OJの観てきた!クチコミ一覧

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PTA

PTA

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2008/01/19 (土) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

終わりよければ・・
面白かった。
う~ん、何だろ・・。
色々思うこともあったけど、最後はとても満足。

終わりよければ・・。
やっぱり、いい作品なんだろうな。

ネタバレBOX

最後の15分で、ガラっと評価が一変した。
場面場面のちょっとしたネタは面白いところもあるが、それまでは濃すぎるキャラと演技、少々無理のある設定、ともすれば突然話が飛んでしまうように思われる展開もあり、何だかごった煮のような印象。
あれやこれや詰め込み過ぎて、少々フォーカスが甘い感じ。

劇が引き締まったのは、ほんとに最後、郵便ポストを運んできた辺りから。
等々力先生はどうしてそんなところへ行ったのか、その謎が解き明かされてから一挙に上昇する。
議論を重ねていくうちに、本当の意味での教育の在り方、子供達への接し方を自分達で導き出していく部分などとても素晴らしい。
最後に解体屋の意外な正体も明かされ、この辺りの持って行き方も上手い。

宮仕えの哀しさ、イエスマンを処世の術と心得る教頭の、力関係を計りつつ板ばさみにうろたえる姿がコミカルによく描けている。
それにしても、教頭先生役の男優さんがとてもいい味を出している。
校長との絡み、想定外に校長を呼んでしまうシーンなど、思わず吹き出してしまった。

とかく偏差値を上げる為の詰め込み教育が大手を振ってまかり通る中、本当の意味での教育とは何なのか、人を教え導いていく上で最も必要な事は何なのか、この本を書いた方から、そんな事を教えられたような気がした。

ずっと何かごちゃごちゃした感じだったのに、終演後、とても爽やかな感じ。
それこそ、涼風が体を吹き抜けたような感じ。

こういう気分にさせてくれるのは、やっぱり良い作品なのだろう。
また観に行きたいと思う。

feel trip

feel trip

alliancedesign+プロデュース

スパイラルホール(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/20 (日)公演終了

満足度★★★

軽妙でスタイリッシュ
軽妙でスタイリッシュ、それでいて、どことなくほのぼのとした雰囲気。
日常の何気ないシーン、ちょっとした人間の心理を取り上げ、普段わざわざ意識しなくとも、言われてみれば、ああ、そうそう、そうだよな、みたいな世界を、うまく表現している。

会場はオシャレなホールだが肩肘はらず楽しめた。

ネタバレBOX

全編ほんわかしたオムニバスばかりで楽しめたが、個人的にはもう少しコクが欲しい。
安心して観ていられるが、欲を言えば、オチにもう少しパンチが欲しかった。
一発芸的なパロディのネタも結構あったが、余りそれに頼る過ぎると、折角よく考えられたストーリー自体の良さが薄らいでしまう印象も・・。

扱う題材が役者さん達の雰囲気、年齢層によく合っており、自然な雰囲気で世界に入れる。
ホッと一息つきたい時の、コーヒーブレイクにピッタリかも・・・。
今度は、芳醇で濃厚なディナーの舞台も魅せて欲しいと思う。
ジンギスカン

ジンギスカン

株式会社 ドラマ・ステーション JAPAN

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2008/01/04 (金) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても素晴らしい作品!
豪華なキャスト、臨場感溢れる演出がとても素晴らしい作品!
モンゴル草原の世界にたっぷり引き込まれて、とても楽しめました。

ネタバレBOX

平岳大について事前にほとんど知らず、よくある、2世タレントを名前のあるベテランが脇を固めて盛り上げるパターンかと余り期待していなかったが、背も高く、その凛々しい姿は、草原の覇者として名を残す英雄の若き日の姿にとても良く似合う。
また、相手役相田翔子演じるカルカ姫も、強さを内に秘めた役柄、最後まで成就することのない悲恋の物語が、(元来泣き顔っぽい)彼女が醸し出す雰囲気にぴったりで、作品の世界にどっぷりと浸れた。

ストーリーはテムジンとカルカ姫のほのかな恋物語、宿命のライバル、ジャムカとの争いを軸に、物語としてもとても楽しめる。

ジンギスカーンについては、元々その人物像や国に興味もあり、結構色んな書物を通して読んできたので、史実と随分離れた人物設定(ボルテの役回り等)に最初はとまどいも覚えたが、ともに部族を率いる二人のやりとり、性格描写など見ごたえがあった。

圧巻は、今や立場が逆転し優位に立ったテムジンが、ジャムカに示した温情溢れる停戦条件にも、誇り高きジャムカは首を縦に振らず、その板ばさみになるカルカ姫が犠牲になる非情のシーン。
物語とは言え、ついには結ばれることなく終わる結末に胸をしめつけられる。

たまたま取って頂いた席が前列の良席だったこともあり、本来ミーハーなところのある自分には、豪華な衣装を纏った美男美女が眼前で繰り広げる舞台に夢うつつの気分。
こういう夢の世界にいざなってくれるのが、やはり舞台のいいところだろう。

こんな作品を観ると、ああ、お芝居っていいな、また劇場に足を運びたいな、と思う。
今年もいい作品、沢山めぐりあえればいいな・・。
歌姫

歌姫

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2007/07/11 (水) ~ 2007/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

この作品は外せない・・・
こりっちという観劇好きの為のサイトがあるよ、と教えて頂いたのは確か9月頃。
それ以降観た作品は欠かさず投稿してきたが、今年のエンタメ投票が始まったとのことで、この作品を外す訳にはいかない。
観たのは半年も前の事だが、感動は今でも鮮やかに蘇る。

その後TVドラマ化もされたようだが、自分はあえて観ていない。
あの舞台以上の作品になるとはとても思えないから・・。

※観劇後すぐに書きとめておいたレビューなので、(今読むと)文末一部時間の感覚の表現におかしなところがあるが、その時の感激をそのまま残したいので、あえて手を入れずにアップすることにしました。

ネタバレBOX

実は観劇前、何となくタイトルも古臭くて、余り期待していなかったのだが・・・。
観劇後、何度も迫り来る感動に、自分を持て余してしまった。
その感動は未だ忘れられず、心地良い余韻を何度も楽しむ。
エンタメに必要なユーモアとペーソスがふんだんに盛り込まれている。

宅間孝行演じる主人公太郎のカッコいい男っぷり、それでいてシャイでウブな性格。
胸をしめつけられる切ないストーリー、意外な運命に翻弄される主人公。
劇中、何度も涙で目が霞み、目頭をそっと押さえる。
自分が男でなければ、どんなに気が楽だろう。
込み上げてくるものを抑え切れず、(人前で見せる涙を恥ずかしいと感じる本能で)劇中のシーンから何度も目を逸らせた。
そのまま舞台から目を離さないでいると、どんどん涙が溢れそうである。

最後のシーン、街のみんなに惜しまれながらも、街を出て行く太郎。
全てを知りながら、それを明かす事はできない。
惜別の言葉をかけられながら、みんなには知られぬよう背を向け、観客からのみ見える太郎の表情がみるみる涙でくしゃくしゃになる。
ここが限界・・・。
自分の心の柔らかい部分を、ぎゅっと掴まれるような、そんな切ない気分。
男から人間に戻り、自分の感情に素直に従い、とめどなく涙が溢れ出る。
ベタベタした男女の愛情劇ではなく、あくまで仄かなラブストーリー。

殆どの男性がそうかも知れないが、自分もいわゆる切ないラブストーリーは苦手である。
目頭が熱くなり、鼻の奥がツーンとしてくると、もういけない。
しかも、人並み外れて、感情移入は得意中の得意。
すぐ劇中人物の心情になりきってしまう。
ゆえに、その手のストーリーは、自ら好んで観ることは余りない。

だが、本当のナマな自分は、決してそういうのが嫌いという訳ではないのだろう。
思う存分感情を昂ぶらせ、何か胸のつっかえがおりたような、そんな爽快感。
帰り新宿への道すがら、感動が胸の中で、いまだずっと共鳴している。
う~ん、まだ雨は降り止まないが、今夜は足を運んで、本当に良かった。
こういう感動があるから、自分はまた劇場に足を運ぶのだろう。

でも、カッコわりぃから、今度はラブストーリー以外がいいかな・・・。
誰が見てる訳でもないのに、何となく照れを押し隠して、ゆっくり帰途に着いた。
お台場SHOW-GEKI城『親兄弟にバレる』

お台場SHOW-GEKI城『親兄弟にバレる』

柿喰う客

フジテレビメディアタワー マルチシアター(東京都)

2007/12/15 (土) ~ 2007/12/20 (木)公演終了

満足度

う~ん、とっても残念・・・
前作「傷は浅いぞ」がとても良かったので期待してお台場に足を運んだのですが・・・。
この劇団には注目していただけにあえて辛口の評価になりますが・・・。
う~ん、個人的にはとっても残念・・・。
次回に期待したいと思います。

ネタバレBOX

役者さんの熱演は相変わらず素晴らしい。
みな力量もあり、ヒジュアルも良い。
(イヤでもシェイクスピアを思い出させるが)確執ある両家の宿命と言う舞台設定、ストーリー、話の展開、キャベツ太郎の変身も演劇の「トリック」として見逃してもいい、結末も悪くないと思う。

それだけに・・・。
うーん、とっても残念・・。

テーマがテーマだけに、全然笑えないし、場面の描写は時に不愉快ですらあった。
扱うテーマ一つで、同じ劇団でも、こんなにも輝きを失うものなのか。

うーん、どしたんだろ!?
グランプリの賞金、今回テレビ局主催の企画という事に目が眩んで奇を衒ったと言うなら、余りに寂しい。

折角の素晴らしい個性が、扱うテーマで台無し。
隣の若い女性客は、舞台の佳境の場面で熱演する舞台の彼らを観ようとせず、ずっと目を落として本を読んでた。
きっとこの劇団のファンで今夜も楽しみに足を運んだと思うのだが、若さゆえの潔癖さか、期待を裏切られた無念さを、こういう形で主張したかったのだろう。
うーん、何と言うか、自分は決して潔癖な人間ではないが、それでも抵抗を感じるシーンも多かった。
潔癖な若い女性が受け入れ難いのも想像に難くない。

何より、あの類のネタで笑いやウケを狙うと言うのはどうなんだろ・・・。
実力は十分なのだから、けれん味ない本来のスタイルで勝負して欲しかったと思うのは、自分だけなのかなぁ・・。


前作「傷は浅いぞ」で好印象だったこともあり、このサイトのこれまでの意外に低い評価に疑問を抱いて臨んだ今夜の舞台。
他の劇団も軒並み評価を下げているようで、きっとこれは、今回の 『お台場SHOW-GEKI城』企画自体に問題あるのだろう、観る前はそう思ってた。
普段90分~120分、自分達の考えていることを自分達の方法で存分に表現する、そんな彼らが、無理矢理枠にはめられた故、本来の魅力が半減したのだろう、観るまでは好意的にそう考えていたのだが・・・。

ポテンシャルは申し分ないだけに、今度ば自分達の土俵に戻った、普段着の彼らに期待したい。


息の根に根付く

息の根に根付く

地球割project

アドリブ小劇場(東京都)

2007/12/06 (木) ~ 2007/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄い才能・・・
難しいテーマだと思うが、真正面からよく表現されていたと思う。
作り方もよく工夫がこらされていて上手い。

この作品、書かれた方は20代との事だが、ストーリー、視点、表現の手法、どれも素晴らしく、凄い才能だと思う。

これからも注目していきたいと思う。

十傑峡 (じゅっけつきょう)

十傑峡 (じゅっけつきょう)

ひげ太夫

萬劇場(東京都)

2007/12/06 (木) ~ 2007/12/10 (月)公演終了

満足度★★★★

毎回期待を裏切らないのが素晴らしい!
相変わらず面白い。
この劇団は毎回期待を裏切らないのが素晴らしい。
客演の劇団上田も楽しくて笑えた。

ネタバレBOX

詳らかにされないが、水滸伝を思い出させる時代設定。
張られた伏線をすっきり収束させるよく練られたストーリー。
例によって、弱気を助け強い悪に向こう見ずに立ち向かうが、それでいて女性にはからっきしウブなヒーローも痛快。

髭を蓄え、まなじりをきりりと凛々しく跳ね上げた乙女達のきびきびした動作がすがすがしい。
パンフレットで紹介される素顔とのギャップも、この劇団の魅力の一つだろう。
そして、ハンパじゃない組体操は、今回何と4段。

日替わりゲストの劇団上田。
女性ばかりの集団にどのように組み込むのかと思ったが、上手く見せ場を作っており、こちらも面白い。
一つ一つのネタはバカバカしい限りなのだが、何も考えず楽しめる。

そして今回もラストのNG巻き戻しシーン。
これを楽しみにされているお客様も多いのかも・・。

相変わらず面白い。
劇場へ足を運ぶと楽しい時間が待っている。
この劇団は毎回期待を裏切らないのが素晴らしい。
次回もまた楽しみにしたいと思う。
ミュージカル ハレルヤ!

ミュージカル ハレルヤ!

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2007/12/01 (土) ~ 2007/12/13 (木)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしいミュージカル!
全編、ユーモアとペーソスに溢れた素晴らしいミュージカル。
ストーリーも最後までドキドキさせてくれてほんとに面白い。

慈英さん、自分にはどうしてもサッカー番組のキャスターというイメージが強いが、マイケル・J・フォックスを思わせるユーモラスで軽妙なキャラで、人間味溢れる優しい神父さん役がとてもいい。
弟役の山崎君も、素朴で慎み深い青年という役どころがピッタリ。
4人の女性のコミカルでパワフルな演技も素晴らしいが、この作品全編を優しくくるんでいる、汚れの無いほのぼのとした雰囲気は、やはり彼等二人の役柄に負うところが大きいだろう。
そして、山路和弘さん、この方がもう最高にカッコいい!
今年も沢山のお芝居を観ているが、カッコいいという観点から言えば間違いなくナンバーワン!
最後のシーンは、おそらくずっと忘れられないシーンとなるだろう。
隙間無く綴られる音楽もとても楽しめる。

劇場を出たら海際の夜風が冷たかったが、心の芯まで温まった自分に、寒さは全然感じなかった。
むしろ興奮状態にある自分には頬をなぶる潮風が心地良いくらい。
こういう作品に出会えると、ああ、劇場に足を運んで、本当に良かったな、と思う。
演劇っていいな、あらためてそう思った。

ねぇ!夜は誰のためにあるの?

ねぇ!夜は誰のためにあるの?

(株)ショービズプランニング

博品館劇場(東京都)

2007/11/30 (金) ~ 2007/12/02 (日)公演終了

満足度★★

美男美女の組み合わせ
役者さん二人は美男美女の組み合わせで、作品自体もとてもおしゃれな雰囲気。

こういう外国の作家の作品と言うのは、ユーモアやウィットに富んだ会話を楽しむものなんだろうが、余り起伏が感じられず、すんなり終わってしまったような感じがしました。

僕と彼と娘のいる場所

僕と彼と娘のいる場所

トム・プロジェクト

紀伊國屋ホール(東京都)

2007/11/21 (水) ~ 2007/11/29 (木)公演終了

満足度★★

達者な演技陣は素晴らしい・・
う~ん、難しいテーマと思うのですが・・・。
達者な演技陣は素晴らしいと思いました。

ネタバレBOX

子供がいじめられて自殺して、でも父親は何もしてやれなくて・・。
裁判になっても、自殺の原因は周囲のいじめだけじゃないって判断されて、むしろそれに不服を申し立てるのは賠償金目当てと中傷、誹謗されて・・。

確かに迫真の演技だけど、こんな話は毎日ニュースで流れ、その都度イライラさせられる。

どうせなら、ちょっとダメ親父っぽいキャラの父親が一念奮起、加害者に果敢に立ち向かうとか、どっかオチャラケキャラの娘婿がいざとなったら真価を発揮、加害者に挑んで逃げた嫁の信頼を取り戻すとか、そんな夢のあるオチが欲しかった・・。

善良な被害者の無力な挫折というのは、現実の世界に嫌って言う程溢れ返っている訳です。
自分達が劇場に足を運ぶのは、夢のあるストーリーで溜飲を下げたい、現実は厳しいけど、ここでは束の間の喝采を味わいたいと思って足を運びます。

普段のお茶の間と同じようにイライラしっぱなしで、最後、何とはなしに、なぁなぁで終わってしまったのは、少々物足らない思いがしました。


一方、演技陣は素晴らしい。
出演者は3人だけなのに、全く「隙間」を感じさせない。
特に石丸さん、コミカルなシーンからクライマックス迫真の演技まで、ほんとに素晴らしかったです。
傷は浅いぞ

傷は浅いぞ

柿喰う客

王子小劇場(東京都)

2007/11/14 (水) ~ 2007/11/26 (月)公演終了

満足度★★★★

とにかくパワフル・・・
急遽予定があいて当日券で飛び込んだが超満員。
話題の劇団だし、これから観に行かれる方は事前に予約入れておいた方が無難かも・・。

とにかくパワフル、ノリに乗ってるパワーに圧倒されるような作品。
力技で押しまくるだけでなく、ストーリーもよく練られていて伏線の張り方も上手い。
この劇団が「お台場SHOW-GEKI城」に進出したのがわかるような気がした。

ネタバレBOX

セットは何もなし、せりあがるように斜面になった舞台のみ、出演もたった4人ながら圧倒的なパワー。
冒頭お腹に響くビートの利いた音楽で幕を開けると、全編フルスロットル、疾走するハイウェイスターのような作品。

プロデューサ役のサヤカがほんとに憎たらしい。
本気でムカつかされたのは、本が良くて役者もはまり役なんだろう。
ストーリーもよく考えられており、場面の切り替えのテンポも良い。

終始いいヤツだったマネージャーが、最後、えっ?、というサヤカとの過去のいきさつ、アイドルの過去の事件など少しひっかかったが、そんな瑣末もパワーで全て吹き飛ばされた感じ。

個人的には、終始煽られるような緊張感があり(それはそれで心地良いのだが)、もう少し緩急の間があれば、一息つけたかな・・。

特設ページを覗きに行くと、(無論謙遜もあると思うが)これでもワーストメンバーとのこと。
ベストメンバーで臨むお台場の公演、是非観てみたいと思う。
しびれものがたり

しびれものがたり

しずくまち♭[フラット]

麻布DIE PRATZE(ディ・プラッツ)(東京都)

2007/11/07 (水) ~ 2007/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

上質のエンターテイメント
初日の昨夜、観てきました!

素敵な音楽、不思議な国の物語、あっと言う間に異空間に連れて行かれ、とても楽しめました。

全編美しい生演奏にくるまれ、とっても贅沢な気分。

上質のエンターテイメントと言う言葉がピッタリ。

演劇が、自分を素敵な世界に導いてくれる魔法の装置だとすれば、まさにぎっしりとその要素が詰め込まれた、素敵な作品だったと思う。

劇団の方の対応にもとても誠実さが感じられ、とても良い気分で劇場を後にした。

また、機会があれば、観に行きたい劇団だと思う。

ネタバレBOX

人間にのみ許された「感情」、「感覚」がテーマ。
普段、自分達がその有難みに気付かず、当たり前に享受しているその部分に、鋭くスポットを当てた作品。

冒頭流れる音楽がとても素晴らしい。
メランコリックで、とても美しいメロディライン。
(演奏している側の狙いは違ってたかもしれないが個人的には)フォーレのシシリエンヌを連想して、とても豊かな気分。

シンプルだがどこか不思議の国を思わせるようなセット。
物語の設定も、SFチックながら、或いはこんな世界が来ることも有りえるかも・・・、無理なく入らせるところが上手で、一遍にメルヘンの世界に引き込まれる。

物語は街のDJが流すラジオ番組を上手く使って進める。
番組の流れにそのままストーリーを乗せて、この辺りの作り方がとても巧み。
仕込んだ伏線もきちんと収束させて、ストーリーもとてもよく練られている。

最後は、あともう一展開あるのかな、と思っていたが、やっぱりあのまま終わる方がいいのかな。


話の展開とは関係ないが、どの役者さんもとてもはきはきしたセリフまわしで、基本がとてもしっかりしているのだろう。
名前の通った方でも、時折聞き取り難い発声をするのも見かけるが、演劇でやはり発声は基本。
今夜の出演者はその点、とても安心してみていられた。

終演後、出口にDJ先生役の役者さん自ら挨拶に立たれて、帰る客一人一人にきちんと目を見て挨拶されていたのがとても印象的。
劇場へ足を運んで来る客それぞれへの感謝に溢れているようで好感が持てた。

基本に忠実なセリフまわしといい、最後の真摯な姿勢といい、この劇団の誠実さが伝わってくるようで、とても良い印象が残った。


元々、6月に石神井で、飄々と好演されてたあやこさんを観たくて足を運んだが、作品、劇団ともとても素晴らしく、また次も足を運びたい劇団だと思う。





リグレッツ・オンリー

リグレッツ・オンリー

パルコ・プロデュース

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2007/10/15 (月) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

満足度★★

多分本場では・・・
多分本場ニューヨークの舞台で上演した際は、客席がドッと沸くシーンや笑いが巻き起こる場面が、随所に見られたのだろう。

風刺、うんちくが満載、本来は洒脱な会話やテンポを楽しむ作品なんだろうが、残念ながら自分も含め、客席側になじみの薄い名詞やうんちくが多く、おしゃれな会話を十分楽しむに至らなかったのは残念。

ストーリーの中でゲイが重要な要素を担っているが、この物語ではゲイが市民権を得ている米国が舞台。
その辺りの感覚も、日本に住む自分達には、少々理解し難いように感じられた。

脇も一流の役者さんで固め、上流階級の雰囲気はよく作られていただけに、肝心のストーリー、セリフ自体に自分の理解度が追いつけなかったのは、少々残念。

アンチリアル

アンチリアル

1970 PROJECT

小劇場 楽園(東京都)

2007/10/30 (火) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

とても斬新な感覚
ちょっと事前に想像してた感じとは違っていたのですが、
とても斬新な感覚で、よく考えられた作品だったと思います。

自分が観たのは初日でしたので少し硬さもあったようですが、
役者さんの熱演も素晴らしい。
ビジュアルもよく、とてもおしゃれな雰囲気だったと思います。

ネタバレBOX

客席後方からセリフを言わせたり、トイレを劇中でもそのまま使ったり、劇場内の空間をとても上手く工夫していたと思います。

クライマックスでの、ユニゾンのセリフの挿み方も効果的。

狙いは別なイメージかも知れませんが、個人的には、イオネスコの不条理演劇を少し連想したりしました。
孫文と梅屋庄吉

孫文と梅屋庄吉

東京ギンガ堂

紀伊國屋ホール(東京都)

2007/10/20 (土) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度★★

史実に忠実なストーリー
歴史好きの自分には好きな題材、史実に忠実なストーリーでとても楽しめたが、芝居好きの自分としてはもう少しインパクトが欲しい。
革命家とそれを財政面から支援する実業家と言う役どころは相当骨太のキャラのはずだが、少し優し過ぎる印象があり、物語としては全体にこじんまりしてしまったように思った。

二人の半生を忠実に描き、主要なエピソードはあらかたカバーされていたと思うが、それだけにそれぞれのシーンを点描するような形になってしまっており、作品全体としての盛り上がりに少々欠けるように思った。

-1・マイナスワン

-1・マイナスワン

劇団Turbo

駅前劇場(東京都)

2007/10/25 (木) ~ 2007/10/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

めちゃくちゃ感動した!!
初日の昨夜、観て来ました。
難しいテーマながら、うまく表現していたと思います。

最初ベタなキャラや小ネタでちょっとひいちゃったのですが、何だろ、それこそ中盤からTurboのように加速して、最後はめちゃめちゃ感動させられた!!

今年も物凄い数のお芝居観てるけど、本当に最大級の感動!

自分自身の中で膨れ上がる感情を処理し切れなくて、途中から、
  (これは作り物なんだから、フィクションなんだから・・)
素晴らしい感動にくるまれたくて劇場に足を運んでいながら、逆に落ち着け、落ち着け、自分に言いきかせてる自分を発見して・・・。
ほんとにバカみたいなんだけど、そんな事まで思ってしまった・・。

それくらい、素晴らしかった、という事です。

う~ん、何処をどうすれば観てる人は感動する、ということを、おそらくこの劇を創られた方は熟知してるんでしょうね・・。

不覚にも、冷静な自分を忘れて、心地よい激情に流されてしまった。

いい劇団を発見した。

次回も必ず観に行きたいと思う!

ネタバレBOX

養護院を舞台にした孤児達と引き取りに訪れる親達のお話。

前半はキャラを立たせるのに、個性を強調し過ぎた演技が目立ち、不自然さが気になる自分としてはちょっと入りきれず。
役者さん達も、気のせいか少々固い感じ。
ベタなネタやダジャレも空振りが多く、ちょっとひいてしまう。

ストーリが動いたのは孤児達と親達が対面する頃から。
舞台が舞台だけにしんみりする設定が多いが、それをコミカルに、重くなり過ぎないように描かれており、この頃からどんどん引き込まれていく。

ペットショップの子犬と同じ、まだ個性が固まっていない年齢の低い方から引き取られ、中高生以上になるとなかなか引き取り手が現れない現実。

養護院の孤児達全員と3組の親子が対面するが、結局引き取られるのは年齢の低い3人で、この辺り演出の都合もあるのか特に明かされてなかったが、実は引き取られる3人は血の繋がった実の姉妹という設定。
3人は突然両親が事故で死に、残された3人の姉妹だった。

経済的にもゆとりあり、それぞれの家庭で大切に扱われるが、3人の姉妹はやっぱり離れ離れになるのに耐えられず、申し合わせて養護院に戻る。

それぞれの親達には無論養護院に戻るとは告げず、自分を探さないで、との置手紙を残して・・。

折角引き取った子供が突然姿を消し、途方に暮れる3組の親達。

失踪劇には養護院の先輩お兄ちゃん達がバックアップしており、引き取られた姉妹達の意志を尊重して神父さんにも告げず匿うが、ひょんなことから養護院内に居ることがばれてしまう。

それぞれ自分が選んだ子供達を連れ戻したい親達と姉妹を守ろうとする孤児達。

自分達が嫌われた訳ではなく、姉妹が離れ離れになるのが出て行った原因と知り、それぞれの親は3人全員を引き取ることを提案し、今度は親同士、それぞれ足の引っ張り合いが始まる。

引き取られる孤児は3人組1セットのみ、一方引き取り手は3組で、どの親が引き取るにせよ、残された二組の親は納得できない・・。

解決方法はないと思われた難題に、最後、奇想天外な結末が用意されている。

とても夢のあるラストシーン、どんどん上昇していた自分の中の感情がどこかで弾けたような気がする・・・。

う~ん、上手い、不自然にならない程度に神様の力を借りたりするところもロマンチック。

そして、徹頭徹尾、慈愛に満ち溢れて温かく導く神父さん。
この人の役柄が最高に素晴らしい。

劇中挿む音楽の使い方がとても上手い。

どこをどう創れば、人の感情の琴線を爪弾けるのか、この劇を創った方は、それを熟知しているんだろう。

最初の頃少し硬さの見えた役者さん達も最後はそれぞれ最高の演技。

素晴らしい劇団を見つけた。

また次回も観に行きたいと思う。




ゲイニン

ゲイニン

ZIPANGU Stage

シアターサンモール(東京都)

2007/10/19 (金) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

満足度★★

う~ん・・・
観る前の期待が大き過ぎたのか、自分にとっては少々物足りない。
本は良かったと思う。
演ずる役者さん達も皆個性的な面々。
ベテランも多い。

う~ん、でも、何か、何処か違和感が拭えない・・。
何なんだろ・・?
自分でもよく理由がわからないまま、結局最後まで入りきれなかったように思う。

この劇団、ポテンシャルはこんなものじゃないと思う・・。
次、もう一度足を運んで確かめたいと思う。

海野広大 戦います

海野広大 戦います

脱線劇団PAGE・ONE パートII

シアターブラッツ(東京都)

2007/10/11 (木) ~ 2007/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

お腹抱えて笑った!!
めちゃめちゃ面白い!!
お腹抱えて笑った!!
劇場に足を運んでここ迄笑えたのは初めて・・。

サラ・ゴメス、思い出しただけで、また笑える・・。
広大クンもカッコイイ!

最後ああいう結末なら、シリアスな場面を挿めばもう少し締まった感じになるのかな・・。
でもこれだけ笑わせてくれれば大満足。

沢山笑えて、何だかスッキリした気分で劇場を後にしました。

味噌SOUP

味噌SOUP

サンライズプロモーション東京

シアターサンモール(東京都)

2007/09/26 (水) ~ 2007/09/30 (日)公演終了

満足度

う~ん・・・勿体ない・・・
折角個性的なキャラが揃っているのに・・・。

ストーリー自体に盛り上がりが欠けるようで、ちょっと勿体ない感じがしました。

ネタバレBOX

自分的には、終演後のトークが一番面白くて、それはどうなの、みたいな・・・。
ミュージカル「ハロルド&モード」

ミュージカル「ハロルド&モード」

あうるすぽっと

あうるすぽっと(東京都)

2007/09/20 (木) ~ 2007/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても夢のある作品
少し奇抜な設定ながら、しばし時を忘れて童話の世界に誘われるような、とても夢のある作品。

個性的なハロルドを演じる三浦涼介クン、リカちゃん人形のボーフレンドのように可愛さとカッコ良さを兼ね備えてピッタリの役柄。
モード役の大方斐紗子さんも、快活で魅力的な老婦人がとても素敵です。

脇を固める俳優さん達も、いずれも個性的で抜群の存在感。
バックに控える楽団の生演奏もとても贅沢で素晴らしい。

最後結末はわかっていても胸が一杯になって、涙が止まらず困った。

モードのような生き方で人生を駆け抜ければ幸せだろうな、そんな事を考えさせられた。

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