満足度★★★
120分。
ネタバレBOX
小劇場上がりの俳優・銀ちゃん(重松隆志)が新選組芝居で主演を任されると同時に、恋人・小夏(那須野恵)は妊娠する。愛しあいながらも二人は別れ、小夏に想いを寄せつつ銀ちゃんに傾倒している大部屋俳優のヤス(関あじ太郎)と小夏は入籍する。芝居の見せどころである階段落ちシーンをヤスが請負うこととなり、複雑な想いを抱えつつヤスは主役としてシーンに臨む…。
コント的なシーンとかダンスとかいろいろあったけど、小夏と銀ちゃん、ヤスと小夏の長めなシーンが見どころかな。三人ともいい演技してた。銀ちゃんの不器用な感じとか好きだし、小夏のかわいさと銀ちゃんを振り切ろうとする感じとか好きだし、ヤスのいろんなストレス抱えた感じとか好きだし。
数年前に1度だけみた演目で、ストーリーとか朧気だったけど、3人がどーなったのか想像したくなるラストで、良いと思った。
残念なのは、座り演技が非常に見にくいとこ。席も狭いし。
何気に監督役(角田貴成)の演技が気に入った。
満足度★★
85分。座席狭くて疲れた。
ネタバレBOX
香織(高橋明日香)…自分の意見を通したがるタイプ。そのせいで百合伽や(陰で智子)から、不満を持たれる。最終的にスペース借りて頑張りだした。前世はイタリア人。
仙三郎(大村わたる)…仙人。マネキン展示会の発起人だが、その後のアイデアに詰まり、グループから出ていく。百合伽や智子とイチャイチャあったりしたけど、結局サラリーマン(営業)に収まった。前世は火星人。
川崎(渡辺啓太)…仙人への不満を持ちつつ、女性3名の同意も得て不満をぶつけるも、女性陣から避難されたり、好きな智子は仙人のことが好きだったり酒乱だったり不倫だったりでイイトコなし。結局、虫に刺され死亡した。前世は室町時代の畳。
百合伽(石丸奈菜美)…香織のことが不満で仙人についていくも結局戻った。グループ解散後、イタリアへ渡った。前世はイタリア人。
智子(立川茜)…控えめな印象で、主張は少な目だが、酒乱だったり不倫したりと地雷女。自分を変えるため、信じてない占い師のことを信じるという荒療治に踏み切る豪胆さもある。前世は火星人。
人生イマイチな5人はそれぞれ起業セミナーに申し込むも、不合格となる。その夜の飲みのテンションでマネキン展覧会で金を稼ごうと投合するも、何か月も無為な話し合いをするだけ。次第に人間関係もギクシャクしてきて、計画は頓挫する。そして、それぞれの道を歩き出す…。
ちょいちょい面白い話が出るも、一向に話は前に進まない。どころか雲行きは怪しくなるばかりというストーリー。なんでうまくいかないのかなーって(観客の)気持ちを、妙な5人で表現してみせた作品で、面白味はあった。川崎君は気の毒だけど、ほかの人はまあまあ良い方に行くかもねという〆も悪くないけど、その一つ前の、智子の薄い膜が…ってとこで終わっても個人的にはOkかな。
この見えない膜のようなものの正体ってなんだろうかと。やっぱり怠惰という人間の性質のせいなのかな。
満足度★★★★
「蝶のような私の郷愁」75分。
ネタバレBOX
安月給そうなサラリーマンの小椋毅と専業主婦な鄭亜美が、安いアパートに二人暮らししている。一緒にご飯食べていると、台風の影響で停電となり、外では何やら避難指示のようなアナウンスも聞こえてきた。小椋は様子を見てくると、名前入りの雨合羽を着て外に飛び出す。なかなか帰ってこない中待っている鄭に、警察から電話が入り、夫のことをいろいろ言われるが、鄭はそれは夫じゃないと叫ぶように否定する…。
小椋も鄭もかわいいなと感じる作品だった。食事を一緒にとったり、話題をじゃんじゃんぶつけたり、一緒に買えないけどマンション見に行きたいと誘ったり、鄭の女性性とか妻的なとこがかわいい。ハンカチ出しといてとか。小椋も、怒ったりせず鄭に合わせ、一緒にご飯を食べる。ちょっとだけ言い争いみたいにも見えなくもないけど、じゃれあってるような感じがして、序盤から中盤の暖かさが気持ちいい。
小椋が姉?に贈ったとされる貝殻のとこは不透明感があって、この暖かな家庭に冷たいものが潜んでいるだというふうで惹かれた。
ハッピーエンドではない作品で後味はよくないかもしれないが、人情味とか、人生の厳しさとか感じられて、結構好き。それでいて、ユーモラスなセリフとか多めで、そんなトコも好き。
満足度★★★★
105分。
ネタバレBOX
裕子(横山莉枝子)…岡崎家長女。吉春の妻。一年前に娘を亡くしている。
紀子(福井菜月)…岡崎家次女。売店店長。山のオーナーに火付けを疑われたりと、色々あるみたい。
敏夫(國松卓)…裕子らの弟。自動車が好き。まなみとの結婚発表は裕子らの娘の件で先送りになっている。
まなみ(篠原彩)…敏夫の彼女。同僚。
良春(政井卓実)…裕子の夫。現在無職。
乾(気田睦)…山のオーナー。県議会選挙があると見込んで選挙活動を始める。
とある海に面した町で起こった山小屋の火事現場跡に、やってきた紀子らは、車の事故?で亡くなった娘が遊んでいた山小屋跡で何をするでもなく駄弁ったり写真とったりしている。敏夫の朧げな記憶で、娘が何かを現場に埋めていたと知り、紀子は周囲を掘り返そうと躍起になるが、良春は熱心になれない。結局、埋めたのはバッタの死骸だったとわかり、現場をあとにする…。
黒い煤まみれな現場という荒廃感のある舞台で、中央の水道(蛇口)からはポタンポタンと滴っているのが、いい味出してる。作品の内容も曇り空な感じで、なんか不穏で不安定な気持ちにさせられる。こういう空気感つくるの上手いなと思う。
満足度★★★
55分。屋外演劇はやはり寒かった。
ネタバレBOX
科学者の金子岳憲が、佐川急便の女・森谷ふみに告白し、結婚し、子供が生まれる。金子が自身のペニスに細工を施したため、その子は人造的な生命体として生まれ、しかも女の子なのに太郎と名付けられてしまった…。
ストーリー的なとこは正直めちゃくちゃな感じ。3人の役者でメイン以外もこなし、かつ時系列が飛ぶのでストーリーを楽しむという感じではないかな。
妻を愛してやまない金子が、妻を刑務所?から救出すべく(ラジコンの)ヘリで登場し去っていくとこが見せ場。観劇回は、ヘリがダメで戦車で代用されてたけど。ウケた。
森谷の、出産は宗教で子供は神様なんだ発言は、なるほどそうかもしれないななんて。その出産シーンで金子に再生ボタンを押してと光瀬が迫り、珠のような子(ミラーボール)が生まれた瞬間は、なんか美しかったし、善意に溢れてるように見えた。
音響や照明効果、ギミックのための衣装は相変わらずカッコイイと思った。
満足度★★★★
90分。
ネタバレBOX
「ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常」A
病死?寸前のおぐりまさこが、夫?の関戸哲也との走馬灯をみるが、どーでもいいような出来事ばかり。でも、楽しかったと関戸に告げおぐりまさこはあの世へ旅立つ。残された関戸は、独り目玉焼きをすする…。
関戸おリアクションが光る作品。前半のコメディなとこはかなり良い。終盤の別れのシーンへの切り替えというか落差で、もっと迫ってくる感があると良かった。
「ずるずるひやむぎ」
バツイチの姉(おぐりまさこ)と妹(大野ナツコ)が、父の遺品整理のさなか、おばからもらったひやむぎをずるずるすすっている。DVがひどかった亡父に対して反発する姉に対し、姉が離婚してから父は変わったという妹。老人ホーム入所中の母のいう「ミスター、ノナカ」が、父の長嶋プロマイドグッズの箱の中と気づいた姉は、そこに離婚した元夫からの手紙をみつけ、父が離婚の際に土下座していたことを理解する…。
伏線回収をしっかりやって、色々あった家族のちょっとした温かみを覗かせる作品。動きが少ない分、空気感でグッとくると良かったかな。
「サプライズ」
彼女(大野ナツコ)に公演でダンスのフラッシュモブをカマし、プロポーズした彼氏(山形龍平)だったが、大野の答えがNOで焦りまくる。県人会や親兄弟親族友人に協力してもらってフラれた山形に、逆に怒りをぶつけ、今から音なしで独りフラッシュモブしろと迫る大野。たどたどしくもやり切った山形に、大野は笑顔でプロポーズokと応える…。
シンプルな構造でストレートに楽しめる快作。サプライズ返しをする大野のかわいさと怒ったさいの気迫がよい。山形の県人会を重んじるネタも最高にウケた。
「如水」
母を睡眠薬で殺した娘の独白と回想。
夫婦や母子の絆な作品。悪くないが、情感溢れる感じではなかったかな。
満足度★★★
105分。
ネタバレBOX
青子(坂倉奈津子)…元サセ子。色々不義理して地元を離れるも、なぜかかえってきて、SAの飲食店で働きだす。
加絵(折舘早紀)…現サセ子。SAでバイト。事故後は上京し、メキシコ人と結婚、子をもうける。
大沼(大重わたる)…SAの飲食店店長。高速道路建設にもかかわっていた? 青子に高校時代にSEXさせてもらったが、青子は覚えてなくてシュンとなる。
水間(矢野昌幸)…SAのバイト。赤澤が苦手。
赤澤(永山由里恵)…客。偽物が許せないタイプ。事故の際にいろいろ調べて混乱を起こした。
人物のしたいこととかよくわからなくて、イマイチつかめなかった。事故の情景もよくわからず、映像が浮かんでこなかった。
満足度★★★★★
60分。
ネタバレBOX
夏目(川上友里)と娘の文子(松竹史桜)が、牛久沼で苦労してウナギを釣り上げた帰り道、ソーダ売りの八千種(藤本美也子)からウナギを地域住民から狙われると忠告される。気にも留めない夏目親子だったが、ホステスの石引(墨井鯨子)や全国のウナギを制覇するという錦戸親子(牛尾千聖、川口雅子)、潰れた牛久食堂の一人娘の片平(岩崎緑)らにウナギを狙われ、結果、夏目は車に轢かれてしまう。が、八千種の能力で時間が戻り、事なきをえるも、八千種を気味悪がる夏目親子に八千種は傷つく。今度は負けないと気張る夏目親子と地域住民との闘いが始まる…。
という話を、いつものテンションで駆け巡る60分。楽しかった。バカバカしくて下品で最高。時間巻き戻り演出は、ベタながらも(けどあんまり見ない)やはり笑えるし、罵りあいをコメディ色に仕上げるスキルとか、上手いと思う。
錦戸親子のシーンでナイフが二回も故障してたけど、それもうまーく処理してた。
60分以上見るとダレつとこもあったかもしれないけど、スッキリしてる構成で、純粋に楽しめて満足度高い秀作。
満足度★★★
90分。
ネタバレBOX
旅行鞄をもった黒布の顔を覆った男が、どこか目的地をさがしている。そんな男といろんな人々のやりとり。
もうちょいテンポがよいとなお楽しめる感じがした。60~70分くらいにして。ちょいちょい笑えるとこもあるので細部悪くない気がする。ラストの一人のシーンは正直ダレた。蛇足とは言わないけど、気持ち的に引き込まれなかった。
運営は丁寧で、好印象だった。
満足度★★★★
「熱海殺人事件」C-4
ネタバレBOX
木村伝兵衛(今宮稜正)、水野(藏園千佳)の回。
今宮の熱めな演技が、なりふり構わない木村の心を表してるようでしっくりきた。大山に靴磨きさせるとこから、達彦と大山とイスをふっとばして決め台詞をキメるシーンも、ビシっとした感あったし。
水野を演じた蔵園のちょいちょいコミカルな演技は好印象。浜辺のシーンとか木村と別れるとことか、もっと叙情的だともっと好みだけど。
名前確認しなかったけど、達彦を演じた俳優もしっかりした演技だった。大山役の俳優は、しゃべりが聞き取りにくいかな。
話的には、十年来の愛人関係にある木村と水野の、くっつきたいけどくっつけずにいた関係と、静岡の茶畑の百姓である婚約者・達彦と水野、大山と売春してた山口アイ子という男女の関係が折り重なって熱を帯びる作品。結果、水野は結婚を選び、木村もまた水野を送り出す。結婚式では大阪三部作?を歌うらしいが。
満足度★★★★
「無差別」85分+AT20分。
ネタバレBOX
初演時観劇し面白かったので、あと出演もほぼ一新したこともあり見てみた。
初演の時のような舞台上の鉄棒とかなかったけど、結構遜色ないかなと。ATで葉丸あすかが言っていた、初演時はもっとおどろおどろしかったってのはその通りで、異世界感は少な目だったかな。その分、笑えるとこは多かった気がする。
女性だけで演じることの意味はよくわからんが、狗吉(長尾友里花)と狗子(斎藤明里)の世界を産むというラストシーンとかの超越した感は薄い気もした。あくまで比較したらの話だけど。序盤の狗吉への迫害シーンとかは、辛辣な空気がうまいなと感じた。衣装のセクシーさとかアップしてるのもあって、おどろおどろしさみたいなのが薄まったのかもなと。
ただ、と大楠古多万を演じた原田理央の存在感はあった。それでいてコミカルだし。日見不姫神を演じた浅場万矢も、コミカルなとこ上手いと思った。人之子(福井夏)が新徳丸(葉丸あすか)を呼びに行き、踊れと言われ踊るが、こんなの踊れるかと一蹴されるとこもウケた。
全体的に笑えるとこが多かった分、重めなシーンがガツンと迫ってくるとなお良かったかな。
満足度★★★
100分。
ネタバレBOX
阪本麻紀…仮設住宅で独り生活し、夫の帰りを待つ女性。噴火で死亡した仮設住宅の人々8名をポリバケツへ屈葬した。緒方晋を夫として迎えた。
緒方晋…仮設住宅に住んでた妹の遺骨を引き取りにきた男。阪本の夫として生活を始める。ヨカゼスには結構当たりがキツかったが、徐々に軟化した。
佐藤和駿…亡くなった人の似顔絵を、遺族の想い出話などから描く「見当似顔絵」を描いて放浪している男。阪本に気に入られ、仮設住宅で生活を始める。雅号は夜風。バイトで介護系の仕事をしてた。
平林之英…阪本の夫。阪本には夫と認知されず、佐藤からは白湯(パイタン)と呼ばれた。緒方の妹と不倫の経験あり。
鹿児島カルデラという災害で人が死に、そのあおりで仮設住宅という集落に避難した人々も噴火で大多数が死亡し、日本が混乱しているという世界観かな。今も灰が舞積り、モノクロな色合いで退廃した空気が舞台に広がる作品。けど、登場人物からはどっちかっていうと前向きな印象を覚えた。ヨカゼスのあっけらかんとした感じとか、緒方のイライラしつつも阪本の心を優しく扱うところとか、平林の穏やかで辛抱強いとことか。ハイツブリも越冬してきたらしいし。
隣の客の足が気になって集中力落ちたのが残念。再演あったらもう一度みる。
満足度★★★
100分。田嶋陽子とのAT25分。
ネタバレBOX
南アンタレス市長(石原正一)が国政に打って出るにあたり、「見栄え」のよさから、市長選の公認候補に市議の鈴子(中谷和代)を抜擢する。同じく市議で、女性の活躍を夢見る恵梨香(熊谷みずほ)や恵梨香の後輩でフェミなメルモ(土肥希理子)らは、選挙の手伝いにやってくるが、男尊女卑が跋扈し、男性によるセクハラパワハラが横行する土地で市議を勤める鈴子の、古めかしい考えについていけない。そんな中、鈴子の息子が養護施設の子と妊娠駆け落ちなどの事件もあり、鈴子は現市長の政策や市民の安全に反する行動をとろうとする。恵梨香は繁喜を翻し、現市長や後援会会長を抱き込み出馬する。鈴子は恵梨香に、男の力を借りているうちは女性の活躍はない、と言い残し政界から引退する…。
笑いは控えめな印象。歌も(聞き取りにくいのは相変わらずだけど)、ちょっと迫ってこない感じかな。
ジェンダーの知識はあんまりないけど、男優位の社会で形成された鈴子の価値観を否定する恵梨香のような価値観もまた、男優位の社会の中でひん曲がっていくという話か。選挙自体が、しがらみを生み出す装置のような気もしないでもないが。そもそも女性の活躍ってなんだっけ?
性差の問題は、正直、終着点が見えないのがもどかしいかな。イメージすら湧かない。鈴子の長男(神田素直)が言っていた、働きたくない男性への偏見という、作演・高間響の働きたくない理論部分は結構響いてきたけどね。
ジェンダー作品というより、選挙というもの込みで面白かった。高校教師役の丹下真寿美は、コメディな感じうまいなと思う。あと、鈴子の選挙対策委員長をやらされた須藤(諸江翔大朗)の、役柄の不憫さと性差の被害者ブリが、いい塩梅で表現されててよかった。児童養護施設職員の池川タカキヨもなんか気になる演技好印象。
満足度★★★
100分。
ネタバレBOX
娘に会いにいく老夫婦と一人旅する若い女性との列車での会話。
ユーモラスな感じがあって良いとも思うけど、空気的に平坦すぎる気がする。繊細といえば繊細だけど。ゆっくり動作な演出は、もどかしさが優先したかな。
満足度★★★★
85分。
ネタバレBOX
武田(櫻井智也)…TVドラマの犯人役できる位の俳優。前の彼女と別れた後、彼氏持ちの子と付き合ってた。ユミと一晩一緒に過ごすも何もせず。
ユミ(名嘉友美)…作家。10年付き合った彼氏がかわいい彼女といるのを見てやけ酒し、PCを井の頭公園に投げ捨て記憶を飛ばし、武田のやっかいになる。
大岡(泉政宏)…武田の友人。俳優でありラーメン屋のバイト。チンという中国人彼女あり。チンに誘わ上海で日本語教師でもやるかと思うが、直前で我に返りドタキャンする。
たんちゃん(おがわじゅんや)…ユミの友人。ユミとはいろいろ恥ずかしいトコを見せあえる仲。仕事あるのに、小岩、成田空港へと車を走らせることとなった。
大岡の男はジェントルメンでいろという言葉を受けて、泥酔するユミのPC探しに付き合い、川が見たいというワガママにも付き合い、元カノへLINEをうったりした武田は、ほんのり恋の感覚を覚える。が、ユミのいい加減さに愛想を尽かす。そんな中、大岡が上海行きをバックレたと知り、ユミとたんちゃんとともに大岡実家で大岡を連れ去り一同成田を目指す…。
序盤はやや低迷する感じ。泉のユルめでダサかっこいい感じは好きだけど。
ユミと武田の川沿いでの恋バナらへんからアゲってくる。辛めなテイストでなく、甘めな雰囲気。恋の反省会的な感じがニヤニヤを誘う。棒を制御した二人は拍手モノかな。この夜の武田は確かにジェントルメンだった(大岡からはヤルのがジェントルだと叱られたが)。
成田へ向かう車内で、想いをぶちまける面々の表情がいい。
なんとなくだけど、人を想う気持ちがそれぞれを成長させるというロードムービ的な作品と感じた。
ラストも含めインパクトという観点では、やや物足りないかな。
満足度★★★★
40分。
ネタバレBOX
渡辺裕也…45歳。父は宇宙飛行士だった。宇宙飛行士目指してたけど、夢諦めて漫画家(麻雀漫画)に。その「重さ」のせいで頭おかしくなったと自称する。妻とは大学時代に知り合った。
後藤飛鳥…33歳。妻の連れ子。子供のころの夢はアイドル。
連れ子の飛鳥と「父と娘の会話」がしたいと、ゼリーでゼリー食べて、自分の歴史と宇宙と重力の話をする渡辺。渡辺と重い話したくないと煙たがる飛鳥も、なんだかんだ「会話」を楽しむ。渡辺の話を聴いて、渡辺が宇宙飛行士諦めたのは、自分がいたせいではないかと渡辺に問うが、違うと一蹴される。渡辺は、飛鳥も自分と同じく頭おかしくなったと喜ぶ。
微妙な親子関係と、どーでもいい話が混ぜこぜになる会話劇。コラプサー(崩壊した星)の話の重さと、人の想いの重さが、わかるようなわからんような感じで話の中でちょこちょこ登場する。
重いとその反動があるし、軽いとずっと長く継続できる?というところは、少なくとも、この二人には「軽い」方が似合ってるんだなと。渡辺死亡後、飛鳥がこの会話を肯定するだろうと考えると、ちょっと安心した。
満足度★★★★
95分。
ネタバレBOX
飴屋法水…しゃべれないといいつつマイクでよくしゃべってた。
山下澄人…小人。飴屋と旅に出るつもりだけど、行先が決まってない。
荻田忠利…左半身マヒの人。
佐久間麻由…一輪車に乗ってて車に轢かれ死亡。八つ当たりしたい。
くるみ…襟足ながい小学生。荻田の子。
よくわかんない舞台かなと先入観もってたけど、面白かった。強いられることと自由でいられることは、結構近いことなのかというイメージ。ラストの朗読は、なんかテンション下がったので、不要と感じたが。
静と動のバランス感覚がうまいのか。空間フル活用な演出に満足した。
楽屋から狭い階段上っての入場は初めて。非常階段側の光を使っての陰影具合は素敵。雑然とした美術もいい塩梅。
佐久間の一輪車テクが結構上手い。狭い劇場空間をところ狭しと動き回るサマは愉快。当日パンフの写真が昔の彼女か。一輪車に乗って死んだので幽霊になってから一輪車から降りられないんだという話のちょっと後で、(ちょっとミスって?)一輪車から降りちゃったシーンは、計算なのかアクシデントなのか。いい笑顔してた。
くるみは、小学生くらいだろうに、めちゃしっかりした演技だったなと。物怖じしてないというか。
満足度★★★★
120分。
ネタバレBOX
天皇陛下が生前退位を表明し、最期の皇族である桜子(榎あづさ)が婚約し、男系しか天皇を認めていない皇室典範の改正は進まず、日本が一度終世にあって、桜子とご学友の推(さかいかな)や、皇室典範改正派の団体「横の会」主宰の直水賞作家・皇(橘麦)、学生団体「ネトレ」主宰で東日本大震災にて家族も友達も亡くし絶望した蘇我(柳瀬晴日)、女系天皇を認めず初の女性首相となるべく画策する美人政治家のうの(白樹枝里香)らの主義や生き様が描かれる…。
男系しか認められていない皇室にあって女として生まれ、国民全員を愛し、でも女を愛してしまうという自己の存在意義を悩み、一度終わらせようとする桜子が、彼氏との関係や仕事のことで悩む推と、世の中(他の登場人物ら)を見渡し進んでいく。非常にテンポがよく飽きがこない(120分あったけどダレなかった)のは良い。
皇や蘇我や、二人を敬愛する人々らの想いを抱えて舞台は突き進み、桜子の結婚、皇の暗殺、蘇我の指名手配、うのの暗殺などの混乱をへて、推は新たな人生を歩みだすという感じ。
耽美っぽさとか中二的な要素とかあるし、笑い部分は多くないという印象だけど、エンタメではある。推や桜子の想いをはっきりとは明示しないけど、他者を愛することも大事だけど自分愛するということも大事だよねというメッセージがあったのかなと、二人をみててそう思った。
満足度★★★★
115分。
ネタバレBOX
中藤奨…引っ越し屋従業員。ぎっくり腰になる。新田をふる。
新田佑梨…引っ越し屋社長の腹違い?の妹。中藤のことが好き。
赤刎千久子…漫画家。ペンネームうさぎ。ちょっと変わってる素直になれない子。
緑川史絵…三女。母との話し合いから自分のしたいことを受け入れた。
工藤さや…次女。夫と結婚するも、わだかまりを抱えている。
村井まどか…長女。知的障害者。同じホームの岡野のことが好き。
尾崎宇内…工藤の夫。大学助教授?の時に、精神的に弱ってた女学生に手を出したとか出さないとか。
岡野康弘…村井と同じホーム。さのつく言葉をいうと落ち着くらしい。帰宅途中で車に突っ込んでいった。
海老根理…中藤、新田の会社社長。
由かほる…ホームの職員。じつは村井と合わないけど、家族からは信頼されているので一応ガンバッテイル。
木崎友紀子…死亡した、三姉妹の母。三女の前だけに現れ、三女から怒りのような感情をぶつけられるも、しっかりと受け止めた。アメーバが触媒?
母をなくし、三女と次女で障害者の長女を支えてきた。長女と結婚すると障害者二人で盛り上がり困惑と怒りを覚える次女三女。長女と岡野もヒートアップし、というとこらへんが前半の見せ場か。作中でも言われてた、尾崎の「普通なのになんでこんなに苦しいのか」というのは確かにねと思う。ただ、金銭面とか社会性というとこで、次女三女の話ももっともだよねと。
母との対話で、一生?面倒みると決意した三女の気持ちの矢先に、岡野の事故の話が舞い込んで終幕という、結局、あの話の中でうまくいってる人いないんじゃないかという。そうなると、あの母は、やっぱり単なるアメーバだったのかななんて気がしてくる。いい感じに気持ちがまとまらない、いい舞台だった。
満足度★★★★
120分。
ネタバレBOX
寂れた商店街復興のためコンサルの飯田(伊藤圭太)に企画を提案してもらうも、それは商店街の象徴であるアーケードを取り壊すという内容で、面々は一斉に反対する。役員会に青年部としての案を提示したい小川(矢吹ジャンプ)はギリギリまで議論したいとして、議論が始まる。しかし、実は役員会ではすでにアーケード撤去で決定していることが判明し、一同ヤル気がそがれるが、飯田が一転して奮起し、あれよあれよとアーケードを残した、面々の「要素」が組み込まれた企画がまとまる…。
というところまでが大体90分くらいで、自分の要素がないと主張する持田(前田友里子)や笠原(浅越岳人)らの要素を無理くり入れ、さらに今まで出てきた伏線を回収すべく、一同は奮起するという内容。
議論劇としても結構笑わせてもらえるが、終盤の回収劇で勢いが増し、コメディ熱も急上昇する。メタ的な作品のようにも感じられるけど、単純に面白い。タイトルでネタばらししてるにも関わらず、笑いを引き出せるのは流石。
伊藤圭太はマジメそうでいて、コメディ部分もしっかり担える役者と思う。ラストの孝夫(山田健太郎)の「ナイス回収」に対する、美友紀(鹿島ゆきこ)の笑顔の〆も好き。関(高木健)の絆ネタは単純に面白い。矢吹ジャンプの娘に対してちょいちょい出る「智美…」というセリフが地味にウケた。その娘(沈ゆうこ)の土門ネタも笑った。橘(榎並夕起)と牟田(甲田守)のアートネタも好き。あきる野フロンティア大学ってトコもいい線ついてる。