歌姫 公演情報 東京セレソンデラックス「歌姫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    この作品は外せない・・・
    こりっちという観劇好きの為のサイトがあるよ、と教えて頂いたのは確か9月頃。
    それ以降観た作品は欠かさず投稿してきたが、今年のエンタメ投票が始まったとのことで、この作品を外す訳にはいかない。
    観たのは半年も前の事だが、感動は今でも鮮やかに蘇る。

    その後TVドラマ化もされたようだが、自分はあえて観ていない。
    あの舞台以上の作品になるとはとても思えないから・・。

    ※観劇後すぐに書きとめておいたレビューなので、(今読むと)文末一部時間の感覚の表現におかしなところがあるが、その時の感激をそのまま残したいので、あえて手を入れずにアップすることにしました。

    ネタバレBOX

    実は観劇前、何となくタイトルも古臭くて、余り期待していなかったのだが・・・。
    観劇後、何度も迫り来る感動に、自分を持て余してしまった。
    その感動は未だ忘れられず、心地良い余韻を何度も楽しむ。
    エンタメに必要なユーモアとペーソスがふんだんに盛り込まれている。

    宅間孝行演じる主人公太郎のカッコいい男っぷり、それでいてシャイでウブな性格。
    胸をしめつけられる切ないストーリー、意外な運命に翻弄される主人公。
    劇中、何度も涙で目が霞み、目頭をそっと押さえる。
    自分が男でなければ、どんなに気が楽だろう。
    込み上げてくるものを抑え切れず、(人前で見せる涙を恥ずかしいと感じる本能で)劇中のシーンから何度も目を逸らせた。
    そのまま舞台から目を離さないでいると、どんどん涙が溢れそうである。

    最後のシーン、街のみんなに惜しまれながらも、街を出て行く太郎。
    全てを知りながら、それを明かす事はできない。
    惜別の言葉をかけられながら、みんなには知られぬよう背を向け、観客からのみ見える太郎の表情がみるみる涙でくしゃくしゃになる。
    ここが限界・・・。
    自分の心の柔らかい部分を、ぎゅっと掴まれるような、そんな切ない気分。
    男から人間に戻り、自分の感情に素直に従い、とめどなく涙が溢れ出る。
    ベタベタした男女の愛情劇ではなく、あくまで仄かなラブストーリー。

    殆どの男性がそうかも知れないが、自分もいわゆる切ないラブストーリーは苦手である。
    目頭が熱くなり、鼻の奥がツーンとしてくると、もういけない。
    しかも、人並み外れて、感情移入は得意中の得意。
    すぐ劇中人物の心情になりきってしまう。
    ゆえに、その手のストーリーは、自ら好んで観ることは余りない。

    だが、本当のナマな自分は、決してそういうのが嫌いという訳ではないのだろう。
    思う存分感情を昂ぶらせ、何か胸のつっかえがおりたような、そんな爽快感。
    帰り新宿への道すがら、感動が胸の中で、いまだずっと共鳴している。
    う~ん、まだ雨は降り止まないが、今夜は足を運んで、本当に良かった。
    こういう感動があるから、自分はまた劇場に足を運ぶのだろう。

    でも、カッコわりぃから、今度はラブストーリー以外がいいかな・・・。
    誰が見てる訳でもないのに、何となく照れを押し隠して、ゆっくり帰途に着いた。

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    2007/12/27 10:35

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