マガランの観てきた!クチコミ一覧

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鈍色の、ブルウ。ありがとうございました!

鈍色の、ブルウ。ありがとうございました!

matsucarpone

風みどり(東京都)

2014/07/25 (金) ~ 2014/07/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

20回やる
この企画の勢いからして素晴らしく、演劇関係なく人としてこの気概を見習う方が良いなと思った。

ネタバレBOX

等身大の彼女から語られる一遍のおはなしといった印象。

最初は緩やかに詩的な童話っぽいイメージ。
途中、たまねぎを用いて話を展開させる場面は面白く良かった!
太宰治の短編を参考として用いているが、
もう少しシンプルな話に持っていくとさらに良いなと感じた。

ただ彼女は今、真っ白い画用紙。
演劇か映像か、日本全国、世界中に飛び出す彼女のこれからが楽しみ!
非常の階段

非常の階段

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

非常の階段
すでに2回観たけれど、鳥肌が立つ。終盤に押し寄せる波が凄い。ラストの群舞もさすがです。欲を言えばもっと観たかったかなとも思う。家族については緩やかな崩壊とまでは言わないけれど、瓦解というか別離なのかも。時が経てば、状況が変われば、離れなきゃいけないことがある。詐欺という行為にしても違う側面から描き、思想についても押し付けがましくなく、ヒリヒリと伝わってくる。照明の具合がとても良い。もっと演出の意図を知りたい部分があるけれど、これは好きな作品です。

騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

革命アイドル暴走ちゃん

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

東京公演の最初
初めて観たカオスな40分。

ネタバレBOX

これまで気になっていたがついに観た。
どんなだか得体の知れない緊張感あったけど、
興奮した。

情報が過多過ぎて、
前方の舞台や両サイドを色々見渡していると、
水が飛んできた(笑)

まかれた制汗スプレーの複数混ざった匂い、
紙吹雪をはじめ色んな小道具も飛んでくるわ、
豆腐は塊のまま頭を直撃。
かつおぶしもまかれていたり、
風船とかそして客席の間をキャストが行き交い、
観客に話しかけたり。

ずっとカオスかというとそうでなく、
ちゃんと構成されていて全体を通して
抑揚がついているなと思った。

まさかここでもレ・ミゼラブルの「民衆の歌」を聞けるとは。
戦メリのところは印象的だったな。
最後のヲタ芸のところは盛り上がる!
宇宙船

宇宙船

3.14ch

王子小劇場(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

未知へと遭遇する過程で
しっかりSFであり、人間というか生命のドラマでした。

舞台美術がまず圧倒的。
世界観に入るには、これ以上のものはないと思う。

ネタバレBOX

手塚治虫の『火の鳥 未来編』を思い出す。

後半、主人公ミシマがたった一人になっても生き続ける場面。
藤子・F・不二雄の短編でも、
遠い宇宙の彼方へたった一人行く話とかあったけど、
ずっと一人、孤独でいることへの得体の知れない不安を感じた。

必ずどこかに誰かがいる場所にいた経験しかないから、
ある意味、究極の環境ではないのかなと。

それを受けて、
かつては仲の良い友人でありながら、
この「マンダラ号」に乗ってからは
あまり上手くいかなかったアラノ、パンドラとのそれぞれの関係も
コールドスリープで生き永らえた二人とミシマが再会し、
別れがくるところはぐっときた。

冒頭の旅立ちから、テロ(宇宙船内における革命)が起きて、
その次の世代では下層(奴隷)階級の子孫が中心となるが、
自由と平等を標榜するも生活や言語は退廃し、享楽的になる。

ゆるやかな統制が必要か、と言わせるのは皮肉めいている。

この場面では映画『26世紀青年』が思い浮かんだ。
こちらは500年先の未来の地球をバカバカしく描いたコメディだけど
下らなすぎるのにだんだん笑えなくなるというすごい作品。
それにも通じるような気がした。

A→Bの順で両方を観て、
見た順番も関係するのだろうけど、
1度目は衝撃が強く、2度目でより深く世界観を理解した。

ミシマとヨニ・ニャンニャンにスポットが当たって
過去のミシマと、かつて付き合っていたエスに
切り替わるところは印象的で好きなシーン。

佐藤拓之さんに圧倒された。
Aでは主人公の友人アラノ、Bでは主人公ミシマ、
対象的な役柄を見事に演じ分けられていて魅入った。

Bバージョンの鵜沼ユカさんのヨニ・ニャンニャンは
変化に富んでいて魅力的だった。

山田宏平さんの存在感と凄さ、
山森信太郎さんの安定感はさすが。

鳴海由莉さん、愛らしい。
松本みゆきさんは前に見た日本のラジオの時とはうって変わって
大人の女性の魅力を感じた。
This is 30

This is 30

シンクロ少女

スタジオ空洞(東京都)

2015/01/23 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

彼らの行く先には何があるのか。
なんか楽しかった。笑った。よく笑ったな。

ネタバレBOX

30代の三兄弟のはなし。
一番上の兄弟にお金をせびるマイペースな兄貴(泉政宏)。
やりたいことをやっているが優柔不断な次男タクミ(横手慎太郎)。
堅実で真面目な三男ジュン(中田麦平)。
タクミと8年付き合った元カノ、ミナ(名嘉友美)。
家族の墓参りの帰り道、各々言いたいことがある三兄弟が・・・。

もう30過ぎてちょうど自分にとっても年代がど真ん中だった。

ああいった兄弟というか、先輩後輩や友人でも
色々共感できる関係性でなんだかんだ持ちつ持たれつなのが良い。

彼らの行く末は暗にシンクロ少女という劇団の行く末なのか。
そう思わされる台詞のやり取りが自然で面白い。

自分にも重なるから、
悲哀とか鬱屈とか絶望とまではいかないけれど、
マイナスなものも感じられそうなはずなのに、
この作品を観ていると
なんか別にそんなに暗いわけでもないなと思えたり。
マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

劇団ショウダウン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっとの思いで
念願が早くも叶い、観る事ができた。以下、ネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

実在の海賊、"ブラックサム"ベラミーこと
サミュエル・ベラミーを主人公に
彼が海賊となって自由を得るための
短い冒険を描いたファンタジー活劇。
・・・を、一人で演じるという。

語り手(終盤にある登場人物であることが判明)や
主役から各登場人物まで目まぐるしく演じ分けて
本当に凄かった。久々に鳥肌が立った。

登場人物のほとんどが男で、
実在の大海賊、黒ひげことエドワード・ティーチなど
男の中でもアクの強い男を演じるのには苦労があっただろうが、
それほど違和感なく自然に観てた。

特に主役のベラミー、ベラミーと馴染みの少年アジク、
数少ない女性何人かは
他との違いが鮮明でかつ見応えあり、魅力的だった。

ラストの会戦は、あの『レ・ミゼラブル』のバリケードでの戦いを
彷彿とさせるような激しさ、もの哀しいイメージが思い浮かんだ。

その辺りで出てくるファンタジックな内容も
荒唐無稽な感じはせず、自然と物語世界に溶け込んでいた。

途中に劇から離れない形でアイスブレイクする場面もあり、
ある意味画期的だった。
下手したらそれまでの流れを白けさせる可能性もあったが、
そんなことは全くなかった。
役者の負担を考えたら、心情的に気に留めない感じだった。

ただ一つ、他の方の感想を観て同じ感じていて、
語り手があまり説明的に情報を伝えすぎない方が良いのではと感じた。
人物や物事の説明にも枕詞が多い部分もあったので、
そこをもっと組み替えていけると良いのかなと。

しかしそんな点も心情的に気持ちがこもっており、
いくつものシーンに魅せられていて
とても良い演劇体験だった!
鬼のぬけがら

鬼のぬけがら

ナイスコンプレックス

OFF OFFシアター(東京都)

2015/01/21 (水) ~ 2015/01/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

自ら鬼となったことに気付けた者は何かを救うのか。
これはキムラさんにしか描けない物語だと思った。

ネタバレBOX

キムラ真さんの出身地、宮城県亘理郡亘理町荒浜を舞台にした作品。
「3.11」、東日本大震災に真っ向から挑んでいた。

私は東京都在住、実家が神奈川の首都圏、
震災については当事者ではない。
母方の祖父母が宮城の内陸出身。
震災の1年後に南三陸に行った事がある。
・・・と書いたけれど、結局そんなパーソナリティは一切関係ない。
この物語を観るのは誰が観たって良い。関係あろうが、なかろうが。

震災当事者についての表現は
取材などに基づいているのだろう、純粋に直球。
おそらくテレビとか開けたメディアにはあまり広く伝えられない。
それぐらい本当の暗い部分とかも直接踏み込んで描かれている。
実際に訪れたキムラさんだからこその作品だと思える。

鬼という存在が登場する童話が出てきて、
レッテルを貼る、恐れの対象が状況によって移り変わる。

人は楽をしたがる、求める欲求があるから、
その場の状況により、流されるし、視点も変わる。

主人公の父、克己が鬼となる選択をしたこと。
周りの鬼になっていることに気付かない者たちにも
良し悪しでは判別できないものがある。
どの登場人物に対しても感情が移入でき、
それでいて現実の親子、家族の話とお伽話が
無理なく共鳴しているのが、味わい深く良い。

おぼんろの末原拓馬さんは
お伽話的な要素を加えるのに十二分に魅力を放つなと感じた。
彼自身が創る劇団の作品がファンタジックである故かもだが、
ナイスコンプレックスの座組みでよりリアルというか、
胸に気持ちよいくらいストンと感情や思いが落ちてきた。

本当にどのキャストも誰一人例外なく素晴らしく世界を作っていた。

海の荒れによって環境が一変してしまったものの、
最後は海に帰るという結び方も心に残る。

このカンパニー全員によって
生み出された素晴らしい世界に感謝したい。
悲しみよ、消えないでくれ

悲しみよ、消えないでくれ

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/01/23 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

誰が悲しみを理解できるのか。
派手さがないのに、ここまで引き込まれる芝居はあまりなく、個人的には圧巻だった。

ネタバレBOX

<あらすじ>
杉浦寛治(でんでん)が経営する雪深い山荘。
2年前、麓で起きた土砂災害で長女・一葉を失い、
今は次女・梢(生越千晴)と
一葉の恋人だった新山忠男(古山憲太郎)と暮らしていた。
そして梢が家を出て行く前日、
お別れ会の準備のため、山荘の荷運びしている
阿部友之(津村知与支)と陽菜(伊東沙保)夫婦が出入りする中、
一葉を偲ぶため、新山の大学時代の山岳会仲間が山荘にやってくる。


作りこまれた山小屋の客間の美術が良い。
コの字型で三方向に客席が構えられ、客席からの距離が遠くない。
一番遠い正面の後方から俯瞰するように観ていたが、
それでも遜色なく楽しめた。

個人的に何度か東京芸術劇場のシアターイースト、ウエストを訪れた中で、
通路を潰してできた桟敷席に当日券のお客さん達が
目一杯埋まるのはワクワクした。

自然な現代口語形式の会話劇で同時に会話が発生したり、
ぼそっとしゃべる声や小さな音が多少聞きづらいこともあったが、
それで面白さ、魅力を損なうことなく集中して観た。
大事が起こる派手さはなくシンプルながら、とても見応えがあった。

全編を通じて笑ってしまう場面があるのも、飽きない。
でんでん演じる寛治の掴みどころのない飄々とした様など
挙げたらキリがない。

他では例えば妻にDVをしていた友之が
ある場面では最も的を得た台詞を言ったりする。
問題によって各登場人物の立ち位置が切り替わるのが、
ごく自然でそれが面白さを引き立てる。

・なぜ新山は一葉の実家にいるのか。
・なぜ梢は山を下りるのか。etc.

そういった疑問、登場人物各々が抱える問題や秘密が
新山と陽菜の不倫を友之が暴露することで、
数珠繋ぎに発覚していき関係が崩れていく。
張りつめたサスペンス的要素よりも、
それこそ前置きのない暴露などによって
じわっとありふれた空気がいつの間にか変わる様に見入っていた。

作・演出の蓬莱竜太さんの
「亡くなった方を大事に扱わなければいけない、
そういった命のタブーに挑んだ」という旨の内容が
当日パンフレットに書いてあった。

このタイトルにある「悲しみ」とは
「亡くなった者を悼むこと」だろう。
だがそれが消えたり、無くなったりするのは、
ある意味では自然なことだと思う。
忘れてしまうことは悲しいが、
悲しみにいつまでも囚われているのもどうなのか。
これは新山以外の人間、
劇を観ている観客も含め一般的に持っている感情だろう。

ただ今作でいう「悲しみ」は、
一方では、新山の今の安穏とした生活を保障するもので、
無くなるとその生活は破綻してしまう。
他方では、あくまで徹底的に優柔不断でダメ男の新山が、
それでも一葉を好きだったという気持ちを
忘れずに悼むことも含まれているように思えた。

だが彼が徹底的にダメであるが故に、
不器用に言い表せない(一葉が好きであるという)感情は、
誰にも理解されず、否定されてしまう。
人は情けないが、情けないままでいれないのも
事実というのが残酷に伝わってくる。

そんな新山ですら、その存在が
寛治にとって実は支えになっていたことが分かるラストは
心に残った。
必要とされている、と思う病気

必要とされている、と思う病気

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2015/02/14 (土) ~ 2015/02/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

必要とされている、と思う病とは何か。
やっぱり箱庭円舞曲は好きだし、凄い。

ネタバレBOX

主宰で作/演出の古川さんが
実際に結核に罹患した経験が元とのこと。

結核という病に対するだけでなく、
病院での入院生活、
病院で働くこと、
社会から外れまた戻ること、
必要とする/されること等々
色んなものを内包しながら、
自然と見応えのある作品となっていた。

まず中年患者の永源(清水大将)の態度から
患者が必ずしも弱者ではないという
一般的なイメージの覆してくれるのが良い。
他の場合でも当てはまるが、
医療というサービスを受ける側が
「客である」という姿勢を傘にしたとき、
提供側を破綻に向かわせることもあり、
非常に難しい問題だと思った。
そんな永源もラストで
散々嫌がっていた病院から退院する際、
表の世界へ行くのを「地獄への帰還」と表現する。
病院や医師を散々批判されるが、
それでもある程度守られている皮肉がじわっと伝わる。

彼も含め入院によって
社会の流れから外れたという視点では
戻りたい者、戻りたくない者の事情も
じんわりと浮かび上がってくる。

高校教師の岡(家田三成)は、
結核を生徒に罹患させたことによるトラブルが炎上し、
休職扱いとなっている。
戻る場所ももはや無いも同然で、
それによって彼を病院から出たがらない。
彼の飄々とした様子とは真逆の悲哀が
やるせなく、とても芯に響く。

矢久保(大塚宣幸)は保険をギリギリまで
受け取って楽をしようと病院側を困らせる。
そんな彼も一度表の世界へ戻って再度病院に帰ってきた時に
自分の存在の必要性についての現実を思い知らされる。

看護師側でも
ベテラン師長の八重津(ザンヨウコ)、
中堅で派遣扱いの村川(前田有貴)、
新人正看護師、恵(白勢未生)も
それぞれの立ち位置や仕事や患者への向き合い方で
齟齬や行き違い、トラブルが生まれる。
新人の立場も分かるし、それを教育するベテランの悩みも分かる。
ラストで死なせてしまった患者に対して、
新人の恵が辞めるなどと言い出さなくて良かったと思った。
辛いことから簡単に逃げ出すことは容易だが、
それでも向き合っていこうとする微かな希望が
若い方へ繋がるように感じられた救いだったような気がした。

何故か結核に罹患してしまった更科(石松太一)が、
作家の古川さんにも観客の視点にも近い立ち位置だろう。
彼は他の患者より真面目に入院生活をして、
すんなり治りそうだが、お笑い芸人として
トリオの二人から見限られて戻る場所を失くし、
唯一残ったのが彼女のフリをしていた熱心なファンの二ッ森(松本寛子)。
藁にもすがる思いで彼女に必要とされることを取るのか。
それとも別の茨の道を進むのか。
これは投げかけられた問いのように思えた。

互いが相容れないことによって生まれる、または生まれないものが
伝えるものをしっかり伝えながら、想像力を掻き立てられ良かった。
役者全員が見事に人物を活き活きと生かしていたのもそうだろうし、
戯曲や演出の巧さもあるのだろう。

大塚宣幸さんは破壊力抜群で
下手なお笑い芸人よりもはるかに面白いし、笑わせてもらった。
しかも芝居を破綻させずに上手くその魅力を出されていたな、と。

白勢未生さんは純粋無垢な若者を演じられて、
色々な事象に振り回されながらも
何とか懸命に立ち回る様が良かった。
独りぼっちのブルース・レッドフィールド

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

彼はどんな思いで引き金を引いたのか。
ポップンマッシュルームチキン野郎(PMC野郎)初観劇。
以前からコメディフェスティバルでの活躍ぶりを聞いていながら、
今まで観れていなかった。

ネタバレBOX

とても良く出来た戯曲、物語で、エンタメとしても演劇としても、
肩肘張らずに観れながら、色んな楽しみがあって、素晴らしい。

西部劇というのはある程度固定のイメージが定着したジャンルで、
そこが魅力的でもあるし、そこからどう描いていくのかも重要。

PMC野郎は初観劇だったので、
本公演で毎回どういったテイストなのかは分からない。
だが今回、たとえしゃべるサボテンやサソリやナップサックが出てきても
その不条理に違和感はなく世界観へ入っていけた。
それ以外にも普通に笑える部分も多々あったし、飽きない。

腕の立つガンマン、ブルース・レッドフィールド(渡辺徹)は
25年前にギャングに家族を皆殺しにされ、
それ以来、犯人たちを探して復讐の旅を続けている。
唯一の弱点は、ギャング襲撃の際に負った後遺症により、
至近距離で銃声を聞くと記憶が25年前に戻ってしまう
記憶障害を持っていること。

この設定が物語を楽しむ核となっている。
一発で仕留めなくてはいけない。
一つ復讐を終える度に25年間書きためた日記を読み返しては
記憶を取り戻す等々。

ただミステリーの様な謎解きを求められる話ではないので、
西部の復讐劇に思わぬ展開が、といった感じで
そのまま素直に観ていくと楽しいのではないかと。

ブルースにあこがれるサボテンジョー(サイショモンドダスト★)と
サソリのスティーブマック(野口オリジナル)、
彼らをまとめるナップサック(NPO法人)。
同じギャングに家族を殺されたネイティブのヌータウ(加藤慎吾)と
妹のアナ(増田赤カブト)。
ブルースのライバルを称するジャンボ・ジャンゴ(CR岡本物語)と彼の弟分、ジャイロ(古舘佑太郎)、ジャック(高田淳)。
保安官事務所で出会った男装のフランス人、フランソワ(小岩崎小恵)等々。
この一緒に旅を続けるキャラクターたちの魅力も
中心となっているPMC野郎の劇団員の皆さんはじめ素晴らしいし、
主演の渡辺徹さん、萩野崇さんをはじめとする客演陣も好演だった。

この復讐劇が、
真実が判明した際には全く逆の意味を持った復讐となっており、
その悲しみと苦しみが心を揺さぶってくる。

若い頃から、家族を持って汚い仕事からは手を引き
「善人でいたかった」というブルースの想いが、
死に物狂いの旅の果て、最後の引き金とともに、
全ての憎悪の記憶の繋がりをも断ち切る。
その思いに対し応える、ブルースの昨日までの敵であり今日の友。

最期の時を迎えて果たして彼は、
本当に25年もの記憶が消えたままだったのか。
そんな想像の余地を残すようにも思えたところも
演劇として好きだし、本当に面白かった。
良い時間を過ごせて、自分の中では
西部劇で一番好きな話になったと思う。
走るおじさん

走るおじさん

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

おじさんはなぜ走るのか。
笑顔でいられる駄弁芝居。

ネタバレBOX

公園で走るおじさん(根津茂尚)。

彼の走る理由を探ろうとする警察官の末弟(澤唯)。
付き合わされる数学者の妹(石澤美和)。
走る父を快く思わない娘(松本みゆき)。
彼を応援する友人(園田裕樹)。
アイディアだしに公園に来ては
走るおじさんを気にする人々(篠本美帆、志水衿子、堀靖明)。

とにかく緩い世界観が好き。

走るっていうのが(マラソン)だと思ってたら、
よくよく見ていくと短距離(100m)ではないかと。
10秒00が日本記録とかまさに。

よく見たらスプリンター駄弁芝居って書いてあるじゃないか。
ランナーじゃないし。

色んなタイプのボケとツッコミがいて、
かといって観る方は力を抜いて笑っていられるのがいい。

娘が父をボコボコに殴り飛ばすというのも、
光景が描写されないにしても、
なぜか牧歌的に思えてしまう不思議。

主宰の関村さんの前説から、
あひるなんちゃらの世界観は始まっているように思える。
今回(千秋楽の公演)は、本編の最後の台詞を発表するという
革命を起こしていた。
『黒船』、 『ウインドミルバレー 最後の三日間』

『黒船』、 『ウインドミルバレー 最後の三日間』

劇団ショウダウン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/06/29 (水) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

『ウインドミルバレー 最後の三日間』を観た。
これぞ、という林遊眠さんの一人芝居でした。

ネタバレBOX

一昨年、『マナナン・マクリルの羅針盤』初演を見逃し、
昨年、『マナナン・マクリルの羅針盤』再演で感動して
そしてまた今回。

シアターグリーンを、
架空の大陸世界の北方山脈にある谷、
ウインドミルバレーにしてくれた。

林遊眠さんのことを考えたら、
かなり負担が大きいと思うので、
一人芝居ばかりに期待をかけるのも憚られるところだけど、
彼女の一人芝居は一つの旅でもあり、
旅先での冒険をガイドして魅せてくれるのが良い。

今作は林遊眠さんの愛らしい一面を
上手く演出に入れていたような気がする。
案内役として観客にキャラクター像を
さらっと説明するところなど、
観る側の肩の力が
上手い具合に抜けられるような感じに思えた。

恒例(?)の休憩シーンも面白い。

毎度毎度良い気持ちになって
劇場を後に出来るのが凄いなと。
マナナン・マクリルの羅針盤 2018

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/16 (木)公演終了

満足度★★★★★

再び航海に出るために観劇。
本当に鳥肌もの。

以下、ネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

実在した海賊、"ブラックサム"ベラミーこと
サミュエル・ベラミーの短くも数奇な大冒険を描いたファンタジー活劇。

初演観れなくて、その半年後の再演観て打ち震えた。

一人芝居だよね・・・何だろうこれは。
同じ作品を複数人の芝居でやったとしても
同じ感動が得られるのだろうか。

語り手(終盤にある登場人物であることが判明)から
主人公のベラミーを始め、もう何人も入り乱れての演じ分けが凄い。
時には十数人、百人規模のモブの登場人物すら
舞台上に浮かんで出てくるような、感じだった。

作品としてももちろん面白い。
実在する海賊とフィクションの設定を上手く散りばめているし、
ファンタジーであるが故の設定もいいと思う。

2幕が始まって間もなくの閑話休題のシーンがいい。
マラソンでエイドステーションに入ったランナーを見るようで
自分もランナーをやってるときと同じ気持ちになれるところだったし。
本当に過酷だからこのシーンが本編を損なわないところも凄い。


もう少し上演の数を絞っても良かったのではないかなと感じた。
流石にちょっと林さんへの負担が大きすぎるなと思ってしまう。
ベストな状態で観れる以上のことはないだろうし、
一方ではその時間しか観に来れないお客様もいらっしゃるから
容易には言えないけど、ちょっと劇団側ももう少し調整できたら
良かったかなと。

もちろんこれは個人的な思いだけど、
林遊眠さんをこれからももっと観たいので、
お身体だけは大切にされて
今後の活動も、またもう一度くらい本作が
観れることを願っています。
未来を忘れる

未来を忘れる

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

満足度★★★★

忘れるような未来なら
演劇を観ていてやはり観ていてスカッとするものを当然欲するが、
色々観てきた中で何か不快であったり気味悪い、胸糞悪いものも
欲するようになった。

松井周さんの劇団サンプルの「地下室」を先日観て
こういう世界があるんだと思って
松井さんの新作が文学座でやると聞いて来てみた。

上手い表現が見つからないけど、何かどよーんと胸に残る作品。

ネタバレBOX

話が上手くまとまらないですが・・・

隣国からミサイル攻撃を受け、
その一発が原発を破壊し甚大な被害をもたらし、
さらに大規模な地震が頻発し、
百万単位の避難民を出す、絵にかいたような
最悪の事態が起こった近未来の日本。

富裕層は日本を脱出するが、貧困層などは留まるしかなく、
そこで生きていくために製薬会社が開発した薬を投与し、
ゴキブリとして生きていくか、
己の肉体のみを残す手段として、ゴキブリに寄生された
ゴキブリ人間として生きていくか、
それでも人間のまま生きていくかを
迫られている中での物語。

人間として生きる者たちを従える宗教団体「キョウリュウの会」、
のちの「カイコの会」とゴキブリ陣営は争っているが、

やっぱりそんな地獄のような世界でも
自分達の主義主張で争ってしまうんだなーと。

進化しようが結局やっていることが同じならゴキブリになっても
意味がないようにも思え、
ただそのゴキブリたちから人間以上の人間っぽさが
垣間見えたりもする。

生死ということに関しても、
死者が登場したり、人間であるかどうか以外にも
生物として生きていくこと、死ぬことその両方について
改めて考えを巡らさせられた。

人間は宗教に、またはゴキブリの力に
それぞれすがって死ぬか、生きるしかないならば、
先の未来のことなんて考え過ぎない方が楽なのかも。

舞台がシンプルなのは良かった。
他の舞台でも観たことあったが、
床に落ちたピンポン玉を踏まないかはすこし気になった。
フリル

フリル

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

せせらぎのように流れる
前身の劇団(ひょっとこ乱舞)特有の群舞はなかったけれど、
水のように言葉が流れてくる感じが巧いなと。

松下さんの台詞が長いのは相変わらずなのか、
それでも止めどなく流れて
その中で感情の起伏を表現してくるところが
素直に凄いと感じた。

別れ、辞める、捨てるとか負や陰の要素が多く、
マイナスの気が溢れる芝居かと思うが、
逆に夜明け前の闇のように次に何かが始まっていく
シークエンスのようにも思えた。

あと女性キャストの表現が良い。
強いけど、繊細で一人一人のカラーの違いを
自然に出していた。

ネタバレBOX

終演後のDULL-COLORED POP主宰、谷賢一さんと
アマヤドリ主宰の広田淳一さんのアフタートークは面白かった。

観劇した後の率直な意見を述べ、
広田さんの精神状態を案じながら、
終始ツッコミを入れつつ、
トーク全体を仕切り倒す職人となっていた谷さん。

このアフタートークで
広田さんがこれまで無意識に感じていたもの、ことが
今作に反映されていることが分かった。
スパルタクスの乱開発

スパルタクスの乱開発

劇団バッコスの祭

あうるすぽっと(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/06 (月)公演終了

満足度★★★★

もしかしたら平和な時代に
史実を元にした歴史ファンタジーエンタメ。

ネタバレBOX

ローマ帝国の時代、コロッセオで行われていた剣闘について
皇帝の妹の「血なまぐさいのは飽きた」の鶴の一声で、
剣闘を魅力的で面白い見世物にするべく、試行錯誤をしていく。

まず殺陣のレベルが高いなと思った。
小劇場だとエンタメ系の芝居にある殺陣は
ピンからキリまであるけれど、
これはよく出来ていて見応えがあった。
劇団員の丹羽さんの技術と身体能力の高さもあるだろうが
剣闘がしっかりと見せられるものになっていた。

あうるすぽっとは客席部分が広々とした印象で、
大きい劇場でもあるので、
小劇場の劇団は特に演出は苦心するなと。
やはりどうしても広さを活かしきって
世界観を浸透させるのは難しいか。

終盤、アリアンが隠していた自身の過去を呼び戻し、
敵討ちをしてしまうクライマックスから
ラストの間があっという間過ぎて唐突だったなという印象。
エピローグをするにしてはもの足りないところがあった。

剣闘という文化に疑問を投げかけて面白くしようと試行錯誤する過程は、
現代の文化、とりわけ演劇をどう面白くするかにも通じるように思えた。

劇中における試行錯誤の過程はそのまま芝居を作っているようにも映った。

異なる要素を入れる(アイドル、歌、芝居)、
観客のニーズに応えるべきのか、
観客を引き込む新しい何かを作るのか。

皇帝の妹を遠ざけて以後、コロッセオが増えて
それぞれ客の趣向やニーズによって専門化、分化したのは
芸能・芸術の現状を暗喩しているかのよう。
客の欲求は満たせても異なるニーズ(≒文化)の人たちが
互いに交わる機会がなくなってしまったというのは皮肉だろうか。

平和な時代の娯楽は
現実の変化(戦争が再び近づくこと)によって
その意味を失ってしまうのか。

結局面白さを追求していくとリアルの方が余程面白い。
娯楽はできるだけリアルに近づいていくしかないのか。
本来はリアルを豊かにするものだったのではないか。
そんな問いかけがあったようにも思えた。
「だいなし」/「本日昔噺」

「だいなし」/「本日昔噺」

劇団ウミダ

王子小劇場(東京都)

2015/01/08 (木) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★★

『だいなし』/『本日昔噺』
1/8(木)19:00~『だいなし』
1/11(日)19:30~『本日昔話』を観ました。

ネタバレBOX

『だいなし』
劇団ウミダが旗揚げされるまでの過程における、
海田さん自身を中心に描いたドキュメンタリー的な作品。

というか、要は作品が書けなかったことをネタにしている。
海田さんの脳内と実際の稽古場を切り替えながら、
役者たちがそれぞれ海田さんの思いを代弁しつつ、
一方で海田さんを責めて苦しめる立場を演じ分ける。

演劇を創る側の内部の話であり、
見方を変えて広義に「目標までに物事を達成させる大変さ」を
示している、とも言えるかもしれない。

が、場合によっては内輪ネタで終わることもあり、
そこを好ましく思う、思わないで受け入れられるかが分かれてくる。

自分の立場では、
演劇を創る側にもなった経験もあり、それを理解しているため、
観た回の観客の中では、かなり感情移入してたという自負がある。
これによく似た作品を過去に観た事があるのも影響している。

役者が芸達者で豪華なメンバーなので、
どんな作品でもある一定のレベル以上のものを観せてくれるだろうし、
それだけに求められるレベルも高くなるから、
劇作家、演出家にかかるプレッシャーが高いのは必然。

そこで「どう葛藤を観せるか」であり、
例えば「潔く勢いで持っていかせるか」、
または「変わった視点を用いるか」などあるだろうが、
作家の脳内を見せる以外のそれが無かった。

演出は良かったと思うので、
下地の作品がもう少し練りあげられればという印象。

場面によっては間延びしているところもあり、
願わくばもう少し尺を絞って一気に観せてほしかった。


『本日昔噺』
時代劇調で歌、踊り、殺陣ありのエンタメ劇。
アイドルネタをパロってサンプリングし、
色々詰め込んで豪華さがどーんとくる幕の内弁当のような、
まだ終わってなかったおせち料理のような。

マリー・インタアネット(鳴海由莉さん)を頂点とする
竜宮の国の者たちと、他の国の余所者たちとの抗争を軸としている。

終始キャラを突き通す前田前次郎(野口オリジナルさん)を中心に、
林虎之助(港谷順さん)、ヨタ(悠茉さん)が
敵味方で異なる魅力をもって、前田前次郎と対を成していた。

この4人は特に目立ってて魅力的だった。

あと浦島ビデオ(川上憲心さん)と
一気に口上をまくし立てる風の噂(前園あかりさん)も楽しかった。

台詞回しも良くて各キャラクターとも魅力的で、
思わず笑ってしまったところもあったが、
少し冗長に感じられる部分もあり、
もっとテンポの緩急の付け具合がバランス良くなると更にいいなと。

一番ラストの終わり方は好きだった。
【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君

【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君

ロロ

王子小劇場(東京都)

2012/08/05 (日) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★★★

カオスな旅
劇団初見。お目当ては客演で柿喰う客の葉丸あすかさん。
ロードムービー調ということで作品自体の期待も。

ネタバレBOX

キッド(亀島一徳)は、妻の天球(島田桃子)を喪って、
生前話していた出会いの場所を行く約束を実行する。
頭の中の記憶は出会いに向かって遡りつつ、
道中、奇妙な面々と出会い別れる。

キッドの一見ドライなようで、実は不器用だけど、
妻の天球が本当に好きであるところ、
天球の全てが天使のようでありながらも、
夫に対して見せるワガママが、一人の女性らしさを
感じさせるところが良かった。

仙人掌(望月綾乃)は、どんな環境にも適応する都合のよい女で
この複雑でつながりのないエピソードや登場人物たちを
つなげる基点となっていた。

序盤は、ダディーマン(内海正考)が不条理全開パパぶりで突っ走り、
兄弟の兄、重樹(篠崎大悟)によるパワープレイのノリ突っ込みで
中盤以降、キハチ(田中佑弥)と園絵(葉丸あすか)、電源(多賀麻美)が絡んできて
よりカオスな感じになっていく。

葉丸さんのコミカルでインパクトのある動きで
一番コメディパートをけん引していた。
田中さんは、中フラで一度観ていたが、
勘違いしたら止まらないキャラがよりパワーアップしていた。

たらい落としや壁破り、「We are the world」の流れはおかしかった。

ラスト、膨らんだ物語が終息し、一つの旅が終わる。
壁をぶち破るシーンで目が覚めるようなインパクト。
天球と出会ったキッドは、そこから一人再び次の旅へ進む。

人生は旅。ここで流れる「オー、シャンゼリゼ」が旅の御供に心地よい。

*************************************************
2回(8/8夜、8/12夜)観たが、
最初は書評家の豊崎由美さんと劇団主宰の三浦さんとの
アフタートーク。

実際、色んな話を詰め込み過ぎて長いとも思えたが、
三浦さんの話を聞いて、興味・関心・好きな本の要素が
全て入っていたんだとある意味納得。
舞城王太郎の作品がお好きなようで
その作風が本作に影響を与えているとのこと。
豊崎さんからも読書センスを絶賛されていた。
くじらのおなか

くじらのおなか

ぬいぐるみハンター

荻窪小劇場(東京都)

2013/02/08 (金) ~ 2013/02/10 (日)公演終了

満足度★★★★

シンプルに様変わり
初日の初回に行きました。舞台セットもなく、劇団員のみのシンプル。
かつ、当日行ったら内容が様変わりしているという。

ネタバレBOX

「くじらのおなか」というこれまでのタイトルは影も形もなく、
「ポテサラパニック ピクニックパーティー」という
奇抜なものに生まれ変わった。

池亀さんの初案を劇団員の意見を入れて
全く別物に変わったということで、
ぬいぐるみハンターの純度は高い。

浅利さん、石黒さんはテンション高めで突っ走る。
竹田さんがそれらに呼応する。
猪股さんはちょっと違った落ち着いた感じでアクセント。
そして何より神戸さんのパワー。

中盤登場してからキレッキレ。
歌っても、長台詞でもがっつり笑った。

このパワーとスピード感は、
ぬいぐるみハンターの持ち味だろう。
前回公演、前々回と比べて客演がなく、
人数が減っても基本それは変わらない。

今後さらにキレのある劇団員のみ公演を期待!
つかまえてごらんなさい、箸で

つかまえてごらんなさい、箸で

GORE GORE GIRLS

王子小劇場(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

生き方を決める人たち
劇団初見。
一緒に演劇を学んでいる方が客演されていて観に来ました。
久々、王子小劇場。やっぱり良い劇場。
上演時間、80分。

ネタバレBOX

シェアハウスにて。
35歳の誕生日を迎えるコウキ(望月雅行)のために
同居人で、同い年のミズキ(久保雄司)や天(大西聖志)、
イクオ(秋瀬拓)、同居二年目の新米タカヒロ(柴田順平)は
誕生会の準備をしていた。
数名が買い出しで離れた時、
メイ(森山彩美)名乗る女性がが現れて・・・

シェアハウス内の世界は閉鎖された
ある厳正なルールの下で成り立っていた。

厳しい管理人マユミ(小谷陽子)の審査を通った
住人たちに共通すること、それは・・・

「独身であること」
そして決して家族以外の女性の立ち入りを
徹底して排除(動物、幽霊もメスの立ち入りを禁じる)。

そんな中、コウキが彼女というか出逢って一か月で
結婚した奥さんのメイを連れて
シェアハウスの皆に認めてもらうよう説得に来た。

シェアハウスの皆のリアクションや、
独身でいることに対する誇り、
結婚、恋愛、異性に対する憎悪(笑)や
嫌悪感などなど、
突き詰めた世界感が面白く、楽しい。

キャッチボールや独身を極めると妖精になるとか、
設定が楽しいなって。

多少葛藤を抱かせる部分はあったけど、
もっと各キャラの葛藤が強くなると
さらに良くなるのでは。

あとラストのオチについては、
それまでの展開も変えなきゃだけど、
逆(残る者を入れ替え)にしたら、
さらに良いかなとは思った。

上演時間、80分。
コンパクトにまとまり、
ほぼ一場の良いコメディだった。

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