最新の観てきた!クチコミ一覧

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あしたはてんきにしておくれ

あしたはてんきにしておくれ

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

純文学に造形がない人にとっては、作品が大きく動き始めるラスト30分までは、とても忍耐が必要な玄人好みの作品だった

ストーリーが終盤に向けて大きく転がり始めると、次から次へとしっかり埋め込まれていた伏線が回収されて行き、深い人の人の繋がりが浮き彫りにされていくとても納得いく結末でした

場の設定自体が、人によっては重いので、是非、物語が転がり始めるまで、しっかり耐えていただきたい

さかさまのテミス

さかさまのテミス

友池創作プロジェクト

駅前劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

悲劇で喜劇な「正義の味方になりたかった」大人たちの会話劇の触れ込みどおりの盛りだくさんなさくひんだった。

出版社を取り巻く最近起きた事件やそれを巡るSNS狂騒具合とそれに翻弄される人々とその病理が描かれている
様々な人間模様が絡み合ってるので混乱しそうになったが、現実的にもカオスな世界なのだろう

実際、観てお確かめにになってもらいたい

「観てきた」コメント欄は見ない方が良いと思う
(観る楽しみが失せるコメントが多いのが残念だ
見ないで済むネタバレBOXを使わないに迷惑コメントが多いのは、ここの特徴かもしれない)

べつのほしにいくまえに

べつのほしにいくまえに

趣向

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/05/25 (土) 13:00

価格1,500円

家父長制、共同親権、DV・・・「結婚」という古い価値観の中で、苦しめられている。オノマさんは新しい結婚制度が施行されたという架空の設定で、新たな視点を提示する。祖母のエピソードが好き。紅葉坂は片麻痺の私には少し大変だったけど、行ってよかった。

ネタバレBOX

・おばあちゃんと結婚したいというエピソード素敵でした!途中からメンタル不調を想像してましたが、お酒が好きなおばあちゃんという設定にしたことがとても良いと思いました。女優さんも素敵でした。
・大川さんがチラッと台詞で書いてましたが、ペットの視点は面白いと思いました。生き物がいることで救われる部分はあると思いますし、それは犬猫に限らず、蟻でも蛙でもパートナーだと思えば等価だと思います。
・役名を失念しましたが、お菓子の紙袋を被るところ、可愛かったです。
・知人とお茶したのですが、「おばあちゃんがアル中だと社会復帰が難しいですよね、施設に入るって言ってたけど、そんなお酒飲んで大丈夫なのかな?」と言っていて、また別の知人は「たぶん施設に入れるくらいだから、経済的に落ち着いた環境かもね」と言ってました。演劇って演劇の嘘って言われますが、都合の良い解釈ではいけないと思います。オノマさんはキチンと裏付けがあるし、質問すれば「これはこういう設定で、戯曲にこういう風に書かれています」と答えが返ってきます。なんちゃって裏設定はありません。私自身も聞き漏らしもあったと思いますが、演劇を思考するのは楽しいです。
・権力関係にいる人なら、通常なら泣き寝入りするものですが、べつのほしという他者の設定の中で、「それはダメ!」と容赦なく指摘が入ることで、幸福でもあるなと思いました。
・文字にすると関係を決めつけたがるんだと思いました。結婚って、パートナーって、見つめ直すきっかけになったように感じました
・外での芝居で県旗がはためいてましたが、日の丸にしないところが好きでした
・和田さんの身体性がキレキレで、素敵です。拡声器で喋るところ、詩のようでした。
・オープンダイアローグの中で「当事者として~」とくいった台詞がありました。他人事ではなく自分事として考えてとメッセージなのかと思いました。
・一人語りって危ないと思いました。あの権力を持ってる議員も(作劇上は状況説明のためにやっているのだと気付きました)長々語ってしまうことに自分が見えていない痛々しさを感じました。
・《観劇した知人の感想》まさか、ロビングッドフェローの正体が、前ちゃんと同じ妖精だったとは。お婆さんにロミオと名付けるのは、ジュリエット並みにユニークでした。まさに成せる技ですね。
トワイライト1

トワイライト1

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/17 (金) 14:00

往年の(ってもう60年も前か(驚))米国テレビドラマ「トワイライト・ゾーン」的な不思議/奇妙譚3話オムニバス。
1編目singing dog「ボイドタイム」はロッド・サーリング風の「案内人」の言葉から倉多江美の某短編を想起したがむしろ夢野久作「ドグラ・マグラ」の「あの部分」に近い印象で「今までのアレがそうだったとしたら最後のソレは???」な感覚が好み。
2編目The Stone Age ブライアント「数えきれないほど口にしたセリフ」は劇中の「デジャヴ」「予知夢」などの言葉に「え、これはどっち?」などど惑わされつついわゆる「ループ系」で最近観た某作品を連想。
3編目ISAWO BOOKSTORE「冥界裁判」は基本設定はファンタジーだがほぼ法廷ものでは?と思いつつ観ていたら落としどころに「そう来たか!」と大いに納得。
3編それぞれタイプが異なり作家の個性が露わな好企画、第二弾。第三弾と継続することに期待。

さかさまのテミス

さかさまのテミス

友池創作プロジェクト

駅前劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やっぱり芸人さんの手掛ける舞台は独特なエンターテイメントへのこだわりが感じられ、その性格も反映されている様で独特な目線、世界観が面白い
登場人物達のインパクトある言動や軽快なやり取りは本来コメディーとして機能するはず
しかし、そのキャラ達のおかげでどんどん人の良い主人公が追い込まれていくものだからとても笑っている場合ではない
結果、コメディー性よりもドラマ性の方が圧倒的に強い異色作に
出版界という業界モノとしての楽しみ方もあり、これに近い経験をした人にしか出来ないのではないかと思える描写世界
映画化の案件、いろんな思惑が飛び交う面倒な世界である事が主人公目線で熱をもって伝わってきました

ビジュアル面でも優れた役者さんが多く、非常に近しく役者さんを感じられる劇場での公演なので、何と言うか お得感あり
物販と終演後の面会がセットになっているのは駅前劇場では珍しく、そこが残念と感じるお客さんがおられてもおかしくないものの、これがシアターサンモールとかであれば割と普通に感じられるので悩ましいところ

ネタバレBOX

ほとんどの登場人物が自分の立場や事情で突き進んでいるのに対して、憧れを頑なに歪ませず自分より他者を思いやる主人公ヒナタだけが「正義」というワードにとことんこだわっていたのではないかと
真面目なとても良い娘であり、もっと生きやすい場所は他にきっとあるだろうに、この職場では搾取されるばかり
いや、学生時代のエピソードを鑑みると、非常に損しやすい性格なのは否めなく
似たような思いをされている方には非常につらい展開であり、世の法則は時には容赦がないと思い知らされます
ある意味、ホラーよりも怖い
どう「正義」と折り合いをつければ生きやすくなるのか・・・ズシンとやられた後にいろいろと答えを巡って考えさせられる舞台でした

最初の二十面相

最初の二十面相

劇団身体ゲンゴロウ

北千住BUoY(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 Aチームを拝見。谷崎の「小さな王国」は読んでいないが。実にスリリングで面白い。
華5つ☆ ベシミル。追記した。5.25 17:44

ネタバレBOX

 板上は劇空間入口が、設定上の地下室と外界との接点となるドアになっておりホリゾントにはSNS上の交信内容が映写される。ホリゾント下手、センター、上手に出捌けが設けられている他、センターと上手の出捌け中ほどに丁度監獄で配膳に用いられるような仕掛けが設えられており、人が何とか這いずり出ることができる空洞を可動式板で使用時以外は塞いでいる。物語の多くの部分が小学校の教室での話と絡むので椅子が板上に在る他ラジオのような形の小道具が在る程度、ほぼ素舞台である。二十面相がタイトルに入っている通り犯罪という形、即ち違法になる行為が為されるのだが、今作の描く内容は寧ろ思想そのものである為、極めてスリリングな展開で緊張感が続く場面が多くその緊張度が極めて良質で高い為、またその緊張を破る食品デリバリーの配達員がドアを激しく叩くタイミングが絶妙で強い為唐突に途切れる演出が見事。また途切れた緊張感を上手く逸らし擽りや脱臼的手法で着陸させて別方向にずらして行く手腕もグーである。演劇であるから無論、次のカタストロフへ繋がってゆくのだが、其処は脚本でこの地下空間がどのような場所であるのかが書かれて、自殺志願者が30日の間に課されるミッションと内職をクリアした暁には目的を成就するN国へ行くパスポートを得る(或いはそれが自死成就かも知れないのだが)究極が与えられて居る為、観客が基本的な緊張感を途切れさす懸念は除外されている。この構成も見事である。
 言ってみれば今作は命懸けの思想闘争がメインテーマ。但しこの思想実践は法に抵触するという問題を同時に孕む。即ち体制VS反体制の命懸けの闘争が主題である。無論、命を賭ける以上、同胞たる者には絶対的な信が置けなければなるまい。それが思考を真に自らに真摯な思考と為すと考える根拠足り得ることになろう。また倫理的にも自らの全責任に於いての選択が実存レベルで要求されるのは当然のことだ。若干飛躍するが哲学的に考えれば総ての犯罪は反体制的であるから、極めて現実的な本質に関わる問題提起を江戸川乱歩の小説の主人公の一人である二十面相と絡め、知的でスリリング且つ本質的な問題提起として上演された作品であると言うことができる。
 ところで、書き落としていた。今作ラストシーンの状況を経ても今作の中盤でずっと描かれていた仲間内に於ける支配と隷属の関係である。換言すれば支配VS従属という関係だが、命賭けで同胞としての盟約を結び得た後に何らかの目標に対して(今作の場合は犯罪行為となる反体制的行為ということになるが)完全対等を保ちつつ盟友関係を保ち同時に目的を遂行し続けることが可能か? という問題である。そこに能力差によるヒエラルキーが生じ固定化することはないのか? という問題は必ず出来する。その際、分け前が同等であればそれで済む、ということで完全には解決されない問題はこれもまた必ず出てくるだろう。
百年への贈り物

百年への贈り物

川崎郷土市民劇上演実行委員会

川崎市幸市民館(神奈川県)

2024/05/18 (土) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

令和6年7月1日に市制100年を迎える川崎市

100年前に多摩川の疫病に悩まされていましたが
のちに初代市長となる石井泰助氏らが浄水場を造ることを決意し
様様な流れの末に川崎市が誕生
その葛藤と成就を描いた演劇であります

けっこう舞台が広くて
演出やら舞台美術の方は苦労したんだろうなぁ
とか思えたデス

やはり地元での郷土話
客席はほぼ満席でしたがー
客層がなかなかの高齢者づくしで
いろいろと凄かったなぁと

第一幕75分
第二幕60分 15分休憩あり

ネタバレBOX

中心となる初代市長さんが
なんともカッコ良いのですよ(^-^)

水道管~浄水場~建設時期は
東京都とも被り
欲しかった鋼管が高値になり個数もそろえられず
対立していた反対派内の桶屋さんに
木管で作っていくことを進めたりとか
苦労は沢山あったんだなぁと・・・・・・

当時の映像で工場やら年代なども表示してくれましたが
できれば資産価値=当時の工事金額とかを
現代価値でも表示してくれたら
理解が進んだかもと思えたっす

親の顔が見たい

親の顔が見たい

diamond-Z

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2024/05/16 (木) ~ 2024/05/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この話を観劇したのは
これで二回目になりますね
琴線に触れます・・・

学校の教室内で首つり自殺した女子中学生
その遺書に書かれた名前の保護者らが
集められた一室での芝居であります
関与した学生らは別室におり
集められた保護者らと教員たちが
事件をどう扱ってゆくのかという話です

ネタバレBOX

自分の子供を守るためとはいえ
自殺した生徒の遺書を
火をつけて燃やすは
千切って食べるは
なんとも凄まじい演出だなぁと
感心しきりっす

一度や二度は隠ぺいできた(?)
遺書でしたが
その後もいろいろと出てきて
どんどん苛めがあったことを否定できなくなり
人が=同級生が自殺したのに
まったく動じず反省もしない生徒らを
殺してやりたいのは自分なんだと告白する
担任教諭の告白に
各保護者らは心打たれて
自分らの子供のとこに向かい
各自が部屋を出ていくというトコで終演となります

最初の二十面相

最初の二十面相

劇団身体ゲンゴロウ

北千住BUoY(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

秘められた感情表現というか、心理的なところは表現されていたように思いますが、先生のキャラがなんとなくついていけなかったです。元気なお芝居は以前拝見したときから一緒でよかったかな。哲学的で少し難しかった印象です。

レッドホットセックスピストルニルヴァーナ

レッドホットセックスピストルニルヴァーナ

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

レッチリとか話には聞くけどよく知らんくて、でも面白かった。
千本ノックみたいのもエスプリかなんか効いていたと思う。

君のメロディ

君のメロディ

空間製作社

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。内容も歌もダンスも素晴らしかった。少しかわいそうでしたけど、でも、優しい気持ちになれるそんなお話。とても心が暖かくなる時間を過ごせました。ありがとうございます。

最初の二十面相

最初の二十面相

劇団身体ゲンゴロウ

北千住BUoY(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

緑の花

緑の花

劇団飛び道具

アトリエS-pace(大阪府)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

東南アジア(多分ミャンマー?)に秘境石像ツアー→不発弾処理ツアーの一行が繰り広げる、ドタバタ劇
題名ともなっている緑の花が、最初からスポットライトを浴び、最後には4本に(この地域では感謝の意味で花をくれるらしい)
ツアー参加者には、夫が早期退職夫婦 大学院になんとなく通い現地語を話せるガイド いつまで経っても正社員になれない派遣社員 小学校を休職しツアーになって参加しているメンタル弱っている女性教師や離婚したての男性等々的
最後には、早期退職夫婦の娘も参戦し、それぞれの価値観を見せつける群像劇 皆各々がやりたかったことを取り戻したり、見つけたりと我が道を探求するのだが…
色々考えさせられる内容でした

ユメミソウ~夢見荘~

ユメミソウ~夢見荘~

劇団1mg

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

満足度★★★

ファンタジー トキワ荘(藤子不二雄?)を彷彿とさせる内容
夢見荘というトイレ🚾共同風呂なしの大家と住人五人の話
涙する場面も何度かあるが、お決まりのパターンで…
一週間の最後のサラリーマンには…
更に45分前会場が、30分前に
且つチケット🎫代の精算も間違えるなど(言わなかったら…ガメタ?)全体的なレベルダウンでした
客入りも…

オットーと呼ばれる日本人

オットーと呼ばれる日本人

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2024/05/17 (金) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

木下順二の代表作である。3時間40分となれば今の民藝では夜公演は一回しか出来ない。珍しく、ほぼ満席、しかもいつもの老人ホームのお迎え待ち客ではなく、中年の客も、いつもは全くいない若い観客もいる。民藝の衰退は夜公演をあっさり諦めたところから始まったのではないか、という感じすらする。
尾崎秀実伝だ。上海で、記者として世界の鼓動を感じながら活動している尾﨑がゾルゲと交流を深める一幕。帰国して疑われながらも、先見の明で近衛内閣の内閣参与となるが次第に追われるようになる二幕、捉えられ、回心を促されるが自己の主張を貫く拘置所拘留中の三幕。
日本が列国帝国主義に遅れまいと国民を全体主義に押し込めていった軍閥時代の1930年から45年までの時代。コミュニズムにこの国の突破口を求めて、ソ連の情報機関に接触した才気ある日本人の物語である。この戯曲は62年に劇団民藝で初演、66年、2000年と再演され、その後、2008年に新国立で鵜山仁・演出で上演されている。
見ていると、思い出す台詞もあるから多分、66年あたりの公演を見たのだろう、それから五十年たっているが、ホンは実にあの手この手で、困難な時代に生きた「日本人」を「妥当な」「人間的」スタンスで活写している。全く古びていない。この長丁場をダレさせない、
これが今回公演の第一の驚きである。日本近代劇の代表作の名に恥じない名作であると改めて思った。
第二は、尾﨑を演じた神俊政の快演である。ろくに調べもしないで行ったので、最初は岡本健一が客演しているのかと思った。周囲の民藝の俳優からは浮出さねばならない役だが、その任をガラでも、演技でもその役割を見事に果たしている。
ほとんどこの二点につきる公演だが、一方では、改めて言うのは申し訳ないが、演出が古すぎる。今は同じような素材でチョコレートケーキなどが次々と新脚本で昭和を舞台の史劇の舞台を作っているのだから、時に新派風に見得を切って見せたりされると鼻白む。テキストは、まだ大きくはいじれないだろうから、これだけでも、よく整理したと思う(ほとんどいじっていないのではないか?)。しかし、現実に60年はたっているのだから、先人の舞台をコピーして伝統とすることから決別しないと観客がついていかない。リアリズムの解釈はいいとして、説明的な台詞や演技指定などは現代的に演出しないと戯曲を時代に取り残すことになってしまう。折角のラブシーンで繰り返される単調さには呆れるほどだ。生活も様式に埋もれているし、台詞にも日常性がもっと必要だ。演劇は時代とともに変わる。生身の人間がやるのだからその時代を生きた人ともにあるのはやむを得ない。いつまでも伝統と称して怠けるのは演劇への冒涜である。例えば、音楽。まるで昔の二流の松竹映画みたいな劇伴は舞台の品格を下げている。クレジットに作曲者の名を出すことも控えるような音楽は使うな!
民藝の倉庫に入れておいて、半世紀に一度虫干しするのでは勿体ない戯曲だ。是非、優秀な若い人の手で、テキストレジして、せめて3時間以内で見せきれる真の新演出による上演があることを期待している。


リンカク

リンカク

下北澤姉妹社

ザ・スズナリ(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

複雑な環境、なにを言いたいかの明確な答えは見つからないですが、面白かったです!

さかさまのテミス

さかさまのテミス

友池創作プロジェクト

駅前劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

出版社を舞台に 「正義」は、人の立ち位置によって違う、といったことを描く。主人公は出版社で働くヒナタ(二宮芽生サン)、彼女は最近 文芸部へ転属してきたばかり。その部署では、出版社と作家の確執、その作家の本(シリーズ)を原作とした映画制作のプロジェクトが立ち上がろうと、そんなゴタゴタに巻き込まれていく。
登場人物は、それぞれの立場(正義)を明確にし自己主張してくる。しかし、ヒナタはそんな周りの人々の意見等に振り回され、自分の思いや考えが揺れる。二宮さんは、そんな心情表現を しっかり演じていた。

少しネタバレするが、本「されど念力の黙示録」(略称:サレモク)は、作者の妹キャラも登場する。その妹がネットで晒(話題に)されて、本はもちろん作者である兄を嫌っている。本の内容が分からないため、なぜ妹が嫌っているのかが疑問。出版社としてはシリーズ本を継続させたい、一方 作者は妹を登場させない、もしくは別の作品を書きたい。それぞれに正義はある。その根本は 妹の意向にあるが、そこが判然としないため モヤモヤ する。

ヒナタは、過去(高校時代)の嫉妬・悔しさや現在の状況に振り回され、自分自身を見失いそうになる。そんな時に勇気づけられたのが、「されど念力の黙示録」である。爆発する怒りを脳内で「かめはめ波⇦『ドラゴンボール』」ならぬ「念力波!」と唱え、気持を落ち着かせている。最近は、インターネットによる情報操作など真偽不詳な<正義>が流れる。そんな現代的な問題も提示するなどテーマとしては面白いが、先の妹の件が憾み。また、作・演出の友池一彦 氏が演じる 過去の男 友池さんの役割も気になるところ。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし) 追記予定

さかさまのテミス

さかさまのテミス

友池創作プロジェクト

駅前劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

全てにおいて消化不良が否めない。
観て良かったのか、観なければ良かったのか、こちらまでモヤモヤ感を引きずり、メンヘラになりそうだ。

デカローグ5・6

デカローグ5・6

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/05/18 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/23 (木) 19:00

C(5・6)を観た。A・Bに比べて物語に動きがあると思った。54分(20分休み)68分。
 5「ある殺人の物語」は、偏屈なタクシー運転手・不道徳でいらだつ若者・新人弁護士の3人の物語が交錯し、出会うところで起こる悲劇…、な話。不条理な印象はあるのだが、エンディングはちょっとショッキング。
 6「ある愛の物語」は、本シリーズ中で初めてと言ってもよい笑いを取る演出。画家の女性の部屋を覗く19歳の青年の物語。展開は読める気がするけど、青年と同居する友人の母役の名越志保の趣きが良い。
 6では「覗き」を可視化するためにセットを大きく変えていたが、それも含めて、6が演劇にして面白い作品だと思った。尤も映画で観るところを想像しても良い作品にはなりそうだが…。

あしたはてんきにしておくれ

あしたはてんきにしておくれ

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/05/23 (木) 14:00

座席1階S列9番

新作公演2日目。#あしてん 観て来ました🙆私が今まで観て来た #トツゲキ倶楽部 さんの舞台の中で、1、2位を争うくらいの早いテンポで、ぐいグイ引き込まれました✌ ちょっとキツめな役どころの #なかにしみなみ さん@minamismmm がとても力強く新鮮で、いい味出してました💯🥇是非劇場で観て欲しいです。

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