いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】 公演情報 sitcomLab「いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    シットコムを極めたキャストたちによる「笑って泣けるワンシチュエーションラブコメディー!」の謳い文句が炸裂。タイトル「いえないアメイジングファミリー」、その言えない「怪しい一家」が何なのかがカギ。家族が住んでいる豪奢な家の居間で繰り広げられるスラップスティック・コメディ。

    登場する者の個性と魅力的な力が物語を牽引し、勘違いや誤魔化しといったドタバタの連続で 笑わせ 楽しませる。その中心は、妖しく美しい3姉妹の突飛な考え。
    (上演時間1時間30分 休憩なし)【Red Devils】

    ネタバレBOX

    舞台美術は、この家族が住む豪奢な家の居間。中央に大きな応接セット、その奥に大きな両開き窓。上手に扉、下手に悪霊が棲む空間。至る所で蝋燭やランプ灯が妖しく灯る。

    物語は説明にある通り、3姉妹の次女 メモリが人間に恋をした。この家の住人は悪魔。悪魔が人間に恋をするなど許されない。特に 人間嫌いの父にバレぬよう奮闘する姉妹たち。人間の青年 晴海は真面目で、付き合っているメモリの父に挨拶をしたいと言う。そこで叔父を父として紹介しようと企む。或る雨の日、家族が青山墓地へピクニックに行った留守を見計らって…しかし雨が止み 予定より早く帰ってきてしまう。予定外の事態に慌てるメモリと叔父、しかも留守ということで人間の泥棒まで侵入してきての大騒ぎ。ラスト、メモリが選んだ決断とは…少し切ない。

    登場人物ならぬ悪魔の魔力が面白い。もちろん名前がその<力>を表しているようで、長女カイリは怪力、三女サトリは相手の心が読める、そしてメモリは記憶を操る。それ以外にカイリの夫は変身、叔父は晴れの日は姿が見えない(逆に 雨の日は人間にも姿が見える)、父(脚本/演出 佐野瑞樹サン)は万能で 最後は時間まで巻き戻すといった力業、皆 様々な特徴がある。一方、晴海はそんな事情は知らず、真摯に皆と向き合う。このドタバタ騒動が笑いを誘い、晴海が勤めている遊園地に 雨の日にしか来ない孤独な女性 メモリへの優しい独白がちょっぴり感動する。

    公演は、初めて演劇を観る人でも分り易く楽しめるもの。表層的な面白さは勿論、魔界を思わせるような衣裳やメイク、先に記した魔力(例えば 力 比べ等)を可笑しく描く。このサービス精神に溢れた観(魅)せ方が実にイイ。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/10/05 00:10

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