えのきぃの観てきた!クチコミ一覧

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gymnopedia

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ミヤタユーヤ

中野スタジオあくとれ(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

もっともっと沢山の人に観てもらいたい!
チケットプレゼントで観劇。5分遅れで開演。
初日平日だからなのか、空席が目立つ。
しかし、この公演を見ないのは大変もったいないと思う。

この舞台を一言で表すとしたら、「調和している」。
脚本、舞台装置、音楽(音響)、照明、衣装、演出、全てが素晴らしい。
そして全てが計算され、この舞台はこれらのどれが欠けても成立しない。

脚本。起承転結がはっきりしていて分かり易い。
舞台装置。白と黒のコントラスト。シンプルかつ機能的。
音楽(音響)。公演中の音楽もだが、客入れのBGMも好み。
照明。色(特に青緑紫)や影の使い方が素晴らしい。
衣装。シンプルかつ機能的。照明&舞台装置との相乗効果大。
美術系は、本当に、互いの存在をアピールしつつ、それぞれをしっかり引き立てている。
演出。相棒が亡くなるシーン、二人の切り替えは見事。
役者。冒頭の長い説明で「“できる人”だな」と感じる。そしてミヤタユーヤが素晴らしいのは、登場人物に対してのリスペクトが伝わってくるところ。

唯一残念なのはスモーク。
もっと効果的に使わないともったいない。スモークで役者が見えなくなる時がある。非常にもったいない。
少しずつ出すとか、直接舞台上に出さないで、逆方向に射出して拡散させてから舞台に届くようにするとか…
そして客入れの前にスモークは充満させておくべきである。開演直前に、前からもくもくと煙が迫ってくるのは気持ちのよいものではない。

一人芝居で、使う音楽もピアノ曲だから、ぐわぁーーっと盛り上がるということはない。
だが、勢いだけの芝居なんかよりよっぽど観る価値がある。

ネタバレBOX

エリック・サティが「Eric」ではなく「Erik」と名乗り、山高帽に喪服(のような真っ黒の服)を身につけステッキ代わりの傘を持つようになった経緯の物語。
彼と、彼を見いだしその音楽活動を支えた相棒の物語。

エリック・サティを題材としているこの作品で印象に残るのは
「美しければ正しい」「楽しいのが正しい」

途中相棒は亡くなるが、百年後も彼に“生きて”欲しいとの願いから「楽譜を書け」と諭すシーン(それに反発するエリックの気持ちも分かる)や、エリックが相棒と出会った時にかけられた言葉を、相棒の最期に語りかけるシーンは感動的。
そしてその言葉はエリックという天才を象徴する言葉でもある。
ギョーザ丸、出港す

ギョーザ丸、出港す

トリコロールケーキ

新宿眼科画廊(東京都)

2013/11/23 (土) ~ 2013/12/04 (水)公演終了

好みの問題なのだろうか
くだらない。笑えない。
何が面白いのか分からない。
下手側の客は笑っていたが、私には全然笑えず。
私の前の客は寝ていた。
笑いの好みが違うのだろうか。
しかし、終演の時の拍手のなさが、その回の観客の評価の全てを物語っていると思う。

ホンキィ・トンク騎士(KNIGHT)

ホンキィ・トンク騎士(KNIGHT)

無頼組合

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/11/22 (金) ~ 2013/11/25 (月)公演終了

退屈はしない。でも興奮もしない。
シリーズものの五作目らしい。
五作も続く人気作品ということと、初めての人でも楽しめるという謳い文句(?)だったので観劇。
確かに、人物関係図が分からない、ということはない。
だが、仲間内の絆のような物を知らないので、そういうものが関係するシーンは入り込めない。
ラストシーンに泣けなかったのは、入り込めないまま終わってしまったからだと思う。

立ち回りや銃撃戦は、小劇場ではあまり見ない激しさと頻度。
終盤の銃撃戦は登場人物が「誰を相手にしてるか分からないよ!」と言ってしまうような混乱状態だが、客側には分かるような話の運びだった。

暗転中の動き(車に乗ってるシーン)は面白い。
敢えて客に見せて、そして揃える。直角に動く。

歌とかダンスとか、いらない。
アンケートで書かれてるなら改善したら良いのに。
それをバラしてでもやる必要はあるのか。
バラされたことで、終演後に「アンケートお願いします、私達アンケート大好きです」と言われても「書いても意味ないんじゃ?」と思う。

助手さん…発声何とかしてください。一人すごい浮いてる。

『タガタリススムの、的、な。』

『タガタリススムの、的、な。』

舞台芸術集団 地下空港

ギャラリーSite(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

リピしました
2回見ました。
一度目はチケットプレゼントで。少し遅刻してしまったこともあってよく分からなくて。でも理解したくてその日のうちに予約して。Wキャストでもないのに。
こんなことは初めてです。

初めて見る舞台装置。あれは本当に計算された造りでした。
ブラインドの使い方も実に効果的。
役者が袖に下がるように、舞台下部に隠れ、夜の森をその声で表現する所もすごい。
役者と客の距離がとても近いので、熱が伝わってくる。あの客との距離でも、役者は全力疾走し、立ち回りもあの近さでするなんて…

脚本はやや難解。理解力の乏しい私は2回でやっと、という感じです。
でも分からなくても、また見に来たいと思わせるこの吸引力。
そして言葉は悪いが、足を引っ張っている役者がいない。
白とジッパーで統一された衣装も素敵。

秘密保護法案が話題になっている今この時期にこの公演を行うということも、評価します。
私と同じように、重ねて考える観客はいるのではないでしょうか。

浦島サミット

浦島サミット

試験管ベビー

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2013/11/15 (金) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

笑わせていただきました
『僕が劇団を作ろうと思ったきっかけは、単純です。
 小劇場に触れたことがないごくフツーの人が「また見てもいいな」と思うだろう団体に、僕自身が出会わなかったからです。』from公演パンフレット

その劇団設立理念に違うことのない舞台でした。
少なくとも私は、「また観たいな」と思いました。
爆笑というよりは、「ははは(≧∇≦)」と数多く笑わせていただきました。
ネタだったり、間だったり、立ち居振る舞いだったり…やりすぎない所が良いです。
3月の公演も是非観たい。

受付はじめ、スタッフの方々も気持ちよい対応でした。

ネタバレBOX

全国各地にある浦島太郎に縁のある町の代表が集まって開かれる「浦島サミット」。
サミットでは、発表したり、色々討論しあったり。
それぞれの代表者の思惑や大人の事情が入り混じり、互いが互いを罵倒しあう事態に発展する。
各地の浦島太郎の伝承の違いが知れて面白いですよ。
ドリームマーケット

ドリームマーケット

劇団異空間

スタジオ☆異空間(愛知県)

2013/11/16 (土) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

何故ここまで延びる?
まず会場が駅から遠い。マンションの一室だか二室だかをぶち抜いた作りのスタジオなのだが、どこから入るのか分からず少しウロウロしてしまった。道すがら立て看板でもあると良いかも。

役者はバラつきあり。
そして板に立つなら、表現とか感情云々の前に滑舌大事なんだな…と痛感。
聞き取れないし、気になって集中できない。
そして、客席からどう見えているかを考えない役者が多い。髪型にしろ(顔見えません!!)、衣装にしろ(裾踏まないかヒヤヒヤ^^;)、立ち位置や身体の向きにしろ(客席にお尻向けすぎ、他の役者の真ん前に立たないで!)。

舞台にはトラブルがつきものだ。
そしてそれを互いがアドリブでカバーしあっているのには好感が持てた。
しかし。
私は公演後にも予定があったので、予め劇団に上演時間を伺っていた。それを20分オーバーしても終わる気配がない。
いや、終わるかと思うシーンはいくつかあるのだが、終わらない。
さすがに途中退席させて頂いた。
結局どれだけオーバーしたのか…そして何故ここまで延びたのか。
全部アドリブなの?事前に時間計らないの?(-ω-;)

脚本は色々とツッコミたい。
その曲って合唱曲?とか先生指揮するんじゃなかったの?とか場転してまであのシーン挟む必要あったの?とか。

海の見える街の探偵

海の見える街の探偵

82-party

劇場HOPE(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

いつの間にか引きずり込まれた
舞台の作りがまず面白い。
ハケ口は上手と下手、そして舞台中央の奈落。
暗転中は分からないが、劇中のほとんど登場人物はここから出入りする。

「アレンジバージョン」であるB班(齋藤圭祐バージョン)を観劇。

最初の方の探偵二人のやり取りの時点ですでに帰りたかったが、小心者の私は帰ることが出来ず。
その後の笑いパートでは、そういう心理状態だからか、観客は笑っていたが私はドン引き。

だが、結論から言おう。帰らなくて良かった。
彼らのシュールな笑いにいつの間にか引きずり込まれた。
いつの間にか笑っていた。
開演直後の台詞のまだない状態から、すでに伏線が張られ(それが分かるのは終盤)、私がドン引きしてしまったパートも、後の展開に繋がるので、削ることは出来ないな、と思う。
マイナスの評価から、高いプラスになったのはすごいことだ。

脚本構成は起承転結がはっきりしていて分かりやすい。
転から結にかけてのどんでん返しも良かった。
結で明かされた事実に、伏線がきれいに回収されたのも好印象。
ルパンのくだりで、曲をかけずに役者が歌うというのはツボにハマった。

息をひそめて―シリア革命の真実―

息をひそめて―シリア革命の真実―

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/11/11 (月) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

初めてのドキュメンタリーシアター
ドキュメンタリーシアターというものは初めて観た。
上演時間2時間強。
上演までの待ち時間にマックで寝てしまうほどの睡魔に襲われていたが、上演中は眠気とかどこかに吹っ飛んでいた。

シリア国民の声を一言一句変えることなく仕上げられた脚本。
7か月に及ぶ証言の数々を芝居として成立させているのがすごい。

現代に生きる日本人のほとんどは戦争を知らない。
劇中に「知らない人間は想像することだって出来ないんだよ!」という言葉が出て来るが、役者さんたちの演技はどういうことか。
役者全てがそれほどの熱演だった。

物語はどんどん暗い方向に進む。
シリア人同士が戦っている状況であるが、彼らの根底にあるのは宗教だ。
お盆くらいしか自身の宗教に触れる機会のない、ほぼ信仰心のない私にはこの感覚はよく分からない。

同じ地球に生きる者として、私達は知っていなければならない。私は偶然にもこの芝居を知って、今日観劇出来たことを幸運だと思う。

ネタバレBOX

自由を求めて革命(というか、初めはデモなど)を起こしたシリア国民。
最初は「国民に自由を!」「自由を手にするんだ!」と夢や希望に満ちていた。
そんな空気が、政府による弾圧や虐殺、それを知りつつも傍観を決め込む国連の対応、国内の争いがいつしか他国の争いにすり替わっていく(シリア政府を支援する国vsそれに反対する国)ことなどで絶望に変わってゆく。
一人の大学生が、その大きな濁流の中で、活動家になり、その後自由シリア軍に参加してゆく様は胸が痛くなる。

ジャーナリストのインタビューに答えている証言をそのまままとめたものなので、役者は観客に語りかける形式で物語は進む。
地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

ぬいぐるみハンター

小劇場 楽園(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

こんな話だったとは。
5分遅れで開演。1時間20分程。

これは面白い!
前半パートのマシンガントーク、あれ誰かが一度でも噛んだらお終い。
それでもやり切った。
後半パートの沈黙、あれ前半があるから更に活きる。
笑いだけで終わらず、シリアス(?)な展開もあり良かった。
このタイトル、このチラシでこんな話だとは想像してなかった。
もっとコメディ一色なものだとばかり…^^;

過去と現在を行ったり来たり。
最初の方はついて行けたのだけれども、途中から分からなくなり…
その瞬間「過去と現在がごっちゃになってるよ」って、まさにその通り!タイミングの良さに笑ってしまった。

机の上で見せる、別の場所のお話挿入もとても自然でした。
暗転も場転もないのに、こんなに見せるとは。
素晴らしかったです。

神戸ちゃんが何をしたかったのか、どうしたかったのか、もっと具体的に話していたら、結末も変わっていたのかも知れない。
彼の伝わらないもどかしさ、皆の伝わらないもどかしさ、両方とも分かるから、それがまた面白い。

最初と最後で神戸ちゃんの印象がここまで変えられるとは思いもしなかった。
結局神戸ちゃんも皆も20年どうしてたの!?
あの時、会社辞めたの?留まったの?


それから。
劇場の構造上仕方ないのかも知れませんが、席の前後の間隔をもう少し広げて下さい。
席の前後幅が大腿と同じ幅しかなく、列の真ん中の席を案内されたので(しかもリュックと両手に荷物あり)思わず「え、どうやって(あの席に辿り着けと)?」と聞いてしまった。

ビールのおじさん

ビールのおじさん

cineman

ワーサルシアター(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/10 (日)公演終了

方言の芝居って難しいですね
最近、方言で話す別の芝居を見た。
比べてしまっては悪いが、方言を話す芝居をするなら、まずはそれを自分のものにしなればなるまい。
「会話」になってるとかそれ以前に、言葉が自分のものになっていない役者さんがちらほら…

「ビールのおじさん」こと智良役、パートナーを失った母・倫代役、障害を持つ正役は良い意味で印象に残った。
智良役は、「あーいるいる、こういうヘラッヘラしたヤツ」というのが体現されていた。それは一種の照れ隠しだったりもするのですが。鹿児島弁も立ち居振る舞いも一番自然。
倫代役は「家庭の中を仕切ってきた母」と、「好きにするってどういうこと?と考え込む女性」の二面性を表現出来ていた。この二つの面でこうも印象が違うなんて…
正役は一目でそれと分かった。「(パソコンに)触らないよ」と言いつつ興味津々な所や、「馬鹿」と言われて怒り出す所などは本当にそういう子みたいだ。

脚本は、結末や理由を曖昧にしている部分が目立った。
「こうかもしれない」「いやこうなるのかも」といった考えさせられるものではなく、「あの二人って結局どうなったの?」とか「あの人結局何してたの?」とか。
自分はこういう所をハッキリさせておきたい人間なので、この辺りは消化不良。

すみません、それから智良が尚に関してしていた勘違いがどういった勘違いだったのか、私には分かりませんでした。
お客さんから笑い声も起こったので、分かる方には分かったのだと思います。私の理解力不足であることを願います。

吉田光希(映画監督)×河西裕介(演出家)『ハアトフル』

吉田光希(映画監督)×河西裕介(演出家)『ハアトフル』

浮間ベースプロジェクト

浮間ベース(東京都)

2013/11/04 (月) ~ 2013/11/10 (日)公演終了

試みとしては新しい、可能性を感じる。
この、浮間ベースという場所がまず面白い場所。
そしてこの場所で公演を打つ、というのに可能性を感じる。
実際、そういう出来だった。

しかしながら、「私は」この手の話は好きではない。
そして何もかもが未完成。
評価するのはあの場所で公演を行った、という事実だけ。

掴みは肝心。休憩室の会話、あんなにいらない。
脚本なんだかアドリブなんだか分からない。
どちらにしても、全編に渡り「会話」になっていない部分が多すぎる。
その後のストーリー的に、客はノらない方が成功だったのかどうかは知らないが、とにかくあの時点での客の反応のなさは、そこまでのプロローグで客が完全に冷めている状況だったことを理解してもらいたい。
私はこの時点ですでに帰りたかった。

アドリブパート(?)での「マジで?」「ヤバい」の多用は、他に言葉はないのかと思ってしまった。
若者らしさが出ている、と言ってしまえばそこまでなのかもしれませんが。

ネタバレBOX

公演前のあらすじ情報、まるで意味なし。
花火?豆乳?出てきてませんよね?

役者を目指す、女子三人の群像劇(という解釈で良いのか?)。
ただ、ダメ人間しか出てこない。
もう色んな意味でダメ人間。

暴力、ドラッグ、死にたがり、「死ね」連呼、堕落した性欲…
これらは私は好きではないらしい。

でもって、観ていてイタい。
彼女たち女優のたまごは皆こんな生活(役者になるために、好きでもないことで生計を立て、ヤり逃げ&盗みにあったり、個室マッサージ店でヌきを強要されたり…そして決まって母親に泣きながら「頑張ってる」と電話する)送ってるのか、とか考えてしまう。
そこまでしても大女優になれる訳でもない。
そりゃフィクションですから、どんな風にでも書けますが。

そして男性に注文。裸体を晒すなら身体鍛えて!
お笑いにしたくないのなら。


止むに止まれず!

止むに止まれず!

ソラリネ。

上野ストアハウス(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

芝居でこんなに笑ったのは初めて
チケットプレゼントの繰り上げで、Wキャストの鈴チームを観劇。

いやー…素晴らしかった。
自分でお金を払ってでも、もう一方の空チームを見てみたいとさえ思う。
お芝居を見てボロ泣きすることは多々あるが、こんなに笑ったのは初めてだ。
他の方も書いていらっしゃるように、脚本が見事!
ギャグに頼らなくてもこんなに笑える。
こんなに複雑に絡み合った話なのに、観客は全く混乱せずに観られる、練りに練られた脚本。
笑い所や泣き所の分配も文句なし。
そしてその脚本を見事に演じた役者さんの演技力。役者が役にぴったりハマっている。
きちんと役者が舞台の上で役を生きている。
あんなに大声出しているのに、誰一人として声が枯れていない。
あの広島弁も相当稽古したんだろう。

舞台上に時計があり、暗転もなく、時計がいじられることもない(劇中と実際の時間経過は同じ速度)ので、2時間が短いとか長いとかは思わないのだけれど、お腹いっぱいの2時間。

時間の流れが同じことで、泣かせるシーンと夕暮れが重なるのがまた涙を誘うのだ。
最初にちょろっと出た人物が、最後に総ツッコミを受ける人物であると誰が予想しただろうか。

ネタバレBOX

音信不通だった息子が、婚約者を連れて帰って来るという。
しかし「息子」は「娘(いわゆる男の娘ではない)」になっていた。それをカミングアウトする前に、家族(と住み込み従業員)は「息子」を「息子の婚約者」と勘違いする。
そこから嘘と勘違いの連鎖が始まる。ここまでが笑いパート。

勘違いが解けた後は泣きパート。
ここは泣けたなぁ。
二人のことを認めることになる、父と婚約者の飲み比べも。

そして万事解決!と思いきや、まさかの白タキシード!?え、お姉ちゃんも?
……って、お姉ちゃんは何でもなく、なぁんだと思ったのも束の間、「父ー!!p(`Д´)qおいぃー!!」と観客と家族らにツッコませる二段構えのラスト。
あんなに良いこと言って、婚約者を試したあの飲み比べも台無し!父ー(;´Д`)もうっ!!

登場人物の中で唯一全ての真実を知り、各人がどのように勘違いしているかを把握しているのは住み込み従業員。家族に一番近い赤の他人という所がまた面白い。

一つだけ注文するとするならば。欲を言うならば。
あきら役にもっともっと女性らしさが欲しい…かな。
女形が女性らしさを研究し尽くして、女性よりも女性らしく見えてしまうような、女性が惚れ惚れしてしまうような。
それか、ふとした瞬間に男らしさが垣間見えてしまうか。
普通の、かわいいと言われて喜んでいる女の子だったので。

ピアノレッスン、なう。

ピアノレッスン、なう。

黒鯛プロデュース

サントリーホール ブルーローズ(小ホール)(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

うーん…(-"-;)
チケットプレゼントで観劇。5分遅れで開演。
客席に高さの違いがなく、椅子は皆同じなので最後列はなかなか見づらい。

何が見せたいのか、伝えたいのか、よく分からない。
ピアノ演奏なの?お笑いなの?ミュージカルなの?演劇なの?

ターゲットは年齢高めの方々なのかしら。
よく笑ってくれる客達でしたが、私には全然笑えず。
笑いを取りにいってるなー…というのが分かりすぎて、でもそれが残念なものが多くて。
サントリーホールで公演するにはサントリーにこんなに媚びを売らなければならんのか、とも思ってしまう。

脚本にも全く感情移入できず。
物語が動くポイントが、いつも唐突過ぎる。
入り込めないから、多分笑いもできないし泣けもしないのだと思う。
私はお芝居見てボロ泣きするタイプなのだが、今回は…。
95分の芝居だったのだが、半分くらいから帰りたくて仕方がなかった。救いだったのは事前に公演時間が知れた(ゴールが分かっている)ことか。

ただ、ピアノ演奏は素晴らしかった。
初回の演奏が始まった途端に客を黙らせた。
ピアノの練習シーンは面白い。
子供向けのピアノ教室だと、こんな感じに教えてるのかな、と想像できる。
私もピアノは弾けないが、こんな教室なら今からでも通いたい。

未来を忘れる

未来を忘れる

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

やはりアトリエ公演は好きだ!
いやー…言葉にならない。本当、すごいものを観てしまった。
衝撃がすごい。
少しくらい予定をねじ曲げてでも観る価値はあったし、チケット代以上のものを頂いた。

劇場に入ってまず衝撃。
舞台は客席側以外(舞台の床、両側面、天井、奥)をすべてベニヤ板で囲ったもの。
そこに奥行きのある映像を映し出している。
今までの文学座では見たことがなく、アトリエ公演の精神である「挑戦」をまず感じる。
この舞台装置の使い方(奥部分が開いて役者がそこから出入りする!産まれるシーンは印象的!)やWi-Fi、スマホ(?)といった文明の機器を使った舞台づくり、とても良かった。
横方向から当てられた光源によって出来た影も計算された舞台だった。

一つ一つの言葉が突き刺さる。一つ一つの言葉に考えさせられる。休むことを許さない。
だから、見終わって結構疲れた。しかし嫌な疲れでは全くない。
個とは、全体とは。孤独とは、愛とは。生とは、死とは。
そして人間とは。

人間、死者、ゴキブリ人間。
こんなに沢山の人種が舞台上に同時に存在し、時系列もバラバラだが、全然混乱することはない。素晴らしい。
前半1時間20分、後半55分でしたが、私には全然長くなかった。

文学座の役者さんは、本当に鍛えられていらっしゃる。
自然。ちゃんとそこに存在している。
この長時間の公演を、長いと思わせない演技力。
全役者さん素晴らしかったです。

この舞台を完成させた全ての方に讃辞を送りたい。
いやー…本当にすごいものを観てしまった。



3≒1

3≒1

劇団芝居屋かいとうらんま

御浪町ホール(岐阜県)

2013/10/25 (金) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

台詞噛みすぎです
一つのホテルの中で、現在*過去*未来が同時進行します。

あの人物は本物だったのか、詐欺師だったのか?
私の理解力の問題なのか、敢えて分からなくしているのか?
今は今なのか、過去なのか?
この入り交じり方、成立させるのはすごい。

しかしながら、弱い、話の繋がりや動機が。

千里眼さん、あの空気を演じるのは彼にしかできないのではないかと。
あの「開いています」は耳に残る。
Wキャストということなので、もう一人の方も見てみたかったです。

お父さん、詐欺師という役柄で色々な人物を演じていらっしゃいました。演じきりました。
役者陣の中で良い意味で飛び抜けていました。

ガラ版 夢見る機械

ガラ版 夢見る機械

ガラ劇

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

冒頭シーンは圧巻!
全方向舞台の観劇は初めてでした。
自分の席が舞台(というより「劇場」)のほぼ中央だったのですが、自分が役者さん達の中にいるというのは不思議な感覚ですね。

前説兼世界観の説明も自然で、その流れからそのまま本編へ突入。
あのような前説も初めてで新鮮でした。

冒頭の役者陣総出のシーンは圧巻の一言!
ここで心を奪われてしまいました。
あれは1ヶ月経った今も忘れられません。

現実と仮想世界が入り混じり、至る所で不可思議な事件が起こるところまでは楽しんで観られました。
しかし、後半(ウサギが出てきた辺り)から話の内容が複雑すぎて付いていけませんでした。
なのでいくら涙を誘う(らしい)展開でも泣けないし、それぞれがアツく「私は機械!」と叫ぶラストシーンも分からないから白けてしまいました。

色々設定が多すぎましたね。
当日パンフレットの半分が用語解説で埋まってましたからね。

月光カノン

月光カノン

劇団ジャブジャブサーキット

ザ・スズナリ(東京都)

2013/10/24 (木) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

私は好きです
脚本は素敵だと思います。
前説で「お客様の想像力をお借りします」とお話しされていましたが、途中までは本当にその通り。
でも最後には伏線は回収されて終わりますのでご安心を。

お互いに異なるはずの空間が、停電の夜、月明かりの下に重なり合う。
現実と物語の混在。
しかしながら、見ていて無理もなく、すんなり受け入れられるし、混乱もしない。
素晴らしい(この手の構成は訳わからなくなること多数←私の理解力の問題!?)。
笑わせる所もあり、最後には泣かせる所もあり。

脚本は素敵なのですが、それを役者さんが演じきれていないのが(-ω-;)…うーむ。
掴みは大切です。
公開ゲネとはいえ、あまりにエンジンがかかっていなかったのでは?
後から出てきた役者さんに引っ張られる形で何とか会話になった感じが否めません。

澄子さん、いい人ですね。
あんな空気を持つ人間になりたい。
澄子本人の言動でもそれは分かるのですが、息子や娘の言動からもそれが分かるのが面白いし、素敵。

佐伯さん、神父さん、他の役者さんを引っ張ってくれました。
このまま一時間半続くのかとげんなりしていた私ですが、途中退席または居眠りせずにすみました。

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