さかさまのテミス 公演情報 友池創作プロジェクト「さかさまのテミス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    出版社を舞台に 「正義」は、人の立ち位置によって違う、といったことを描く。主人公は出版社で働くヒナタ(二宮芽生サン)、彼女は最近 文芸部へ転属してきたばかり。その部署では、出版社と作家の確執、その作家の本(シリーズ)を原作とした映画制作のプロジェクトが立ち上がろうと、そんなゴタゴタに巻き込まれていく。
    登場人物は、それぞれの立場(正義)を明確にし自己主張してくる。しかし、ヒナタはそんな周りの人々の意見等に振り回され、自分の思いや考えが揺れる。二宮さんは、そんな心情表現を しっかり演じていた。

    少しネタバレするが、本「されど念力の黙示録」(略称:サレモク)は、作者の妹キャラも登場する。その妹がネットで晒(話題に)されて、本はもちろん作者である兄を嫌っている。本の内容が分からないため、なぜ妹が嫌っているのかが疑問。出版社としてはシリーズ本を継続させたい、一方 作者は妹を登場させない、もしくは別の作品を書きたい。それぞれに正義はある。その根本は 妹の意向にあるが、そこが判然としないため モヤモヤ する。

    ヒナタは、過去(高校時代)の嫉妬・悔しさや現在の状況に振り回され、自分自身を見失いそうになる。そんな時に勇気づけられたのが、「されど念力の黙示録」である。爆発する怒りを脳内で「かめはめ波⇦『ドラゴンボール』」ならぬ「念力波!」と唱え、気持を落ち着かせている。最近は、インターネットによる情報操作など真偽不詳な<正義>が流れる。そんな現代的な問題も提示するなどテーマとしては面白いが、先の妹の件が憾み。また、作・演出の友池一彦 氏が演じる 過去の男 友池さんの役割も気になるところ。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし) 追記予定

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    2024/05/24 17:06

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