満足度★★★★★
■約75分■
大過を犯して極道の世界にいられなくなったならず者二人が芸人をしながら南へ向かう逃避行を描いた、ジェットコースター・ロード演劇。坂口修一と小菅絋史。確かな演技力とコメディアン的資質、そして高い身体能力に恵まれた二人が、元ヤクザの芸人以外に何十役も演じながらいくつもの物語を紡いでいく舞台はアクションと笑い、そして“人手不足の学芸会”的B級感に満ち、スピーディーな展開も相俟って、息をもつかせぬ面白さ。それていて時にホロリとさせてもくれて、まさに子どもからお年寄りまでが楽しめる演目。劇中のコンビ「エンジェル・ブラザーズ」は全国の老人ホームや温泉施設を回って日銭を稼いでいるが、あうんの会は他ならぬこの演目をひっさげて全国巡業してはどうか?アフタートークでも話されていた通り、話の骨格がシンプルで足し引きがしやすい内容なので、客層に合わせて内容を微調整しながら学校、刑務所、老人ホームなどを回ればどこででもウケるはず。本作、それくらいの普遍性がある。もちろん評価は星5つ!