
幕が上がるなら
演劇商店 若櫻
ひつじ座(東京都)
2019/02/16 (土) ~ 2019/02/21 (木)公演終了
満足度★★★★★
舞台裏のあれこれ、これでまたひとつ詳しくなってしまいました(笑)
特に今までぼんやりとしか把握していなかった舞台監督(&舞台監督助手)にもしっかりスポットが当たっていたのが新鮮です。
ストーリーはさながら毎回開演30分前になって様々なトラブルに見舞われる楽屋を描いたフジテレビ深夜ドラマ『GAKUYA~開場は開演の30分前です~』のスペシャルバージョンの様な雰囲気で、本作ではトラブルを引きずったまま開場、開演へと突入していきます。
本作はドタバタコメディーであり、それに必要不可欠な力量が役者さん達には充分備わっていたと断言できるものの、笑いの沸点までには達することができず・・・各回ごとの微妙な空気感で受けたり受けなかったり、とも考えられますし、内容として劇中劇公演が上手くいくか、いかないか、リアリティーの妙の加減かなと思ったりもしましたが、そんなことは割とどうでも良く、結論として本作が良く無かったかといえば、否よかったのです。
キャラ立った面々。やり過ぎ一歩手前の絶妙なテンション、小気味よいテンポで可笑しなトラブルが次々と・・・確信的な笑いの連鎖・・・のはずなのに起きない爆笑・・・役者さんの胸中は如何に。
いやいや役者さん達、全く動じもせず気持ちの良い演技を続けるのです、最後まで。
これは作中で描かれる劇団の姿ともリンクして、何とも言えない素晴らしい感慨をもたらしてくれました。
個々の心意気もあるでしょうが、劇中と同じ演劇を創る面々の、強い結束力がなければここまで心に迫ってこないはず。
”show must go on” の精神。偶然私も含め観客の反応が大人しい回だったかもしれませんが、それ故に突き刺さる観劇となりました。

最期の作戦行動
有機事務所 / 劇団有機座
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2019/02/15 (金) ~ 2019/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
有機座さんの作品は3度目の観劇となりますが今作品が本来の規格路線だったのですね。
「なるほどなぁ」と過去作の経緯を鑑みながら、納得しながらの有意義な公演でした。
舞台は1980年頃の喫茶店。
新たな出逢いが生まれる交流の場として、何ともまったりした時間が流れておりました。
まったりが過ぎるのじゃないかと言えなくもなく、表現のぎこちない方もおられましたが、もし全てが効率的で完璧な演技であったなら。と考えると、それもまた違う気がしています。
隙がある処が味になるという事か、上手く表現できないのですが・・・
舞台上には演者として気概ある方が多く、小劇場ではこの気概がダイレクトに伝わってくるので、かなり有効な強味だなと思えたのは確かです。
あ~ぁ劇友さんがいれば、あーだこーだ色々ツッコミしながら帰りたかった!
そう思わせる魅力。
良くも悪くもひっくるめて人間味の詰まった舞台、結論は「とても楽しめました!」です。

Collapthree ~SF3x~
MANIAX
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2019/02/13 (水) ~ 2019/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
マルチBバージョンを観劇。
会場に入ると既に男女4人の演者さんが舞台でフリートークを。
ステージ映えする華のある容姿と、イイ感じに温まっていく会場に、演劇ではなくまるで音楽ライブに来たような雰囲気。
そして演出家さんがフリートーク終盤に登場、黒ずくめながらもう完全にバンド系でしょう(笑)
ここで演出家本人から事前の簡単な作品解説が入るのですが、中々に凝った設定であることを知りちょっとビックリ。
この解説、観劇を楽しむうえで随分助かりました。
ジャンルとしては下北沢カルチャーと秋葉原カルチャーが融合した、といえばいいのでしょうか。
冒頭での現代風刺の効いた斬り口の角度や深さがあまりに絶妙なので、もっと多用してほしいと思えたほど。
ひと公演3パートで構成される組み合わせは、マルチエンディングを含め全5通り、何だかカプセル玩具が出てくるガチャガチャみたいです(笑)
若い役者さんばかりなので同年代中心の観客層かと思いきや意外と中高年のファンの方々も多く、ライブ感と共に和やかな雰囲気の中、楽しめました。

世界で一番可哀想な境遇の人々
劇団ボンボヤージュ!
APOCシアター(東京都)
2019/02/09 (土) ~ 2019/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
今をときめくIT業界ではあっても下請は社畜の宝庫?!その他の業界エピソードにも結構なリアリティーが。
タイトル通り、全くもって報われない可哀想な人々のオンパレード。
めくるめくドツボの数々を全て笑いに昇華していく爽快感がたまりません。
ミュージカルのオマージュは時折無駄に迫力があって、いや妙に巧ければ巧いほど異様な豪華さ&面白さに拍車がかかって、冒頭からこちらのテンションもあがってしまいます。
存在感ド~ン!ミュージカル演技の巧い役者さんの散在が、高ポイント要素のひとつだったのは間違いないかと。
ドラマとしても誰の動向にも目が離せない丁度いいブス加減の人間賛歌“超大作”でした。

大安不吉日
ウィークエンドシアター
Arise 舞の館(東京都)
2019/02/02 (土) ~ 2019/02/23 (土)公演終了
満足度★★★★
身も心も普段着の気軽な気持ちで参加できる披露宴。
歌舞伎町の地下を降りると、さっそく式場スタッフ(役者さん)がうやうやしく案内してくれるトリップ感が嬉しい。
受付で飲物を注文した後、式場に約20席ほどある好きな座席へ。
コの字に並んだ、どこも特等席。
どんな式になるのか。途中花嫁が逃げ出すのは知っちゃ~ぁいるものの、新郎新婦の入場!やっぱりワクワクします。
途中、来るべくしてやってきたトラブルのリアルに説得力を持たせるのは中々難しいものだと思いながらも、乾杯やケーキカット(お約束の記念撮影)、ゲーム等々々心地良い気配りの数々、楽しい披露宴でした。
先週観劇レビューをされたオヤジ♪さんの指摘どころであった噛みは現在きれいに解消されています♪
非日常の中にスルッと入る事ができる面白い企画公演でした。

『十年希望』
きくち万ゴールディング
ワーサルシアター(東京都)
2019/02/06 (水) ~ 2019/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
大学卒業を迎えたサークル仲間の男女8人。
今どきの若者らしいというか、皆 ウェ~イばかり(笑)
10年後も変わらぬ友情を誓った彼等のそこから先の物語。
当然、実社会に出たからには、いつまでもそのノリで通用しない訳で・・・
毎年、集合して各自の夢や近況を映像に記録する「約束の日」が節目になっており、1年ごとに変化していくそれぞれの「現在」の姿。
移ろいゆく状況、友人として自分ならこういう場合どう対処するだろうと想像しながら興味深く拝見しました。
ありそうな話、おめでたい話、良くない予感は、そのまま良くない状況へ・・・奇をてらうことの無い実直な演出は、円熟の演技ではなくとも実直に演じる役者さん達にはとても合っていたと思え、もう腰さえ許せばいくらでも観ていられるし。
どうにもこういった話にはめっきり弱くなってしまい、途中からウルウル状態キープのまま最後の「約束の日」を迎えてしまいました。
劇としては最後でも、その先まだまだ人生は続いていくのですね ウェ~イ
年を重ねても誰も老けていかないのが難点ですが(笑)切なく好感のもてる公演でした。

この海のそばに
えにし
「劇」小劇場(東京都)
2019/02/05 (火) ~ 2019/02/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
前作「クラゲ図鑑」は警察からの事情聴取というカタチをとり、主宰前田氏と母親との過去を粛々と紐解くように描かれた作品。
そこでは、若くして独り残されてしまった主人公の孤独と、彼を取り巻く歴史の壮絶さにただもう驚くばかりでした。
その後、この公演をきっかけにドキュメント番組「ザ・ノンフィクション」に取り上げられ、局の後押しで前田氏が25年ぶりに故郷の韓国を訪れお世話になった人々や,何と存命しておられた生みの父親と再会するシーンも興味深く拝見することに。
縁があって更に更に深く母親の歴史に向かい合うことになった前田氏はこの取材を通して何を思ったか、今回の「この海のそばに」にはその答えがあるように思えて楽しみにしていました。
本作「この海のそばに」は件のテレビ取材を通したカタチ(取材形態は演劇的に脚色を加えているとは思いますが)で、前半にていま一度、経緯の再現。
前作に比べると落ち着いた目線で主要な事実ひとつひとつを淡々と振り返る感じだったものの、やがて来る運命の日が近づくにつれ詳細な描写へと・・・
何より印象的だったのは現実に対して受け身的な印象だった青年が、取材を受ける本作ではひとまわり大きくなっていたこと。
自分自身を演じられた前田氏はつらい過去を背負い、想像もできないご苦労もされてきたでしょうが、しっかり事実と向き合って人と痛みを共有し、これだけの仲間の協力のもと、その思いの丈を発信できる環境を持てるまでに辿り着いたのは、とても素晴らしいことだと思います。
これ以上の供養はないと思えますし、劇団「えにし」さんの礎的な作品ともなるでしょう。
入場時にはジトジト降っていた外の雨が、終演後カラッと上がっていたのが何とも象徴的でした。

夜が摑む
オフィスコットーネ
シアター711(東京都)
2019/02/02 (土) ~ 2019/02/12 (火)公演終了
満足度★★★★★
異彩を放つセットに、普通じゃない時間がこれからやって来るであろうと予見させるものの、役者さんが舞台に現れると予想など軽く飛び越えた普通じゃない時間がやって来た!
演劇だからこそ伝達可能な唯一無二の表現テクニック、そしてナルホドこの原作を体現するにあたって選び抜かれた役者さん達だと大納得。
酸いも甘いも噛み分けた人達が創り上げる世界なので、さぞかし順調な過程の中完成された作品なのかと思いきや、この世界観実現のために、相当難儀して出来上がった賜物であることが、後に当日パンフを読んで分かりました。
そんな作品を・・・つくづく有難いです。
安普請なマンモス団地の中の一室。
彼にとっては耐え難い、他人のふてぶてしさに飲み込まれそうな夜。
心の城が壊れないよう必死に自身を守ろうとする男の心は、哀しいことにもう充分に壊れていて、うっかりこちらもリンクしてしまと・・・ヤバい、想像しただけでも空恐ろしいです。
甘美を含有した狂気。作者の方は実際このレベルまで追い込まれた経験があるとしか思えないほど突き詰められた表現世界だと思いました。
公演中の艶∞ポリスさんといい、またもやこの地で発見の芳醇な演劇パラダイス。
下北沢の底力を思い知りました。

PARTY PEOPLE
艶∞ポリス
駅前劇場(東京都)
2019/01/31 (木) ~ 2019/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
沢山笑えて、いろんな意味でなんだかゴージャス!
お金がある人・ない人、様々な人達のお金に対する価値観の違いも面白く、金銭感覚と人の相性ってニアリーイコールかもしれないとか、何かと思いが巡るところの多い作品でした。
それにしてもパーティーピーポーの面々。
全ての舞台上人物がちゃんとそこに息づいているかのような描写力が素敵です。
表面上の生態に思わず吹き出しながら、ちゃんと内面までもが届いてくるのだから、いやー大したもんだ。

desnudo Vol.16「牛女」
ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
MUSICASA(東京都)
2019/01/30 (水) ~ 2019/02/01 (金)公演終了
満足度★★★★★
母の情念を切なく訴えかけるこの物語は読書という形でも伝わってくるわけですが、生々しくも美しい肉体に物語が宿り表現される迫力といったら
農作に勤しむ村民達の生命力・・・牧歌的でありながらもヒシヒシ伝わってくる労働者の高揚感
子猿のようにじゃれてまとわりつく息子を大きなガニ股で軽々とあやしつつ、彼を育て守るため力仕事も厭わないパワフルで温厚な母の表情・・・ずっとそのままでいて欲しいと願わずにはおられない蜜月のとき
母親の病魔にも気付かず甘えてくる息子をしっかりおんぶしながら、滲み出る苦悶の表情・・・例え死んでも息子を守り抜こうとする決意の表情
原作から想像した今回の舞台化は、どちらかというと「静」のイメージだったのですが、移りゆくシーンのひとつひとつは、時には切なく優しく、時には心撃ち抜くド迫力でもって実に表情豊か、最初から最後まで心揺さぶられっぱなしで圧倒されっぱなし。
思い返せばただただア然と見入っていた時、演者さんと一瞬目が合い「呆けた顔を見られてしまったなー」と(笑)
鍛え抜かれたドラマチックな動き、その動きで舞い上がる風、繊細な腕の表現力、ダイレクトに身体に響いてくるステップ。
あり得ない程間近でフラメンコを鑑賞したのは初めてでしたが、心から素晴らしいと思いました。
もちろん生演奏。尺八が和の差し色になっており、絶妙なパルマ(フラメンコの手拍子)奏者、語り部の染み入るような声、成長した息子の心情を歌詞にのせた歌唱、全てが融合して完成された本作はフラメンコを超えた極上のエンターテインメントといっても過言ではありません。

紫猫のギリ
アミューズ / ジェイズプロデュース / アミューズクエスト
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/01/23 (水) ~ 2019/02/03 (日)公演終了
殺陣シーン満載のビジュアル系時代劇という意味では今流行の「刀剣乱舞」的作品といえばいいのでしょうか。
シアターグリーン BOX in BOX THEATERで公演される本格的な時代劇といえば時代絵巻AsHさんのイメージが強いですが、こうしたビジュアル系作品が客席と距離感の近い劇場で公演されるというのもなかなか貴重な事ではないかと。
妖術で化け物に変えられた怪人の衣装デザインが素晴らしく、そこから漂う何ともいえない哀愁は往年の仮面ライダーを彷彿させました。

陽だまりの中で
林家畳
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2019/01/23 (水) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
80年代、北陸のスナック。
ノスタルジックな世界観と方言に癒される~(笑)
母(スナックのママ)と一人息子を中心に、常連客、流しの女性歌手、息子の友人達が織りなす人間模様。
母親の愛情を息子がことごとく突っぱねてしまう姿が何とももどかしい。
ちょっと裏の世界を臭わせながら、じんわり泣けてくる物語を丁寧な演技でとても心地よく堪能できました。
哀しいエピソードが多く、ともすれば哀しい色が濃厚になりそでならないのは、ほんわりとした母親の温かみ。
そして極楽とんぼの山本さんが醸し出す笑いは、芸人であるメリットが活かされ良いスパイスになっていました。

『天国への登り方』
アマヤドリ
あうるすぽっと(東京都)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
「安楽死を推奨する町」という、ちょっと風変わりな世界観ながら、見入るほどにこれって将来無きにしもあらずな設定じゃないかと思えてきました。
「どんな死に方をしたいか」という問いには色んな答えがあり、自分だけの問題ならばそれぞれが下した個々の正解とも思えますが、看取る側の想いが加わると本当に考えさせられます。
熱い議論が交わされる中、自分と正にジャストフィットな意見を力強く述べる女医役の方がいて、非常に小気味よいと共に、劇中に参加している様な気分にもなりました。

ごんべい/ごんべい2
ゲキバカ
吉祥寺シアター(東京都)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
「ごんべい2」を観劇
お江戸の祭りに忍び寄る妖(あやかし)の魔の手。
ただならぬキャストの人数に加えて続編からの参戦でしたが、ストーリーそのものはシンプルだったので助かった!
当日パンフで確認すると24人の役者陣と17人のアンサンブル。
そりゃ2時間20分の大作になるのは必至。
よくこれだけの人数をうまく整理できたものだと感心するものの、映画・マンガ等のパロディーが随所に盛り込まれ、これだけ情報量が多いと後に残るモノが却って少なくなると思えたのも確か。
私には、軸となる黒猫の数奇な運命と、ここぞという圧巻のシーンが余韻として残りました。
なかなかの乗せ上手で劇団と観客との阿吽の呼吸がよく出来あがっていたのも印象的です。

ねえ、お化粧して首に境目できてるよ
劇団やりたかった
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2019/01/17 (木) ~ 2019/01/29 (火)公演終了
満足度★★★★
母親の葬儀を終え自宅に帰ってきた四人姉妹。
心穏やかではないのは、母親との確執を残したままの三女。
ほんのりONEOR8の名作『ゼブラ』を彷彿させる設定ながら全然違う!我が道を歩んでおられる(笑)
四人姉妹の個性がぶつかり合い、皆が独身ゆえの牽制が半端ない。
更にそれぞれの彼氏が訪ねてくるごとに、個性のカオス化が増々加速していき・・・何故か観終わったあとにはジンワリとした感慨が。
正攻法の演技進行では醸し出せないシュールな笑いとパンチの効いた作風。
前説での「笑い」について、ちょっと変わったエクスキューズがあったその意味が良~く分かりました。
![Like A room [002]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/783/stage_78366.jpg?84111)
Like A room [002]
CLIE
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
イケメンホテルマンが繰り広げるコメディ純度の高い作品かと思いきや、セレブな格調に独自の味付けがされた、どこか謎めいた設定。
これは侮れない、しっかり把握しなければと意外に気が抜けない世界観でした。
時折ムズムズしてくるこそばゆい感じの正体は、おそらく女子がキュンキュンくるエッセンスなのではないかと推測。
例えば女性に免疫がないアクティブなイケメン達・・・何だか女子ウケポイント高そうじゃないですか(笑)
カジュアルなミュージカルとしても気合いが入って、そのパフォーマンスの数々は確かにカッケーなぁ!と。
普段観ている作品とは、かなり毛色が違って新鮮な体験でした。

アラサー魔法少女の社畜生活
森プロ
萬劇場(東京都)
2019/01/11 (金) ~ 2019/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★
美少女戦士モノがバリバリ働くアラサー女性のヒューマンストーリーと合体!
収入が伴わないハードワーク。
そのくせマスコミからは注目されがちで社会的責任は大きい。
神出鬼没なモンスターを速やかに抹殺するというビジネスのリアリティーと、ビジュアルの妙が何とも言えぬ可笑しさを醸し出しているのと同時に、揺れ動く大人の女心がしっかり描かれた作品でした。
中心となる3人のアラサー魔法少女は、この歳で今もなお「少女」と名乗っていいものか思いあぐねる、なかなか聡明な女性達。
同世代の女性から何かと共感を集めそう。
個人的には良くも悪くも「働く男性の代表」的立ち位置にある管理職役の言動に心動かされました。
この方は過去に一度拝見していますが、やっぱり不思議な存在感のある役者さんだなぁと再確認。

超人類
BACK ATTACKERS
テアトルBONBON(東京都)
2019/01/08 (火) ~ 2019/01/13 (日)公演終了
満足度★★★★
「神」とは、人間と全く次元の異なった存在で大自然に宿る聖なるもの。といった概念で、観終わったあと「人間やり過ぎると、こういう時を迎える考え方もあるのか~」と、描かれていた「神」の振る舞いに対して物思いにふけっていた私と、私よりずっと合理的で分析力旺盛な劇友の方との見解が大きく異なっていて面白かったです。
人間社会の飽くなき知的向上の戦いを描いた物語としても楽しめたのですね・・・なるほどなーと
どちらにしても空恐ろしい事に変わりませんが、基本的な作風はいたってコミカル。
ただニヤニヤ観ていたところも『シックスセンス』方式というのでしょうか、観終わった後もう一度、ここは、ここはと確認してみたくなる衝動にかられてしまう作品でした。

阿波の音
ゴツプロ!
本多劇場(東京都)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
まだパワハラという言葉など日本には無かった頃、清濁合わせ持った働く男達の物語。
人間臭い舞台はいつも通りながら、お馴染みゴツプロメンバーの他、パンチの効いた役者さん、若い衆の役者さんも加わる事で今までにはないコントラストが生まれていたのが新鮮でした。
大きいサイズの劇場になっても、セットの何気ない所や役者の袖口からチラチラ見える紋々の図柄など細かいところまでしっかりとした作り込み。
舞台いっぱい生命力溢れる渾身の祭り、泣けて笑えて一足早い夏がやって来たようです。

はなれ瞽女おりん
平常
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2019/01/05 (土) ~ 2019/01/05 (土)公演終了
満足度★★★★★
「瞽女」とは、三味線と唄を生業とした盲目の女旅芸人。
「はなれ瞽女」とは、掟で禁じられた男性との性的行為を破ったが為、たった独り仲間から放り出されてしまったはぐれ者。
主人公おりんはアッ晴れなほどに情が深く、遅かれ早かれ(実際めっちゃ早いのですが)必ず「はなれ瞽女」となる運命だったであろうと。
人形劇といえば操演者は黒子に徹したイメージですが、たいらじょうの世界はフライヤーにある通り、たいら氏自身も前面に出ており、普通なら不自然に映ってもおかしくないところ全くもって違和感が無く、むしろ情感たっぷりに物語が伝わってきました。
無理に想像力を働かせなくとも、たいら氏が「おりん」になったり、「おりん」に引き寄せられる男そのものになったり、その他の者を独自に表現したとしても、全てがすんなりと入ってくるから不思議です。
雪降る日本海、北陸。
美しい「おりん」の造形はどことなくいびつで、厳しい現実から逃れられない哀しみだけがまとわりつく世界観かと思いきや、観た後には全く違った思いがこみ上げてくる、ダイナミックにて繊細、とても美しい公演でした。