秘密基地vol.10
Juggling Unit ピントクル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/11/14 (木) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★
■約155分(途中休憩込み)■
まず、全体の構成・演出に難。もっと洗練された公演を志向すべきでは?それから、片やビデオカセットから引き出したテープ、片やノートパソコンと、変わり種の素材を使ってジャグリングした2組。何かテーマがあったようだが、尺が長く思わせ振りなだけで、何を伝えたいのかまったく届いてこなかった。
ただしヤクザを除く
笑の内閣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/11/07 (木) ~ 2019/11/11 (月)公演終了
満足度★★★★
■約95分■
作者である高間響演出の初演に対し、今回の再演は笑の内閣の常連アクター・髯だるマンによる演出。演出を専門としない人がどう演出するのか、その点に興味を惹かれて鑑賞したが、人権論を語り出すと急に生き生きとまくし立てる普段は暗くてムッツリしたピザ屋バイト青年の豹変ぶりなど、うまく演出されていた。
ドクター・ホフマンのサナトリウム 〜カフカ第4の長編〜
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2019/11/07 (木) ~ 2019/11/24 (日)公演終了
まさに世界の終わり
ハチス企画
アトリエ春風舎(東京都)
2019/11/08 (金) ~ 2019/11/24 (日)公演終了
街の下で
今泉力哉と玉田企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/10/24 (木) ~ 2019/11/04 (月)公演終了
IMG_antigone_copycopycopycopy.ply (あるいは暴力による無意味な無のための 新しい音楽のための暴力)
お布団
アトリエ春風舎(東京都)
2019/10/31 (木) ~ 2019/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
■約95分■
古典劇を現代、さらには近未来までをも貫く物語として大胆に再構成。最新技術を支配の手段として用いる愚をやめられない人類のおぞましさを負の想像力全開で描き出した凄まじい一作。
小刻みに 戸惑う 神様
劇団ジャブジャブサーキット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/10/17 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了
墓場、女子高生
月刊「根本宗子」
ザ・スズナリ(東京都)
2019/10/09 (水) ~ 2019/10/22 (火)公演終了
満足度★★★★
■130分弱■
60分の高校演劇版を以前観てチンプンカンプンだったこの作品。今回ねもしゅう演出版を観てようやく分かった。やっぱ、若者の死は謎めいてなきゃダメだな。さすがねもしゅうだけあって笑わせどころもひとつひとつきっちりとキメてくれて、楽しめました。役者としても素晴らしく、主役の女子高生に扮しての凛とした演技は、これまで観てきた彼女の演技のベスト。
そう思うなら、尚更。
小岩崎小企画
新井薬師 SPECIAL COLORS(東京都)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
■約105分■
短編集でありながら、全体が“生死”というテーマで貫かれ、とてもよくまとまっていた旗揚げ公演。今回、そこまでの一貫性はなかったものの、全五編中、三編が優れた出来映え。
うち一編は、不可抗力により日に日に意思疎通が難しくなっていく夫婦の悲しみを描いた吹原幸太脚本・演出『ミニマム』。そしてもう二編はともに小岩崎小恵脚本作品。本人演出による『君を守る千匹の犬』も、吹原幸太演出による『あなたのいない人生なんて』も、“人間、この奇なるもの”へのやさしい眼差しが感じられて、観終わった後、胸がじんわり温かくなった。
小岩崎さんという人は、善悪という尺度なんかじゃ測りきれない、複雑怪奇にして滑稽至極な人間というものに、ゾッコンなのだなぁ。
第三回公演は一本モノを期待。長編を仕上げるのは短編をものするよりもずっと大変だろうけれど、今回示された脚本力を持っていながら長編に挑まないのはもったいない気がしてしまう。
ワーニャ伯父さん
都市雄classicS
アトリエ春風舎(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/07 (月)公演終了
満足度★★★★
■約125分■
ワーニャ伯父さんをはっきりと鬱病患者として扱う、あまり例のない上演。それはさすがにやりすぎだろう、と最初のうちは思ったが、おかげでドップリ感情移入しながら鑑賞できた。オーソドックスな上演だったら、昔の外国のお話として、物語そのものもワーニャも、遠く感じられたにちがいない。
ただ、役と役者の結びつきが固定的でなく流動的な今様の趣向が採られている上、セリフの同時多発も多いので、事前に青空文庫で戯曲を読んでおかないと、観ていて頭が混乱するおそれも。
ユー・キャント・ハリー・ラブ!
弦巻楽団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/07 (月)公演終了
満足度★★★★
■約95分■
頑固な恋愛否定論者だった独身のシェイクスピア学者が、人生も晩年にさしかかって初めて異性を好きになる。その恋模様が、手違い・行き違い・思い違いに満ちたシェイクスピア流“間違いの喜劇”チックに描かれる面白さ。恋の相手を演じる女優も魅力に富み、しあわせな90分でした。
「海につくまで」
津あけぼの座
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/09/28 (土) ~ 2019/09/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
■約75分■
大過を犯して極道の世界にいられなくなったならず者二人が芸人をしながら南へ向かう逃避行を描いた、ジェットコースター・ロード演劇。坂口修一と小菅絋史。確かな演技力とコメディアン的資質、そして高い身体能力に恵まれた二人が、元ヤクザの芸人以外に何十役も演じながらいくつもの物語を紡いでいく舞台はアクションと笑い、そして“人手不足の学芸会”的B級感に満ち、スピーディーな展開も相俟って、息をもつかせぬ面白さ。それていて時にホロリとさせてもくれて、まさに子どもからお年寄りまでが楽しめる演目。劇中のコンビ「エンジェル・ブラザーズ」は全国の老人ホームや温泉施設を回って日銭を稼いでいるが、あうんの会は他ならぬこの演目をひっさげて全国巡業してはどうか?アフタートークでも話されていた通り、話の骨格がシンプルで足し引きがしやすい内容なので、客層に合わせて内容を微調整しながら学校、刑務所、老人ホームなどを回ればどこででもウケるはず。本作、それくらいの普遍性がある。もちろん評価は星5つ!
蜜をそ削ぐ
シラカン
STスポット(神奈川県)
2019/09/20 (金) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★
■100分弱■
いつとも知れない、どことも知れない時空間を舞台に、謎をはらみながら進んでゆくかなり抽象的な物語。社会というものが生まれ、歪み、軋んでゆく過程を表現した劇だと小生は見立て、あれは何を意味するのだろう、これは何を表すのだろうと、深読みを楽しみながら観ていたが、それも途中まで。あの「子ども」をどう解釈すればよいのか皆目わからず、中盤以降は狐につままれたような気分で鑑賞。
あつい胸さわぎ
iaku
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/09/13 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★
■110分弱■
子育てと養育費稼ぎのための仕事に追われ、女を忘れたままイイ年になってしまったシングルマザーのおばさん(あえてこの言葉を使います)が女を取り戻し、恋愛することは可能か?本作のテーマの一つである、この問題に強く関心を持って鑑賞したのだが……
ベンジャミンの教室
電動夏子安置システム
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2019/09/18 (水) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
■約120分■
税制というものの必要悪的側面に光を当てた、納税啓蒙演劇として秀抜な一作。それこそ、この演目をひっさげて学校回りをしてもよいのでは?むろん、間違いが間違いを呼ぶ電夏流コメディとしてまとめてあるので、子どもたちは笑いながら税金の何たるかを学べるはず。長編ながら、連作短編集のように見せていく演出もいい。いつもより狭い小屋での上演で観客との距離が近く、ライブ感が際立っているのも醍醐味。
ルイ・ルイ
快快
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/09/08 (日) ~ 2019/09/15 (日)公演終了
満足度★★★★
■約115分■
思索的・哲学的でありながら、バラエティ・ショーとしても秀抜だった2014年上演『へんしん(仮)』を観て以来のファン。バラエティ・ショーとしての出来映えは『へんしん(仮)』に軍配が上がるものの、“現実がつらくとも、これがあるから大丈夫”と思えるものを追求してゆくというコンセプトを舞台芸術として巧みに、豊かに表現していて、魅せられました。
シュカシュカ
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2019/09/12 (木) ~ 2019/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★
■90分弱■
ただ笑わせるだけでなく、ちょっとしんみりさせもするあひるなんちゃらでした。ココ、たまにやるんだよなぁ〜、こういうの。夏に多い気がする。年輪を重ねた女性たちならではの、お互いを許し合う寛容な人間関係がいつもより尺長めで描かれていて、ほんのり胸が温まって、堪能しました。
なるべく派手な服を着る
TABACCHI
小劇場B1(東京都)
2019/08/28 (水) ~ 2019/09/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
■約115分■
土田英生という人は、会社、家族などの社会集団の虚構性を暴き、そのヒエラルキーをかき乱して笑いに転化するのがとても巧い。
その土田氏による傑作家族劇。
設定・筋立てが面白い上、役者力・演出力によりドタバタ劇としても秀抜、じつに楽しく見応えに満ちた2時間でした。
MONOによる初演の評価が3.7と低め(2019年8且31日時点)なのが不思議。
プレイハウス
パルコ・プロデュース
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2019/08/25 (日) ~ 2019/09/01 (日)公演終了
満足度★★★★
■170分強(途中休憩込み)■
ギャングパレードの軽快なパフォーマンスに、それと釣り合いの取れた笑い多めの重すぎないストーリー。いいバランス。楽しみました。ただ、一方で、チケット代に見合った重厚な物語を見せてくれよ、って思いもある。
ギョエー! 旧校舎の77不思議
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2019/08/15 (木) ~ 2019/08/25 (日)公演終了