カノン【8月19日~31日公演中止】 公演情報 東京芸術劇場「カノン【8月19日~31日公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    野上絹代の『カノン』を観劇。
    (野田秀樹の戯曲を若手が演出するシリーズ)

    京の街では猫の瞳(キャッツアイ)という盗賊があちこちに出没している。
    そんな最中、女首領・紗金が天麩羅判官に捕まってしまうが、牢番の太郎をたぶらかし脱獄をする。失敗を犯した太郎だが名誉挽回に猫の瞳のスパイになるのだが、気がつくと彼らの思想に感化され皆と一緒に自由を盗みに行くのであった.... 。
    野田秀樹版を観てないのが悔やまれるが、夢の遊民社を彷彿される圧倒的な速さで俳優は走り出し、見立て、セリフが飛び交う。以前にはなかった機能を有効に使い、速さは更に加速度を増す。戯曲の言葉遊びの部分を大事にしているせいか、台詞の裏に書かれているテーマが大きく効いてくる。
    野田秀樹版は猫の瞳(キャッツ・アイ)を連合赤軍とし、紗金は永田洋子だ。
    勿論今回もそうなのだが、野上絹代は決して連合赤軍と声を大にせず、自由を求めている世界の革命家へのレクイエムとして描いているからか、戯曲の世界観が一段と大きくなり作品のテーマが己に深く食い込んでくる。

    猫の瞳(キャッツ・アイ)が盗み出そうとするドラクロワの『民主を導く自由の女神』
    それこそが彼らが狙う自由なのだ。
    だが盗み込んだ先には巨大な鉄球が打ち込まれ、空から沢山のビラが降ってくる。
    世界のあちこちで行われている、永遠に終わる事のない自由を盗む行為に本当に自由があるのだろうか…?

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    2021/09/02 23:05

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