かずの観てきた!クチコミ一覧

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ひまわり認定こども園の悩める人々

ひまわり認定こども園の悩める人々

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2026/09/02 (水) ~ 2026/09/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/09/05 (土) 19:00

座席1階

教育現場など関係者に綿密に取材して戯曲を組み立てる山谷典子の珠玉の一作。今作はPカンパニーの「罪と罰シリーズ」の一環として上演されることで、教育・保育現場から民主主義を考えるという力作に仕上がっている。

パンフレットに書かれた「おとながこどもと向き合うこと おとながおとなと向き合うこと それは社会と向き合うこと それは世界と向き合うこと」という一節が象徴的だ。舞台は認定こども園。制度改正で幼稚園と保育所が一体化し、幼児教育と保育を同じ現場で行うという施設だ。創設されて20年たつのにあまり知られていない制度なので、冒頭に簡単な説明がある。幼稚園による幼児教育(文部科学省)と父母の就労などで必要な保育を提供する(厚生労働省)が枠組みを超えて創設。画期的ともいわれたが、幼稚園系(教諭)と保育所系(保育士)のすれ違いなど、舞台はリアルな細部まで触れている。

物語は、都心などで近年メジャーになっている私立小学校へのお受験対策を重視する保護者にアピールするカリキュラムを進める教育コンサルタントの女性と、さまざまな家庭環境の子を受け入れて寄り添うインクルーシブな保育を行ってきた男性園長との対立構造が中心に据えられている。ここで働く教諭・保育士たちは園の方針に戸惑いながら、葛藤を抱えながらも日々奔走する。この女性が導入を明らかにしたあるシステムが波紋を呼ぶ中で、事故が起きる。

SNS(旧ツイッター)で不満やもやもやを発信する保育士。書き込みを背景に投射し、分かりやすい演出がなされる。入職したばかりの男性保育士の存在や、彼が請け負っていた仕事の中身が衝撃的だ。そのほか、現職保育士もうなづく「保育士あるある」のエピソードが満載。これまでの山谷作品の中でもリアリティーが濃い展開はとても満足できる。

ここ数年のトレンドであるインクルーシブ教育の在り方にも、この戯曲は考えるべきいくつかの論点を提示しているところがまた、秀逸だ。保護者、教諭・保育士、誰もが子どものためと思って行動しているのになぜ、問題が起きるのか。この点が、この戯曲が示した最高の見どころだと思う。

今日6日が千秋楽。見て損はないはずだ。

AFTERALL

AFTERALL

東京MT

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2026/08/21 (金) ~ 2026/08/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/08/23 (日) 12:30

価格4,000円

結成20周年だという。それなのに初見なのは勉強不足であった。「何かを訴えたい」という思いを排除して、徹頭徹尾客席を楽しませようというシチュエーションコメディとうたっているが、「結局」のタイトル通り、なにやら格言めいた言葉も浮かぶ物語なのである。

舞台は新築タワーマンションの一室。そこに、大学時代の「タワマン部」という面妖なサークルを共にしたメンバーが集まってくる。元部員同士のカップルが念願のタワマンを購入し、その記念パーティーを開くというのだ。
今や東京ではタワマンでなくても億ションは珍しくない時代。ましてや「港区」の新築タワマンなら高給取りのパワーカップルでも手が届くかどうかというお値段だ。元タワマン部員たちの中にはウーバーイーツで腰を痛めて無職という男もいて、こんなところも笑いのタネとして転がっている。
自慢のコメディだけに笑いどころ満載。そうした舞台を支えるのは、迫真の演技でばかばかしさを演じる俳優たちの力強さだ。2時間にも及ぶ笑劇を支えたのは、この熱量に尽きる。
もちろんセリフ的なギャグも結構面白いのだが、目の前で繰り広げられるドタバタは癖になると止まらない。恐らくたくさんの固定ファンがいるだろうと思われ、自分が訪れた日曜のマチネにも、グッズを手にした観客がいた。
物語の構成もとてもいい。それだけにドタバタだけでなく、もっとセリフの切れで笑わせてほしかったと注文するのは言い過ぎか。
いうれにしても客席に向けてのサービス精神旺盛のコメディーであることには違いない。見て損はないはずだ。

卓

風雷紡

小劇場B1(東京都)

2026/08/12 (水) ~ 2026/08/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/16 (日) 14:00

座席1階

千秋楽を拝見。風雷紡の公演はウッカーガマ以来だったが、今作は見事な出来栄えだった。緻密に練り上げられた脚本、コンパクトかつキビキビと進む演出。無駄を削ぎ落としそれぞれに意味を持たせた舞台美術。そして、8月の終戦記念日前後に設定された公演期間など、文句をつけようのない舞台だった。終演時にハンカチを握りしめている人が何人もいた。客席の満足度を物語っている。

舞台は終戦直後の長野・諏訪の養蚕農家。複数のお手伝いさんを抱える名家だ。一家が玉音放送に聴き入るところから物語は始まる。その直後、一家を率いてきた当主が突然に亡くなる。さらに、戦死したとも思われていた次男が玉砕の地から復員する。彼は戦地での体験が引き金となって精神を病んでしまっていた。
舞台はお手伝いさんも含めた群像劇で、当主が朝鮮で事業を拡大したときに連れてきた兄妹も家族となっている。この妹が舞台を大きく動かすプレイヤーとなって、客席をグイグイ引っ張っていく。
亡くなった当主はその後も白装束で何度も登場し、崩壊していく一家を見つめていく。登場する俳優たちはどれも迫真の演技で、2時間という上演時間全体に感動と緊張の糸を張り巡らした。

パンフレットによると、今作は16年前に書かれJACROWの中村ノブアキが演出したものを改稿したのだという。戦争がどれだけ深く人生を狂わせるか、人間であることをむしばむのか、政治・社会派劇で知られる中村演出がどのような舞台だったかはとても興味がある。ただ、今作は恐らく、16年前とはまったく装いを新たにして登場したのだろう。その鮮烈なインパクトは8月であることも相まって深く心に刻まれた。秀作だ。

頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/07/29 (水) ~ 2026/08/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/09 (日) 13:00

座席1階

井上ひさしがこまつ座旗揚げで上演した演目の再演。160回記念公演にふさわしい、素晴らしい出来だった。

前回とほぼ同じ座組が、グレードアップの期待に応えたと思う。
樋口一葉(夏子)を演じた貫地谷しほりの冷静な舞台での動き、八重を演じた岡本玲のはじける演技、年を重ねてすごみを増した多喜役の増子倭文江、しっとりとした歌声で魅了した香寿たつき、もはや怪演と言っていい幽霊・花螢の若村麻由美、こまつ座で経験を積んできた邦子役の瀬戸さおり。この6人がそれぞれの役割を超えて美しい舞台を作り上げた。

舞台は武家社会から転換したばかりの明治時代。男尊女卑の世間で貧困の中をもがいて生きた樋口一葉の人生だ。亡くなった家族・仲間が帰ってくるお盆の場面が、年を追って描かれる。花螢の舞台回しを軸に、現世とあの世を行き来するような人間関係がこの物語の最大の魅力。最初にこの世を離れた花螢が怨みを晴らそうとする複雑な関係が、謎解きのようで面白い。

吉原の女郎の受け皿となる居場所を作ろうとしていたという一葉の構想は、現代の福祉につながる取り組みだ。自らが病に倒れて早逝したが、一葉の人生への井上ひさしのリスペクトと愛情がたっぷりと伝わってきた。今回も秀作だ。

「TOKYO SLUM」

「TOKYO SLUM」

TRASHMASTERS

上野ストアハウス(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/08 (土) 19:00

座席1階

綿密な取材の結果をよく練りあげた台本だと感じた。さすがトラッシュマスターズ。小劇場で展開する中津留ワールドは異彩を放っている。

舞台は都庁前の食料頒布の行列から始まる。拡大し続ける格差社会で、もはやホームレスだけではない、背広に革靴のサラリーマンや派手な衣装の若い女性まで列に並ぶという状況がスタート画面だ。最初、新宿西口近辺で段ボールハウスに住む高齢の男女3人が主役だと思ったが、実は、行列に並んだスーツ姿の若い男が物語の中心にいることが分かる。彼は人材派遣会社で営業職だが、派遣先で遅刻や欠勤する派遣社員の事情を聴き、新たな人材に差し替えるという仕事をしている。ある時彼は、遅刻を繰り返す中年女性の「事情」を聴き、派遣先企業での仕事ぶりが評価されていることから派遣会社の社長に遅刻の理由を説明し、派遣を継続してもらおうと試みる。

タイトルの「TOKYO SLUM」は象徴的だ。派遣社員や派遣会社の営業職員でさえ、個人的な厳しい経済状況を抱えてスラムのメンバーに落ち込むという主題となっている。新宿西口のホームレスたちをまとめる老人が「ここは誰もが来て、誰もが並んでよい場所」と言うが、一日の食事に事欠く人はもはや珍しくない。
今も新宿西口では大規模な再開発工事が進み、西口のバス停は工事に伴って移転を繰り返し、バス停へのルートが遮断されて大回りを強いられるなどの状況が正確に反映されている。現場の安全確保のための警備会社社員の人生も語られるが、例えば離婚した元妻子への送金など、それほど珍しくない「事情」がSLUMに引っ張り込まれる現実を、舞台は直視する。

終幕まで10分の休憩をはさみ約3時間の大作だが、長さを感じさせない。登場人物たちはきわめて普通の人たちで、その人生の描写には親近感がわく。社会保障政策は普通の人たちが何かのきっかけで困窮した時のセーフティーネットと言われるが、そのセーフティーネットで抱えられる人たちは一部であり、「自己責任」で生きざるを得ない日本の現実を、中津留は冷静な視点で描いていく。

舞台の救いとなるのは、「何かがおかしい」と派遣会社を辞めてホームレスに身を投じる若い男性の生きざまだ。登場人物たちに自分を投影し、共感し、劇場を出る。そんな意義ある時間となるのは確実だ。本日最終日。見逃すのはもったいない。

隔たる

隔たる

JACROW

新宿シアタートップス(東京都)

2026/08/06 (木) ~ 2026/08/12 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/08 (土) 13:00

座席1階

連続射殺事件で死刑判決を受けた永山則夫をテーマとした話。「永山基準」と呼ばれる死刑を選択する量刑判断の枠組みができたことで知られる死刑囚だが、今作では獄中結婚した妻の人生や視点から描かれている。

政治・経済をテーマとしたJACROWが、社会的な事件を取り上げるのは久しぶりとか。田中角栄役で著名な狩野和馬が永山の弁護人役で登場する。だが、何といっても出色だったのは永山の妻を演じた宮越麻里杏であった。今作は彼女のためにあった舞台であると思う。
物語は宮越演じる妻の生い立ちからスタートする。永山の故郷は北海道・網走だが、彼女は沖縄県。この二つの故郷を背景として描かれた生い立ちが象徴的だ。この二つの地がラストシーンで重要な要素として浮上してくるのがとてもいい。
永山は獄中で「無知の涙」という手記を書き、小説家として文壇に出るという人生を送る。ベストセラーの印税は遺族に渡したいと願い、本作でもその通りに描かれる。これは永山夫妻側からの視点だが、中村ノブアキは事件の犠牲者の家族を重点的に登場させ、その苛烈な思いを舞台に提示していく。また、年月を重ねるにつれて被害者家族の胸の内に変化が表れてきたところも鮮明に描いている。ここが、この舞台のとてもいいところだ。

劇中でも触れられているように、凶悪な事件は後を絶たず、年かさが行かない被告人にも死刑が選択されている。「殺してやりたい。殺すだけではすまない。できる限りの苦しみを与えて殺してやりたい」という言葉は被害者家族のセリフとして今作でも登場するが、この思いが死刑制度を支えていると言ってもいいのではないか。死刑制度に反対しづらい世論は根強いし、刑罰の厳罰化の風潮も強まっている。この舞台はこうした世の中に異議を唱えているわけではないと思う。その答えはラストシーンに出てくる。これを見逃してはならない。

中村さん、JACROWは政治や経済だけとは言いません。見事な舞台でした。

「隔たる」外伝として、本編の終演後に永山の母を演じた水野あやの一人芝居がとてもよかった。次回は11,22日だ。こちらもぜひ、見てほしい。

巨体

巨体

ムニ

アトリエ春風舎(東京都)

2026/07/23 (木) ~ 2026/07/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/26 (日) 14:00

座席1階

ユニークというか、不思議な感覚で貫かれた100分の舞台だ。以前から実験的な戯曲を書いてきた宮崎玲奈だが、今作を見ると、寺山修司のようなことを考えているのではないかと思えてくる。

タイトルの「巨体」というのは、二人暮らしの妹の方で、姉は妹のために食事を作るなどの家事をこなしている。二人は犬を飼っている。家は両親から引き継いだもののようだが、ある時、不動産屋が来て退去を要求してくる。
会場に入ると巨大な白い風船が鎮座している。この舞台装置は撮影可とのことで、他には小さな犬のぬいぐるみがあるだけ。体重200キロ?の妹は動けないが、外の世界のことは知っている。この登場メンバーを男性2人、女性1人の俳優が演じる。風船の上から顔を出したり、風船の周囲をぐるぐる回ったり逆立ちしたり。単語の末尾を重ねるなど奇妙な言葉づかいも多々あったうえ、かなりの長台詞もあって、俳優たちは大変だったろうと推察する。これぞ宮崎玲奈の心象風景なのだろう。こうした世界をストレートに外に表現できるというのは、劇作家の特権かもしれないと感じた。
その手段として台詞や舞台装置があるのだが、面白いのは例えば音響とか、照明などに台詞と同等の地位を与え、舞台の独立した構成要員として演出しているところだ。これも、宮崎玲奈の特色であるのだろう。他の演出家には見られない発想で、それを実際に舞台上でオーケストラのように操っているところがすごいと思う。

宮崎は手製のパンフレットに「忘れていた自身の特有の言語が思い出される瞬間が人生の中にあっていい」と書いている。物語の明確な展開があるわけではないので分かりにくさはあるとしても、「忘れていた自身の特有の言語」といういつもは忘れている自分を見てみようというきっかけをくれる舞台。なるほど、演劇とはこのような力もあるのだなと気づかされる。

ネタバレBOX

ちょうど入場前の時間帯、雷鳴と雨に見舞われた。激しい雨ではなかったが、ちょっと気を利かせて早めに中に入れてほしかった。また、受け付けは30分前でも、客席に入れるのはその10分後で、お客は立錐の余地もない狭い場所で立ち尽くす時間を強いられた。アトリエ春風舎はこうした狭い場所なので、早めに客席に案内するなどの配慮も欲しい。
魔法老女ポストキュア

魔法老女ポストキュア

東京演劇アンサンブル

吉祥寺シアター(東京都)

2026/07/24 (金) ~ 2026/07/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2026/07/25 (土) 14:00

座席1階

娘、母、祖母。3世代の女性が時空を超えてその時代に味わっている悩みや将来への思いを交錯し合う。魔法使いという設定で時空の行き来を舞台で展開するが、やや分かりにくい感じもあった。

東京演劇アンサンブルと言えばブレヒトの芝居小屋というイメージなのだが、今作は女性劇作家のオリジナルの劇作を採用。主演者は全員女性という舞台だった。パンフレットのビジュアルも少女漫画ふう。劇団の歴史を考えると異色と言ってもいいかもしれない。

演出はテンポがよくて好感が持てる。バックスクリーンを使った流れるような文字列は効果的だったし、美少女戦士セーラームーンを思わせる魔法のシーンやダンスには客席からの反応もよかった。

パンフレットには今なぜこの舞台なのかという説明はなかったけれど、そんなことはどうでもいいかも。ブレヒトのイメージを拭って楽しめればそれでいいのかな。

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2026/07/03 (金) ~ 2026/07/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/05 (日) 13:00

座席1階

在籍10年未満の若手劇団員中心のシェークスピア劇。ジュリエット役もロミオ役も在籍2年目の抜擢だ。ラップ調のセリフなど斬新なロミジュリで、現代風にアレンジしてあるのが特徴。若々しくてフレッシュな印象だったのはよいのだが、裏返すと粗削りが過ぎた感じもする。

パンフレットによると、昴は1976年以来、福田恒存翻訳のシェークスピアを上演し続けてきた。今回の「ロミオとジュリエット」は10年ぶりのシェークスピア劇。前回の「ヴェニスの商人」は今回の劇場pit昴のこけら落とし公演で、鵜山仁の演出で行われたという。ここ10年間の舞台を見てきた自分としては、これほどのシェークスピア劇の歴史があるとは知らなかったし、こけら落とし公演以来の再演とは感慨深い。
映画にもなり、各劇団が取り組むロミジュリだが、今作は演出がとてもシンプルで切れが良かった。若手俳優の熱量を十分に活かしていたし、テンポもよかった。特によかったのは、有名なクライマックスシーン。ロミオが毒をあおる場面で、仮死状態の眠りから覚めようとするジュリエットの手がもうかなり動いていて、もう少しロミオが毒を飲むのが遅かったら、悲劇は起きなかったのではと思わせる舞台づくり。意図的ではないのかもしれないが、他のロミジュリよりも悲劇性が高まって感動を招いたと思う。
前段部分はかなりあっさりしていて、ロミオとジュリエットがあっという間に恋に落ちてしまったのは少し拍子抜けだった。テンポがよいと言っても上演時間は2時間、冷房が効きすぎて辛かった人も多かったのではないか。

ネタバレBOX

ジュリエット役はかわいらしいお嬢さん。対するロミオ役はぽっちゃり体形の若者で、イメージ的にどうだったのか。体形で批評をしてはいけないとは思うのだが。二人とも演技は荒っぽいが若々しさを前面に押し出していた。おじさんのファンとしては、昴の将来を背負ってくれる俳優に育ってほしい。
 杏仁豆腐のココロ

杏仁豆腐のココロ

演劇ユニット「みそじん」

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2026/06/30 (火) ~ 2026/07/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/04 (土) 13:00

座席1階

久しぶりのみそじん、さらに鄭義信の本とあって、橙チームを見に行くことに。不勉強だったがこの本はかなり前に書かれ、あちこちで上演されてきたという。自分は初めて見るのだが、本の力もさることながら、夢が夢になってしまいそうな人生を、さまざまな事情を抱えて生きる中年女性を演じた大石ともこが特筆ものだった。この芝居、間違いなく面白い。

登場するのは二人だけ。数年間の同居生活にピリオドを打つことに決めた男女の、クリスマスイブの物語だ。
二人の会話劇は深まるごとに微妙な色合いを残して変化していく。ここが、この舞台の大きな注目ポイントだ。二人が別れを決めなければならなかったわけが、グラデーションのように変化していく。いや、男と女が別れる理由が一つであるはずがないのだが、物語に浸っていく中で客席は気付かされていく。「ひょっとして二人はやり直せるのではないか」と空想したりするのだが、やはり今宵は二人の最後なのだと。泣きたいような、笑いたいような。そんな微妙な心の糸の絡み合いが、この舞台の最大の見どころだ。

阿佐ヶ谷の地下にある小劇場の階段を上がったとき、背後から「いい芝居だった」との満足げな会話が聞こえてきた。もうその言葉に尽きる。

ネタバレBOX

前説が留守電の案内メッセージというのが面白い。芝居は既にここから始まっているので、ちゃんと構えていた方がいい。
裸足

裸足

劇団道学先生

雑遊(東京都)

2026/06/23 (火) ~ 2026/06/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/28 (日) 12:00

座席1階

道学先生の自主企画公演。本を書いたのがONEOR8の田村孝裕ということでチケットを取った。

舞台は入園式を控えた幼稚園の職員室。バス運転手や納入業者も含めた職員たちの人間関係がテーマとなっている。
メーンとなるのは、いじめの標的になっている女性教諭。この教諭が主導して裸足で遊ばせていた時に園児が足にけがをする事故があったことで、さらなるバッシングを受けることになる。

1時間少々のコンパクトな舞台だが、いつもの道学先生の人間関係おりなす群像劇という期待をしていくと肩透かしとなる。裸足の是非というところに踏み込まれる訳でもない。裸足事故が劇の主題に直結している訳でもなく、単なるアイテムの一つだったというのは少し残念だった。期待が大き過ぎたか。

中島淳彦の本ならどうだったかと思ってしまうが、田村孝裕のいつもの舞台テイストを期待するのは間違いだったか。

歩きはじめる時

歩きはじめる時

チーム・クレセント

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2026/06/18 (木) ~ 2026/06/22 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/20 (土) 14:00

座席1階

国の方針により聾学校で手話教育が認められていなかった昭和30年代が舞台。熊本出身の女子看護学生が、勤務先の京都の病院に入院してきた耳の不自由な男性患者との交流を通して、理想とする看護師像を見つめ直す。

手話の化身と称する役者に舞台手話通訳の役を与え、字幕も完備したバリアフリー演劇だ。客席には耳の不自由な人も多く、終幕時には手をひらひらさせる賞賛があちこちで寄せられた。
その時代の医療者の意識、世間の障害に対する差別感がきっちり描かれていた。加えて、戦争の爪痕や水俣病問題など、通底することがらも盛り込まれていて、厚みを感じた。とてもいい脚本だったと思う。

病室を舞台にしたテンポのいい演出、主演の看護学生を演じた新里乃愛の熱演は特筆すべきだ。舞台に込めたチームクレセントのメッセージが明確に伝わってきた。手話が多くを占めるとても静かな舞台。携帯の電源はしっかり切るのが求められる。

長生炭鉱――生きたかった

長生炭鉱――生きたかった

温泉ドラゴン

座・高円寺1(東京都)

2026/06/05 (金) ~ 2026/06/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/11 (木) 14:00

座席1階

先人の皆さんの評判がよく、急遽チケットを取り高円寺へ。その期待が大き過ぎたか。予想を超える展開はなく、まあまあかな、という印象だ。

期待を寄せたポイントは他にもある。温泉ドラゴンの舞台であること。日韓共作であり、日韓の俳優たちが母国語を使って演じたこと。これは長生炭鉱を知れば知るほど重要なことだと考えたからだ。
長生炭鉱を扱った演劇は、新宿梁山泊の舞台を既に拝見した。これはこれで梁山泊らしい舞台でよかったのだが、今作はやや、テイストが共通している感じもした。劇団としての特徴を出しきれていない感じもした。

長生炭鉱の犠牲者の遺骨探索は、台湾人ダイバーの事故を機に中断している。事実を舞台の物語と同一視してはいけないかもしれないが、舞台として中途になってしまった空気を感じた。
今作は梁山泊よりも犠牲者の人間物語を深掘りしていてひきつけられた。いずれにしても、日本政府は遺骨収集を先頭になって進めなければ、長生炭鉱の戦後は終わらない。今回の2作品が政府の及び腰を変えるきっかけになってほしい。

闇の中に

闇の中に

Pカンパニー

吉祥寺シアター(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/07 (日) 13:00

座席1階

Pカンパニーの「罪と罰シリーズ」の中でも、これは恐らく最も難しい題材だ。舞台化に挑戦したこと自体にまず、敬意を表したい。心神喪失もしくは心神耗弱などで不起訴、あるいは無罪となった容疑者・被告人は、20年ほど前にできた「医療観察法」で司法の判断を経て入院・通院で専門的な治療を受ける。ほとんど知られていない実態に切り込んだこと自体が価値あることだが、今作はこれについて犯罪被害者の視点からも描くというさらに難しい挑戦を試みている。

演劇集団円の劇作家内藤裕子を起用し、詳細な取材を重ねて練り上げられた物語だ。物語の中心となる医療観察法病棟(対象者が入院治療を受ける)でどのような治療がどのくらいの期間行われているか、知っている人はほとんどいないだろう。綿密な取材の結果だろうが、その一端が演劇という形で明らかにされた価値は大きい。自分も不勉強ながら、その実態をこの舞台で学ばせてもらった。
さらに、不起訴・無罪となった容疑者・被告人がどこにいて何をしているのか、個人情報を盾にして被害者側も容易に知ることができない現実も描かれる。ただ、近年は被害者に、不十分であるがある程度の情報は伝えられることになっている。加害者・被害者の人権という観点だけでなく、さまざまな感情が真正面からぶつかり合う事柄なのだが、当初に比べれば被害者側の思いが汲み取られるような方向にいっている。舞台ではラストシーンにかけてその点についても触れられていた。

盛りだくさんの内容で仕方ないのかもしれないが、この殺人事件がどのようにしてなぜ起こったのかというところに全く触れられていないのは、欲求不満が残った。被害者や被疑者の人生を考える手掛かりになる部分なのに、ここまでばっさり切り捨てた台本には疑問が残った。また、事件発生時には記者たちが被害者や被疑者の家族に取材に押しかけ、いわゆるメディアスクラムになるような場面が描かれているが、これはかなりステレオタイプなのではないか。記者たちのセリフを聞いていたが、このような発言をする記者は、そもそも事件記者失格なのである。(かつてこのような取材をする記者が目立ったのは事実だとしても)

舞台をよく理解するためには、医療観察法について少しネット検索してから劇場に向かうのがお勧めだ。客席の側も、覚悟を決めて舞台に臨むという姿勢が必要な演劇だと思う。

Sの顚末

Sの顚末

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/06 (土) 14:00

座席1階

かつて注目をしてきたタカハ劇団の高羽彩の作品と聞いて、見なければと思った。彼女の劇作は時代の要素を絶妙に扱っているのが特徴だ。これまでの青年劇場とのテイストとは違うと思うが、これは劇団の思い切った挑戦でもあったのだろう。結論から言うと、大成功だったのではないか。

平塚雷鳥の青鞜が舞台で、伊藤野枝なども重要な役として登場するが、若い女性同士の心中事件に心を揺さぶられた一人の女学生・エスを舞台回しを兼ねた主役の一人として語らせたところに特徴がある。青鞜は日本で初めての女性運動として語られるが、ここに性的少数者の視点を組み込むという斬新な発想だ。演劇でしかできない表現で、時空を超えてこの人たちの思いを実感できる。
演出もよかった。照明の使い方なども効果的だ。高羽の面目躍如といったところだ。

高羽らしい豊かな物語に圧倒される。青年劇場はこのところ、古川健や瀬戸山美咲、中津留章仁など小劇場を引っ張る劇作家たちと次々にタッグを組んでいる。若いお客さんの呼び込みだけではない。時代に合わせて老舗劇団が脱皮を図ろうとしている強い意志を感じる。


亀と潜水艦

亀と潜水艦

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/05/22 (金) ~ 2026/06/04 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/05/31 (日) 13:00

座席1階

今回の桟敷童子は、いつもに比べると質素な舞台美術だった。それだけに目を奪われたのは、役者たちの躍動ぶりだ。今作では、老婆役を演じた鈴木めぐみ、板垣桃子、藤吉久美子(客演)の演技がすさまじい迫力だった。

桟敷童子の舞台は、九州を舞台にした重たいテーマが多い。今作は終戦直後の1946年、博多港に中国大陸から引き揚げてきた人たちと受け入れ先の人たちの物語。命からがら逃げてきた女たちの中には、レイプした外国人の子を宿した人が多かった。祖国を目の前にして引揚船から身を投げた人も少なくない。外国人との混血児と母親に対する祖国の人たちの差別的感情・視線から守ろうと、秘密裏に不法である堕胎手術が行われた。現地の「二日市保養所」跡地には石碑があり、400~500人もの胎児がそこに眠っているのだという。

戦死しなくても、生きて帰ってきても辛酸をなめつくした大量の引き揚げ者たち。上陸した直後の一時的な投宿場所が今作の舞台だ。そこには片腕を失うなどした男性ら登場するが、主役は女性たちだ。なかでも「二日市保養所」から来て、ショックのあまり精神的に不安定になった若い女性を演じた大手忍の演技はすばらしかった。この女優さんは桟敷童子や外部出演でもメンタルに深く傷を負った女性を見事に演じている。この物語でこの役を演じるのは「この人しかいない」という評価は揺るぎないだろう。

「亀と潜水艦」というタイトルは、ストレートにこの舞台を表しているわけではない。もっと他に考えられる言葉があったかもしれないが、物語があまりにも壮絶なだけに、舞台を見終えるとタイトルに何だか少しホッとするような印象も受けた。また、悲劇的な結びになっていないのが、何より本当によかった。

愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸

愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸

劇団扉座

座・高円寺1(東京都)

2026/05/20 (水) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/05/30 (土) 13:00

座席1階

さまざまなプロットを最後に至るまでに回収できる、ユニークな作品だ。「裸の王様」「ドン・キホーテ」をベースにした物語で、現実と妄想の世界が溶けだして混ざってくる不思議な感覚を味わえる。

タイトルが象徴的だが、これもプロットの一つ。「愚者には見えない」というところが明かされるのだが、果たして本当にそうだろうかとも思う。ある意味「愚者だけが見ることができる」とも言えるのだと思うからだ。
5月中旬からの公演期間で、役者たちは3チームに分かれて舞台を支えた。自分が見たのはAチーム。主役の王様は、扉座主宰の劇作家横内謙介と高校の同窓生である岡森諦だった。2時間、ほぼ出ずっぱりの中で、年齢を感じさせない熱演でよかった。3チームでは、俳優が別の役をそれぞれのチームで演じており、扉座の俳優たちの高い力量を示していると思う。歌唱や踊りもたっぷりあって、熱量のこもった舞台である。

裸の王様とかドン・キホーテということで、現実とは別世界のような印象を持って劇場に入ったのだが、これが結構な現実味を帯びて表現されている物語に仕上がっていてさすがだと感じた。「校内暴力」が出てくるところには、劇作家が生きた青春時代を感じさせる。客席には若い人たちも多く、ひょっとしたら「校内暴力」と言われてもピンとこない人もいたのではないか。

花よりタンゴ

花よりタンゴ

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/05/12 (火) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/05/23 (土) 18:00

座席1階

度重なるカーテンコールが客席の満足度を示していた。見終わってみると、なぜこの舞台が20年越しの再演なのかが不思議なくらい。何度も上演されてしかるべき演目だと痛感した。

だが、今作の成功は座組の素晴らしさによるものだ。長女役の朝海ひかるの実力はこれまでこまつ座に何度も出た舞台から証明済みだが、こまつ座初出演の大原櫻子と南沢奈央の絶妙な演技の力を見抜いての抜擢は、見事というほかはない。
特に、大原はよかった。美しくて可憐な、力強い歌唱は感動的。南沢の情感あふれる振る舞いは、客席の感涙を絞った。高橋克実は「きらめく星座」にも出ていて、終戦前後、昭和の空気感を舞台に満たす重要な役割を遺憾なく発揮した。

舞台は終戦直後の昭和22年。全てを奪われ平民として懸命に生きる元華族4姉妹の物語。生活のためのダンスホールをどう守るかと奮闘する姿が描かれる。サイドストーリーとしての、郵便配達員とタバコ売りのおばちゃんの人間模様も最高だ。最高たらしめたのは、名優枝元萌あってのことなのだが。
ダンスホールなので歌や踊りが満載なのが、ラストがやりきれない結末だとしても、あくまで底ぬけの明るさで満たした要因だ。戦争が終わり、明日への希望が開けようとしている当時の空気を味わうことができる源になっている。

昭和庶民伝三部作でも知られる井上ひさしの真骨頂を楽しむことができる、いい作品だ。再演を繰り返して当然という名作だと思う。

ブン/ダン

ブン/ダン

劇団チャリT企画

新宿シアタートップス(東京都)

2026/05/20 (水) ~ 2026/05/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/05/23 (土) 14:00

座席1階

タイトルを見て、早割を予約した。想像していたのは、アメリカ社会の分断や、アメリカにべったりの総理を抱える日本の分断社会の物語だったが、分断は分断でも、少し趣が違った。先人が書いている通り、「ふざけた社会派」を自認するチャリT企画にしてはふざけたところはなく、ストレートな社会派劇である。

舞台はあるシェアハウスで、リビングルームの掲示板に、本作のチラシにもなっているデザインが描かれている。物語のカギを握るこのイラストは当初は謎に包まれているが、その上に張られたチラシのポスター「戦争反対」も絡んで、何をデザインしたのかが明らかにされていく。
シェアハウスは、ノンポリで人のよさそうなおじさんによって運営されている。掃除のおばさんもいるが、彼らが高校生くらいであった時に起きた、政治的な課題をめぐる行政による教育への介入のエピソードも語られる。住人たちは全員が若者で、この世代間の意識の「分断」もあるのだと、劇場を出た後に気づいた。

AIによる武器が出てきたり、近未来の世の中の様子が描かれているが、世界の兵器産業の隆盛やアメリカが介入したことによる中東情勢の悪化にどっぷり浸っていると、あまり違和感を感じない。つまり、これは現在進行形の物語なのだ。今、起こりえる物語を楢原は描こうとしているのだと分かる。

チャリTの舞台が連発する社会を皮肉った笑いを期待しているとやや肩透かしかもしれないが、今作はストレートに客席にメッセージが投げかけられる。本来は触れられるべきでない人の内心が侵される恐怖が、雄弁に描かれている。

ネタバレBOX

劇作家自身は意図していなかったかもしれないが、自民党による日本国旗損壊罪の法律が現実味を増している今の上演はめちゃくちゃタイムリーである。この法案は高市総理の念願であるそうだが、こうした政治的動きを読み切って今作を書いたとすれば、劇作家の洞察力には脱帽するしかない。その点では、★5つをつけてもいい舞台だと思う。
沈黙の海、骨は語る

沈黙の海、骨は語る

新宿梁山泊

新宿 花園神社境内 特設紫テント(東京都)

2026/05/08 (金) ~ 2026/05/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/05/09 (土) 13:00

座席1階

今回花園神社のテントで3日間だけ上演される今作は、秋に長生炭鉱の現地・山口県宇部市や東京と大阪で上演する予定のパイロット版という。本を書いたのはパギやんこと趙博、劇中の楽曲も手掛けた。演出が梁山泊の金守珍だ。

冒頭、白装束チョゴリの女性が鎮魂の舞を披露する。登場する3人の俳優は事故で海に消えた「骨」という設定。海底の炭鉱で石炭を得るという危険な現場で、水没事故により多くの朝鮮人鉱夫を含む200人近くが犠牲になった。

 その史実は戦後、ずっと埋もれたままだった。地元の市民有志が朝鮮と日本の遺族による慰霊祭を毎年開催し、近年になって潜水調査で少ないながらも遺骨を回収。一連の遺骨収集は有志の手で行われ、国など行政はそっぽをむいたまま。遺骨のDNA鑑定すら後ろ向きだ。潜水調査が注目されて長生炭鉱に光が当たる。これを演劇にするなら新宿梁山泊しかないと思っていたが、やはり、金守珍はやってくれた。

パイロット版なので、完成度が高いとは言えないかもしれないが、ギターや打楽器などパギやんの素朴な演奏には心が動く。90分の上演時間で物語はシンプル。秋の公演では海に消えた日韓の人たちの人間模様や、なぜ日本政府は歴史の記憶に非協力的なのかも描き出してほしい。それらに期待してあえて★は4つとした。

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