突破するという芝居に、リアリティを与えていた。

金がなくてホテルを追い出されそうな劇団が、どうやって危機を乗り越えるのか。スポンサーが現れるが、ただそれでうまくいくのではひねりがない。コメディーとしてハッピーエンドはお約束としても、そこに至る予想外の壁また壁が、非常によくできている。戯曲の功績。翻訳も、これ本当に原文どおり? アドリブでない? というギャグ満載で、今このために書かれたよう。役者のうまさもあるだろう。

ネタバレBOX

どう波乱を起こすか。スポンサーを名乗り出た男が、食わせ者なのかなと思うと、これはまとも。実は、ホテルのマネージャーの横暴な横槍でヘソを曲げてしまう。そっから、次のヤマへ。不渡手形が発覚するまでの5日間の間に、初日を迎えてしまおうと決まる。ここまで2場。3場は初演の30分前のゴタゴタ。そして4場が、マネージャーを食い止めるっための自殺狂言で、爆笑ものの珍騒動。最後は上院議員のお陰でちゃんとハッピーエンドだった。
湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。

湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/08/27 (金) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

黙阿弥の三人吉三とはぜんぜんちがう。ハマのやくざの親分二人と悪徳警官、その娘息子三人の、親子二代の物語。メインの葛藤は父親たちにあり、子供同士は仲がいい

かつての5億円をめぐる疑惑が、思いもかけない結末へ。全体、リアルというよりTheatricalなのは、そこは歌舞伎がもとのせいかもしれない。かつての任侠映画をコミカルにしたような味わい

ネタバレBOX

弱気の親分のラサール石井が、いつもとは違う雰囲気で、良かった。ちょっと見、ラサールとはわからない化けぶり。
警察ゴロの渡辺哲のすごみ、大親分の山本享のにらみ、大久保鷹の眼鏡越しの超越ぶり、機械仕掛けの人形(ひとがた)役の那須凜のりりしさ、お嬢の岡本玲の色と華。それぞれによかった。
アンドロイドは毒をも喰らう

アンドロイドは毒をも喰らう

劇団三毛猫座

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2021/08/20 (金) ~ 2021/08/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

京都駅から走って走って走って、オープニングアクトに何とか間に合いました!拝見できて良かった。

プログラミング通り、同じ休み時間を繰り返す、アンドロイド女子高生の中に人間が…
1人の人間によって徐々に崩れてゆく休み時間。
そして何が虚実で?真実なのか?

徐々に崩壊する無機質な女子高生に代わり、露になる毒々しさ!
その変化が愉しかった。

ワクチンって実はちゃうからしいよ

ワクチンって実はちゃうからしいよ

劇団ちゃうかちゃわん

大阪大学豊中キャンパス学生会館2階大集会室(大阪府)

2021/08/20 (金) ~ 2021/08/21 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いきなりの課外活動原則禁止の中、何とか大学の公演の許可がおりて本当に良かった!
今回は3つのオムニバス!

a)n者面談
父、母、姉、下級生から石油王!?…有象無象の面談、先生は大変だけど、愉しかった!

b)なまくらパンダ!!
穴熊、警察、そして穴熊ハンター…がトラウマ?ハチャメチャで愉し!

c)流行(たぴおか)に乗り遅れるな
公演ができて良かった!
「課外活動原則禁止」のご連絡を受けて、てっきり中止と思い 別の予定入れしまったので、途中退出しました。
ご免なさい。

かげきはたちのいるところ

かげきはたちのいるところ

アガリスクエンターテイメント

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/08/13 (金) ~ 2021/08/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日本での革命を目指す、極左暴力組織の前線基地(シェアハウス)で進められる復○○輪粉砕の、ゆるふわホームコメディ!
極左だけど、みんな良い人。
作戦も大事だけと、恋愛もね!

憎めない面々が巻き起こす騒動と総括、愉しかった!

面白かったけど、Aga-riskさんが、このチケット代を取るなら、もっと面白くないと!
私の中のAga-riskさんへの期待値は絶大なので、★は4つにしておきます。

また関西にも来て下さい。

エレベーターガール-宇宙行き-

エレベーターガール-宇宙行き-

演劇計画プラネットナンバー

路地裏実験劇場T-6(テシス)(大阪府)

2021/08/14 (土) ~ 2021/08/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初日観劇。
森下愛梨さんの(ほぼ)1人芝居。
明るいキャラと抑揚のある演技で愉しく拝見。
SF好きなので(本質ではないのに)宇宙エレベータの下りで幾つか引っ掛かってしまったのが少し残念。
最後の結末は…なる程、面白かった。

ネタバレBOX

前半の友達や恋人との下りは、プラネットナンバーさんらしい展開で、それなりに楽しめたのでだが、後半の展開でSFチックな宇宙エレベータを取り上げるのであれば、緊急時には、その辺のOLっぽい対応じゃなく、NASAっぽい緊迫感のある対応された方が現実感がでた気がする。

心証的には、最後の結末は面白味が合ったが、その結末をしたいが為に、不慣れなSFチックな展開されて、現実味のない感じになった感じで、かなり残念。
『アルカディア』

『アルカディア』

KAIKA

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2021/08/13 (金) ~ 2021/08/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇。
現代と1800年代、伯爵家·カヴァリー邸を舞台に、
 1800年代:貴族の世界にいて真実に迫る優秀なトマシナと家庭教師、と悲喜こもごも。
 現代:カヴァリー邸の書物から1800年代を探ろうとする現代、虎視眈々。
2つの世界が平行して、様々な人達の右往左往が愉しく描かれ、大人とトマシナのやり取り楽しかった。

待って、待ってる、待って、待ってた、待って、待たない。【大阪公演】

待って、待ってる、待って、待ってた、待って、待たない。【大阪公演】

芝居処 華ヨタ

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2021/08/13 (金) ~ 2021/08/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初回観劇。
電信柱のある路地裏に集う人達に降りかかる奇想天外な出来事。
ハチャメチャなのに、とてもワクワク!
昼と夜、神と悪、人と獣、全て混沌の中、杏と萌華は…???

萌華に感情移入したのですが、不条理感が…
哀し、でも愉し!

とっても華ヨタさんらしい公演でした。

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

東宝

シアタークリエ(東京都)

2021/08/26 (木) ~ 2021/09/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

映画で観たことがありミュージカルが気になっていた。コンパクトなミュージカルではあるが、舞台の造りや音楽などが素敵であった。今回観たWキャストの俳優さんは、三浦宏規さん、井上小百合さんであった。

もしも命が描けたら

もしも命が描けたら

トライストーン・エンタテイメント

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/08/12 (木) ~ 2021/08/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

三人芝居、ほぼ一人芝居。シンプルな舞台演出でエネルギッシュな演劇でテーマ曲がYOASOBIと今回の演目にに合っていた。素直にテレビドラマから聞こえてくる田中圭の声が館内で聞けるのが良かった。

Le Fils 息子

Le Fils 息子

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/08/30 (月) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2019年の「父」が評判であった同作者による新作、タイトルもずばり「息子」は「母」に始まる三部作の三作目だとか。「ある息子」でなく「いわゆる息子」への眼差しのある、特殊と言えば特殊だが変哲のないと言えばよくある思春期の子と親の物語。フランス人演出舞台は初。演出は淡々とシーンを折り重ねて行く。人物らが渦中にある感情を観客は「演技を介した」記号として受け取る。だが感情移入を排してもそこに「ある」ドラマが、否ドラマのドラマたる所以が、やがて姿を現わす。
舞台を思い出しながらなぜかふと過ぎったのが映画「花様年華」(内容は全く違うが)。幾度も繰り返されるアンニュイなワルツと、どこか覗き見るような(思いきり寄っていようが変わらぬ)カメラの「眼差し」は、この舞台で言えば・・・簡素な装置(十分に「家庭」である事を教えるパーツはある)の無機質な転換の形式が、「実験台」に置かれた人間たちとそれを眺める観客との関係をやんわりと作り、音楽はどこかで聞いたクラシック曲が各場面に当てられ、微かな感情移入を助けるが逆に「いかにも」なニュアンスも湛えて微妙~な線を行く。(場面に寄り添いながらも、一定の距離をとっている感じ。)
お話についてはまた後日。

かわいいサルマ

かわいいサルマ

人形劇団ひとみ座

横浜市教育会館ホール《エコーレ》(神奈川県)

2021/08/18 (水) ~ 2021/08/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人形劇の「不思議」にもっと魅せられたく、子供向けらしいこの演目にも出かけてみた。劇団アフリカとの共演とあるが、アフリカの童話のバックに3名がジェンベやアフリカ木琴等を生伴奏し、時折ステージにも出てパフォーマンスを行なう(観客参加の振付タイムもあり)。フィーチャリング劇団アフリカの趣きであった。
10日寝かせた正直な感想は、人形自身から滲み出る蠱惑的な雰囲気とテンポ感が、伴奏音楽に座を譲り、いささか勝手が違った。あくまで私の好みに即せばの話だが、「共存」は十分できたと思うがそれにはパフォーマンスの方を少し控えて頂かねばならないだろう(演出的に恐らく)。
前半大きく膨らんだ期待が、後半しぼんだ理由を考え中。

ネタバレBOX

お話はかわいらしく、ある緊張を持って進んで行く。冒頭、広場でいろんな遊びを遊ぶ子供たち、サルマもいる。ご飯に呼びに来る近所のお爺さんとの和やかなやり取り。サルマは目の悪い婆さんと暮らす家に戻って来た。婆さんはサルマの声に喜び、キスをしておくれと言う。ところが婆さんの方は木の置物を孫と間違えて抱き付いたり、今度は花の鉢植えを孫と勘違いしてチャーミングである。
お婆さんは早速サルマに町へお使いを頼む。スイカ、鶏、ジュース、等。サルマを知るらしい市場のお店の人たちはお金を受け取って品物を渡す・・大丈夫、大丈夫。
先ほど「緊張をもって」と書いたのは、生活の営みが人の繋がりの中で成り立つ様は、それが損なわれる因子をその背後に忍ばせているからである。
お使いの帰路、のどかに見えた町は暮れなずみ、建物や路地の影に紛れるようにして、サルマの道行を追う者がある。正体は犬、なのであるが抱えた物を持ってやると親切そうに接近し、徐々に図々しく、サルマが「お出かけ用」に身にまとったスカート、ベスト、ターバン、イヤリング等も全て自分の物にして去る。彼は満足したわけではなく、サルマをこよなく愛する婆さんもわが物にしようとサルマの家へ向かったのだった。
ここで、何でも欲しがる犬で連想するのは「千と千尋」のカオナシなのであるが、赤ずきんの狼もサルマの犬も、「与えられなかった者の病理としての欲・孤独」というモチーフが頭をよぎる。
もっとも童話としてのこのお話は犬が実際に婆さんの家に辿り着き、「おやサルマいつからそんなに鼻が濡れているんだい」「どうして毛がふさふさなんだい」といった赤ずきん風の「見せ場」となるのだが、この「犬も意外とチャーミング」の線を行くなら、この後、村の「神様」に頼んだ村人たちが犬を「コテンパン!」に懲らしめるという挙に出るのがどうもやりすぎに感じられる。何よりも、懲らしめのシーンが長い。水戸黄門なら仰山いる悪人共を成敗するには時間が掛かるだろうが、このお話の犬はさほど強そうでもなく、ただただ「厳しい制裁」の時間が続く。とっくの昔に「反省」してそうなのに。
ところで私が途中までこの舞台に見ていたドラマは、こうだ。犬はコミュニティの紐帯や信頼を破壊する存在の象徴。サルマの訴えを聞いた村人たちが「闘い」に立ち上がるシーンは、劇団アフリカの地を鳴らすような太鼓の伴奏に鼓舞され、熱くたぎって来るものがある。
道理を違えた悪なる存在、それは例えば昔、自らの持ち込んだ法を一方的に押し付け利権を構築し現地人を従属させた西欧人であり、未だに南北問題を再生産して改まる事のない現代世界の構造である。そうした存在に、徒手空拳で立ち向かう悲壮かつ楽観的な決意を、微かにではあるが、シーンの背後に見る思いがしたのだった。
が、犬は熱湯をかけられ、ぶたれ、とことんいじめ抜かれてボロボロにされる。物語的には「痛快」という事になっているのだが、しかし犬はただ人間の言葉を聞き分け悪知恵の働く「人ならぬ者」として存在し、処理されるだけに終わるので、どうもスッキリしないのである。
子どもたちがどう受け止めたか、心の声を聞きたいところであるが、私は勧善懲悪の「良い側」=「強い側」図式を教え込むだけの教材になってはしないか、と懸念がよぎる。まあ教育問題はさておいて、「感動」の観点から見て私は「子どもを舐めるでない」という思いが起こる。
それは音楽を活用した演出の問題でもある。音楽を活用する場合、明快なドラマの場面の意味を「増幅」するのに適しているのが音楽だと思う(稀に物凄く微細なニュアンスを表現する阿部海太郎や、殆ど環境音ほどに芝居に同化して気づかせない国広和毅といった音楽家を除いて)。
「犬」を何のメタファーとしてイメージさせるか、という所に一考が欲しかった。音楽の活用法も変わったのではないか。

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