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逮捕(仮)

逮捕(仮)

ろりえ

ギャラリーしあん(東京都)

2017/06/20 (火) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/06/20 (火)

20日のソワレ、「家」バージョン初日を拝見。

ネタバレBOX

ストーリーのベースは人情噺。
核心部は(田山花袋『蒲団』風・師弟ジェンダーレス)バレ噺。
前後を囲むのが抱腹絶倒!滑稽噺。
といったバラエティに富んだ内容を、70分という短い上演時間の中にスムーズに取り込んだ作品です。

三枚目とナイーブな感性とのバランスを求められる役柄を演じられたらピカイチの(と私が認識している)安藤理樹さんを中心に、さんざっぱら笑わせておいてラストシーンでは胸アツな岩田恵里さん・橋口勇輝さん、内に秘めた魔性で師弟を翻弄する洪潤梨(ホン・ユニ)さん…担った登場人物たちを役者陣が好演。
とりわけ、個人的には、ラストシーン近くの、安藤理樹さんと洪潤梨さんとの対面シーンが、ソワレという時間帯・戸を開け放った古民家の空間に灯りといった「舞台装置」と相まって、(ストーリーからは離れるが)私自身がずっと以前に経験した、通夜の晩のように感じられ、胸に迫るものがありました。

実は本音で言うと、ストーリーの核心部分は好みではありませんでした。いささか、グロい!かなぁ~と…ですけど、これはあくまでも個人の価値観の問題。そんな些細な好悪の感情は抜きにして
1月に観た、Shock Art Projectさん『春に戦ぐ』
4月に観た、TOKYOハンバーグさん『KUDAN』、チーズtheaterさん『THE VOICE』
と合わせて、今年観たベスト5には入る秀作だろうなと思っています。
現っ、

現っ、

中野坂上デーモンズ

王子小劇場(東京都)

2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/04 (水)

4月4日ソワレを拝見。

前半の、上手・下手の2つの空間がキッチリ分離したうえでのシンクロぶりがあまりに見事だったからこそ、後半からの融合(混沌?)がより鮮明に感じられたのだろうか。グルーブ感溢るる迫力に唯々押し流された90分だった。
正直、今でも理解の度合いはフワフワ状態なのに、また観たい!という強烈な欲求が湧き起こる、危ないクスリのような芝居…これ程の凄い(☜語彙力、笑)作品の後だと、次回作はさぞ大変だろうなぁと、中野坂上デーモンズの憂鬱さんの舞台、初めて観たヒトのくせに、つい余計な心配をしてしまいがちにw

最後に。
「エラく大変だったでしょう?本当に・本当にお疲れ様でした!」と、千穐楽を終えた演者の皆さんに、心の底からお礼の言葉を捧げたい。

キズツクキカイ

キズツクキカイ

たすいち

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

天空の城ラピュタみたいな建物・ザムザ阿佐ヶ谷で、たすいちさん初体験してきました。

ネタバレBOX

陰陽師(おんみょうじ)の家に生まれた次男の唱(しょう)。霊感よりもテンションの方が高そうな家族や、愉快な?!妖怪たちに囲まれて、毒気を抜かれたのか、ネガティブ思考の小説家希望。
そんな唱に、ネットを通して、若い女性読者が初めてついて…陰陽師の家柄であることを知らされていない長女の彼氏(☜後半、騒動を起こします)、長男の彼女(☜唱の幼馴染)、そして唱が創り出したらしい新たな妖怪・キズミ。
周囲のユニークな人々(+妖怪)が舞台狭しと駆け回るなか、唱の気持ちは揺れ動き…。

想像の翼が間違った方向(笑)に伸びたようなおなはしなんですが、以前、舞台を拝見したことのある村松ママンスキーさん、小鶴璃奈さん、加瀬恵さんを初めとした役者陣。自身の役柄を愉しんで演じているご様子。
照明や音楽もコスプレ紛いの衣装の登場人物たちと合わさって、何やら時ならぬ○○区・納涼盆踊り大会の賑やかさを醸し出します。
そんな中で、作者の投影と思われる主人公の視線が少しづつ・少しづつ、うつむき加減から相手の目を見つめるように変わってきた…ように思えました。

ネガティブでナイーブな主人公の心の成長?みたいなもん、表現するのには下手に真正面から当るよりも想像の翼を間違った…いえ、自由に伸ばしていった、こんなコメディの方が、かえって後でじんわり来るのかなぁ。ってことを思いながら、会場を後にしました。

役者陣。
主人公「唱」役の野澤太郎さんはもちろんですが、「ケータイの九十九神」役のみやでら みほさん、「キズミ」役の永渕沙弥さん…個人的には大変印象に残りました。

最後に配役を記しておきます。
明神裂(祖父…ではなく、実はその正体は妖怪)…末永全さん
明神致(父)…村松ママンスキーさん
明神説子(母)…小鶴璃奈さん
明神理桜子(長女)…真嶋一歌さん
明神創(長男そう)…窪田裕仁郎さん
明神唱(次男しょう。主人公)…野澤太郎さん
明神紀里(妹)…三品優里子さん
十兵衛(猫又)…佐藤修作さん
こっくりさん…加瀬恵さん
垢舐…白井肉丸さん
けらけら女…松倉彩夏さん
ケータイ(付喪神)…みやでらみほさん
琴川れのあ(創の彼女。唱の幼馴染)…青山祥子さん
兵馬昴太(理桜子の彼氏。実は本作の悪役となる退魔師)…柴田淳さん
キズミ(唱の悩みが創り出した妖怪)…永渕沙弥さん
キョーコ(唱にとって初めてのファン)…黒沢佳奈さん
旅とあいつとお姫さま

旅とあいつとお姫さま

座・高円寺

座・高円寺1(東京都)

2015/09/24 (木) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2015/10/04 (日)

杉並区の劇場施設「座・高円寺」さんで、2009年の開館時以来、毎年、上演されてきた舞台。私も過去数年、季節の風物詩のように拝見してきた作品のファイナル公演です。

ネタバレBOX

イタリアの演出家の方が、日本の子供たちのためにつくった、オリジナルの作品です。
子供たちの、と紹介しましたが、オトナが観ても十分鑑賞に堪え得る…いや、そんじょそこらの芝居じゃ太刀打ちできないほどの、極めてクオリティの高い舞台です。
特に、劇中、現代の日本人作家ならば、子供向けの作品だと躊躇うような「残酷な」描写もあるのですが、それすらも美的感覚に優れた演出の施されように、刮目させられました。

軽妙なクラリネットの調べが流れたかと思うと、イタリア歌劇のテノールが響き渡る劇伴。

観客の想像の翼を広げさせる、シンプルかつビジュアルな舞台美術と衣装。

あるときは優雅に・あるときは弾けるような、お姫さま役・辻田暁(つじたあき)さんのコンテンポラリーダンス。

個人的には、2011、12,13年、そして今回と拝見してきたのに、来年からは観ることが叶わないなんて!!!
名残惜しいばかりの舞台でした。
マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

劇団ショウダウン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2015/01/18 (日)

18日ソワレの回を拝見。

ネタバレBOX

大英帝国の軍艦に荷役にかり出された黒人の少年アジグが、無実の罪で処刑される!
同じ荷役労働者仲間のベラミーは、親友ピエトロと共に、アジグを監獄から救い出します。
追って来る兵士たち…ベラミーらは勢いで(笑)解放した他の囚人たちと一緒に応戦し、ついには軍艦1隻(せき)奪い取って逃走します。
しかし、その軍艦に、神の不思議な力を秘めたマナナン・マクリルの羅針盤が保管されていたため、ベラミーたちは大英帝国の海軍に追われる身となったのです。
逃げのびた囚人たちの投票で、船長に推されたベラミーは宣言します。
この船の上では、生まれも身分も肌の色も関係無く、みんな自由だ、と。
ベラミーがまだ幼い頃、密かに恋心を抱いていた養育役の黒人奴隷の女性との悲しい別れが、彼にそう叫ばせたのかもしれません…

胸のすくような、スケールの大きい冒険活劇です。
登場する人物も、役名のある者から無名の戦士まで、両手の指を総動員しても間に合わないほどです。
ですが、演じているのは、林遊眠(りん・ゆうみん)さん、ただ一人!
身振り手振りを交えた講談師よろしく立て板に水のセリフ回しで、舞台の四方八方、小柄なカラダが躍動する、上演時間、なんと2時間!
途中10分間の休憩を除けば、後半、船上での大宴会のシーンに便乗して(笑)舞台上で水とウイダーインゼリーの補給をしてても、喋りっぱなし! なんて女優さんだぁ(感嘆)!
そんな彼女をサポートする照明・音響も、場面に応じてジャスト・イン・タイムのタイミング!
さっきから「!」連発ですけど(苦笑)それだけ凄い舞台でした。
ちょっと大げさですけど、自分の演劇体験にとってエポックメイキングになった程の、得難い財産となった舞台でした。

ここから先は、私個人が抱いた感慨です。
脚本家の意図がそこにあるかどうかは判りませんが、この芝居、昨今、世情を騒がす不合理な偏見・差別に向けた、爽やかで高らかなアンチテーゼにも感じられました。
東京・大阪のみの公演ですが、もっともっと多くのヒトに! 観てもらい作品だと思います。
『天国と地獄』

『天国と地獄』

遠吠え

王子スタジオ1(東京都)

2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/03/25 (日)

25日の大千穐楽(60分)を拝見。

大きな坂道のそばにある迎ヶ谷町(むかえがたにまち)…『凡庸』なワタシでもピンと来た、とある田舎町の高校演劇部を舞台に、学年毎の絆、創作者の苦しみ、伝統と改革との対立、等々を描いた60分。

演出面で言うと、運動会の定番楽曲『天国と地獄』を用いた軽快な劇伴に、時系列の異なるシーンをハンドクラップ一発で瞬時に切り替える場転でのリレーは、高校生活3年間の「駆け抜け感」を思い起こさせてくれて、実に効果的だった。
ノスタルジックなストーリーにテンポの良さも合わさって、高校演劇部出身でないワタシでも今年一番愉しめる作品になったと思う。

あと…永田佑衣さん演じるメロスの創作に苦しむ自問自答ぶり。モデルは木村みちるさんご本人だろうが、私にはフ⚫︎タタ⚫︎⚫︎イ氏が想起させられ(実際、同氏を意識した演出が施されていたそうです)、上演中、ニンマリが止まりませんでした。

最後に配役を記しておく。
セガ(3年生、部長、良い意味でオトナな穏健派)…石黒麻衣さん
よもぎ(3年生、勝気、昔、台本を書いたことがある)…小島望さん
小次郎(3年生、演劇部の伝統への思い入れが強い)…澁川智代さん
アニー(2年生、1年生の秋大会から脚本と演出を担当していたが…)…橋本美優さん
コロネ(2年生、遠慮しがちな次期部長。が、アニーの台本を強く推す)…二ツ森恵美さん
メロス(1年生、アニー休部後の脚・演出。天才肌)…永田佑衣さん
わさび(1年生、自分が入部させたメロスの脚本を強く推す)…大田彩寧さん
演劇部員…木村みちるさん(最後にチョコっと顔を出された、遠吠えの主宰さん)

赤い竜と土の旅人

赤い竜と土の旅人

舞台芸術集団 地下空港

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/03/03 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/03/04 (金)

作者が英国ウェールズで取材した、ウェールズ国旗のデザインにもなっている、赤い竜の伝説
当地で建設が進められている原発プラント(日立や東芝が関係しています)への反対・推進両派の対立
を基に作られた寓話的音楽劇。

赤い竜は「大地の意思=自然」を、黒い竜は「原発に代表される、人々の暮らしに大いなる利便を与えつつも、一つ間違えればカタストロフィを招く人類の英知」を、象徴したもののようです。

最後、赤い竜・黒い竜は、もみ合いながら消滅していくのですが、(うがちすぎかもしれませんが)その姿は、大地の意思と、人類の英知とが、まるで手を合わせて未来のために祈っている…ように、私の目には映りました。

社会的に様々な意見のある問題ですが、対立ではなく、互いの意見を昇華した先の、未来への希望…勝手ながら、作者の意図をそのように解しました。

作品自体への感想。
メロディアスでノスタルジックでもある出演者たちの唄
荒波や放牧された牛などを表現していく、白い椅子を用いての巧みな描写
イギリス南部の貧しい住民そのものの衣装
2時間強の上演時間を感じさせない、テンポの良いストーリー展開
そして何よりも、活き活きと舞台で演じ・唄う出演者たち
2016年の個人的ベスト5にカウントさせて頂いた、素晴らしい舞台でした。

東京虹子、7つの後悔

東京虹子、7つの後悔

キ上の空論

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

キ上の空論さんとは何かご縁でもあるらしく、立ち上げ公演の『空想、甚だ濃いめのブルー』から『赤い下着、覗くその向こう側、赤の歪み』『金曜日、白井家の場合 ~せいのでインを踏め!~』と過去の作品全て拝見する機会に恵まれました。
でぇ、今回は『東京虹子、7つの後悔』…青・赤・白の次は七色の虹で来るとは(笑)!

ネタバレBOX

母の死をきっかけに、叔母・ナツに引き取られ、大好きな田舎町を離れて東京で暮らす事になった、13歳の少女・虹子。
東京にも・ナツにも…新しい環境に馴染めずに吃音症を患った中学時代。
やがて高校に進み・卒業して・大人になって・出版社に勤め出し・そして、子持ちの男性との結婚…その半生の折々に、相手に伝えられなかったコトバや後悔を抱えていく虹子…。

空虚にだだっ広い、四角いアクティングエリアの中、「ヒロインの虹子」「虹子の結婚相手の連れ子の娘」二役を演じる斉藤ゆきさんを初め、登場する役者の皆さんの抑制の効いた演技。音楽・音響に照明が醸し出す蒼い月の光に照らされたような静寂。二つが合わさって、一人の女性の走馬灯のようなストーリーを、細氷(さい ひょう)を飛ばしながら更に透明に磨き上げていくように感じられ…気がつくと、舞台にのめりこんでいました。そして、ラスト近くの、あるシーンからは、ええ歳こいたオッサンでさえ、不覚にも涙腺に来ました。

キ上の空論さんの集大成かなあと思った程、感慨深い舞台でした。
KUDAN

KUDAN

TOKYOハンバーグ

座・高円寺1(東京都)

2017/04/12 (水) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/04/12 (水)

先に結論から申しますが、初日故の緊張、まだ生乾き?な部分を勘案しても、恐らく、今年随一の観劇体験になるのでは、と思いました。

ネタバレBOX

件(くだん)であるクラープの誕生シーン、処分される寸前で牛たちが牧場から解き放たれるシーン、そして生活の場である森の伐採で牛たちが追い詰められる最後のシーン…歳がバレそうですが(苦笑)、真っ先に『ジャングル大帝レオ』での光景が目に浮かびました。
ただし『レオ』のテーマが「人類の文明に追われる動物たち」だったのに対して、本作では、人類の文明の脅威(原発事故)にさらされるのが、動物(飼育牛や被災者に捨てられたペットたち)だけでなく、人間自身にまで及びます。それまで営々と営んできた平穏な暮らしを或る日突然奪われる、その何と理不尽なことよ!
私が作品から受け留めた最初のメッセージです。

原発事故は、動物たちにも・人間にも、多くの「死」をもたらします。さらには、事故後に授かった生命にさえ、暗い影を落とします。動物側ではクラープ、人間の側では三日月の生んだ子。(あえて言葉を選びませんが)「奇形児」であり、さらには三日月の子は生まれてすぐに亡くなっています。しかし、たとえ「奇形児」であろうと・「死者」となろうとも、この世に生まれて来た命を・生きていた証を、尊重し・忘れずにいる心持ち。
生命の尊さ…私が作品から感じ取った、もう一つのメッセージです。

と、まあ、感想はこのくらいにして…。

作劇的な面に関しては、福島原発事故で被ばくした牛たちの飼育を続ける「希望の牧場・ふくしま」にインスパイアされた題材を、「件(くだん)の牛」の伝承を基にした現代の寓話に作り上げた、その着眼点の非凡さに何よりも感心させられました。

役者陣。ヒロイン・クラープ役の山本由奈さんを初め…いえいえ、敢えて個人名を挙げるのは止しましょう。舞台の上に立った座組みの皆さん全員の総合力に、唯々胸を打たれました。

最後に(また演劇とは離れてしまいますが、汗)。
劇中の、三日月が死産した子の症状に関して、「風評被害」の観点から、批判的な意見も寄せられるだろうな、と観ていて感じました。
「希望の牧場・ふくしま」で育てられている牛たちにしろ、原発事故との因果関係のある・疑われる症例にしろ、合理的根拠が認められる限り、「時代の証人」に目を背けてはならない…ワタシが勝手に解釈した、作品からの最後のメッセージかもしれません。
私はスター

私はスター

ジェットラグ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/12/05 (金) ~ 2014/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2014/12/07 (日)

江古田のガールズ。「ウェルメイド(=上質の)的な物語」「ジャズのような会話劇」が特徴らしいんですが、これまで観る機会がなくてぇ…。
今回、主催公演ではないんですけど、作・演出と所属役者で絡んでいる舞台があると知り、赤坂まで行って来ました。

ネタバレBOX

ジェットラグさんプロデュース公演『私はスター』(1時間50分)。
NHK朝ドラの『あまちゃん』と、ミュージカル『コーラスライン』と、映画『フラガール』とを足して割って、赤坂・しろたえ(☜有名な老舗洋菓子店)の上品なレアチーズケーキ添えたような作品です(笑)。

ヒロイン「星笑子」、立ち姿、凛としています。歌もダンスも実に堂々と! それもそのはず。この7月まで宝塚の男役だった、蓮水(はすみ)ゆうやさんが演じているのですから。
地の芝居の部分では、ベテラン・若手の役者さんが達者な演技で、外部初出演・初主演の蓮水さんを盛り立てて、歌やダンスのシーンでは、今度は蓮水さんが出演者を引っ張る形で、(予算の無い遊園地ゆえに)新聞紙と段ボールとブルーシートで出来た衣装を身にまとって、ミュージカルのスタンダードメドレーによるレビューショーを華やかに披露していきます(ちなみに、蓮水さんの宝塚同期の方がお二人、文字通り「友情出演」されています)。
互いに助け合い・支え合って、皆がスターとなって輝いていく…メインキャストのみならず、アンサンブルの皆さんも印象的だった今回の舞台、ものがたりと現実とが、まるでシンクロしているよう!

ところで、なんで「仙台」近郊の遊園地、という設定なんだろう? と、観劇中、不思議に感じていました。
ラストのレビューショーの場面、『コーラスライン』の『One(Reprise)』のところで漸く、作者の意図に気づきました。上述の「シンクロ」、ものがたりの登場人物たち・演じている出演者たちだけでなく、東日本大震災の被災者の皆さんにも、互いに助け合い・支え合って、皆がスターとなって再び輝いていって欲しい、というエールではないか、と。
勝手な思い込みかもしれませんが、そう感じた瞬間、お恥ずかしい限りですが、目頭が熱くなるのを禁じ得ませんでいた。
纏(まつ)わるひとびと

纏(まつ)わるひとびと

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2017/07/12 (水) ~ 2017/07/19 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/16 (日)

7月16日ソワレ(100分)を拝見。

ネタバレBOX

題材は、当時、社会に大きな衝撃をもたらした実在の事件。そして、本作品のストーリー上でも、かなりの部分で「報道された事実」がトレースされています。
とはいえ、劇場で上演されるのは、あくまでもフィクションたる舞台作品。以下、純粋に舞台への感想を述べていきます。

父と娘、母となった娘とその子供たち…二代にわたるネグレクトする側・された側のものがたりを
「ドキュメンタリー映画」の製作にあたるスタッフたちのやり取り
劇中劇たる「ドキュメンタリー映画」の各シーン
の2元で描く構成。
最初は、題材となった「実在の事件」のあまりの生々しさを緩和させるためのバッファーかな?と思っていました。
しかし、ラスト近くで、登場人物達の関係性が明らかにされてからは、傍からは…いや、当の相手ですら伺い知れない、ネグレクトした側・された側の傷の疼きの正体を、残された当事者たち(和実と夕香)が追い求めていくという、脚本(滝本祥生さん)・演出(大西弘記さん)の意図、慮ることができました。

ネグレクト、虚栄心、現実逃避、再起、義理の・肉親の親との絆…ヒトの心の弱さ・愛おしさの有り様に、胸がいっぱいになった舞台でした。
光、さえも

光、さえも

Ammo

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/20 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/09/18 (月)

18日14:00の回を拝見。

ネタバレBOX

無名の作家から送られてきた「作品?」の芸術性に関して、画家や版画家・彫刻家に、美術評論家、パトロンといった協会の理事たちが白熱した討議を行う、という設定なのですが、本作の作者は更に二つの要素を追加しています。

【その1】
偽名で「作品?」を提出したことにして、マルセル(演・津田修平さん☜声がいい!)自身を、この会議に参加させてみる

【その2】
理事会の雇われ幹事長である画家(西川康太郎さん☜熱演!)と、その妹(土佐まりなさん☜声もいい!)との、南部の父権主義を背景とした対立、そして和解

そのうえで、理事の各々に象徴される、文化・宗教・社会倫理、ひいては各自の人生観をぶつけ合うガチ・バトルが展開されます。
たとえるならば、この「11人の怒れる男女」の密室劇は、知的興奮を呼び起こすだけでなく、1920年代米国の爛熟期における、価値観のパラダイムシフトの波を・その軋轢を、肌感覚で体感させてもらいました。

なお、「1920年代米国の爛熟期」を舞台にするため、更には、従来からの宗教倫理的価値観を体現するフィル(前園あかりさん)の発言に、前線での従軍看護婦体験という重みを与えるため、実際は第一次大戦中の1917年に起きたエピソードを4年、後ろにズラしています。

ということで、脚本・演じ手の熱演のみならず、照明・衣装・音楽をも相まって、恐らくは今年一番の観劇体験になるだろうと思われる程、充実した時間を過ごせました、とさ♪
『水』/『青いポスト』

『水』/『青いポスト』

アマヤドリ

新宿シアタートップス(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/12/17 (金)

価格3,500円

『青いポスト』17日19時半開演回(139分)を拝見。

2017年の初演舞台を観ているのに…
ストーリー、大方覚えていたのに…
初演の王子小劇場より、はるかに客席から間近な新宿シアタートップスの舞台のせいか、伝わってくる熱量が半端なく、とりわけ、ラストの群舞⁈には震える程、感動した。

ネタバレBOX

【配役】
ハンナ(妹。意外にも悪人選挙・予備選挙1位)…相葉るかさん
ゆき(姉。予備選挙1位の本命だったはずが僅差の2位)…相葉りこさん
ミーア(”消された”らしい姉妹の親の妹。姉妹の育ての親)…一川幸恵さん
ヤヨイ(ミーアの姉)…中村早香(なかむら・さやか)さん(舞台と客席とのつなぎ役も兼務)
リオ(双子姉妹の文通相手。アン、ロアとは友人関係)…榊菜津美さん
エリカ(リオの妹。双子姉妹と同級生。悪人選挙・管理員会の委員)…村山恵美さん
刈谷(悪人選挙・管理員会の委員。匿名作家)…菊地音々子さん
サリ(悪人選挙・管理員会の委員。スーの後輩)…星野李奈さん
スー(悪人選挙・管理員会の委員。ユキの店で働いていた)…佐藤美輝さん
ロア(悪人選挙・管理員会の委員長。町長の娘。アンとはパートナー)…さんなぎさん
アン(郵便屋さんの管理職。娘がいる)…大塚由祈子さん
パム(郵便屋さんの新人。容量が悪く、お人好し)…ばばゆりなさん
ノスタルギヤ

ノスタルギヤ

Ammo

d-倉庫(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/12 (月)

12日マチネ(135分)を拝見。

ネタバレBOX

元・サッカー日本代表監督、イビチャ・オシムさんの母国としても有名な、ボスニア・ヘルツェゴビナ。
旧・ユーゴスラビアの崩壊後、地域に根を張る、セルビア人・クロアチア人・ボシュニャク人(ムスリム人)の3つの民族の間で次第に対立が深まり、1990年代、三つ巴の激しい内戦が始まります(当時、新聞で読んで知ってはいましたが、自分にとっては、「遠い・よその国の出来事」でした)。

それまでは民族の違いを(意識はしつつも)越え、地元のサッカークラブ・選手たちを応援していた田舎町ビリヤシュの人々が、内戦の勃発をきっかけに、或る者は故郷を捨て、残った者はやがて互いに憎しみ合うようになる…本作品は、戦乱の中、人生を翻弄されていく者達の悲劇を、サッカーライターの日本人・酒井と、外国のチームに移籍したシーナ・アクシシャヤとの、いわば「内戦の部外者」二人の回想を通して、描いた作品です。
日本のあちこちの街でも目にする、酒場で歓声をあげ・肩を組み合って、応援しているチームの勝利を喜んでいたサポーター達の「その後」は、上演中、終始、息苦しくなるほどに、ただただ哀しくて哀しくて…。

ラストシーン。酒井・シーナ・(消息不明の)イリヤの3人でのパス回しから、やがて出演者全員が舞台に上がり、唄い・叫び・つぶやく地元チーム・FKビリヤシュのチャント(=応援歌、いや、鎮魂歌か)の渦に、微かにでも未来への希望を見出せたのは救いでした。

最後に、自分の記録用として配役を記しておきます。

<セルビア人>
イリア(将来を嘱望されたサッカー選手。現在は消息知れず)…津田修平さん
ソニア(イリアの姉。生まれ育ったビリヤシュへの熱い想いが、後の悲劇を…)…宍戸香那恵さん(今回、この役柄に一番、感情移入させられました)
スロボダン(地元サッカークラブ・FKビリヤシュのコーチ)…坂井宏充さん
ルナ(FKビリヤシュのサポーター達が集うピッツェリアで働く。大学でセルビア民族主義に感化される)…木原実優さん
カタリナ(ソニア・イリアを初め、慕う者の多い、FKビリヤシュの古参サポーター)…滝澤多江さん
デヤン(大工、FKビリヤシュのサポーター)…海田眞佑さん

<ムスリム人(ボシュニャク人)>
シーナ(来日中のスター選手。FKビリヤシュでの、イリアのかっての同僚)…荒川ユリエルさん
エディン(元軍人。前の戦争で、戦死したカタリナの息子に助けられた)…浅倉洋介さん
ダミール(FKビリヤシュのコールリーダー。内戦中、セルビア人兵士に殺害される)…ワンデー櫟原さん
ヤスミラ(ダミールの妻。夫を殺害されてからはセルビア人を敵視するも、イリア・ソニアの姉弟には…)…加順遥さん
ファティマ(デザイナーに憧れる女。後にミラノに移住)…土佐まりなさん

<クロアチア人>
ハナ(ピッツェリアのウェイトレス。シーナのガールフレンド)…広野未奈さん
アレン(民族主義者の青年)…山崎丸光さん

<少数民族・ロマ人>
エスマ(ピッツェリアの女主人、シプシーの出身)…前園あかりさん

<日本人>
酒井(サッカーライター。ビリヤシュを数回訪問。自分を温かく迎えてくれた人々の身を案ずる)…谷仲恵輔さん
春に戦ぐ

春に戦ぐ

ShockArtProject

【閉館】日暮里ARTCAFE百舌(東京都)

2017/01/23 (月) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

男性保育士の悩みや葛藤(待遇、将来設計、女性中心の職場での立ち位置、等々)

保育の専門家であるはずなのに、保護者から軽視されがちな保育士の立場

保育所に子供を預けるシングルマザー・ファーザーと子供の関係

在日外国人の子供へのいじめの問題

トラブル発生時の保育所の対応

等の問題につき、かなりの取材をこなされたうえでの脚本です。

さらに、上演会場のある三河島というロケーション。
戦前からのコリアンタウンなので(参考.有名な新大久保界隈は戦後に広がったコリアンタウン)より実感を伴って、舞台、拝見することが出来ました。

子供の大怪我という「事件」も含めて、保育園の先生達の目を通して語られる「出来事」は、上述のような、社会全般にも共通する今日的な重いテーマです。
しかし、それらを一方的に深刻にはせず、ユーモアとヒューマニズムのオブラートに包んだ「リアルなテーマのメルヘン」として提示して頂いた…そんな1時間40分の「疑似体験」でした。

艶情☆夏の夜の夢

艶情☆夏の夜の夢

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/08/14 (日)

舞台セット・音楽・照明・振付・衣装・台詞回し…まさしく盆踊り大会の趣き♪
8人の女優さんが魅せる底抜けに明るい「ニッポンの夏」的シェークスピア喜劇には(おそらく、ですけど)観客の誰もが腹の底から笑い・愉しめた90分だっただろうと推察します。
とっても偏見なんですけど、エエカッコしいな観劇スタンスの方を多く目にする東京(注.弊社調べ)よりも、祝祭事を素直に受け入れる関西のお客さんの方が評価が高いのも頷ける、個人的にも、喜劇・悲劇のジャンルを問わず、2016年に観た中でイチバンの作品でした。

月の剥がれる

月の剥がれる

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2016/09/23 (金) ~ 2016/10/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/09/25 (日)

人々が命がけで生き抜いた激動の「過去」【散華パート】と、「怒り」という観念を放棄し、緊迫感皆無な、のどかな時代【授業パート】のシーンを行き来しながら、学校・家庭・戦争・平和・宗教・憲法などの社会的な主題を等身大の人々の、ささやかな暮らしから描き出す一大絵巻(2幕・2時間40分)。

なお、本作品は、政治的色彩を感じさせるメッセージが内在していますが、プロパガンダな演劇では決してありません。ですんで、ワタシ個人の政治的意見の開陳などという野暮もやりません。純粋に観劇レビューとして、以下、続けていきますね。

作品上の「現在」である【授業パート】と、その授業で「過去の出来事」として語られる【散華パート】、二つの世界を行き来する白い衣の女性(演・田中美甫さん)…平和の象徴・ハトをイメージしているのかなぁ?

【授業パート】に出て来る、何処か人物設定が曖昧な転校生(毛利悟巳さん)に、独りだけチマチョゴリ?巫女装束?を身にまとったクラス委員長(池田優香さん)

その時代を生きている、というリアル感を帯びた【散華パート】の登場人物たち

過去の歴史を遠目から眺めている、ゴルフ場のギャラリーのような【授業パート】の生徒たちと教師

(決して堅苦しくはなく、むしろ笑いも交えてですけど)虚実錯綜する人物たちの群像劇を通して、「命」とか「生きていることの意義」に関して、観客は自然と考えさせられていきます。
そして、私たちが「平和」というコトバから連想する最もポピュラーな文章、日本国憲法第9条第一項を模した「怒りの放棄」を【授業パート】の教師に語らせることで、作者のメッセージが明確に提示されます(とワタシは感じたんですがぁ…)。

ラストは、舞台上に伏していた演者たちが一人・また一人と起き上がって、『ボレロ』の各演奏楽器のごとく加わっていく群舞の波・波・波。その観客に訴えかけてくる迫力というかカタルシス! …ココロ震えました。

「平和がどうした・こうした」に、特段、関心のない方でも、胸に迫る思いを体感できる作品だと思います。

時をかける稽古場

時をかける稽古場

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2014/06/07 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇用語なんですが、事前に舞台の床面にテープを貼ることで、役者さんの立ち位置とか、小道具の置き位置とかの目印を付けておくことを「バミる」と申します。
この「バミる」作業が、どういう理屈か、公演2週間前の小劇団の劇団員を、公演前日の自分自身と入れ替える「タイムマシン」の作用を呼び起こしたのだから、さあ大変!
そんな一風変わったコメディが、Aga-risk Entertainmentさん『時をかける稽古場』です。

タイムトリップ物って、もうすっかり手垢のついたアイデアだと思っていました。
ところがどっこい!現代と未来の劇団員たち、それぞれが抱えた事情や思惑…こんな要素が幾つも重なっていくうち、(それも「笑い」のスパイスをまぶして)時をかける「笑」撃波が!何度も何度も観客席を襲って来たんです。クスッ、どころではありません。本気で腹を抱えて笑い転げました。笑い過ぎて、涙、出ました。払った木戸銭だけでは申し訳ない…それほど満足のいった芝居でした。

国語の時間

国語の時間

風琴工房

座・高円寺1(東京都)

2013/02/22 (金) ~ 2013/02/28 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2013/02/25 (月)

戦慄の低視聴率を記録しながらも、(こちとらも含めた)ごく少数のファンに熱烈支持された、大河ドラマ『平清盛』ご出演の加藤虎ノ介さん。
映画『パッチギ! LOVE&PEACE』よりも、個人的にはNHK朝ドラで馴染み深い、中村ゆりさん。
このお二人が主演なされた3時間弱の大作『国語の時間』。日本の統治下にあった戦前のソウル。本来、異国の言語である日本語を「国語」として教えることとなった、当地の教師達を中心としたドラマ…歴史的知識としては承知していた事柄を、(芝居とはいえ)耳目で体感したことは、実に有意義なことでした。脚本家の思いのこもった熱い舞台、観せて頂いたこと、詩森ろばさんに心から感謝いたします。

でぇ、最後に余計な妄想をばっ!
終戦後、もし私たちの「国語」が英語にされたら、私たちは一体…案外、サラッと日本語、捨てちゃったのかなぁ?

ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/06/05 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2018/06/09 (土)

9日ソワレ(95分?)を拝見。

ネタバレBOX

本作のモチーフとなった津山30人殺しの犯人・都井睦雄(とい・むつお)を初めとした、日本犯罪史上の著名な凶悪殺人犯の苗字を冠した女子高の演劇部員達。そんな彼女達の、ヒトが生きていく上での、あるいは思春期後半の女性特有の「業の深さ」が、施設の管理人の死を契機に、加速度的に爆走していく様を、ムツオ(幽体?)の目を通して、自分も傍観していたかのような錯覚に陥った90分強。

ラストシーンでは、何事かが吹っ切れたムツオが客席に駆け出していき、暗転。そして銃声10発! 銃声の数を数えていたユキを除く部員と顧問の教師とでちょうど10人…と思いきや、会場の照明が戻った瞬間、キコ先輩が登場。そしてさらに、ユキとキコ先輩のいでたちの変化で、ムツオの意志(怨念?)が彼女らに引き継がれたことを暗示させるエンディング。

90分というコンパクトな上演時間で、よくぞここまで、序破急のメリハリが効いた作品をぶつけてくれたもんだと、終演後も暫しの間、興奮が治まらず。
凄い舞台だった!と素直に頭(こうべ)を下げたい。

役者陣。
再演なので当て書きという訳でもないだろうが、沈ゆうこさん、赤猫座ちこさん、大塚尚吾さん…と今回の役者陣は適役揃い。

また、久保瑠衣香さんは、自分が今まで拝見してきた過去の役柄のイメージからは、意外に思える程のハマり役だった。

そして何よりも、永田佑依さん、藤本紗也香さん。
お二人のそれぞれが醸し出す異なる空気感が融合したシーンでは、それが笑いであれ・シリアスであれ、強烈な引力で、我が身をグイっと舞台に前のめりにさせてくれた。

最後に配役について記しておく。

大月ユキ(1年。上級生にもタメ口。キコ先輩を慕っている。ムツオの幽体?!が見える)
…永田佑衣さん
永山キコ(2年。童女のようなナチュラルな感性のヒト。ムツオの幽体?!が見える)
…藤本紗也香さん

宅間マコト(いい加減な性格の演劇部顧問教師)…大塚尚吾さん
大久保サヤカ(3年。生真面目な演劇部部長。宅間に密かに恋心を抱いている)
…鶴田理紗さん
榊原マコト(1年。大好きなサヤカ部長を困らせるために宅間に近づくサディスト)
…土橋美月さん

宮崎ユウ(2年。最近、彼氏ができた。ハジメのことは唯の友達だと思っていた)
…田中渚さん
関根ハジメ(2年。ユウに密かに抱いていた恋心が、ある事をきっかけに暴発し…)
…赤猫座ちこさん

松永タエ(2年。自分に内緒で合コンが行われていたことを知り、疑心暗鬼に)
…古田希美恵さん
前上ヒロコ(2年。タエの友達だったが、合コンの件がバレ、関係悪化)
…瀬戸ゆりかさん
 
加藤トモコ(3年。副部長。生真面目で怒りっぽい)…久保瑠衣香さん 
勝田タカミ(3年。トモコや2年生のキコからも敬遠されている、常に誰かに認めてもらいたいヒト)
…沈ゆうこさん

合宿先の施設の管理人・松本アキラ(密かに毒の実や大麻を栽培)…野田慈伸さん
ムツオ(津山30人殺しの犯人・都井睦雄の幽体?!)…安東信助さん
都井ミナコ(1年。※舞台には登場しないが、脚本に写真と人物設定が掲載)
…田中優佳里(ゆかりごはん)さん(本作品の演出助手さんデス♪)

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