満足度★★★★
滑稽にしてショッキング。これが集団ヒステリー状態なのかと。
まだ中学生ゆえに「やっぱり子供だなぁ」という発想でさえ、その微笑ましさは姿を変えて逆にちょっと怖い。
かなりの異常事態だと客観的に傍観できたとて、もし彼等と同年代にして本作と同じ状況と切り口で事が進むとなると、はたして自分はこの渦の中へのみ込まれずにいられるのか、ちょっと自信がないので余計に怖くなってきます。
本作を観ていると同調してしまうというわけではないのですが、「そういえば中学の頃、ノストラダムスの本を一気に読んで、その夜熱を出したなー」とか「あの頃、〇〇先生が偏見に満ちた発言を堂々としていたけど、今もいびつな光景として残っているんだよなー」といった、とりとめのない変な記憶がポロポロこぼれ出してくるから不思議です。
登場人物のほとんどを占める中学生役は、そこそこの大人の役者さんが演じますが、完全になりきった結果、ブラックな可笑し味が染み出し、作品の持ち味となって成立していました。
新任の女教師はとんでもキャラで、超胸糞悪いタイプにも関わらず、あまりに突き抜けているので思わず笑ってしまう事も。
何気に悪酔いしない様、配慮がなされていたのではないかと思えます。