最新の観てきた!クチコミ一覧

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ヒ me 呼

ヒ me 呼

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2021/09/24 (金) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

天野天街の演出。答えた役者。しりあがり脚本
案内からのいきなりスタート
良かったの一言。

少し補足
古代人導入部分を受け入れられるかどーか。
(アフターで言われてた観たことない、くどくした同時会話。確かに。)
流山児アジ健在。笑
お薦め!

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 華三つ☆。役者陣、殊にヤタロウ役、市長役に拍手。彼らの活躍で華を付けた。

ネタバレBOX

 近未来の戦争で荒み荒れ果てた横浜、力で他人を支配するそんな連中が蔓延っていた。中でもウォリアーズと名乗るグループは勢力範囲も広くハマを我が物顔でのし歩いていた。今作のヒーロー・ヤタロウは、そのウォリアーズに妻を殺された、元オリンピックゴールドメダリストである。射撃の腕に掛けては無双を誇り、妻の復讐の為に立ち上がった。殺した相手は疾うの昔に50人を軽く超えているが彼は殺す前に相手に対してある問いを発する。そして殺された者がやりたかったことを身に引き受けて実現する為に奮闘してもいる。彼に馬鹿という言葉を投げつけてはいけない。度を失ってその言葉を吐いた者を殺してしまうからだ。
 以上のようなキャラ設定の中で物語は進展してゆくのだが、普通復讐するとなったら、そんな情けは絶対掛けないし、相手が出来るだけ苦しんで死ぬような殺し方をするだろう。復讐である以上、それは当然のことである。この辺りの感覚が作家と共通であるか否かで評価は分かれると考える。
 ところで、ウォリアーズという名前やマクベスに登場する3人の魔女よろしく登場する3人組{姉妹と弟(弟は鬘をかぶって女装している)}で多少LGBTqを意識して居るかも知れないがその深い内実は描かれていない。そんなトリオは占い師として登場し、マクベスの魔女同様様々な予言をし、その予言は的中するが、それだけでは単に表層を移築しただけのことに終わってしまう。何となれば占いが信じられるような社会的背景が色濃く出ていないとリアリティーに欠けるし、或はそのような社会的背景を強烈に批評する目で透徹した論理を向こう側に見せていないとパロディーにもならない。単に大衆を小手先で笑わせるだけの小ネタで終わってしまうのだ。その手の小ネタは随所にあった。然し本質に届いていない。主役・ヤタロウを演じた今井勝法さんは心理的なものをやらせてもいい演技のできる役者だと思う。脚本をもっと練って欲しい。でなければ役者陣が気の毒である。他に面白いキャラとしては市長を演じた寺十吾さん。市長の市政方針演説実況中継で、秘書が肝心なことを総て言い、市長は「その通りでございます」のみを延々と繰り返すシーンは日本政治の愚劣そのものをパロっていて面白い。脚本全体をこのレベルにもってゆければ相当の傑作になろう。
ウィルス会議~人間ども篇

ウィルス会議~人間ども篇

宇吹萌

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

CM大会の映像を見て行きましたが、なるほどコロナ氏とかインフルエンザさんやらが話し合い、自慢しあったり、謙遜したり、蔓延を願ったり。感染させた人間たちの会話も笑えます。
確かにシュールではありました。
アトリエファンファーレ東池袋、何の表示もないんですね。

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

エネルギッシュで迫力があって、面白かったです。

ネタバレBOX

荒唐無稽なストーリーです。
ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/09/30 (木) 19:00

115分。休憩なし。

或る、ノライヌ

或る、ノライヌ

KAKUTA

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/09/25 (土) ~ 2021/10/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/09/30 (木) 13:00

145分。10分の休憩を含む。

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

これは観ておいた方が後々語り草。主演のヨコハマ・ヤタロウ役今井勝法氏は『魁!!男塾』の松尾鯛雄に似ている。宮下あきらの漫画のキャラのような強烈なインパクト。全裸でウエスタンと云うと『エル・トポ』を想像するが、もっと永井豪テイストで、関東地獄地震後の荒廃した日本を描いた『バイオレンスジャック』の方が近い。
『マクベス』の三人の魔女の予言により、死ぬことが定められた無敵のガンマン、全裸のヤタロウ。殺した相手の思い残したことを果たす“約束”を自らに化し、背負った“約束”にがんじがらめにされていく。
最大の敵となる横浜市長役、寺十吾(じつなしさとる)氏は突き抜けた好き放題。凄い私的な空間に劇場を塗り替えてみせた。ちょっと驚く程のテクニックで鈴木清順の映画のキャラのよう。(映画『凪待ち』のヤクザも最高だった。)ハンドマイクで「その通りでございます。」ネタは秀逸。相方である市長秘書役佐藤みつよさんが元宝塚っぽくて綺麗だった。
天野天街か?とツッコミたくなるようなリピート・ギャグ満載。手術シーンのドタバタは必見の名シーン。笑いのセンスはかなり高い。
『真夜中のカーボーイ』と『マクベス』を足した味わい。かなり面白い。

ネタバレBOX

『殺しの烙印』調にもっとスタイリッシュに話を進めても面白かった。カメラを引いて俯瞰にした方が観客の感覚に任されて良い場合もある。藤竜也作詞の「横浜ホンキー・トンク・ブルース」原田芳雄バージョンが決まる。
或る、ノライヌ

或る、ノライヌ

KAKUTA

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/09/25 (土) ~ 2021/10/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2時間半ほどの長編だったけれど、集中が切れることなく、あっという間の2時間半だった。
桑原さんの脚本がとてもイイ。わかってはいたがあらためて思う。
今回、桑原さんがかなりメインの役をやられていた。役者としてあれだけ出演しながら、脚本・演出もしてしまうのがホントすごい。

ネタバレBOX

特に犬のカツオのセリフや想いに心が動かされた。誰も泣いていない何でもないシーンでも涙が…。誰かを想う気持ちに人も動物もないからだろう。ラストのカツオの姿を見て、ハッとする思いもして、帰り道に考えながら歩けるのもステキ。
思い出は狩の角笛

思い出は狩の角笛

STEPS Musical Company

STEPS Musical Company YouTube公式チャンネル(東京都)

2021/09/18 (土) ~ 2021/09/18 (土)公演終了

映像鑑賞

タイトルはアポリネールの詩の一節からだろうか。路地で佇む思い出売りの女と六つの挿話で構成された、約85分の全編マスク着用ミュージカル。出演者も多く、スタッフも入れるとかなり大所帯の学生サークルだし、コロナ禍での活動や今回の舞台への準備が相当大変だっただろうことは想像に難くないが、サークルの関係者でも演者の身内でもない、通りがかりの一観客の立場で率直な感想を言わせてもらうなら、歌っている「顔」が(最初から最後まで)見えないミュージカルというのは、これほど魅力が激減してしまうのか、というのが正直なところ。仕方がないとはいえ、頑張って創作しているのが分るだけに残念。

さらっていってよピーターパン

さらっていってよピーターパン

(公財)北区文化振興財団

北とぴあ つつじホール(東京都)

2021/09/25 (土) ~ 2021/09/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/09/25 (土)

何度も観ている作品だけど、そのたびに子供たちの反応が違って面白い。子供たちの笑い声が最高の演出にもなってとても楽しく、思い出し笑いしちゃいます。

ズベズダー荒野より宙へ‐

ズベズダー荒野より宙へ‐

劇団青年座

シアタートラム(東京都)

2021/09/10 (金) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/09/10 (金)

野木萌葱作品だ!!が観劇後の第一印象。壮大な宇宙への道をぎゅっと詰め込んで、でこちらの想像力を乗せて動かしてくれる。考えてみれば、ロケットって恐ろしいですね。舞台美術も好き。

『砂の女』

『砂の女』

キューブ

シアタートラム(東京都)

2021/08/22 (日) ~ 2021/09/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/08/24 (火)

わぁ怖い。恐ろしい。いつの時代にもあるであろう閉塞感。舞台全体がいや、客席までも砂まみれな体感を感じてしまった。あぁ、ねっとりだわ。

「ホクロ・ソーセーヂ」「ヂオロオグ・プランタニエ」

「ホクロ・ソーセーヂ」「ヂオロオグ・プランタニエ」

劇団東京乾電池

アトリエ乾電池(東京都)

2021/08/13 (金) ~ 2021/08/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/08/14 (土)

久しぶりにアトリエ公演へ。プランタニエの演出に惚れ惚れ。こういうの好き。ホクロ・ソーセーヂは貴重な作品でそれを観ることができて良かった。

ガムガムファイター

ガムガムファイター

佐藤佐吉演劇祭実行委員会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2021/08/11 (水) ~ 2021/08/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/08/13 (金)

なんか切なく胸がキュンとする舞台でした。仕事って何なのだろう…。とかね。

病室

病室

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/08/06 (金)

身に染みいった演劇だ!!淡々とでも深く人間の「生きる」について考えさせられました。

イリクラ ~Iridescent Clouds~ 2020-2021

イリクラ ~Iridescent Clouds~ 2020-2021

カガミ想馬プロデュース

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/09/29 (水) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良かったです!
この演出家さん力ある
後半の本格的な2.5次元話をどれだけ受け入れるかで好み別れますが
お薦めです!

灯に佇む

灯に佇む

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2021/09/24 (金) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

名取事務所公演の外れ率はかなり低い。別役作品、海外戯曲、韓国系戯曲と幾つか系統があるが、今回は日本人による新作(書き下しか)。内藤裕子作演出舞台は昨年、「やっと初めて」本拠地・演劇集団円のを観て感じ入った所であったが、本作にも当てられた。下北沢B1の前列からはほぼ同じ目線の高さで、手を伸ばせば届く場所にも役者がいて芝居の世界を作る。二代続く診療所が舞台。最小限の登場人物が効果的に各役割を担って簡素ながら饒舌で余白もありながらきっちり伏線はさらう、台詞と演技が心地よい時間であった。
一診療所という医療現場での出来事を描きながら、「何のための医療・医学か」の問いにまでテーマが及ぶ。「生きること」について考える事になる。そして制度が絶対ではない事も仄めかされる。この視点は現在の問題にも通じる。うまい。

オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』

オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』

オペラシアターこんにゃく座

吉祥寺シアター(東京都)

2021/09/18 (土) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

萩京子×鄭義信による4つめのレパートリー。「旅する芝居」だった過去三作とは打って変わって舞台は馬小屋の中。ドン・キホーテよろしく旅に出るには二頭の馬のロシナンテとサンチェは頼りなく、名づけ親である主人公の少年(性別は女の子)ベルはまだ小さい。ファンタジックな展開は訪れず、第二次大戦中のフランスの長閑な片田舎にも砲弾の音が聞こえ、レジスタンスの若者、ドイツ軍の制服姿もやって来る。逃れられない現実だが、本好きのベルは想像の翼を広げる。戦局が熾烈さを増し(仏を占領した独軍の敗勢)、老馬ロシナンテの供出の話を聞いたベルは本当の旅に出る事を決心するのだった。が、その夜ベルは運命的にある女の子と出会う。。
妻に逃げられた実直な父トーマス、わけあって学校に通わなくなったベルを連れに来る女性教師オードリー、片足が悪いが女あしらいのうまい馬小屋で働く青年ルイ、彼の元を時々密かに訪れる村出身の親友サイモン。そして着の身着のまま逃げ込むように駆け込んできた女の子サラ。人と出来事の来訪にドラマの風が吹き、旅が向こうからやって来る。
ストーリーに絡まるように、詩と旋律が別の色の糸を織り込む。歌による飛躍が凄い。言わば台詞の交換(旋律付の台詞もその範疇)で成るテキストの世界に、ポエムと楽曲が表現するコンテクスト(今のこの時代の、と言ってもいい)の世界がせり出してくる。ミュージカルの如く一つの楽曲の中で場面(相)が変化し、希望、夢、勇気、愛という直接的な言葉を高らかに切望するように歌い上げる一幕ラストには思わず拳を握りしめる。
類似の構成が二幕の最後にも訪れる。不遇と抑圧の底辺から僅かな一筋の光を見ようと立ち上がる人物たちを優しく鼓舞し、返す刀で諦めの中に安住する現在の私たちに檄をとばす。最終日に枯れた喉を絞ってベルが歌い、他が応答する長い歌曲がこれでもかと叩いて来た。
ハッピーエンドにしなかった(望みは残しているが)作者の意を汲んで作曲者が書いた楽曲、笑みを封じ前方を睨みつけて歌う歌が頭にガンガンと(ピアノも低音でガンガン鳴っていた)響いている。
このような上質な作品を観る時間と、心の余裕と、財力(私は無いが)を持つ者が、今必要なことのために何かを為すとすれば今持てるものを差し出すことだ、というアイロニーをどこか醒めた頭で考える自分がいる。
自分がこれを秀作として語りたい理由は、この作品が現状肯定したい者ではなく現状に喘ぐ者またはその存在に多少なりとも胸を痛める者(即ち現状を否定せざるを得ない者)に照準した作品であるから、という言い方になる。もっとも、小気味良さあり笑いありの鄭義信らしい舞台である事に変わりはない、とだけは一言付記。

ネタバレBOX

私が観た楽日は赤組。
青組には自分的にお馴染みの沖まどか(「ロはロボット」)、大石哲史(孤高の渋味)、梅村博美(ファルセットが美しい)、佐藤敏之(安定のコメディ路線、ちと癖あり)と居たが、自分的に未知数度が高い赤組を選んだ。お馴染みは岡原真弓、やや知りの高野うるお、武田茂くらい。共通の富山直人はお馴染み。そしてピアニストもその基準で馴染みでない方(大坪夕美)を選んだら楽日になった。
休日の11時開演など普段なら寝る確率70~80%だが全く寝ず(当然)、この後に観た芝居で快眠を貪ってしまった。
灯に佇む

灯に佇む

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2021/09/24 (金) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いい芝居だった。内容紹介にあるように丸山ワクチンのこともあった。が、それだけではない。がんとどう付き合うか、治療方針を巡って家族と対立したらどうするか、何が患者本人のためなのか。それを考えさせる芝居であり、納得の行く結末だった。

小さな舞台に小さな診療所の待合室と診察室。先代院長(田代隆秀)は患者との時間を大事にしすぎて、経営は苦しかったが、息子の今の院長(加藤頼)は経営優先で効率的。そこに、先代の古い友人(山口真司)ががんと分かってやってくる。ベテラン看護師(鬼頭典子)が丸山ワクチンをこっそり勧めたことから、患者の息子(岩崎正寛)が怒鳴り込んでくる。「治療の邪魔をするな」と。先代と現院長は、医療への姿勢の違いが、丸山ワクチンへも容認派は否定派と態度が分かれ、議論が起きる。

MR(製薬会社の営業マン=歌川貴賀志)が、舞台回しとして面白い潤滑剤になっていた。丸山ワクチンについても怒涛のトークをする。専門用語を立て板に水にまくし立て、まさに寅さんの啖呵売。先代とがん患者の抗癌剤治療の現状を話し合うシーンも、せりふをよく間違えないものだと思うくらい、知らない薬や専門用語のオンパレードで、とにかくその滑らかさに感心した。話芸である。こういうところは生の舞台の面白いところ。MRの話し相手となる現院長の妹の医療事務(谷扶柚)は、良い緩衝材だった。

小さい医院の一杯舞台のオーソドックスなリアリズム演劇。小劇場でじっくり見るのに丁度良いサイズで、小劇場の味わいを堪能した。

風の市

風の市

激団リジョロ

サンモールスタジオ(東京都)

2021/09/23 (木) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開演と同時にナチュラルな関西弁の激突。猪飼野が舞台の作品である事と合わせ関西発の劇団と推したが、プロフィールだけでは不明。「ハードコア」を謳い役者に徹底した負荷を強いるパフォーマンスが売りというから、関西弁の台詞も訓練の賜物?等とも想像してみたり。作=金哲義も出演しているが他劇団。こちらは関西だろうと推す。
在日家族の喧しい食卓の会話は激烈である。総連、民団の話も出てくる。役者の殆どは日本人だろうがこの「空気」の再現の度合には舌を巻いた。この題材の芝居にはコメディオンザボード「イカイノ物語」、趙博の「風の仲間たち」と思い出すとやはり関西である。日本アパッチ族を描いたシライケイタの「SCRAP」に感じてしまう不満は「在日らしさ」の足らなさだ。(その中間と言うと「役肉ドラゴン」、話の舞台も作者の出も関西だが地元臭はないのがこの作者の特徴。)
粗削りな部分も含め「よくやってる」集団。コロナなんぼのもの、と忘れさせる勢いに飲まれた。

ネタバレBOX

好みで言えば、関西産に多いが大団円がしつこい。ドラマは済州島からの密航者がある家族と暮らす事になり、騒動を巻き起こすが、やがてこの男・ソンジンの人間性、来歴が明らかになる。この存在は日本の日常感覚では違和感の塊だが、最終的には欠落部分を補完されたように感じる。観客は顔面を叩かれるような強風を浴びる事になる。
欲望に忠実な強引さは「血と骨」の父(俊平)のキャラを連想させるが、一つ「?」は彼の来訪を受ける家族は母を早く亡くし、7人兄弟姉妹が末期がんで入院中の父を時々見舞っているが、姉弟らはソンジンに対し、「チャグナボジ(小叔父)を見舞わない」事をなじる。彼らはソンジンを遠い親戚(いとこ)という認識で、居候するなら親戚の叔父を見舞うくらいやれ、と訴えているのだろうと見ていたが、結局はどうだったのか、解読しきれなかった。語り手にあたる末っ子は「焼肉ドラゴン」の末っ子に通じ、「家族の物語」を思わせ、大団円も「その後」を割と丁寧に描写する、そうであるならば、という要求でもあるが、むしろ私としてはそのあたりは捨象してよく(5人の姉が既婚か未婚かも判らず・・未婚と思しいがそれならその事に言及する台詞は一つ欲しい)、ソンジンという男がいた。その後、あれこれあって音信もない・・くらいで切り上げ、「存在」を印象的に残すのがまあ好みの問題だが、良かったかな、、と。

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