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黒塚 雪女 時次ぐる神の花嫁

黒塚 雪女 時次ぐる神の花嫁

演者集団 剣舞

麻布区民センター 区民ホール (東京都)

2025/07/11 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトルから3つの物語を順々に紡ぐが、少し解り難い。2019年に「黒塚」、2022年に「雪女」を上演し、本作は その2作品を含み「時次ぐる神の花嫁」を制作している。最後になって ようやく物語の全体像が明らかになる構成だ。観客の関心を掴むためには、物語毎に順々と展開するのではなく、それぞれの内容を交差もしくは交錯するなど、少し工夫が必要だと思われた。

とは言え、それぞれ単独作品としては面白い。少しネタバレするが、「黒塚」は能の「安達ケ原」を元に、「雪女」は小泉八雲の作を元に創作している。そして「時次ぐる神の花嫁」では2つの話を絡め、”時の旅人”の物語として描いている。公演の魅力は妖しい世界観、それをシンプルな舞台美術と役者陣の演技で観(魅)せるところ。

演者集団 剣舞 の公演は初めて観たが、出演者の多くは時代絵巻 AsHで観たことがある役者。特にヒロインの羽衣堂愛彩さん(主宰であり脚本・演出の場合は、灰衣堂と名乗っているよう)の演技は あまり観ることがないので良かった。なお、この作品でも殺陣シーンがあったが、舞台スペースが関係しているのだろうか、あまり迫真・緊迫感が感じられなかったのが残念。
(上演時間2時間10分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、素舞台に近く 中央奥に大きな生け花のオブジェ、上手/下手にススキ。上手に琴奏者(演奏は情緒があって良かった)。

冒頭、織田信長が明智光秀に攻められ、その後 光秀が追われ山中へ、さらに源義経と弁慶へ人物が変わり山奥の廃屋へ辿り着く。日が暮れ、この廃屋に住む女 黒蜜に一夜の宿を求める。黒蜜は、奥の部屋を絶対に見ないように言い残して薪を取りに出かける。人は見ないでほしいと言われれば、逆に好奇心にかられ 言いつけを破り、奥の部屋を覗く。そこには無数の死骸。戻った黒蜜は、部屋を覗いたことを知り、鬼婆の姿を現す。なんとか念仏を唱え 鬼婆を退治する。

次に、猟師の巳之吉と茂作は、吹雪の夜に小屋で一夜を過ごす。そこへ現れた雪女は、茂作を凍死させ、巳之吉には「このことを誰にも話してはならない」と。数年後、巳之吉は美しい女性 お雪と出会い結婚する。お雪は子供を産み、美しいままの姿で皆から慕われる良妻。ある日 巳之吉は、お雪に雪女との出会いを話してしまう。とたん、お雪は自分が雪女であることを明かし、「子供たちを大切にしなかったら・・」と言い残し 消えてしまう。

目まぐるしく変わる登場人物、時空を超越した 運命の巡り合わせ、そして妖しい雰囲気の世界観に浸る。時の旅人は追ってから逃れ、人里離れた山奥へ、先の2つの物語と交錯するような展開。けして覗いてはならない部屋(固定観念か?)、そして1つの約束事 それは「人の生死に関わることをしてはならない」と。タイムパラドックスを意味するような言葉。約束事を守りつつ、終わりが訪れた時、違う景色が…結末の違う物語があるのかも。冒頭 信長の遺体が本能寺で見つからなかった謎、義経の北行伝説ー蝦夷地、満州を経由してモンゴルへ渡った伝説、そんな俗説を通説と対比させ 幻想的に描いた作品。

なお、殺陣に迫力がないのは、(広い)会場スペースを全て使っているため、スピードや間合いが間延びして観えたこと。廃屋という或る空間(区切って)の中で行ったら違った印象になるかも。
次回公演も楽しみにしております。
音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

まず、今回のセットが秀逸。音楽隊の使い方も上手いし、冒頭のシーンから舞台への導入もスムーズ。楽曲の中には歌詞が聞き取りにくいものが幾つかあったが、ロビーで歌詞カードを配っているので助かった。

夏場所八番勝負-後半戦-

夏場所八番勝負-後半戦-

STAR☆JACKS

STAR☆JACKS Studio(大阪府)

2025/07/12 (土) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2本ともめちゃめちゃ面白かったです☆
「ウィリアムズ・スイート 」
とにかくプロットがお見事‼️ラストのどんでん返しはヤラレタ💥ポップな演出が和柯さん赤松英実さんをより「跳ね」させてて見やすいのなんのって最高過ぎでした🎵個人的に「1回回って部屋に行く」のが好きやってんけどアレ何かの伏線やったんかな🤔
「紙ツバ2025 」
物語の設定上どうしてもシビアな展開になって行くんやけど三原悠里さんの10代のキャピキャピさが全体の印象を明るく照らしてくれる🔆からのおばあちゃんとの落差の表現は凄い‼️そこに
北田結子さんのしめやかさが相まって総体的なバランスが素晴らしい作品でした🎵👍
チーキーは旗揚げ公演【ワタシたちには明日しかない】を拝見してその後もずーっと面白い演劇作品を創造されてるんで楽しませてもらってます🎵マジ感謝🙏今回もテイストの違う2本をそれぞれの持ち味でトータルバランスを保ってる印象で最高の組み合わせやったと思います♪
そして赤松英実さん改めて卒業おめでとうございます\(^o^)/次のステップも応援しております♪

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/12 (土) 18:30

座・高円寺を贅沢に端から端まで生かした舞台演出で良かった。
テレビ創成期に起きた様々な人間模様が悲喜こもごも表現されていて素晴らしかった。
音楽隊との親和が良く、楽しんで観ることが出来た。
9月の舞台も楽しみにしています。

恋するアンチヒーロー

恋するアンチヒーロー

sitcomLab

テアトルBONBON(東京都)

2025/07/08 (火) ~ 2025/07/10 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

佐野瑞樹さんは、今年、イヌッコロ時代の特に人気あった作品の再演を続けられていて、
『恋するアンチヒーロー』も自団体だけじゃなくて、外部でも何度も再演されてる人気作。
映画にもなりました。

自らがこの作品を演出するのはラストとして、決定版を目指したって言葉通り。
過去に出演されたキャストのなかでも強火だった人を同じ役で再配役していて、
そこに良い感じでフレッシュさあるメンバーを加えてます。

色んな座組で本当に何度観たかわからないんですが、それでも観たらやっぱり笑ってしまった。
軽いおひねり感覚の金額で観られるポストクレジットショーがまた良い出来でして。
気軽に笑えるシットコムなら、佐野瑞樹さんは間違いないです。

料理昇降機

料理昇降機

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ミステリアスだけどもユーモラス。二人の「間」も絶妙で、最後まで楽しませてもらった。

葉山より愛をこめて

葉山より愛をこめて

ケーキを海底のポストへ投函

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2025/07/11 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2025/07/12 (土) 14:00

110分。休憩なし。

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/07/12 (土)

ステキなシーンは所々あったけど、全体的にはいつものあやめ十八番らしさがなかったように感じました。
堀越さんが出演されてなかったのは大きいと思います。。 あの独特な声色や、はじまりの口上がなかったのは淋しいです。 

ネタバレBOX

"放送の原点を築いた作り手たちの信念の物語" とありますが、残念ながらそのへんがイマイチ伝わってこなかったかな。 アナウンサーが中心になってたような。 あと、アンサンブルの人たちがあやつり人形みたいになってた演出、どんな意図があったのか?わかりませんでした。  それから、はじめてのテレビを見た人々の驚きや喜び、感動みたいな反応が描かれてなかったように思いました。。 
それと個人的には、ドラマでも映画でも、老人が出てきて若い頃の出来事を回想するっていうのが好きじゃないので……残念でした。。
海と日傘

海と日傘

R Plays Company

すみだパークシアター倉(東京都)

2025/07/09 (水) ~ 2025/07/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

普通に暮らす人々にとって、本人の人生にとっては大きなことだが、それ以外の人にとっては流れていく日々の生活の断片であることを鮮やかに切り取った前世紀末(1996)の名作の再演である。作者は存命だが、新進の演出家桐山知也による本をそのまま渡しての再演だろう。
ビニール幕に囲まれた畳敷きの部屋に座卓が一つ、だけの簡素な舞台装置である。幕外に俳優は常にいてシーンによって登場する。効果音は海に近いこの家に聞こえる波の音。外洋は意外に近いらしく時に高い。これ以外は特に役に戯曲以外の注文はなさそうで舞台は戯曲に従って淡々と進む。生命と向き合う日々がテーマだから、後は戯曲と俳優たちの舞台がどれだけその場の観客に伝わったか、というところが勝負(観客のそれぞれの満足度)である。
 成功したところでは、全編の長崎言葉がよく統一がとれていた点。禁欲的な美術は、ときに現実感(戯曲は細かく日常を描いている)を損ないそうになるがよく耐えている。
 問題点、有名なラスト近くの虹の中の夫婦のシーンだけ妻を上手中段の客席の通路に出して立たせて居るが、、ここだと約三割の客は台詞ごとにクビを振らないと、台詞を口にするそれぞれの俳優を見ることが出来ない。これはちょっとした致命傷である。
 そのほかの問題点ではキャスティング。こういう繊細な本になると俳優の責任ではない地の肉体の形が影響する。ちゃんと考えてはいる南沢奈央には酷だが、三ヶ月と余命宣言されている女性には見えない。作者は別に薄命の人を見せて涙の種にしようとはしていないとが、設定に合わせるのも俳優である。演出が若いと言い出せないこともある。大野裕郎も、何か今時の若者で、努力は分るが生命が終わる者の傍らにいる実感が伴わない。隣の夫婦は逆に型どおりにハマりすぎ(じゃぁどうやればいいの!と問われると答えはないが、それを考え納得させるのも見せる側の責任でもある、)。
庭の木の剪定をするシーンなど一工夫欲しいところである。作者はテーマに沿ってちゃんとこのシーンを考えて書いている。
などなど、注文は出てくるが、この戯曲は観客も含めて難しい本なのである。七分の入りといったところだがまずまずの所だろう。


音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

昨年夏にたまたま見たこの劇団の夏芝居が、結構好感を持って楽しめたので、もう一度とでかけたら、まぁ、これは散々である。ガラにないことをやるものではない、いう好例である。
よく知らないことを聞きかじりでやるものではないといってもいい。
前回の舞台は東京郊外のその地域では有名な神社の境内にあるお土産団子屋の一家の話である。跡継ぎの話から、稼ぎ時の祭りの工夫まで外からは想像するだけで実際は知らない話が、素朴なホームドラマの笑いと共に並べられ、しかも教訓におちいらず描かれていて、客席も地域の観客も多く、いかにも高円寺の劇場に似合っていた。
今回はテレビ創世記の放送局奮闘記である。放送局となると、国家機関である。名物団子が売り物の神社とはワケが違う。神社なら例えば、神主一家なら、周囲をよく見てドラマを書けばいい。前回はそういう実録ものの良さが出ていた。だが、放送局の主要商品がラジオからテレビにかわる時期となればその周囲は神社の比ではない。歴史が直に物語にはんえいsるからリアリテイのある場所設定をみつけるだけで大事である。それが出来ていない。仕方がないから、周辺図書の使えそうな逸話を探す。沢山でている。これは放送史、これは黒柳徹子、ここは井上ひさし、トよく知られているおなじみエピオードをを並べることになってしまうが、それでは辻褄が合わない。一番具合が悪いのは、テレビの創世記はラジオは既にメディアとして成立していたことである。そこを、創立者苦労物語で作ろうとして者だから話がヘンなことになってしまう。その辺は作者も気がついているようだが、基本知識がないのだから仕方買いそれなのにGHQの放送管理にまで話を拡げるから全く話の収拾が付いていない。もっと話を絞っていかなければ。

ネタバレBOX

もう一つ大ネタがあるなト思い出せないで居たら、夕べ思い出した。「南の島に雪がフル」ラジオで当たり、テレビで当たったが、もうみなわすれている。覚えているのは85才以上。あと10年もすれば、みな忘れているようなエピソードだから誹られることもなかったかも知れないが、こういうことはいつかバレるものである。確か東宝では舞台にもなった。小野田勇作。記憶というものは一つと陸地があると、ぞろぞろ出てくる。
煙が目にしみる【Mura.画】

煙が目にしみる【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/29 (日) 12:00

オリジナルである鈴置洋孝プロデュースや加藤健一事務所(それぞれ複数回)はもちろんいろんな団体で延べ二桁回数観ている本作、それまで気丈に振舞っていた礼子が一人になった時に初めて泣く場面を礼子の背中で見せるのは記憶の範囲内ではかつてなく「このテがあったか!」と膝を叩く。
また、その後の浩介との「会話」場面で浩介の方向を向いていながら視線は(舞台上の)浩介から微妙に異なるというのも実に見事、演出/演技の勝利だね。(一方、その後に妻子3人が浩介を囲む形になるのは若干の違和感が)
さらに今まで観てきたものは舞台後方の大きな窓とそこから見える桜の装置が印象的だったが本作は小さめの窓(枠のみ)で桜もないというシンプルなもので、それでも外の様子が想像できたのは今まで観てきた体験によるものか?(反語気味)
他にも客席中央の通路も使うなどこの会場を巧く使った演出に感心。思えば前回公演もそのケがあり、次回公演への期待値アップ♪

JUDY~The Greatest Unknown Squadron~

JUDY~The Greatest Unknown Squadron~

グーフィー&メリーゴーランド

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/07/10 (木) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

衣装に舞台セットに音響にこだわってますね。 それぞれの役者の特徴を引き立たせる演出に、戦争ものではありながら、笑いを誘うシーンも有り、見応えあり有りでとても良かったです。 

ネタバレBOX

腕時計はしていてもいいが、それなりのものにしてほしかったです。
JUDY~The Greatest Unknown Squadron~

JUDY~The Greatest Unknown Squadron~

グーフィー&メリーゴーランド

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/07/10 (木) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

少しずつ演出を変えて再演している作品。
実在した人物をモデルにしたドラマ(一応 フィクション)、反戦劇だと思うが…。劇場入り口に、モデルになった美濃部正少佐の写真(撮影当時は大尉)、そこに「卑怯者呼ばわりされる中、自分の信念を貫いた。大事な部下に、死刑のような無茶な命令は下せない」と決意が書かれている。その文だけ読めば肯いてしまうが、劇中では典型的な軍人としての本音や戦略が透けて見える。

別団体の公演では、「特攻は美化させてはならないが、あった事実を風化させてはならない」と。美濃部隊長が率いた芙蓉部隊(員)は、別の意味で懊悩することになる。軍という階級(制度)、そこに見る意識の違い、さらに彼らの世話をする地元の人々の思いが交差する。少しネタバレするが、物語は 現代から戦時中に思いを馳せるような始まり、そのシーンが戦時中の上官(司令官等)の姿に重なるような描き。

物語としては、知らなかった人物の存在、その思考・行動を興味深く観ることが出来た。今から考えれば 常軌を逸したこと、しかし当時の事情や立場を鑑みれば、当たり前なのかも知れない。それでも同意・共感は出来ない。先の「決意」が表面的と思われる台詞(言葉)の数々。舞台として 理屈ではなく、感じ入るか否かだが…。
(上演時間2時間20分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、前後二重の暗幕で 場景を手際よく変化させていく。幕を左右から開閉させるが、始めのうちは 真ん中で閉まりきらないため裏(手動)で補っていたのが もどかしい。劇場の奥行きを活かし、汚れた平板で作った基地 兵舎内。机等を置き、日章旗や旭日旗を掲げているが、基地の移転(藤枝〈静岡〉⇨鹿屋〈鹿児島〉⇨岩川〈鹿児島〉)に伴い置く場所が変わる。

物語は、説明にある通り太平洋戦争末期、攻撃の主体は「特攻」であったが、夜間襲撃という戦法で戦果を残した芙蓉部隊を描いたもの。冒頭、現代の平和な様子・・明日のイベントで大量の生花が必要だったが、手違いで届かない。現場担当者はその対応に追われている。しかし責任者は、それぞれ役割・分担があり 自分の出番ではない、と手伝わない。

芙蓉部隊は、(沖縄)戦線へ特攻する部隊の夜間誘導、戦果見届(後方支援)、夜間偵察、本土決戦に備えるため といった戦術。美濃部少佐(物語では新渡戸正造)は、自部隊員の無駄死にはさせない信念、一方 玉音放送を聞いても にわかには信じられず戦争続行(本土決戦)の意思をみせる。他にも、今更 和平なんか といった台詞。そこに当時の状況や(軍人としての)立場が立ち上がる。悪意ある(疑った)見方をすれば、あくまでも本土決戦を見据えての特攻反対のよう、もっと言えば 沖縄戦線を見捨て本土を主戦場に といった捉え方が出来る。そこに冒頭のイベント責任者の役割・分担があり、手伝わない姿と重なってしまう。本意ではないだろうが、そんな印象を持ってしまう。

脚本・演出の沢村紀行 氏が 当日パンフに記した文は、反戦劇。実在した人物や隊をモデルにした戦争物。凄惨な戦争は 二度と起こさせない、記録だけではなく生の声、その記憶を伝えることも大切。しかし曖昧になる記憶の危うさも…。「制作委員会 発足」というペーパーにJUDYを上演し続けて20年とある。公演では、特攻作戦を拒否した正攻法のみでの戦いを描いており、あくまで戦時中における作戦・戦術。先にも記したが、特攻を美化しないが、あった事実もなかったことには 出来ないだろう。

舞台として、衣裳や所作は当時を思わせるもの。役者陣のキビキビとした動作を始め、確かな演技力が好い。また三味線の生演奏など抒情味もある。
次回公演も楽しみにしております。
黒塚 雪女 時次ぐる神の花嫁

黒塚 雪女 時次ぐる神の花嫁

演者集団 剣舞

麻布区民センター 区民ホール (東京都)

2025/07/11 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

登場人物や場面を理解するまでに時間がかかりましたが、最後に追い付けました。もう少し話が分かりやすいとよかったです。演技は上手でした。次回作も期待してます。

JUDY~The Greatest Unknown Squadron~

JUDY~The Greatest Unknown Squadron~

グーフィー&メリーゴーランド

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/07/10 (木) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 確かに踏み込んだ側面がある作品。華4つ☆(追記予定)

ネタバレBOX

 板上は板奥行の中ほどに天井から左右に分かれる幕を張り、場面、場面で使い分ける。尺は休憩無しの約140分。時代は太平洋戦争終期。海軍航空隊に芙蓉部隊と呼ばれた部隊があった。美濃部正少佐(最終階級)を指揮官とする部隊であったが、特攻が至上命令化する中、合理的な戦術である夜襲攻撃を主張、実践し多大の戦果を挙げた部隊であった。今作は、この部隊が活躍した1945年静岡県に在った藤枝海軍基地から海軍の特攻基地として名を知られる鹿児島県鹿屋、鹿屋が敵にマークされいくら偽装しても空爆を免れぬ為新たに移転した同県内の岩川基地からの転戦に至る過程を搭乗兵、指揮官、航空技術者、整備。無線技術者、司令官補佐、兵士らの任務をサポートする為に派遣された女学生、身辺雑事の世話をする女性や内地から流れてきた芸者や浮草稼業の女性、往時の大日本帝国植民地であった台湾の最前線で念う人の為に自らできることをする女性や数多くの一般市民が空爆激や銃撃等で追い散らされ亡くなったり傷つく戦場の有様をも描く。
 史的には実際に特攻する兵士らに死の恐怖を紛らわせる為に用いられたヒロポン(即ち覚醒剤)の話も出てくる。この事実を今作では家族全員の死の報せを聴き守るべき者さえ奪い、徴兵した兵卒には死を強制しておきながら自分達だけはおめおめ生き残っているばかりか階級上位や特権階級であることを利用するだけ利用してのうのうとふんぞり返っている真の国賊共への反感を素直には出せない斎藤のキャラに担わせている。このキャラの創造が今作の肝と言えよう。

料理昇降機

料理昇降機

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

不条理劇といっても、『ゴドー』とは違い、ユーモラスで肩肘張らずに楽しめました。主演のおふたりは存在感も個性もたっぷり。濃厚な80分でした。ミニマムな舞台美術もストーリーに似つかわしく、劇場の周辺には不思議な店がたくさんあって、総合的な不条理体験ができたのも印象深いです。

主婦 米田時江の免疫力がアップするコント6本

主婦 米田時江の免疫力がアップするコント6本

大人計画

ザ・スズナリ(東京都)

2024/11/07 (木) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/11 (水) 14:00

勝地とクドカンにハズレなし。
みんな楽しそうで、見ているこっちも楽しくなってくる。

君がくれたラブストーリー2024

君がくれたラブストーリー2024

シベリア少女鉄道

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/10/30 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/08 (金) 14:00

初見だったので、
最初は何を見せられてるんだろう???
と思ってましたが、、、
なんですかこれ、最高ですね!

紅鬼物語

紅鬼物語

劇団☆新感線

シアターH(東京都)

2025/06/24 (火) ~ 2025/07/17 (木)公演終了

実演鑑賞

45周年記念公演でありつつ、今もなお「新しい新感線を模索する」という姿勢。素直に尊敬に値すると思いますし、その試みをしっかり感じられる点も「さすが」の一言。メインキャストは劇団外から多く招へいし、新鮮味のある座組ですし、全体的に「劇団固有のらしさと新しさの融合」のような印象を受けました。

ネタバレBOX

シアターHは昨年オープンした新しい劇場、とのこと。キャパ700といえど、新感線が使用すると小さく感じるのも不思議な体験でした。全編を通して感じたのは、音響や照明など、スタッフワークがとても安定しており、その基盤があるからこそ、華やかで臨場感のある上演が成立するのだなぁ…ということ。キャスト陣に見どころが多いのは勿論ですが、こういうスタッフワークも含めて、45年目の劇団の強みだと考えました。
校舎、ナイトクルージング

校舎、ナイトクルージング

ロロ

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2025/07/08 (火) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/11 (金) 15:00

70分。休憩なし。

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