最新の観てきた!クチコミ一覧

23541-23560件 / 191899件中
Naufrágio 出雲阿國航海記

Naufrágio 出雲阿國航海記

水族館劇場

臨済宗建長寺派 宗禅寺 第二駐車場 特設野外儛臺 天飈の鹿砦(東京都)

2022/05/19 (木) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

主宰の執筆事情で初日がズレ込んだ。お陰で観に行けた。
役者いじりの台詞と、詩的言語を媒介に時空を旅し、喫緊のテーマと歴史の因果を紐解く作風は健在。野郎共(女優も含め)の殆ど手ぶらで裸同然の演技と舞台が目指す高邁さとのギャップも水族館ならでは、相変わらずであった。
主宰が世代交代するという。桃山邑氏の筆による最後の舞台という。アングラ精神(テント公演はレジスタンスなエンタメ)を最も体現してきた(私はそう思う)水族館劇場の今後を見守る所存。

レディカンヴァセイション(リライト)

レディカンヴァセイション(リライト)

プロトテアトル

AI・HALL(兵庫県)

2022/06/11 (土) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

閉じ込められた暗闇の中なので、演者さん同士が目を合わせることもほとんどなく、ひたすら会話を聴いて、途中ややしんどくなったりもしたのですが、そんな状況で人が少しずつつながっていく様子に感動しました。

『器』/『薬をもらいにいく薬』

『器』/『薬をもらいにいく薬』

いいへんじ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 14:00

『薬をもらいにいく薬』を観た。素晴らしい\(^_^)/~~。103分。
 不安障害を抱える女性ハヤママミ(タナカエミ)がバイト仲間のワタナベリュウヘイ(遠藤雄斗)の力を借りて出かけるのだが…、の物語。不安になるんじゃないか、という不安を抱える、というのが、とても良く分かる形で展開される。よくよく考えてみると、この作家はセリフの選択が本当に素晴らしく、普通に会話しているようで見事にテキストを使い分けている。軸になるタナカの演技も見事だが、それを助ける遠藤も見事に演じてる。
 タナカは、くによし組、劇団スポーツ、いいへんじ、と3作続けて観ているのだが、それぞれ異なるキャラクターを巧みに演じて、底力のある人だと改めて思った。

瀬沼さんのことを何も知らない

瀬沼さんのことを何も知らない

ライオン・パーマ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです!
台詞の面白さや間、役者さんの表情とか、何とも言えない面白さが絶妙で、ずっと口元が緩んでいました。
ストーリーは謎めいていて、どんな展開になるのか、どんどん惹き込まれました。
ふんわりした笑いの中に、切なさとか愛とか沢山詰まった優しい舞台でした。
病みつきになるような不思議な雰囲気を持っている舞台です。
自分にはド嵌りで、大満足でした。

国産本マグロ式活弁公演「ろみじゅり!!」

国産本マグロ式活弁公演「ろみじゅり!!」

国産本マグロ

STUDIO MATATU(東京都)

2022/06/10 (金) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めて拝見させていただきましたが、役者が台詞を言わず活弁で見せる。とても面白かったです。生演奏で元気一杯で良かったです。内容も良いですね。何役もこなした役者さんも最高でしたよ。

桃の漢

桃の漢

Project JUVENILE

浅草九劇(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とにかく面白い!
これぞ、少年ジャンプの世界観でリメイクした桃太郎(私見)

友情!努力!勝利!に追加して、たっぷりの笑い🤣ドン❗️

キャラの個性もたちまくりで、
鬼の大将→ジョニーデップかよ!
おばあさん→小杉が出てきたと思ったら、え?

次回作も観に行こう!

高島嘉右衛門列伝3

高島嘉右衛門列伝3

THE REDFACE

横浜関内ホール(神奈川県)

2022/06/10 (金) ~ 2022/06/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

6/11 13:00〜 観劇してきました
幕末から大政奉還、明治初頭。維新の英雄達とそれを横浜から支えた男の物語。

演者全員ビンビンに声でてますね!(飯野さん、かわいい)

榊原利彦さんが最後に話されていましたが、
会場が大きくなると、詰め込まない演技の方が観客には聞き取りやすい、と。
なるほど、参考になりました。

次回お楽しみに!で終幕。

Re:ビドー

Re:ビドー

早稲田大学演劇研究会

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2022/06/10 (金) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 18:00

75分。休憩なし。

ノートルダムの鐘【1月6日~8日公演中止】

ノートルダムの鐘【1月6日~8日公演中止】

劇団四季

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2022/05/21 (土) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/06/10 (金) 13:30

165分。休憩20分を含む。

最後の炎

最後の炎

シヅマ

SPACE EDGE(東京都)

2022/05/27 (金) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ドイツの女性劇作家デーア・ローアー作品は劇団TEEがしばしば訳出・上演していたが未見。(観た人から感想を聞いて晦渋な印象があったので・・。子供向けに書かれた最近の上演は観劇したがこれは面白かった。)

立ち上げ当初から注目していた(自分への)義理で内容不詳の舞台を観に行った。間近になって「あのデーア・ローアー」と気づき一瞬怯んだのだが、逆に期待するこのグループを通して未知の劇作家を発見できるのでは・・と久々のSpaceEdgeにわくわく足を運んだ。

この小屋の内部をこう設えたか、と目をパチクリ。漂白色の段ボールを剥いだ裏側(デコボコした)を、横長の階段式客席と、同じ階段式の演技スペースにまで敷き詰め、かなりセンスを感じさせたファーストインプレッションは開幕以後も続いた。
確かに手の込んだ戯曲という感触であるが、目立てが的確で俳優の立ち居に清冽さがあり、陰と陽、静と動の緩急が絶妙(出来の良い弟子のように作家の狙いをハイレベルで具現している)。
休憩を挟んで2時間50分程だったか(少々記憶に自信ないが2.5~3時間の間)。終盤にややきつい時間があるが、幕までに十分に回収してドラマの全体像を観客にしっかと受け渡す。役者皆がこの作品と作品の根底に流れるものへの奉仕者に徹し、共有していると信じられる事は、演劇の可能性(大胆に敷衍すれば人間・社会の可能性)を信じたい者にとってどれほど勇気づけられるかという話であるが、この劇作家が広く評価されている(と聞いた)本質に通じる所だろうか。。(判らんが)

この作品の風景が日本では見られないものとして迫ってきた理由には、戦争責任への向き合い方における彼我の差が連想される。戦後ドイツがナチス時代のホロコーストに対峙し、「償い」の姿勢を示し続けて来た内省的なあり方には、やはりキリスト教が介在しているに違いないが、単純比較で日本の戦後の「加害への向き合い方」が浅薄であった事は「人間をジャッジする」(神的・超越的な)存在の不在が大きいのだろう。
「正しく苦しむ」(真の癒しを得るため)道が開かれている社会と、利得感情(自分の、だけでなく周囲のため、が混入するから絶望的にややこしくなる)に従って「嘘」をつき続けなければならず、癒される事のない社会との差、と表現する事もできるだろう。だが、この「向き合い」には当然、多大な苦痛が伴う。その風景が、この作品では描かれている。だがその苦痛を避けずに持ち、何から生じる苦痛であるのかを直視し、もがきながらその先を見通し進んで行く姿も作者は描く。

ある不幸な交通事故(死んだのは子供)が起きる。一人息子を亡くした夫婦と、認知症化した祖母(孫がまだ生きていると信じている)、事故を起こした青年(不遇な生まれだがボルタリング選手の夢を見出すも躓き、薬物依存となった)、その車を追跡し事故のきっかけを作った事に悩む女性警察官、そして事故を目の前で目撃した帰還兵(戦争体験からのPTSDに悩む)・・彼ら全員に共通するのは、それぞれの形ではあるが「罪責感」と向き合わざるを得ない「現在」を生き、逃げようがなく「苦痛」である事だ。
他の登場人物として、事故を起こした青年と同居していた親友(事故以来青年が部屋にこもり、部屋に入れなくなった)、息子を亡くした夫(教員)が一目惚れした元美術教員の女性がある。その女性と特殊な関係を持つ事となるのは女性警察官。

ドイツ社会でもこの作品の人間ドラマは「理想」なのかも。子供の事故死に連なる己の「責任」は、己の行動が己の責任においてなされている前提なくして発生しない。日本では己一人の責任において行動を決する意識が希薄、そもそもそのような行動自体が奨励されない。「周囲を見て」「皆がやってるから」する行動が大部分を占めているため、戦争を起こした軍部と同じく、制度的には自由社会、公共の福祉に反しない限りの自由と権利が与えられていても、行動の根拠そのものは「己」ではなく「全体」「周囲」にある。その意味での責任概念は時代が下るほどに希薄になり(自己責任論は深まったが)、その代り「管理」への要請と依存が高まった。
己の責任で行動するからその結果に対し己の責任を痛感する。女性警察官に象徴されるが、彼女は事故を発生させた張本人だと自分を認識しており、しかし法律が裁くのは青年である事を知っている。罪と処遇の乖離が彼女を分裂させ、彷徨が始まる。この苦しみは(法違反ではなく根本的な意味での)「罪」の自覚からしか生じない。
日本では集団規範(縛り)が罪意識の源であると感じる。社会を生きるには他者が必要で、それは一つの集団だと捉えられている(共同幻想)。日本の民主主義は個人の考えを言う事ではなく、集団として進もうとしている方向に「協力する」事で実現すると感覚レベルで理解されている。それは手段であり、目的は「民のため」だから民主主義という事なわけである。
彼我の違いを考えながら、人生が「変わる」事が可能でドラスティックな可能性を秘めていると感じる事のできる社会はどちらか、という事を思う。

ラスト・ナイト・エンド・デイドリーム・モンスター

ラスト・ナイト・エンド・デイドリーム・モンスター

悪い芝居

新宿シアタートップス(東京都)

2022/06/02 (木) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 18:00

ストーリーの導入が巧みで引き込まれた。
舞台美術も凝っていて面白かった。

バロック【再演】

バロック【再演】

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

少し音が大きくて耳が痛い。

Secret War-ひみつせん-

Secret War-ひみつせん-

serial number(風琴工房改め)

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

テーマの提示で終わってしまう感があり、もう少し劇的な起伏のある展開があって欲しいという気がしないでもない。

星降る学校

星降る学校

K-FARCE

萬劇場(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

後藤郁さん出演。
後藤ちゃんは脚のお怪我から回復されたばかり。心配でしたが、演技を拝見する限り問題なさそうでした。安心しました。
役柄はもうぴったりの、ザ・後藤郁でした。力強さと弱さを兼ね備え、安心感があります。
この演目は何度も再演されているのですね。評価が高いからだと思いますが、それも納得です。いいお話でした。
遥りさ さん良い演技でした。つい最近、テレビドラマで拝見してました。観劇中、どこかで見たことあるような・・と。あとで確認し、年齢を知って驚きました。二十歳くらいかと。
矢野たけしさんは「オーバースマイル」で拝見してました。そのまんま、元気で楽しかったです。

ネタバレBOX

最初舞台セットを見たとき、ちょっと驚きました。屋上で、変えようのない配置で、出入りはひとつのドアからするしかない形でした。この制約の中でどのようになるのだろう、と。

遥さんと加藤竜二さん演じる高校生のシーンから始まります。中盤で、それが過去のことだと分かってきます。終盤で初めて、後藤ちゃん演じる田原の過去だと分かります。きっと亡くなったのだろうな、と思うときに、それが分かります。うまいですね。

とうとう、出入りはドアひとつだけでした。これを守ったのは素晴らしいです。
バロック【再演】

バロック【再演】

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 14:00

とても迫力があり観応えのある舞台でした。
開演後からストーリーに引き込まれました。

バロック【再演】

バロック【再演】

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初演を観ているので二回目。
野花紅葉(もみじ)さんの美脚がエロエロ。小崎愛美理(えみり)さんの秘書も良い。杉本有美さんの霊感NPOもやたら美人だった。

照明バッテリーの充電トラブル(?)で演出の寺十吾氏が舞台に登壇して突然の中断。充電休憩を挟んでの再開。寺十吾氏は土下座までしたが、観客は玄人でこの手のトラブルには慣れたもの。何の混乱もなく拍手で舞台の再開を後押し。逆に後半戦の雰囲気が良くなった程。

もうこれはホラーではなく、メタ的セルフパロディーの域に達しているのでは。

ネタバレBOX

途中、これは作家と役者の話ではないかと考え始めた。絶対的な権力を持つ作家(創造主)に役者達一人一人が抗うような。作家(超自我)をどう切り崩していくのかの寓話。そう考えないとどうも物語の構造がおかしい。作家は単純なホラーを語ることにうんざりしているようだ。

黒沢清や高橋洋など、Jホラー・ムーブメントを牽引してきた作家がことごとく方向転換。黒沢清の『LOFT』を当時観た時、本当にこんなものを創る作業が心から嫌なんだろうなあと同情すら覚えた。「もう怖いと思うものが無くなってしまった」と彼等は語る。恐怖は突き詰めていくと笑いに変化し、笑いは狂って意味を為さなくなるもの。無意味と真剣に向き合う作家は当然熱烈なファン以外からは相手にされなくなる。高木登はどうもそんな境地と向き合っているような気がした。全くの勘違いなら申し訳ない。煮詰まった時は原作ものか史実に基づいたものをやると良い。
レディカンヴァセイション(リライト)

レディカンヴァセイション(リライト)

プロトテアトル

AI・HALL(兵庫県)

2022/06/11 (土) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

赤信号みんなで渡れば怖くない等々の、日本人独特のキャラをとても上手く表現していたと思います。人は一人では何も出来ないというけれど、死ぬ時は誰しも一人。
他国の事は知らないけど、今のロシアの対応を考えると、国の色がそれぞれあることを考えさせられた。す

瀬沼さんのことを何も知らない

瀬沼さんのことを何も知らない

ライオン・パーマ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

のっけから目の離せない展開が続きます。あれ,このシチュエーション見たことあるかもってものもありましたが,物語のスピード感,展開にマッチしており,途切れることはありませんでした。途中,換気のための休憩はこのご時勢やむを得ないところですが,ホントであれば最後まで一気に駆け抜けてくれた方が面白さは増すでしょう。早くコロナ終息が望まれるところです。後半は気を入れないと物語の面白さに置いて行かれます。集中しましょう。自分はちょっと考えてしまったところがあり,少し物語の謎を残してしまいました。それでも,最後には満足の観劇を終え,時間を見たらビックリという具合でした。とにかく良かったです。久し振りの観劇で,やはり生の舞台の良さを再確認したところです。

高島嘉右衛門列伝3

高島嘉右衛門列伝3

THE REDFACE

横浜関内ホール(神奈川県)

2022/06/10 (金) ~ 2022/06/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前作「七慟伽藍 其の二十八」に続いての朗(活)読劇、その面白さを再び味わった。
高島嘉右衛門列伝となっているが、単なる個人史ではなく、幕末という動乱期に活躍した勤王志士たちとの交流を通じて、彼のトピック的な出来事を綴る物語。本公演は列伝3~横濱の龍神~乾惕編になっている。帝王学の書「易経」では、龍の成長(6過程)物語を取り上げた入門的解説の3番目が、乾惕(けんてき)である。カーテンコールで榊原利彦氏が、列伝4を行うと明言したのもそのためだろう。
なお列伝1、2は、冒頭に概要が説明されるので、列伝3だけの単独公演でも困らないし十分楽しめる。

さて少しネタバレするが、物語は1866年11月に横浜関内で発生した火災(豚屋火事)後から始まる。ちなみに豚肉料理店から出火したためこう呼ばれているらしい。横浜開港から7年目の関内を焼き尽くした。関内の復興に尽力したのが、この地名「高島」にもなっている嘉右衛門である。
冒頭、鼓舞するような勇壮な音楽が流れ、その音響を背景に役者が語り始めるが、音声(台詞)も音楽に負けないぐらい迫力がある。台本を持ち、舞台上を歩いたり座ったりして情景や状況を補足する。読み聴かせる力量と熱量に魅了される。
(上演時間2時間 途中休憩10分含む)

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に少し高くした平台、その上に大きな生け花風のオブジェが置かれ圧倒的な存在感を放っている。その両脇に椅子、そして上手下手にも椅子がある。役者は舞台を行き来したり、花がある所の椅子に座り、場所という空間の違いや情景・状況といった光景を観せる。シンプルな舞台セットだが、もともと朗読劇であり 多くの身体表現はしないから良く出来ている。

前半は、薩長連合による討幕の話。特に長州藩・高杉晋作を中心とした明治維新という動乱の中、高島嘉右衛門が果たした役割が紹介される。列伝となっているが、あくまで志士たちと知り合いであり、表舞台での活躍とは言えない。むしろ休憩後の後半、明治維新後の新政府との関わりに高島の人間性が表れてくる。商才に長けていたこと、巨万の富を得るが、欲得だけではない懐の深さを描く。それが東京・新橋と横浜を結ぶ鉄道敷設に関わる契約の件ー先方が高島個人と新政府の両方と契約(ダブル・スタンダード)したことで自ら身を引き、他方 海面埋め立て工事を請け負ったこと。また旧南部藩の借金減免を新政府に嘆願助力したことを熱く語る。

さて「高島嘉右衛門」が最初の朗読劇であれば、もっと満足度は高かったが、「七慟伽藍」を観劇しているため、どうしても比較してしまう(満足度のハードルが上がった)。
まず「七慟伽藍」は戦国時代に生きた武将の怨念の語り、そして「本能寺の変」の謎といった「時代の流れ」の中で人間を描いている。
一方「高島嘉右衛門」は、何回かに分けて高島個人のトピックや、同時代の人物との交流を時代に沿って順々に描く。「(明治)時代の黎明というか息吹」が細切れになり、時代のうねりというダイナミックさが十分伝わらないところが残念。これが1~2公演で「高島嘉右衛門列伝(全編)又は(前編/後編)」を上手く纏めることが出来れば、更に時代の流れの中に高島の偉業が(次々)表れ魅力ある人物像が立ち上がると思うが…。

勿論、役者の演技は1人ひとり登場人物の特徴(容姿も含め)らしきものを捉え、物語の中で生き活きと描き出している。衣装…男優陣は黒っぽい上下服に同色シャツ、女優陣は着物姿といった外見上はほぼ同じで、あくまで朗読・演技の中で個々の力を発揮している。男優は汗が流れるほどの熱演、女優は妖艶さを漂わせた、見事なバランスで観(魅)せている。
次回(続編)公演も楽しみにしております。
朗読劇月光の夏

朗読劇月光の夏

チーム・クレセント

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 13:00

映画化もされた著名な物語。先の戦争で、出撃直前の二人の神風特攻隊員が「ピアノを弾かせてください」と国民学校に突然訪れ、一人がベートーベンの「月光」を弾く。二人に応対した女性教師が戦後、この話を小学校で語って話題になったが、名前を聞いていなかったためその特攻隊員が誰なのかが分からない。地元の記者たちが探り当てた元隊員は、かたくなに語ることを拒む-。

この話を知っていれば、もう、月光のメロディーを聞いただけで目が潤んでくる。音楽の教師になりたいと言っていた青年は、自ら特攻に志願して散っていった。しかし、「熱望する」と書いて志願したのは、ほかの回答が許されない空気が支配していたためだろう。お国のために死ぬという「崇高さ」は、自分の将来の夢よりもはるかに重要なものだった。出撃前夜、外に出て「俺は死にたくない」と吐露する隊員に心を打たれる。日本人はこのような歴史を経験したからこそ、軍隊とはどういうものかをきちんと胸に刻まねばならないのだ。軍隊、すなわち自衛隊を増強することに現政府が熱を入れ、それに少なくない人たちが賛成している。その先に何が待っているのかを、この舞台を見て知るべきだ。歴史の教訓は、国家や国民の将来を左右するのだから。

朗読劇だがストレートプレイの要素も盛り込まれ、さらにピアニストによる演奏が効果的に使われている。チームクレセント主宰の片山美穂が女性教師役とナレーターを務め、舞台を引っ張る。その片山と、元隊員を取材するテレビ局のディレクター役の落合明日香は、その役柄とは別に目を潤ませていた。まるで客席と呼応したようだった。舞台と客席が一つになって、拍手が長く続いた。

振武寮という、出撃したものの戦闘機のエンジン不調などで戻ってきた兵士をねぎらうどころか隔離した恥知らず扱いをした旧日本軍の非道な部分が、この小説「月光の夏」で世に知られることになる。軍人の役割は国家のために死ぬことだ、という空気がこの地球から取り払われない限り、戦争は果てしなく続くのだろう。

あえて一言いうのであれば、朗読劇よりストレートプレイで見たい。

このページのQRコードです。

拡大