1984 公演情報 新国立劇場「1984」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/04/20 (金)

    1948年に書かれたこの物語が、今この時代にリンクする恐ろしさ。

    思考することも行動することも全て監視され、制御されている。それに反したものは、消されていく・・・・。

    全てのデーターが消され、人々の記憶からも消されていく、初めからそこにはいなかったことになる。



    一人の男の思考の中にいるのか、それとも彼の住む世界に私がいるのか・・・繰り返される場面、台詞に不安になってくるし、恐ろしさが募ってくる。斜めの床に座っているような気分、ずり落ちそうになるのを必死にこらえているような落ち着かなさ。



    今の私たちもネットを使うたびに監視されてるかもしれないし、テレビの報道は実際に印象操作ばかりしている。与えられる情報が真実とは言えないと、このところすごく感じています。

    私たちに真実を知る機会は本当にあるのだろうか。



    井上芳雄くんの体当たりの演技はすさまじかったし、追い詰められた人間はまさにああなると思う。

    神農直隆さんの声が大好きなんですが、あの声でどんどん洗脳されていく・・・・・あせる追い詰め方が尋常じゃないんです。

    大好きな声なのに、ものすごく怖かった。

    ぞっとしたのは何気ない食事のシーンの繰り返し、リアルな演出も怖かったです。

    最前列の席は、かなりハードでありました。



    小川絵梨子さんの鋭い視点、見せ方の上手さ、客の追い込み方の上手さ、さすがでした。



    肝が冷えた私です。



    素晴らしく怖い舞台を、ありがとうございました。


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    2018/05/01 00:56

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