たらいの観てきた!クチコミ一覧

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「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/12/24 (月) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

大人だ。(かもめB)
ぼくはいまとっても幸せなんだ。
幸福という衣をまとって、いまこれを書いているところ。
なんちゃって。

いや、でもほんとに幸福。
こんなにいい芝居を観ることができて。
その芝居ってのが、劇団だるま座の『かもめ』だよ。

ぼくの演技の教科書『俳優のためのハンドブック』には、こんなことが書いてある。
(この本は、ほんとにいい本だよね。必要なことだけが、簡潔に書かれている)

「私たちの社会のほとんど全ての領域で、真実と美徳は希少なものとなっています。だからこそ世界は劇場を必要としているのです。(中略)劇場はいま、人間の社会において、真実を知ることができる唯一の場所かもしれないのです、、、」

なんて大袈裟なんだろう。そんなことあるわけないじゃん。
最初に読んだとき、そう思ったものです。いまもそう思ってます。
でも、少なくとも、劇場が、『真実を知ることができる場所』のひとつではあるのは確かだと思われます。
劇場というよりも、劇場で上演される芝居で、ということですが。
その芝居のひとつが、今夜ぼくが目撃した劇団だるま座の『かもめ』かと。


え? なに? どういう真実?

そう問われるとね。困っちゃうんですが。うまく説明できないんですがね。
なんというか、劇団だるま座の『かもめ』には、『本当の時間』が流れていたのです。
登場人物である俳優のみなさんが、生き生きとその場に立っていたのです。
(もちろん、ぼくにそう見えただけですが)
するとなぜか観ているぼくは、その場面に眼が釘づけになり、観終わった後、幸福感に包まれることになるのです。

それは当たり前のことですよね。こうやってわざわざ言うことでもないかもしれない。でも、そういうことを改めて考え(感じ)させてくれる舞台だったということなのかと。

すいません。
興奮状態のまま長く書いてしまいました。ごめんなさい。
ではでは~

ネタバレBOX

最初に登場人物が全員舞台に出ている演出がよかった。
トレープレフが、母親や小説家について説明する長い台詞。
こんなふうに言葉だけで説明されてもと、戯曲を読んでいて思ったものですが、
その説明されている当の本人が舞台上にいると、すごくわかりやすい。

トレープレフは自殺未遂をしたあと、包帯を頭に巻いて、舞台の後ろのほうにずっとたたずんでいたのが、印象的でした。
今日、昼間秋葉原に行ったんですが、ああいう感じの人たちがいっぱいいたなあと思って。

自殺したあと登場して、湖の風景画の入った額を遺影のように胸に持つ、という演出も面白いと思いました。

ドールンはかっこよかったです。
「ああ、大人だ」
ちょい悪親父の感じが参考になりました。ぼくもああいうふうになりたい。

アルカージナもトリゴーリンも素晴らしかったです。
いや、みなさん素晴らしかったのです。
ギャグで笑わせるんじゃなくて、演劇的に笑わせる技術が。
いや、そうじゃなくて。
技術ということじゃなくて、人間的な魅力ということなのかと。


あえて不満をいうと。

ニーナは、第四幕では、もっと別人になっていてくれたらなあと。
あれでも別人だったかもしれないけど。でも、もっと。
違う人が演じてもいいかもしれないぐらい。無茶ですかね。
ニーナは、第一幕で演じた役(劇中劇?)をもう一度やりますが、第一幕と同じようにやってるように見えました。
二度目にやるときは、同じようでいながら、「でも違う、もう過去には戻れないのよ」的な雰囲気が出ればよかったのになあと。
無茶振りですかね? ごめんなさい。

それからトレープレフが自殺する気持ちがやっぱりわからなかった。
とはいえ、現実に自殺する人の気持ちも、ぼくには(いまのところ)わからない。
だから、どんなにうまく演出されても、ぼくにはトレープレフの気持ちはわからないのかもしれません。

それからそれから。もうひとつ。
かもめ(大判の白ノート)が出てきたり、それが話題になる度に、右の蛍光灯がちかちかしました。
どういう意図なんだろう。
かもめ=ちかちか?
意味を感じ取ることができませんでした。
『かめも』が出てこないときも、一度ちかちかしていたけど、それと関係あるのだろうか。
「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/12/24 (月) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

女性陣は真面目すぎ?
去年の暮れには、『櫻の園』を観たよ。
『櫻の園』は登場人物が多くて、わさわさした感じだった。

『ワーニャおじさん』はというと、登場人物も少なめで、そういう意味ではなんとなく寂しい感じ。
でもその分、演じる側はじっくりとやることが出来るし、観る側は落ち着いて拝見できるよう。

登場人物それぞれに長い台詞が多いのが、『ワーニャおじさん』の特徴かな。
ひとり芝居的な要素が増えて、役者の力量が問われる演目かもしれない。

それにしても、『ワーニャおじさん』。どうして『ワーニャおじさん』ていうタイトルなの?
主人公は、ワーニャなの?
それでもいいんだけど、なんとなくしっくり来ない。タイトルが。
そう思うのは、ぼくだけ?

ワーニャ役の剣持直明さん、ぼくは前回の『櫻の園』ではじめて拝見しました。
もてない役、恋愛下手役が似合いますね。いや、これは失礼。ごめんなさい。

明後日は、『かもめ』観に行きます。
楽しみ~

ネタバレBOX

違和感があったのは、ひとりになると、突然客席に向かって語りかけるような演出になったこと。
それも客席全体に語りかけるのではなく、誰かひとりを選んでその観客の近くに立って、語りかける。
ああいう場合、語りかけられた側は困っちゃうんだよね。どう反応すればいいのか。
反応する観客はまずいないですよね。みんな固まってしまっている。
前を向いて、役者とも眼を合わさない。
でもそれではつまらない。
観客から、何か反応を引き出すことができれば面白いんだろうけどなあ。

第三幕のピストルを持ち出すくだりはやっぱり面白かった。
撃つとき、ワーニャが自分で、「ばーん」って言ってるのも面白かった。
二発じゃなくて、十発くらい撃ってほしかった。無理?

男性陣は喜劇的だった。
でも、女性陣はというと。
エレーナ(奥さん)は、もっと喜劇的でもよかったのでは。
ソーニャ(先妻の娘)も。
真面目過ぎたかなあと。
無垢なもの

無垢なもの

ENGISYA THEATER COMPANY

シアター風姿花伝(東京都)

2012/12/28 (金) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★

2012最後の芝居見物
観客席の前方、真ん中部分には、椅子がなく、大きな空間がとられている。
ここで何かあるのかな。
ひょっとしたら、そこで踊る?

いや、踊りはなかったけれども、出退場に頻繁に使われていました。



主役の大村正康さん。怖かったです。
やくざの役で、身体も大きいし。なんか気に食わないことがあるとすぐに暴力的手段に訴えてきそう。

ぼくは通路側に座っていたので、出退場する大村さんが頻繁にすぐ横を通り過ぎる。
ときどき眠くなって、眼を閉じていたときがあったので、そんなときに大村さんが近くを通ると、
「しまったあ、殴られる!」と思ったものです。
舞台上からも睨まれてるような気がして、、、

ま、冷静に考えればそんなことはあり得ないけど。



本編の前に、芝居仕立ての長い前説があって、キャバクラ嬢に扮した女性三人が、客いじりをしてました。
正直いって、本編よりも、こっちの前説のほうが面白かったぐらいで。

本編になると、みなさん、妙に大人しくなって、硬くなってるなあという印象でした。
舞台が遠くに見えました。

ネタバレBOX

脳に障害のある(?)知恵遅れの青年と、やくざが出会って、ちょっとした交流がある、というような話の展開でした。

その知恵遅れの青年は、『レインマン』を連想させました。
既視感があると、つまらなく感じるもので、、、

演技はすごく上手だったのですが、もっと違う演じ方がなかったかなあと。

そもそも設定として「まさし」は知恵遅れでなくてもいいんじゃないのか。
知恵遅れ=純真=無垢なもの、っていう方程式がわかりやすすぎて、魅力的ではなかったかも。
ストーリーは全然ちがうものになってしまうでしょうけど。
WAをもって尊しと!

WAをもって尊しと!

劇団 晏かけ

北池袋 新生館シアター(東京都)

2012/12/27 (木) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★

ほのぼのコメディーでした。
ほんわかした感じ。
楽しかったです。

ネタバレBOX

プラネット刑事プラットが事件をまるく解決していく、というお話を書いている台本作家の物語。
明日に殺される

明日に殺される

コマツ企画

ザ・スズナリ(東京都)

2012/12/28 (金) ~ 2012/12/29 (土)公演終了

ひとり芝居は可能なのか
これはですね。
ごめんなさい。
非常に辛かったです。


ひとり芝居ってのは難しいですよね。
ぼくが芝居で面白いと感じるのは、複数の登場人物が会話している場面です。
登場人物が一人だと、そういう会話は基本的になくなるわけで。


本上演では、登場人物は確かに一人なのだけれども、もうひとりの誰かに語りかける感じで進行していきます。
架空の人物がいて、その人物に語りかけている。
でもその人物は架空で、観客には見えない。
一人芝居だと、その架空の人物の情報がごっそり抜け落ちてしまっているわけで、その分、つまらなくなっているのではないかなあ。


一人芝居はほんとに難しいと思う。
架空の出来事に対するリアクションも自分でこなさなくてはならない。
これは難しいというより、ほとんど不可能のように思える。
そりゃ演技としては出来るかもしれないけど、リアルな、あるいは劇的な反応は無理。


だから一人芝居って、ほんとは成立しないのかもしれない。
すくなくとも、架空の誰かに語り掛けるパターンは無理なのでは。
ふう。申し訳ない。

天然1

天然1

ハイブリットハイジ座

早稲田大学学生会館(東京都)

2012/12/26 (水) ~ 2012/12/28 (金)公演終了

満足度★★★

映像長すぎ
わし、映像じゃなくて、芝居を観に来たんですけど。

ネタバレBOX

オープニング(?)のダンスがいちばん面白かったです。
これから何が始まるのかなあという期待が高まって、、、

なくなった(テープを貼った)乳首の上に、マジックで円を描いたとき、コントとしていちばん受けました。

客席からは笑い声があがっていたし、隣の兄ちゃんは、ときどき肩をひくひくさせて笑っていました。
だから、ぼくのほうが、こういうナンセンスを理解できないだけなんだなあと。

飽きてきて眠くなってきたなあというときに、ちょうど終了してくれた。
ああ、よかった。
そう思いながら、会場をあとに。

なんにも残らなかったといえば言い過ぎですが、、、
「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/12/24 (月) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

チェーホフの謎
いや、謎なんか本当はないのかもしれない。
「謎」なんていったら、笑われるかもしれない。
でも、ぼくにはやっぱりわからない。

戯曲『櫻の園』を読んで、その面白みがどこにあるのか。

だるま座の『櫻の園』を観れば、その面白さを教えてくれるのかもしれない。
そう期待して観に行きました。

そして細部について、いろいろと理解したところがありました。
でも、大きな部分で残った疑問もありました。


現代の日本で、チェーホフの戯曲を(ほぼ)そのまま上演する意味ってなんだろう。
遠い時代のロシアの没落貴族の話は、なんだかやっぱりピンと来なかった、というのが正直なところ。

いや、でも、戯曲と上演は別物です。
上演自体は、独特の雰囲気があり、役者さんの演技も大変面白かったし、勉強にもなりました。
ありがとうございました。

ネタバレBOX

たとえば、エピホードフが花束を持って出てきて、落としてしまう場面。
すぐに拾って、ドュニャーシャに事務的な台詞を言って渡す。

なんだろこれって思ってたけれども、上演で再現されて理解できた。

エピホードフは花束をドュニャーシャにささげたかった。
しかし、ロパーヒンがいたので、渡すことができず、ショックで落とし、誤魔化すために事務的な台詞を口にする。
だるま座の上演では、さらにわかりやすく、エピホードフが間違ってロパーヒンに花束をささげようとしてしまうことになっている。眼を開けて、間違いに気づいたエピホードフが花束を落とす。
そういうことだったんですね。

このように、上演されることでわかったことがたくさんあったように思います。



残念だなあと思ったのは、シャルロッタの手品の場面。
原作では、アーニャ、ワーリャが布の後ろから登場する手品が見られます。
どうなるのかなと期待したんですが、だるま座上演では、その手品はありませんでした。
いや、ごめんなさい。細かいことですが。



それからなかなか大きな謎。
ロパーヒンは、ワーリャにどうしてプロボーズができないのか。
だるま座上演では、プロボーズしたいんだけど、女性相手には臆病で、なかなか言い出せない、という感じでした。
商売やビジネスには長けているけれども、恋愛に関しては、まったくだめ、という理解でいいのかしら。



最大の謎は、競売で櫻の園を競り落としたロパーヒンとラネーフスカヤの関係。
ぼくがぼんやりしていたせいか、その答えは、曖昧なままでした。


いや、そんな細かいことは考えなくても。
だるま座の上演はほんとに心温まる楽しいものだったんですけどね。





弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く

弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く

天幕旅団

劇場MOMO(東京都)

2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

舞台が回るのかなと思ったけど、それはなかった
円形のシンプルな舞台と棒を使った演出が面白かったです。
円形の舞台は、最初はなんにもないと思っていたのに、照明が当たり方で石を敷き詰めた通りのように見えたり、室内見えたり。
棒をうまく使って、男が螺旋階段を疲れた足取りで歩くのを表現したり。
黒いシンプルな舞台が、いろいろな表情を見せてくれました。

俳優の動きも工夫されていました。
ストップモーションっていうんですかね、動きの速度を変えて、ゆっくり動いたり、突然くるりと回転してみたり。
そういう動き方の演出も面白かったです。

ネタバレBOX

『クリスマスキャロル』の脚色です。でも原作の単純なハッピーエンドみたいな雰囲気ではなく、もうすこし複雑にアレンジされていました。
そのアレンジの仕方も、すごく上手でした。

途中、ゴーストが自分の正体を明かすところで、どばーっと泣いて、それから最後の場面でも涙を誘いました。
あれですよね、素直に泣けるものは面白いし、気持ちもいいですよね。
観に行ってよかった。

すごく寒い日。
外出するのは億劫だなあ。
やっぱり行くの止めようかなあ。
でも、やっぱり行こ。

観に行って、ほんとによかった。
素晴らしかったです。

ただ途中で、退屈もちょっぴり感じました。
なんでかなあ。
会話が単調に感じた部分があったからなのか。
自分でもよくわかりません。
でもすぐに上記のゴーストが自分の正体を明かす場面になって、どばーっと涙が出てきて、それ以降は退屈を感じることはありませんでした。
木曜、うぐいす館にて

木曜、うぐいす館にて

thursday-follies

プロト・シアター(東京都)

2012/12/14 (金) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

いい感じでした
すばらしかったです。

隙がなくて、ずっと緊張感のある場面が続きました。
退屈することもなく。
整然としていて。
難をいえば、整然とし過ぎていることでしょうか。いや、ゴメンナサイ、全然難ではないです。

女優のみなさん、声もいいし、動き方なども大変きれいでしたし、演技で自分を表現していると思いました。

【緊急再演】つぎとまります【王子小劇場】

【緊急再演】つぎとまります【王子小劇場】

劇団肋骨蜜柑同好会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/12/14 (金) ~ 2012/12/15 (土)公演終了

満足度★★★★★

ぼくが観たいと思ってた芝居
土曜日のマチネ。

素晴らしかったです。
ぼくが観たいと思ってた芝居が、そこにはありました。

「いいなあ、うらやましいなあ。あんな芝居ができて」
観劇しながら、嫉妬心がむくむくと。


北池袋新生館シアターの公演は、観劇できず。再演があってよかったです。


途中、もたついて退屈な印象がちょっぴりありました。
「中盤はもっと台詞のテンポがよくてもいいんじゃないかなあ」とも。
しかし、そうすると、逆にあの芝居の雰囲気がぶち壊しになったかもしれず。
難しいところですかね。

ネタバレBOX

エピローグで、会社を辞めちゃうってのは、ちょっと違うんじゃないのかなあと思ったり。
気持ちはわかりますが、、、
youが誰かもしらぬまま

youが誰かもしらぬまま

ポーラは嘘をついた―Paralyzed Paula―

早稲田大学学生会館(東京都)

2012/11/29 (木) ~ 2012/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

次回も期待できます
見終わった後、演出の名前を見ました。
「ああ、女性だったんだ。なるほどね、、、」
なんとなく女性的な感じがしました。

はっきり言って、ストーリーとか全然わからなかったのです。
だから理解しているとは言えないのですが、でもつまらなくはなかったです。
これは演出の力が大きいかと。

こういう雰囲気を突き詰めていけば、きっともっと面白くなるだろうなあと思われました。
次回も楽しみです。

ネタバレBOX

舞台が、下手、中央、上手と三つに分かれていて、下手で女性が一人手紙を読んでいるのに、ライトも当たっていない上手では、男性が横になっている女性の腹を蹴っていたりとかね、、、
ずっと緊迫した雰囲気が続きました。

最後に「お母さん、ごめんね」(だったかな?)みたいな台詞がありました。
それがオチというか、メッセージなのでしょう。
娘の、母親に対する。


と、ここまで書いてきて、ようやくわかった。

この芝居は、娘から見た母親の思い出を語った物語なんでしょう。
母親が店員に対して傲慢な態度を取っていた思い出や、遊び友達について注意された思い出、部屋を片付けなさいと注意された思い出、叱られた思い出、そういったものが、演劇的に語られていたのでしょう。

ホームレスが登場しますが、これも「あんたはそういったものになるよ」と言われたことがあるからなのかと。
いつも暴力を受けていて女性が、男性を遂に刺し殺す。これも、母親との関連で生まれた想像物なのかなと。

部屋をかたづけることができず、散らかりっぱなしてしていて、これも母親に手ひどく叱られる場面がありますが、そのときに殺した男の死体も転がっている。
しかし、その死体については、母親は何も言わない。
それも面白かったです。
母親が見ているものと、自分(娘)が見ているものは、違う。
そのギャップが表現されていたのかと。
マクベス

マクベス

劇団わらく

中野スタジオあくとれ(東京都)

2012/11/22 (木) ~ 2012/11/26 (月)公演終了

満足度★★★

舞台美術の雰囲気はすごくよかった
劇団わらく、初めて観ました。

『マクベス』だけど、ちょっと変。
和装でした。

こういう『マクベス』もあるんですね。
勉強になりました。
ありがとうございます。

ネタバレBOX

途中で、『あの鐘を鳴らすのはあなた』や『スタンドバイミー』(だったかな)にあわせて、
それまでおどろおどろしい顔してた魔女たちが、急に笑顔になって、
それまでの衣装を脱いで、ドレスになって踊りだしてました。
すごく変。
違和感ありました。
怖いのか、楽しいのか、、、
うーん、なんかよくわかんないや。

それまで怖い顔してたのに、
どうしてダンスシーンになると急に晴れやかな笑顔になって踊りだせるのか。
踊りで笑顔になってしまうことで、それまでのおどろおどろしい演技が、
ギャグになってしまったような気が、、、

宴のシーンで、焼き鳥食べてたけど、そんなギャグを入れる必要はないのにとも思いました。
それまでの迫真の演技が、やっぱりギャグになってしまったような気が。

自分で自分の演技を嘲笑しているみたいな。
自虐的な感じの演出にやはり違和感がありました。

怖いままで、おどろおどろしいままで突き詰めて欲しかったです。

舞台美術の雰囲気はすごくよかったのに。

でも、いちばん不満だったのは、会話です。
台詞をただ単に順番に言っているような感じに聞こえて。
登場人物の関係性や、心の動きなどが、会話を通して見えて来なかったような。
それがないと、芝居じゃないと思うのです。

基本的に、登場人物は向き合って相手を見ながら会話して欲しい。
そして、相手に反応して、そのときの微妙な感情を演劇的に表現して欲しい。

摺り足の動きなども取り入れていたから、能のような感じにしたかったのかもしれません。
でもそれがいい方向には行っていなかったような。

ひゅー、ゴメンナサイ。好き勝手言ってます。
雲。家。

雲。家。

重力/Note

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/11/21 (水) ~ 2012/11/24 (土)公演終了

満足度★★★★

素晴らしい演劇空間
脚本の 『雲。家。』は、観劇の前に読みました。
でも、「なんだろーな、これ」という感じで、さっぱりわかりませんでした。
そもそもこれって上演台本なの? っていう体裁で、、、
そんなものをどう上演するってんだろう。

上演は、雑な感じはまったくなくて、よく作られていました。
ああ、こういうのもありだなあ。
なんというか、空間が出来上がっているというか、完成されているというか。
六人はよく訓練されている感じで、呼吸もぴったりで。
素晴らしいと思いました。

ネタバレBOX

上演が始まってすぐに思いました。
なるほど、こういう感じか。
そうかあ。そうなるよね。
一言で言えば、朗読。
男性三人女性三人が、交互に、あるいは重ねて、いろんな読み方をしてました。
いろんな声の出し方、いろんな動き方で。
あとは照明なんかも、飽きないように、細かく変えて。

いや、ほんとにすごいなあと思いました。
この集中力。

ただ2時間はきつかったです。
見る側(ぼく)の集中が途中で切れ模様になりました。
できれば1時間か、せいぜい1時間半にまとめて欲しいなあと。
我がままでゴメンナサイ。

Pessoas Nova!

Pessoas Nova!

風鈴堂

pit北/区域(東京都)

2012/11/19 (月) ~ 2012/11/21 (水)公演終了

満足度★★★★

ボートピーポー ~漂流難民~
表題の上演を拝見しました。

殺陣が出てくるのが不思議だなあと思ったら、
演出の池内亮太さんは「風剱時音流」というのの創始者なんですね。
なんだかすごい。

男ふたりだけの芝居でも、充分面白かったでしょうが、
殺陣もいいアクセントになっていました。

不満な点は、上演時間が一時間と短かかったこと。
ちょっぴり食い足りない気分。
欲張り過ぎか。
男ふたりで、もう少しすったもんだして欲しかったなあと思ったりも。
でも短いぐらいのほうがまた観に来たいという気持ちになるのかもしれないしね。

客席はいくつだろう。30もなかったかもしれない。
観客数は、14、5人ぐらいだろうか。
さびしくないこともない、、、(^_^ ;
でも無理に観客動員して満員にしようという気持ちがないのも、清清しい感じがしました。

欲張ってないところがよろしいかと。
好感度の高い上演でした。
もっとたくさんの人に見て欲しいです。

One

One

[DISH]プロデュース

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2012/11/14 (水) ~ 2012/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

どたばたコメディー
芝居のほうは心温まる感じのストーリーでした。

開場から開演までのあいだ、場内には昭和の歌謡曲がずっと流れていました。
芝居を見ているうちに、ああ、あの選曲はそういう演出の意味があったのかあと思ったり。


ネタバレBOX

最後は奥の扉がばあーんと開いて、まぶしい光で場内が包まれて、『未知との遭遇』状態になるのかなあと期待してましたが、そうはなりませんでした。
別のエンディングが用意されていました。
いい意味で、期待を裏切ってくれたかと。

サザエさんとダンサーたちのアドリブ的なやり取りが笑えました。
地響き立てて嘘をつく

地響き立てて嘘をつく

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/11/14 (水) ~ 2012/11/21 (水)公演終了

満足度★★★

エレベーター
アゴラ劇場は、バルコニーがあって、一階と二階はエレベーターで行き来するんですね。
芝居のほうは、そのエレベーターを使ったシーンが面白かったです。
ドアが開くまでの間がなんともいえず、面白かったです。
緊張感もありました。

ただ芝居のタイトルと内容が、なんとなく結びつかないような気が、、、
ぼくが何か見落としたんでしょうか?

ネタバレBOX

平安時代とか鎌倉時代の衣装がもっとゴージャスだったらなあと。
贅沢かもしれませんが。
高円寺純情商店街でロミジュリ

高円寺純情商店街でロミジュリ

踊れ場

シアターブラッツ(東京都)

2012/11/12 (月) ~ 2012/11/14 (水)公演終了

満足度★★★★

狭い舞台の上に男30人
いろいろやってくれて見ごたえ充分でした。

ただ、どこかの若手劇団のエチュードを見ている感じ、
楽しいし、勢いもあるけれども、なんとなくまだ作りこまれてはいない、、、
そんな感じもなきにしもあらず。

演出の池上三太さんの演劇ワークショップに一度参加したことがあります。
舞台を見ながら、そのときの池上さんの演出のやり方を思い出していました。
ああ、あんなふうに作って、んでもってこうなるんだなあと、、、
そういう風に観ることができたのも楽しかったです。

ネタバレBOX


最後にたった一人の女性のジュリエットが、
男共を全員バットで叩きのめした後、
満面の笑顔で両手でVサインしてました。

それはそれでいいのかもしれないけれども、
ぼく個人としては不満でした。
はじまりから終わりまで全部がギャグで終わってしまったみたいな気がして。
最後のジュリエットは、もっと怖い感じで終わって欲しかったなあと。
ギャグじゃない凄みも観たかったかなあと、、、

まあでも好みは人それぞれですから、、、


テノヒラサイズの飴と鞭と罪と罰

テノヒラサイズの飴と鞭と罪と罰

テノヒラサイズ

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2012/11/06 (火) ~ 2012/11/12 (月)公演終了

満足度★★★★

ちょっぴり不満
リンクス東京で拝見しました。
そのときの雰囲気のままでしたし、期待通りで面白かったです。
でも、、、

ネタバレBOX

不満なのは、最後のクライマックスのシーンです。

最後、X10に見立てたダンボールが、これも富士山に見立てたダンボールに激突していくんですが、このシーンがこの芝居のクライマックスだと思うのですよ。

このシーンは真面目に一生懸命にやらなければならないシーンだと思うのですが、それまで同様軽く、ギャグっぽく処理されていた(ように見えた)のが不満です。

全員がX10にしがみついて、それを懸命に操作する、(もっと長い時間)、というようなシーンが観たかったです。
だから「ぼくにはダンボールにしか見えない」というギャグは面白いけど、余計だったんじゃないのかなあと思ったり。

最後に劇的にもっと盛り上がるはずのところが、あんまりそうなってなかったのが残念です。
ぼくのほうが何か勘違いしてるのでしょうかね?

僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい

僕から見れば僕が正しい、君から見れば君が正しい

MacGuffins

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

いや、とても面白かったですよ
猛烈に体を張った熱演に感動しました。

とても笑えて脚本もよく考えられてるなー、という感じでした。

動き回る芝居って時々セリフが聞き取りにくかったり するんだけど、そんなこともなく セリフが聞き取りやすかったのも好感度大。

ネタバレBOX

オムニバス5話で、最初がシリアスな話で、
2~4話がバカッぽい爽快コメディで
最後が最初のシリアスな話の続きで真面目に終わるという構成でした。

2~4話は快調ですばらしかった。
徹底的にくだらなくて、見事だった。すごくいいと思いました。

でもシリアスな話で「私たちが生きるていくこととは・・・」みたいなことを
ストレートにセリフで言ったり、あと映像で
「生まれてきてくれて、ありがとう」とか表示するのが最後のメッセージだったので
おっちゃんとしては恥かしくて辛かったです。

そういうテーマは悪くないとおもうのだけど、セリフで直接言われると恥かしい。

でも、コメディだけで終わるわけにはいかず、ちったぁ深みのあるところも
見せないと終われなかったんだろうなあ、
わかるよ、うんうん、と思いながら帰りました。
さらば、愛しの映画ホテル

さらば、愛しの映画ホテル

ジ~パンズ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/06 (火)公演終了

満足度★★★

どたばたしてました。
最前列で、見上げるように拝見しました。
で、目の前のソファで女性に脚を組まれたりすると、眼のやり場に困りました。
でも、そういうのを狙ってるということなんですよね?

公演の説明と、実際の舞台が、微妙に違ったような気が、、、

ネタバレBOX

最後に奇跡的な出来事が起こるのかなあ期待してたんですが、
そういうのはなかったようです。

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