茶トラの観てきた!クチコミ一覧

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岸 リトラル

岸 リトラル

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2018/02/20 (火) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/09 (金)

このリーディングを聴いて、私の頭では絶対に1回では受け止めきれないだろうな・・と思い、2枚チケットを取りました。正解!

一度目は息子の心理を追い、彼に起こる出来事、登場人物たちに起こった出来事、おかれていた状況に衝撃を受け、圧倒され、打ちひしがれました。

二度目は少し冷静に物語を観ました。そして、一人、一人の心に耳を傾けることが出来き、涙があふれて来ました。

たぶん役者さんたちも回を重ねるごとに、この物語への深みを増していっているのだと思います。

複数回行くと、劇場にも重ねた舞台の熱や空気の匂いが残って濃くなっているのを感じます。



物語は生まれた時に母が亡くなり、悲しみのあまりに旅に出てしまった父・・・・父に遭うことの無かった息子は情事の最中に父の死を知らされる。父の遺体を引き取り、母のそばに埋葬したいと考えたが、母の兄弟たちに猛反対を受ける。母の死を死なせたのは父だと言うのだ。体が弱く、医者に止められたのに無理に子供を産ませたと。

息子は父を遠く離れた彼のふるさとに葬ろうと考え、彼の死体を背負い旅に出た。遠い中東の国へ(レバノンと思われます)。

しかし、その地は紛争のため多くの人が死に、もう遺体を埋める場所が無かった。歌う女としかるべき場所を探しに旅に出る息子・・・・荒れ果てたその地で、出会う人々は荒廃し、若者たちは苦しみを抱えていた。心に深い傷を抱いた若者たちと海を目指す息子・・・・彼らがそこで手にするものは・・・・・。



息子ウィルフリード(亀田佳明)の寂しい子ども時代に彼を慰め力づけた空想の騎士(大谷亮介)の存在、次々と起こる非日常な出来事を創作のように感じる彼の感覚の撮影クルーの存在、そして、遺体であるはずの父との会話で、ウィルフリードの心の空虚や混乱を目で見ることができました。

遺品の鞄の中から出てきた出されなかった自分宛の手紙は彼の時間の空白と父の心の空白と重なり、受け取れなかった愛、伝えられなかった愛の深さに苦しくなり、彼が父を背負う意味を見ました。



亀田ウィルフリードの孤独と繊細さ、岡本パパの孤独と不器用な生き方と愛の深さ、生きているうちに会えたら、どんなに良かったか・・・と涙しました。

岡本さんがラスト、若者たちの父親代わりに彼らの苦痛に癒しを与える場面は、本当に深くて暖かな父親の愛情があふれていて、こちらも癒されました。



役者さんは主役二人を除いて、皆さん複数の役を演じました。

それぞれに難しい役でしたが、素晴らしかったです。

中でも大谷亮介さんの騎士の邪気の無い目は、彼の夢の中の存在そのものでした。

佐川和正さんの演じわけはお見事で、その場、その場にインパクトがあり、それでいて、その場に見事になじむ・・・素晴らしい!!!ハキムの傲慢さの中にある哀しさ、彼の話には身の毛がよだちました。サベの笑顔に隠された悲しい過去を語る場面では、涙が止まりませんでした。



大人たちが起こす争いの代償は、未来の大人となる子どもたちが背負わなければ行けない・・・と、痛感する物語でした。

でも、結構ユーモアに富んだ会話があり、会場に笑いもおきます。だからこそ、この物語の重みが伝わるのかも・・とも思いました。



とてもすごい、素晴らしい舞台でした。

ありがとうございました。



作・ワジディ・ムワワド

翻訳・藤井慎太郎

演出・上村聡史

出演・岡村健一 、亀田佳明、大谷亮介、中嶋朋子、小柳友

佐川和正、鈴木勝大、栗田桃子

埋没

埋没

TRASHMASTERS

座・高円寺1(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/02 (金)

作・演出 中津留章二さんです。

高知県土佐郡大川村のお話。

人口の減少と高齢化で議員確保が難しくなり、村民による直接民主制である町村総会を行おうかということで話題になり、新聞記者もやって来た。

村は林業と農業を営みにしていたが、1970年代に近隣の水不足のため村の大半がダムのそこに沈むことになった。

ダムを作れば、水の不足は補えるが、森林伐採により、大雨などで水質は落ちる・・・・村には損はあっても利益は無いのだ。

ダム建設の攻防の続く大川村とダム建設がなされた現在の大川村が、舞台の上にある。年月の流れが、大川村を大きく変えた。



この時間の流れに私も生きていた。

私の故郷は、立派な国道が作られ、高速道路も通り、新幹線も出来た・・・・その過程で故郷の景色は様変わりし、生活形態は大きく変わり、私の家族も変わった。小さないざこざを抱えながらも温かく、賑やかに過ごした子ども時代はもうなく、今は誰もいない家になってしまったのです。そのどうしようもない寂しさを、この舞台を観て思い出し、大川村で過ごす人たちをとても羨ましく思いました。帰ることに決めた明水にホッとし、彼女たちを受け入れる村人たちの温かさに胸が熱くなりました。



役者さんは、親と子の二役を演じます。

その切り替えが上手くて、さすが!です。

様々な葛藤、諍い、現実を受け入れることの覚悟・・・いろんな人々の思いが時代を作っていくことを思い、自分は今どこにいるんだろうかと思います。



新聞記者の存在が、ある意味現在を象徴的に見せていたと思います。彼の言ういわゆる正論、当事者に押し付けてくる正義のようなもの、それは中央に住む人たちの論理・・・・そこに暮らす人たちの本当の思いや生活は伝わらない。でも、報道を見た私たちは、これをまた何も考えずに受け取リ、語ってしまう。まだここに出てくる記者は真面目でしたが、昨今のマスコミは、どうでしょうか?危ういです。



中津留さんの舞台に、今回も色々考えさせられました。

ありがとうございました。

海賊

海賊

NBAバレエ団

東京文化会館 大ホール(東京都)

2018/03/17 (土) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/17 (土)

大好きで応援していた宝満直也くんが、新国立劇場バレエ団からこちらに移籍しました。

その初めての作品で、彼は悪役のボスパシャ・ザイードを演じ、振付助手も担当しました。

この新製作の海賊では、パシャ・ザイ-ドもたっぷりとダンスがあり、すご嬉しかったです。

演技力もあり、キレキレダンスの彼は、とてもかっこいい悪役でした。なので、逃げ出したいギュルナーレ(佐藤圭さん)はここにいてもいいじゃないのぉと、思って観てました(笑)

振付はどこを担当されたかは知らないですが、男性ダンサーさんの踊る場面がたくさんあって、大満足でした。迫力があり、盛り上がりました。

宝満くん、新国立劇場バレエ団を辞めたのはバレエ団にとって大きな損失だと思います。彼ほどの才能を生かしきれなかったのは、残念としか言いようが無いです。でも、彼が選んだ新天地で、彼の持ち味をたっぷりと生かし、これから世界に通用する振付師、ダンサーになっていただきたいと思います。応援します!



奴隷アリが、なんと!新国立劇場バレエ団のプリンシパルの奥村康祐くんでした。すごいことですよ!

我らの王子が奴隷あせるしかし、ダンスシーンたっぷりで、そのクオリティの高さを、しっかりと見せ付けてくれました。

品のよさと輝きは隠せないので、どこかの王国の王子が幼い頃に誘拐されて、奴隷になったのね・・・・と、お友達と話してました。

しかし、まさか奥村くんのアリを観れるなんて!至福でありました。



申し訳ないほどにこの二人しか観ていなかった私ですが、新しいものを作り出したバレエ団のエネルギーに拍手です。

ちょっと欲を言えば、主役二人の女性ダンサーさんの衣装がとても似ていて、わかりにくい感じでした。

もっと変化があったほうが、良かった気がします。

In This House

In This House

conSept

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/04/04 (水) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/10 (火)

大晦日の夜、若い男女の車が故障して助けを求めた寂れた農場には、年老いた夫婦がいた。彼らはもうここには住んでおらず、久しぶりの訪れたという・・・電話もなく、一晩彼らはここで過ごすことになった。

どこか憂いを含んだ老夫婦、はしゃぎながらもなんとなく気持の行き違いを感じる若い二人・・・共に過ごすこの夜は彼らの人生の分かれ道・・・・。

時代が変わっても、世代が違っても愛する気持は変わりなくて、すれ違う気持も変わりなくて、完璧などどこにも無くて、だからこそ人は寄り添っていくんだとそんな優しくて、哀しくて、温かいファンタジーでした。



老夫婦を岸祐二さんと入絵加奈子さんが演じ、若いカップルを法月康平くんと綿引さやかさんが演じました。



岸さんの老いた夫の後悔満ちた表情、深い歌声がとても心に響いて、彼が胸に抱いたままの悲しみが伝わってきました。

あの時こうすれば良かった、そうすればもっと違う結末になっていたかも・・・と、思いながらも、ああするしかなかった自分がいたことを受け入れ、妻とも分かり合えることが出来、きっと二人はようやく娘の元に行けたんではないかと思いました。



生演奏もとても素敵でした。



私の中の永遠のアンジョルラスの岸さんですが、本当にいい役者さんになったなぁと思います。バルジャン、ジャベールもまたいつか演じる日が来ると思ってます。でも、これくらいのキャパの劇場で、こういう素朴でしみる舞台をまたやってほしいと思います。



心温まる素敵な舞台を、ありがとうございました

ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2018/04/07 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/18 (水)

寺島しのぶさんが美しかった!仕草、歩き方が、とても綺麗で優雅!素晴らしかったです。髪形もこのチラシよりも断然素敵でした。

このヘッダという女性は、高名なガブラー将軍の娘でかなり甘やかされ、ちやほやされ、傲慢で、自己中心的・・・・とてもお友達にはなりたくないタイプ・・・父亡き後は将来有望な学者イェルデン・テスマン(小日向文世)と結婚します。だけどおっとりとして、育ての親思いの彼は、ヘッダの望みはかなえてくれようと努力はしてるけど、ヘッダとは違った意味でマイペースで、ヘッダは彼にイライラし、早くも結婚生活に退屈してます。ちくちくと旦那に嫌味を言ったり、露骨に彼の家族を避ける素振り・・・でも、そんなヘッダにまったく気がつかない小日向旦那が、なんとも飄々としてるし、悪意の無いヘッダの神経逆撫でぶりにこんな旦那も嫌かも・・・とあせる

どうしようもない無頼者だった元恋人のエイレルト(池田成志)が、他の女性のおかげで立ち直り、なおかつ成功する!となった時に、めらめらと燃える嫉妬心・・・激しい女性だ~。

エイレルトの恋人(水野美紀)の誠実そうで、誠実がゆえの無神経ぶりもヘッダをいらだたせる・・・・この役、水野さんのイメージじゃなくて、彼女だけこの舞台の上では色味が違うように思えたのです。ちょっと、私は彼女が出てくると醒めちゃってあせる

ただ、こういう女性の方が、ヘッダより強い女性かもというのは感じました。

段田安則さんのいやらしい役も久しぶりで、やっぱ上手いや!こういう役も似合いますね。

佐藤直子さんのテスマンの育ての親のおば様が、とても可愛らしかったです。ヘッダの高慢ぶりと夫へ似愛情の無さが、おば様の人間味あふれた様子に際立ちます。

そして、印象に残るのが、おば様から派遣された家政婦のベルデの福井裕子さんです。夫婦の会話、登場人物たちの個性がぶつかり合うシーンのそこここに彼女は存在します。確かに彼女はこの家にいる・・・そんな存在感が素晴らしかったです。



舞台中央の居間の上に飾られたガブラー将軍の肖像画、彼女の存在のより所だったのかもしれない、彼女が将軍の娘から彼女自身になれなかったのが悲劇だったのかも・・・・なんて、思いました

1984

1984

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/20 (金)

1948年に書かれたこの物語が、今この時代にリンクする恐ろしさ。

思考することも行動することも全て監視され、制御されている。それに反したものは、消されていく・・・・。

全てのデーターが消され、人々の記憶からも消されていく、初めからそこにはいなかったことになる。



一人の男の思考の中にいるのか、それとも彼の住む世界に私がいるのか・・・繰り返される場面、台詞に不安になってくるし、恐ろしさが募ってくる。斜めの床に座っているような気分、ずり落ちそうになるのを必死にこらえているような落ち着かなさ。



今の私たちもネットを使うたびに監視されてるかもしれないし、テレビの報道は実際に印象操作ばかりしている。与えられる情報が真実とは言えないと、このところすごく感じています。

私たちに真実を知る機会は本当にあるのだろうか。



井上芳雄くんの体当たりの演技はすさまじかったし、追い詰められた人間はまさにああなると思う。

神農直隆さんの声が大好きなんですが、あの声でどんどん洗脳されていく・・・・・あせる追い詰め方が尋常じゃないんです。

大好きな声なのに、ものすごく怖かった。

ぞっとしたのは何気ない食事のシーンの繰り返し、リアルな演出も怖かったです。

最前列の席は、かなりハードでありました。



小川絵梨子さんの鋭い視点、見せ方の上手さ、客の追い込み方の上手さ、さすがでした。



肝が冷えた私です。



素晴らしく怖い舞台を、ありがとうございました。


最後の炎

最後の炎

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/28 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/26 (木)

小さな町で起きた出来事・・・酔っ払い運転の車をテロの犯人と思い込み執拗に追いかけた婦人警官が、少年を撥ね殺した。

少年はその時、一人の男と向かい合っていた。男は少年のボールを拾ったのだ。

少年の母は、痴呆症の夫の母の面倒に明け暮れていた。

少年の祖母は、何度も少年の死を忘れ、日に何度もどこに行ったのかと探す。

少年の父は、少年の学校の先生と浮気をしていた。

そして、小学校の先生は婦人警官の友人だった。

婦人警官に追いかけれられていた男は、恋人の男をも避けて暮らすようになった。

一人の少年の死が、これだけの人の心に影を落とし、影響を与えた。誰もが悲しいのに、その悲しみの形はそれぞれで、受け止めきれず、心はすれ違い、苦しみ、もがく・・・・。

客席の真ん中に作られた白い回転舞台と一本の木が立つだけの舞台で、それぞれのそんな心がぶちまけられていく。

疲弊していく心、逃げても、救われない心たち・・・。

隣の人の体温が感じられず、どんどん孤独になっていく魂たち。

たえず誰かが自分の心の声を発し、言葉を発し、ト書きのような行動説明の発しているので、自分に彼らの心がいしつぶてのようにぶつかってくる・・・そんな感じでした。大きな悲しみの渦の中にいるようでした。

そんな中で、やっぱり私は母親に心を寄せます。

同じ悲しみを共有できるはずの夫とも心がすれ違い、夫の母親の介護に明け暮れ、心がどんどん磨り減っていくのです。鬼頭典子さんの母・スザンヌはいつまでも心に残りそうです。



素晴らしい舞台をありがとうございました。


ドレッサー

ドレッサー

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/01 (木)

第二次世界大戦真っ最中のロンドン、若者が戦地へ赴き、句集におびえる毎日・・・とあるシェイクスピア劇場では年老いた座長がわずかな劇団員をやりくりして、毎晩幕を開けていた。

しかし、年老いた彼はそんな毎日にすっかり神経をやられていた。そんな座長を支えるドレッサー(付き人)のノーマンだが、その日も「リア王」の舞台裏で、何とか座長を舞台に上げようと孤軍奮闘をしていた。



老役者は舞台裏ではすっかり自信をなくし、ドレッサーの上手いあしらいで何とか舞台に上がる・・舞台上では立派に台詞を言い、演技するがまた舞台裏に戻ると・・・・また。

客席からは彼の舞台を舞台裏から観ていると言うことで、実際もこんな風に舞台から下がったら、素の顔に戻ったり、次の出番を控えてたりするんだなぁ・・・と面白いです。



カトケンさんの声にシィエクスピアの台詞が似合います。

ゆったりとした動き、トップを極めた人の傲慢さがあるんですが、愛さずにはいられないオーラを持っていました。

彼に仕えるドレッサーの加納幸和さんが、テンポ良く、カトケンさんをあしらっていくのがとても愉快でした。

でも、彼の遺書にはドレッサーの名前が無かったのです。

わざと書かなかったのか、書き忘れたのか。

ドレッサーは老役者にとっては、楽屋にあって当然の者で、自分を絶対裏切らない者で、妻よりも自分に近い者だったはずなのに・・私に考えてもわかりません。ドレッサーもとてもショックを受けました。言葉がいらないほどの、近い、近い存在だったのかもしれないと思いました。それでも、可哀想でした。彼の生活のよりどころでもあったし、きっと心の支えでもあったでしょうし、彼の取り乱す様子に胸が痛みました。



足の悪いが老役者が認めている役者が石橋徹郎さんでした。

最近、個性的な役が多かったので、普通にかっこよくて安心?



二人のやり取りに笑いながらもせつなくて、カトケンさんはこういうの上手いなぁ。



芝居の世界にどっぷりと漬かって楽しみました。

ありがとうございました。

「きみがいた時間 ぼくのいく時間」「フォーゲット・ミー・ノット」

「きみがいた時間 ぼくのいく時間」「フォーゲット・ミー・ノット」

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/27 (日)公演終了

満足度★★★

フォーゲット・ミー・ノット
キャラメルボックスの役者さんたちもだんだんと代替わりしてるんだなぁ・・・と、ちょっと感傷的になったりして。
主人公が過去に戻りたい切実さが、きみぼくほど感じられなくて、物語としてはちょっと物足りない気がしました。
キャラメルならではの温かさは、とてもいい感じに伝わってきました。

1995

1995

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

ノスタルジー!?
笑い飛ばすというよりは、1995年に青春を過ごした人たちのノスタルジーを描いた物語のように思いました。とても真面目にサリン事件には取り組んでいるように思いましたが、1995というタイトルと物語の説明文(?)とは違い、小さくまとまってしまった気がします。まあ、それはそれでいいのですが、ちょっと肩透かしを食らったような気がします。
阪神淡路大震災、サリン事件は笑い飛ばすことは出来ないですね。
きっとそういうことかな・・・・と、思いました。
役者さんたちが良かったです。そして、あれだけ大勢の役者さんが登場しながら、すっきりとして舞台づくりで、なんかもっと違う群像劇が見たい気がしました。

砦

トム・プロジェクト

シアターX(東京都)

2018/04/10 (火) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/11 (水)

実在の人物室原知幸さんの下筌ダム建設計画の反対運動を、描いた舞台です。約13年に渡って、反対運動に資材を投じ、砦まで作り、最後の最後まで闘った人物です。

村井邦夫さん演じる室原知幸は、信念を持ち、知的で、人をひきつける魅力的な人物でした。



その彼を支えた奥さんを藤田弓子さんが演じました。

彼を信じ、献身的につくしました。

彼亡き後にはダム建設が始まり、家を立ち退かなければならなくなる寂しさは計り知れないものがありました。



原口健太郎さん、浅井伸治さん、滝沢花野さんの三人が、八面六臂の大活躍で、室原陣営の人たちやそれに反対する人たちを演じました。彼らの後ろに大勢の人たちがいる・・・それがよく伝わってきました。



ダムを作らないと川が氾濫し、多くの被害が出る。

だけどそのためには多くの人たちが、今迄培ってきた生活の場を奪われてしまう。

どちらも辛い立場です。

決定を下さなければいけない役所も辛いかもしれません。



今の便利な世の中には、先人の辛い選択が色々あったと思います。それを踏まえて少しでもいい世の中にしていかなければ、申し訳ないなと思いました。



素晴らしい舞台を、ありがとうございました

『真夏の夜の夢』『セレナーデ』

『真夏の夜の夢』『セレナーデ』

公益財団法人日本舞台芸術振興会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2018/04/28 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/28 (土)

大好きなセレナーデです。

とても美しくて、そろっていたんですが、いまひとつ物足りなさを感じてしまいました。

何故なんだろう・・・と、思うのですが、やはり新国立劇場バレエ団で感じた静謐さ、音楽との調和の美しさがすごかったんだと思います。





真夏の夜の夢

とても楽しい演目で、衣装もかわいかったり、みどころがたくさんありあました。

フォーゲルくんのオーベロンは、とても美しかったし、威厳があり、やっぱりすごく素敵でした。



タイターニアの沖香菜子さんは可愛くて、あどけなく、ピュアな感じが、まだタイターニアには早いのかなぁ・・・オーベロンと釣り合う威厳、したたかさ、傲慢さが欲しかったです。

でもとっても可愛いので、眠りとか、くるみ割とかで観てみたいです。



パックの宮川新大くんは踊りはキレもスピード感もあってとてもよかったのですが、ジャンプの着地でドン!と大きな音が出るのは駄目ですね、パックは音を立てないで降りないと、妖精なんですから・・・。高くジャンプしてもとても柔らかな着地をするダンサーさんがたくさんいるので、是非その技を習得してほしいです!



楽しい舞台を、ありがとうございました

「令嬢ジュリー」「死の舞踏」

「令嬢ジュリー」「死の舞踏」

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2017/03/10 (金) ~ 2017/04/01 (土)公演終了

満足度★★★

「死の舞踏」を、観ました。
壮絶なる夫婦喧嘩に巻き込まれた友人・・・・お気の毒としか言いようが無い(笑)
けなしあいの中に二人の過ごしてきた長い時間の馴れ合いも感じました。
この3人の役者さんたち、とても声が素敵で、不穏な空気の喧嘩なのにちょっと気持ちよくなってしまった私でした。

戯作者銘々伝

戯作者銘々伝

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2015/05/24 (日) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

がんばったな。
ちょっと長いな・・・と、思いました。
盛りだくさんの内容、言いたいことがいっぱいな内容で、伝わるものがたくさんありましたが、なんかちょっと冗長な気がしました。

黄表紙を使った演出、花火の演出はとても面白いし、役者さんたちもかなり見ごたえがありました。

罠々

罠々

悪い芝居

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/04/18 (火) ~ 2017/04/23 (日)公演終了

満足度★★★

舞台上での登場人物たちと彼らの映像が重なる演出が面白かったし、現代にあふれている矛盾やら、妄想やら、葛藤やらが入り乱れていてる狂騒感が面白かった。
ただ私は傍観者になってしまって、舞台との一体感を味わえなかった。
底知れぬ怖さをもっと味わえたらと思った。

東おんなに京おんな

東おんなに京おんな

トム・プロジェクト

あうるすぽっと(東京都)

2015/12/02 (水) ~ 2015/12/06 (日)公演終了

満足度★★★

嫁と姑に友情は生まれるか?
生まれないですよね(笑)
でも、嫁と姑という肩書き(?)がはずれたら、どうなんでしょうか。
そんなことをこの舞台を観て思いました。
年齢も生まれも育ちも性格もおかれている状況もまるで正反対の二人・・・家族という縛りがなくなった分、言いたいことも言える関係になった気がしました。

「白鳥の湖」

「白鳥の湖」

公益財団法人日本舞台芸術振興会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/27 (月)公演終了

満足度★★★

ピーター・ライト版はわかりやすい。
バーミンガムのセットは、落ち着いた色合いと豪華な雰囲気がとても素敵です。そして、黒と金を基調にした衣装もゴージャスです。
王子が黒い衣装というのは、なかなかかっこいいです。
ただ、2幕の白鳥がいる湖のシーンは、セットの都合か、白鳥の数が少ない・・・・新国、ボリショイなどは32羽・・・・ABT,Kバレエなどは24羽・・・こちらは18羽、少ない時で12羽で群舞は、ちょっと寂しかったです。
そして、残念だったのは怪我でキャスト変更があり、急遽組まれたペアであったことです。それぞれのテクニックは文句無いものの、物足りなさが残りました。

『太平洋食堂』

『太平洋食堂』

メメントC+『太平洋食堂』を上演する会

座・高円寺1(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★

間違いを繰り返さないために
第二次世界大戦を舞台にした戯曲はいくつも観てきましたが、日露戦争というのは初めてで、興味を持ちました。先日観た三好十郎氏の「廃墟」の中に日本の間違いは、明治維新にまでさかのぼらないと駄目だ・・・という意味の台詞がありましたが、本当に納得しました。
国民が考える力をどんどん奪っていく政府・・・・今に通じるものを感じ、恐ろしくなりました。
役者さんたちの熱演が素晴らしかったです。特に印象に残るのは語り部的役割をした清原達之さんです。清原さんの語り口、たたずまいがあの怒涛の時代の中で、押し流された人たちを鎮魂しているようにも思いました。

ひとり、独りの遊戯

ひとり、独りの遊戯

玉造小劇店

ザ・スズナリ(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/08 (水)公演終了

満足度★★★

こてこての大阪弁が楽しい。
戦後の大陸からの引き上げから高度成長期を男として生きた、女の半生の物語でした。
めまぐるしく変わる日本の時代を背景に、43役を11人の役者さんでこなすということで、演出の工夫が面白いです。
役者さんたちも達者な方ばかりでした。
ただ、ちょっと冗長で、劇的な彼女の生き方にしては平坦に感じてしまいました。
しかし、いつもチャレンジ精神旺盛で楽しいわかぎさんです。

ポンコツ大学探険部

ポンコツ大学探険部

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/06/27 (土) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★

懐かしくて、ほろ苦くて、そして楽しくて。
自分の学生時代を思い出し、OBたちの姿に今の自分を重ねて、なんだか久しぶりに客観的に自分世代の姿を観ました。
自分では変わっていないつもりだけど、ずいぶんと探検したんだなぁ・・・と、ちょっとセンチメンタルになりました(笑)
おかやまさんがいい味ですね~。そして、松村さんのちょっとピントのずれたギャグがなんかつぼにはまってしまって。
人生の探検はその最後まで、楽しもうと思いました。

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