未来を忘れる 公演情報 文学座「未来を忘れる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    忘れるような未来なら
    演劇を観ていてやはり観ていてスカッとするものを当然欲するが、
    色々観てきた中で何か不快であったり気味悪い、胸糞悪いものも
    欲するようになった。

    松井周さんの劇団サンプルの「地下室」を先日観て
    こういう世界があるんだと思って
    松井さんの新作が文学座でやると聞いて来てみた。

    上手い表現が見つからないけど、何かどよーんと胸に残る作品。

    ネタバレBOX

    話が上手くまとまらないですが・・・

    隣国からミサイル攻撃を受け、
    その一発が原発を破壊し甚大な被害をもたらし、
    さらに大規模な地震が頻発し、
    百万単位の避難民を出す、絵にかいたような
    最悪の事態が起こった近未来の日本。

    富裕層は日本を脱出するが、貧困層などは留まるしかなく、
    そこで生きていくために製薬会社が開発した薬を投与し、
    ゴキブリとして生きていくか、
    己の肉体のみを残す手段として、ゴキブリに寄生された
    ゴキブリ人間として生きていくか、
    それでも人間のまま生きていくかを
    迫られている中での物語。

    人間として生きる者たちを従える宗教団体「キョウリュウの会」、
    のちの「カイコの会」とゴキブリ陣営は争っているが、

    やっぱりそんな地獄のような世界でも
    自分達の主義主張で争ってしまうんだなーと。

    進化しようが結局やっていることが同じならゴキブリになっても
    意味がないようにも思え、
    ただそのゴキブリたちから人間以上の人間っぽさが
    垣間見えたりもする。

    生死ということに関しても、
    死者が登場したり、人間であるかどうか以外にも
    生物として生きていくこと、死ぬことその両方について
    改めて考えを巡らさせられた。

    人間は宗教に、またはゴキブリの力に
    それぞれすがって死ぬか、生きるしかないならば、
    先の未来のことなんて考え過ぎない方が楽なのかも。

    舞台がシンプルなのは良かった。
    他の舞台でも観たことあったが、
    床に落ちたピンポン玉を踏まないかはすこし気になった。

    0

    2013/10/29 12:09

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大