
流れる雲よ2014-天山チーム-
演劇集団アトリエッジ
ザ・ポケット(東京都)
2014/05/28 (水) ~ 2014/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
テーマ性を…
重視した公演である。その内容は、人間が紡ぐ歴史は、その生きた時代とどう真剣に向き合い生きるか、または逝き切るか…そんな問いを投げかけられたと。訴えるセリフからその主張は明らかである。そう、「命」と「平和」は重要だということ。その言葉は、表層的に描いてもその重みは伝わらない。
しかし、本公演では、「69年前の太平洋戦争末期の特攻基地で、突然ラジオから2014年の未来からの不思議な放送が聞こえてくる。」という奇抜な演出で魅せてくれた。69年前、死を目前にした若者が、その時代から未来が感じられるのだから。自分はテーマの重さを感じつつも、それに振り回されず一芝居として公演を続けていることに敬意を表する。
その芝居に関して言えば、脚本・演出、そしてなによりも役者の熱演が素晴らしい!
今後も良質な作品の上演を期待しております。
少し気になった点はネタバレへ

四角い箱
劇団ステア
中野スタジオあくとれ(東京都)
2014/05/30 (金) ~ 2014/06/01 (日)公演終了
満足度★★★
中途半端かも…
脚本はテ-マ性を持ち社会批判も鋭い。その表現は荒削りだが面白さはある。そういう意味では、潜在的には演出力もあると思う。しかし、現時点ではそれを十分描き切れていない。役者は熱演だが空回りしている感じである。見た公演では、相手役の名前を間違え、その相手役からツッコミが入ったり、滑舌が悪く聞き取り難い。演技力は経験を積めば良くなると思う。
公演全体は、まだまだ粗いが楽しみな劇団だと思います。当日配付したパンフレット?に「初稿を書き、それからはディスカッションの連続。何度も何度も台本が書き換えられ…」と記している。どこの劇団も同じだと思いますが…真面目さは伝わります。個人的には、狭い空間での濃密な会話劇が好きです。今後の公演を期待しております。
PS:呪文を解くほうも呪文にしてはどうか。

想い出のテラス
座キューピーマジック
「劇」小劇場(東京都)
2014/05/28 (水) ~ 2014/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★
しみじみと…
「妻と死に別れた初老の小説家。 突然の喪失感に彼は戸惑います。 そして三人の娘たち。」の説明から、映画・小津安二郎監督作品を彷彿させる。
実際、物語に大きな起伏はなく、日々の生活が淡々と描かれる内容・雰囲気であった。平凡な日常の中にこそ、小さなドラマがあるのだろう。そんな断片を切り取った瑞々しさに好感を持った。人生の経験を積んだ”大人向け”の奥行きのある内容だが、父親と娘の心情交流がもう少し描きこまれても良かったと思う。あくまで父親の身の回りと娘三人の置かれた状況に対する悩み・葛藤という別々の流れになっていたようである。もう少しリビング(書斎か?)という舞台設営を利用して父とそれぞれの娘が向かい合う場面を見たかった(二女が恋人を連れてきたのが唯一の場面)。
本当に清々しい公演で好感が持てました。

ディアボロス
カプセル兵団
笹塚ファクトリー(東京都)
2014/05/29 (木) ~ 2014/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめた!
SFハードボイルドアクションと言う設定だろうが、演出はコミカルでそのギャップが面白い。説明文「スタイリッシュなアクションとセリフで綴る、カプセル兵団流アンダーワールド! 」に誇張はないように思う。
また、ストーリー展開は突飛でありながら観客(少なくとも自分)の心を鷲掴みにする面白さがあった。約2時間の公演時間はアッという間で、飽きさせることはなかった。また、演技(特にアクション)は見応え十分で、見入ること間違いなし。強いて難を言えば、役者間の演技力に差が見えたような…。
ぜひ、次回もすばらしいエンターテイメントな公演を期待しております。

ご観劇ありがとうございました♪ ミュージカル♪マリオネット♪
ミュージカル座
六行会ホール(東京都)
2014/05/28 (水) ~ 2014/06/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
子供から大人まで楽しめる
心温まるファンタジー作品。そう、タイトル「マリオネット」通りに人間じゃない登場人物がそれぞれ個性的に描かれている。そこが最大の魅力かもしれないが、実はこの作品の最大の見所は、主人公(人間ピエール)が、その生き様に苦悩しマリオネットに支えられ成長するところ。
主役(田村良太サン)のブログで「みんなはユニークなキャラクターたちをどんどんと磨きあげていく中で、自分はピエールという繊細な役に悩む。」と記載しているが、本当にそうなんだろうなと思った。しかし、舞台はそのキャスト全員のチームワークで素晴らしい公演になっていた。本公演は子供から大人まで楽しめる公演です(途中休憩を入れ3時間弱)。

天使は瞳を閉じて-インターナショナル版-
Projectスナフキン
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/05/22 (木) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★
どんなテ-マかな
感想を記すのが難しい、というのが第一印象である。どの視点からみるのだろうか。一定の居住区に閉じ込められた人々の側、それとも天使の側か。たぶん両方からの視点を通して訴えるテーマがあったのだろうが、欲張りすぎたのか演出不足なのか、観客に十分伝わってこない。だから場面ごとは面白いと思うが、上演後に感じるものが…。
天使も含め登場人物のバックボーンを描き、人間界の社会性か、人自身の深淵か、はたまた天使の苦悩か、テーマ(伝えたいもの)がもう少し明確であってほしかった。
役者の演技は素晴らしいだけに残念でならない。
PS:指を怪我し記載が遅れてすみません。

夜ノ森/チェレンコフノ光ニツイテ
EgofiLter
シアター711(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
心配かも
私事だが、住んでいる市に福島県双葉町から多くの方が避難してきていた。週末にはボランティアにも通っていた。
さて本題だが、中盤まではテンポも緩くはがゆい感じであったが、終盤になるにしたがい盛り上がってきた。「山か」が色々な関連”要素”を持たせているのか、少し複雑になった感じもする。「山か」を民俗学的な面と警察的な面の両方の要素を描くにはストーリーをもう少し整理しないとわかりにくい。特に学生運動を知らない世代にはなお更だろう。
さて、「山か」はどんな捉え方をしようと定住できない、ということであれば双葉町の避難住民は…。
そんなことを暗示するかのようで、心配になりました。自分の勝手な杞憂ですが。

陽だまりの樹
劇団俳協
TACCS1179(東京都)
2014/05/28 (水) ~ 2014/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
さすがは…
俳協である。コメディタッチながら流底には、人としての生き様を鋭く問う骨太なテ-マを据え見応えがあった。タイムスリップはよく見かけるプロットで、目新しさはないが、そんな目先の舞台技術ではなく、人としての生き様を正面から捉えたテーマ性を重視した。人としてどう生きるか、それは誰もが一度や二度は考えるのではないだろうか。それをセリフの応酬で十分表現した。侍として一瞬でも生きがいを見出したい、一方日々の生活の中に幸せを感じる生き方…どちらが正しいかではない。どう自分と真剣に、または正直に向き合えるか。
その熱き思いは、時に重厚な作風となり重々しくなる。しかし、本公演はアップテンポにすることで、長時間にもかかわらず飽きさせることはなかった。
脚本・演出はもちろん、役者の演技が素晴らしい!
今後も俳協らしい魅せる公演を期待しております。

スーザンナ・マルガレータ・ブラント
オフィス再生
APOCシアター(東京都)
2014/05/23 (金) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
見逃せない
小空間に耽美的、幻想的な雰囲気が漂い、既に魅せられた。舞台美術・衣装はもちろん、小道具にも工夫が施されていた。哲学的要素の強いテーマながら、その演出力は卓越しており、訴求力は素晴らしい!人間の悪意に満ちた行為、それを法という制度枠では御しきれない不条理。証明(特に悪事)が必須であるが、それを成す事の難しさ。人の悪意を際立たせることで、その対極にある善意または慈愛が鮮明になった。それだけにもの悲しい気持になった。その心理描写は見事で、2時間の公演時間を飽きさせることはなかった。
今後の公演…更に期待しております。

「エッちゃん愛してる」 公演終了。ありがとうございました!
Sky Theater PROJECT
劇場MOMO(東京都)
2014/05/20 (火) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
切なさが…
今一つ伝わらなかった。妻にもう一度会いたいと思っている心情が弱いようだ。また、死神が現われた理由、約束を反故にされても、今回は見逃すという優しさなど、腑に落ちない。
芝居全体を包む温かみは感じるが、感情移入は出来なかった。

料亭老松物語
劇団芝居屋
ザ・ポケット(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
見事でした
心のストライクゾーンに速球が投げ込まれたぐらい気持が良かった。今回も「芝居屋」らしい手堅い脚本・演出だった。また演技も上手く、安心して観ていられる。自分的には申し分ない公演だった。
次回公演が楽しみです。

55Av(Fifty-Fifth Avenue)の戦慄
メガバックスコレクション
ART THEATER かもめ座(東京都)
2014/05/17 (土) ~ 2014/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かった!
トンネル崩落事故現場に見立てた舞台セットは見事だった。薄暗いから細部までは見えないが、劇団員総出の作業だったと上演後に聞いた(鈴木優美サン)。
さて、本題だが、なぜ主人公がその現場まで連れてこられたのか、そして本人がその理由を知るまでに相当の歳月を要したのか?そのプロローグ、エピローグがわかり難い。よく用いられるシチュエーションであるが、キャスト数からすれば違和感ない描き方だと思う。しかし、極限状態に陥った場合の演出…経験していないから難しいとは思うが、もう少し狂気を強調してほしかった。「正・邪」「善・悪」という短絡的な表現は面白みを半減させるだろう。だが本公演では、あえてメリハリを付けて感情移入をさせてほしかった。それによって、タイトルにある「戦慄」が倍加したに違いないと思う。
公演全体としては見応えあったが、密閉空間での緊張・緊迫感に緩みが見えたのは残念だった。

劇団かさぶた終始公演『凡』
劇団かさぶた
シアター711(東京都)
2014/05/15 (木) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
満足度★★★
記憶が…
上演直後は、確かに見応えがあった…と思ったが、書き込みを始めると何を書こうか。自分の記憶力のなさを嘆く。
冒頭、青年が自分の棺桶作りをしているシーンから始まり興味を持ったが、その後は誰の視点で進展したのだろうか?色々な場面があり、多くの視点が錯綜し感情移入がし難かった。確かに虚無・懐疑・嫉妬・羨望・狂恋・倦怠・絶望などを描いた場面はあったが、上手く関連付けられていたか疑問である。脚本・演出はもちろん演技も良かったかもしれないが、印象が弱いのだ。強いて残っているシーンは最後の「!」である。
やはり、モチーフのようなものが大切だ、ということを改めて感じた公演でした。

パンゲア【アンケート即日公開】
劇団バッコスの祭
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2014/05/15 (木) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
なが~いお話
いただいた案内ハガキの一言(長谷川栞サン)が、本公演を象徴していた。すなわち、「ながーい歴史をぎゅっとつめた」内容は、壮大なネーチャー及びヒューマンドラマであった。その展開は、宇宙の始まりから現代まで、それも世界中の出来事をピックアップしつつ…。
内容的には75分という時間の中でしっかりテーマを据え(少し教訓的)、悠々とした時空を楽しませてくれた。また、心地よいテンポは芝居を飽きさせない。
しかし、絵空箱という小空間に壮大なドラマを展開させるには、無理があったと思う。規格外企画公演と銘を打っているが、受付案内係役(長谷川サン)を除けば、10名のキャストが登場する。やはり狭い空間では、本公演で見せるダイナミックな演技は影を潜めた。まるで規格外の小さな服を着て、窮屈そうに演じているという印象を受けた。
なお、これは本公演を何回も観てきた比較感想である。
初めて「バッコスの祭」の公演を見る方には、十分楽しめると思います。

SEKI魔ツー
とまと野郎&さんまパイ
北池袋 新生館シアター(東京都)
2014/05/16 (金) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
満足度★★★
狙いは好きだが…
旗揚げ公演、やはりデビュタントは演技が硬くなるのだろう。脚本はあまりに現実離れしているため、オチに工夫があることを期待したが…。
さて、作為的に作り上げられた“ヒーロー”が本人の意思に関わらず破滅へ向かう。“ヒーロー”という名の陶酔、大衆操作…。ストーリー展開が強引というかご都合的で「何故」という疑問(募集方法、飛行実行など)が多い。芝居だから細かい事は言わないが、それにしてももう少し納得感がほしかった。
今の社会を風刺するような狙いは良かったが、その描き方に難があった。今後の公演に期待したい。

蟻の女王
タッタタ探検組合
ザ・ポケット(東京都)
2014/05/14 (水) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
満足度★★★★
深い話なんでしょうね
初見の劇団である。そして本公演の第一印象は、コメディかシリアスなのか不思議な感じであった。内容は真面目、その演出は底抜けにポップである(特定の役者の演技が突き抜けていた)。そこまでの演出と演技が必要だったのか。プロットがもう少し凝らしてあると違った印象になったかもしれない。表層的な面白さだけではもったいない。
蟻の生態を通して狭い社会の権力闘争、しかしそれをも凌駕する外界のチカラ、自然の摂理は時に無常であるが、そこにある”生”はどんな生き物でも尊い…なんて観念的なことをあえて強調する必要はないだろう。
しかし、芝居であったとしても、そこに”少しの主張”が見えてもよいだろう。”生態・社会の深淵、外圧そして希望”を大上段ではなく、そっと垣間見えれば満足だ。それもポップ調であれば明るく楽しい。個人的には足を運んで観る果実がそんなに大きくなくても、いっときを楽しませてもらえれば嬉しい(失礼な言い方かも…)。それがこの劇団の特長であれば尚更のこと。
蟻地獄ならぬ蟻天国のように「タッタタ組合」の芝居から抜け出せないという、心配と期待を込めて…応援しております。

ルーシアの妹
ライオン・パーマ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2014/05/15 (木) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
満足度★★★★
緩い教訓話かぁ
真面目なテ-マを取り上げたのだろうが、それがまとも過ぎる演出で印象が弱くなったようだ。
王道への道程は試練の連続…先述したが教訓色が強い芝居との印象であった。テーマの明確さに比べ、それを表現する演出が表層的でインパクトがない。いくつかの試練の場面が登場するが、その克服の難しさが十分伝わらない。演出面に難があると思うが、テンポはよく、観ていて楽しめた。

Being at home with Claude ~クロードと一緒に~
Zu々
青山円形劇場(東京都)
2014/05/14 (水) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
満足度★★★★
激白!
カナダ人劇作家 ダニエル・デュポア作の日本初上演として話題…執筆から30年が経っているとのこと。
キャストは4人だが、実質2人の会話劇である。舞台は、カナダ・モントリオールの裁判長執務室という設定である。円形劇場ゆえに、どの角度からも状況を説明できなければならない。セットは、執務机と取調用のテ-ブルがあるだけ。その間を行き来するあいだの会話でストーリーは展開する。自首してきた被疑者と刑事の取調が濃密…繰り返しの会話。
演技は独白の連続…息苦しいほどの迫力があったが、なぜか感情移入できない。取調べにおける緻密さが感じられなく、単に激情に任せたセリフになっていたと思う。
また、ストーリーとしては、もう少し”心理劇”的な要素を期待したいところである。

とける記憶
劇26.25団
駅前劇場(東京都)
2014/05/14 (水) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
満足度★★★★
狂気と切なさ
まず冷気との闘いであった。スタッフが冷房が効き過ぎているので、送風に切替るとの説明があったが、最後まで寒かった。また、自分の席から舞台上手が見ずらく、座るシ-ンには背筋を伸ばして観る…そうすると余計冷気を感じる。おかげで睡魔に襲われなかった(笑)。
さて本題だが、本公演は実際に起こった事件をモチーフに制作されているだろう。それを加害者の娘の視点から描く発想がユニークかも。加害者本人の性癖などの状況説明はあるが、その生い立ちは省略している。あくまで成人した娘の目線を中心に据えた描き方である。ストーリー展開によっては散漫になりかねないぎりぎりの演出だろう。だからこそ、過去(小学校時代の境遇)と現在(人目を避ける生活)とが交錯し、自分との邂逅が効果的に描かれる。その点は成功していたと思う。終盤は観客へのサービスか、または挑戦か。ストーリーが想定できるシチュエーションが反覆・漂流する…そして結末は藪の中。脚本・演出とも秀逸な作品だと思います。

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #12:STEAM 機巧人形と月の艇
セブンスキャッスル
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2014/05/13 (火) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
満足度★★★★
アドリブ力が勝負…
まず、舞台全体の雰囲気が耽美的で魅力を感じた。脚本は、オ-プニング以外は、上演直前に決められる役割に従って演じるらしい。機転が利いてそれをどう上手く表現できるか…。脚本があると言えるかわからないが、極めて斬新な公演だ。
アドリブゆえに早口になった感は否めない。観客に推理させるには早口の状況説明はつらい。もう少し落ちついたセリフ回しによる、丁寧な説明(理詰め)が必要ではないだろうか。
しかし、公演全体を通して面白いことは間違いない。次回公演にも期待したい。