みさの観てきた!クチコミ一覧

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不躾なQ友

不躾なQ友

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/12/26 (土) ~ 2010/01/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

超おもろい!(^0^)
劇場に入ると舞台上には椅子とテーブル、赤いバッグがサウンドバッグのように天井からロープで吊り下がってる!その途端、こりゃあ上がったり下がったりしながら芝居は進行するのだろうな~。。なんてワクワクドキドキ!案の定、ファイティングな導入音楽と共に舞台は始まる。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

始まりは諸味里が警官から職務質問される場面から。
諸味里の持っていたバッグからカッターナイフが出てくる。警官は不審に思い、諸味里を精神的に追い詰めていくが、そこへ山田という昔の同級生が諸味里を助けてくれる。諸味里は同級生の山田を思い出すことが出来なかったが、山田の話で、彼には諸味里の初恋だった女性が妻となっていたことを知る。
諸味里は自分の妻を殺したいとかねがね思っていたものだから、ついついそのことを山田に話してしまう。すると山田は親切にも諸味里の妻・ナツコを殺してしまう。愕然とする諸味里に今度は自殺願望を持っていた山田が「自分を殺してくれ!」と訴える。そういわれても山田を殺せない諸味里を脅し挑発して自分を殺すように仕向ける山田。山田を殺さなければ自分がヤラレルと感じた諸味里は山田を銃で撃ってしまう。そして諸味里は自首し取調べ室で事の成り行きを自白するも、刑事たちはその場所には死人は居なかったことから諸味里自身の告白を不思議に思う。

こうして、諸味里の後に続き数人が、職務質問から始まって山田刑事を殺すまでのパターンを同じように遭遇する為、舞台はこのシーンが繰り返される。笑

同じように「山田を殺してしまった」といって自首してくる何人かを調べていた刑事はもしかしたらこの人たちは、催眠術にかけられているのではないか?と思うようになり、催眠術師の元に行く刑事ら。そこでの催眠術師の言い分は「人を殺すことで一時、幸福感を味わえる。その幸福感を捧げただけだ。」と話す。どうやら催眠術師・鱒淵の術は自らの過去を意識的に見せているようだった。

この催眠から全員を開放させるには越中のような楽天家を催眠にかけてもらって催眠中の全員を催眠から目を覚まさせる。という荒行な案を出した刑事ら。その意向を汲んだ越中は鱒淵に催眠術をかけてもらう。そうして、あっちの世界にはいりこんだ越中は早速、警官から職務質問を受けるが、この場面からの展開が実にコメディなのだ!(^0^)

結局薬局、終盤で越中は登場人物の全員を殺してしまう。そうして、取調室では越中の同級生の山田刑事が「じゃあ、お前は未来から来た人間だというんだな。ずっとあっちの世界で生きていて、こっちの世界に来たのはちょっと前で、お前が殺した全員は殺せ!と誰かが叫んで指示を出したから殺したと言うんだな。その未来とやらをいつか見せてもらおうか。」

「誰だっけお前?」と越中。

ようは全ては越中の妄想劇。(苦笑!)

実に楽しい芝居でした。導入音楽も良かったし、何よりキャストが吐くセリフの数々が絶妙。イッチャッテル世界感がコミカルに描かれて、これでもか、と湧き出る泉のように止めどなく溢れ出て楽しくて仕方がなかった!キャストのそれぞれの不思議なキャラも好みだった。今までのクロムの公演のうちで一番好みだった作品でした。
『カガクするココロ』『北限の猿』

『カガクするココロ』『北限の猿』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/12/26 (土) ~ 2010/01/26 (火)公演終了

満足度★★★★

『北限の猿』を観た!
『カガクするココロ』と同様、某国立大学の生物学研究室での研究者たちの会話劇で出演者はほぼ同じ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

前回同様、猿を人間に進化させるプロジェクトを研究している教授の下で研究している彼らの会話劇。

今回の職場は木本夫婦が務めていたり、既婚者の久保が同僚の女子大学生の吉川を妊娠させちゃったりと、『カガクするココロ』と似たり寄ったりの内容。久保の女を口説く手段は自ら研究している大きなカボチャを作って「かぼちゃの馬車に乗ってみたい?」だ。笑
まあ、女子はそんな口説き文句に弱いのか、夢見る乙女は落ちる訳だ。まるで東知事みたい。笑)  しかし、現実的に馬車にのってもけっしてお姫様にはなれないことを知ってる女子は「現実に乗ったことないから。」と答える。

そんななか、職場の誰が猿みたいか、を投票で黒板に書いちゃったり、ここの研究所の中に猿を進化させた人が実際に存在してるらしい、なんつった話にもなり、研究者たちの暇そうな日常をも浮かび上がらせることによって、私たち観客をゆるりと穏やかにさせる。

ボノボの交尾のシーンや快楽のためだけに雌同志がこすり合わせる行為をホカホカという説明など、ボノボの生態などが話題にあがるが、これが案外きわどい。笑

5月に出産予定の吉川は久保がアフリカに行くことを間接的に知らされてショックを受けるも、それでも久保を追おうとする姿が痛ましい。だから、吉川が最後に見せる椅子のシーンは胸を打つ。
人生の中で、解っているけれどどうしようもない。ってことはある。


『カガクするココロ』『北限の猿』

『カガクするココロ』『北限の猿』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/12/26 (土) ~ 2010/01/26 (火)公演終了

満足度★★★★

『カガクするココロ』を観た!
某国立大学の生物学研究室での研究者たちの会話劇。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

猿を人間に進化させるプロジェクトを研究している教授の下で研究している彼らの話の内容ときたら、職場の同僚の恋愛噂話や失恋して自殺しちゃった有田の噂話、はたまた現在進行形中の小島と安岡の恋のゆくえなど、どこの職場でも似たりよったりの噂に恋話の花を咲かせる。どこでも同じなんだな~。
小島は安岡という恋人が居るにも関わらず妹の友人を妊娠させちゃったり、はたまた、女ばかり集まると好みの男の理想像なんかを絵に描いちゃったりする。お金を持っててシブクテ優しくて高級車を乗り回す猿。笑

そのうち、研究室では遺伝子操作をして何を作りたいか?なんて話で盛り上がり、カバ猪、しまうまラクダ、象豚、猿男なんて会話自体が逆に幼児へと後退しちゃってる内容に成り下がっていく。

まあ、こうしてゆるゆるに絵を描きながらその絵を木に張ろうといって皆で出かけて行くんだよね。幼稚園児の遠足みたいに。なんだか楽しくて癒された!

ここよりマシな職場があるはず!なんて考えてるそこの貴方!
結局薬局、どこでも一緒!(^0^)

メリーゴーラウンド トーキョー4 スクラップ ラブ

メリーゴーラウンド トーキョー4 スクラップ ラブ

遊々団ブランシャ☆ルージュ

SPACE107(東京都)

2009/12/23 (水) ~ 2009/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

本物のショー
カテゴリが「その他」になってる通り、ショーそのもの。もしかしたらダンス・舞踊のカテゴリかも?これは観客が座る場所によって受ける印象が違うでしょうねぇ。前の方が確実に楽しめる。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

とにかく楽しかった。物語性はあまりない。お酒でも飲みながらゆったりと観たいショーでした。個人的には男星とカラスのダンスが妖しくて素敵。
舞台はハイテンションでものすっごい運動量だから、キャストが汗ダクで踊っている姿は美しかった。
観客を楽しませようとする姿勢は素晴らしく、観客席に葱や人参を投げて笑いをとる。ダンス自体もエロを売りにしてる訳ではないので好感を持てたし何より女性客が多いというのも頷ける。
ヲタの合コンの場面は好みだった。折角だからセーラームーンやキューティーハニーも登場して欲しかった!笑
だってだって、だってなんだもん!

海ノ底カラ星ヲ見上ゲヨ

海ノ底カラ星ヲ見上ゲヨ

おぼんろ

サンモールスタジオ(東京都)

2009/12/17 (木) ~ 2009/12/27 (日)公演終了

満足度★★

浦島太郎をベースに。
まず、早稲田出身の劇団って関係者とか仲間内の評価が多く高得点なのは無視したほうがいい。普段、こりっちで「観てきた!」にあんま登場してないところをみると影ユーザーな気配満点だよね。こういった影は他のユーザーからもバレてるし・・。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

病院に入院している和田さんというおばあちゃんが、竜宮で自分が乙姫になった情景を孤独な老人が妄想してる様子と現実を場面ごとに表現した舞台だった。

まず、それぞれのキャラクターの設定がが似ていてメリハリが無い。乙姫の影の呼ばれ方が「妖怪エンガチョ死神姫マリンちゃん」というバカバカしい名で(まあ、笑えるけれど・・)、そもそもこの設定の仕方が幼稚と言うか何と言うか・。・・(苦笑!)
観客の対象を学生のみと考えているのだろうか?
乙姫のセリフに「聞かねえし、聞いても聞かねえし・・。」なんつって下品な乙姫に成り下がってる。
電動ネジの音もウザイ。物語に余分な要素を詰め込みすぎて散漫になっちゃってるし、シリアスな場面に余分なギャグを持ってきたりと、シリアスなのかコメディなのか、中途半端。ついでに舞台と観客の間に幕なんか張っちゃったものだから、角度によってはキャストが見えない。

うーーん?!もっと沢山の舞台を観て勉強しなおした方がいいと思う。社会人の演劇としてやっていく気なら、このままでは痛い。キャストは一生懸命に演じてて好感は持てた。次回のレベルUPを楽しみにしています。(激しくプレッシャー!^^;)
トゥルークリスマス

トゥルークリスマス

Zero Project

シアターサンモール(東京都)

2009/12/23 (水) ~ 2009/12/27 (日)公演終了

満足度★★★

ジングルジングラ
このおまじないをつぶやく少女ミサがみすぼらしい男と出会ってから奇跡を起こすまでの物語。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

半分以上が子供たちの出演。そのせいか、ロビーには出演する子供たちの家族や知人がわんさか。
で、肝心の演技。子供たちはちょっと練習不足かなぁ。まあ、子供だから・・。

少女ミサの父親は皆の幸せの為に、と家族を残してサンタのような旅に出てしまう。ここでの疑問は自分の家族も幸せに出来ないのに、なんだかなー?と思ってしまう。残されたミサは父親が帰って来るのを待ちわびるストーリーだ。父親に帰ってもらう為にはこの町に雪を降らせなくてはならない。

そんな折、ミサは一人のみすぼらしい男に出会う。彼はちっさなころに両親が亡くなった為に親戚中をたらいまわしにされて生きてきた男だった。そんな人生だったからか、彼は他人に深入りはしない、干渉もされたくない。と心を閉ざした男だった。

しかし、ミサと出会った事によってお互いの人生観が少しずつ変わっていくという筋。男はミサの為に森の工場の煙突を掃除して雪を降らせる。ミサは男の閉じた心を開かせる。そんな物語。

全体的な印象は物語自体は案外、ありきたりだったけれど、石井正則がひじょうに良かった。しかし、舞台とはつくづく一人だけの力じゃどーにもならないってのが実感として残った芝居。まあ、そこそこ楽しめました。(苦笑!)

さいれんないと

さいれんないと

PekopoN企画

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/12/25 (金) ~ 2009/12/26 (土)公演終了

満足度★★★★

沁みたなぁああ。
特別派手な公演でもない。クリスマスばりばりの豪華な飾りも無い。だけれどここには確かな手作りのほんの心遣いがあって・・・、それが妙に感動。今年は22日から体調を崩して寝込んだという理由で、今日がワタクシにとってのクリスマスっぽい初日だった。だから・・・余計に沁みた。
スタッフの対応も満点でした。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

加奈は本日、イブの日に引越しをする。半年前まで恋人と暮らしていた部屋だった。加奈は今でも恋人が好きだったが、恋人の夢を叶える為に別れることになる。そこへ二人の男女が不動産屋の案内で部屋を見に来る。男は女にパラサイトしながら生きてるような輩。女はそんなホストのような男の正体を知ってはいるが見ないふりをしている。愛してるが故の弱点だ。そこに引越屋が面白く絡みながら、物語は2組の男女の行方を表現する。

加奈たち恋人同士は相手を思いやりながらも別々の道を行く。一方ホストらは、女の目が覚めてホストが振られるという設定。

引越屋の仕草やセリフが絶妙な笑いを誘い、すんごく楽しめる。女二人は妙に気が合って、最終的に二人だけのクリスマスをやろう!と乾杯する。

物語は男女の心の機微に触れながら私たちを温かい心持にさせる。なんだか、家族的な思いやりのある芝居だった。ド派手なクリスマスも楽しいかも知れないが、ささやかな、こんなクリスマスの催しがジーーン!と心に響いた芝居だった。
ああ、なんだかとっても幸せだったなぁ・・。
発狂チェリー

発狂チェリー

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2009/12/18 (金) ~ 2009/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★

フライヤーとはかけ離れた内容
高校3年から24歳まで引きこもりだった男の妄想劇。客席と舞台の間に設置された透明の扉のセットの作りが上手い。つまり引きこもりの状態からこっちの世界にこられるか?の重要な扉。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

親からの愛情をあまり受けなかったタケルは外界との接触もあまり得意ではない。周りの目を気にして疲れちゃう。そんなタケルはいつか自分の世界、妄想の世界を作り上げ、そこで心地いい日々を引きこもって暮らしていた。

妄想の世界ではタケルの友人・小泉ヒロがタケルと常に一緒に居た。そうしてタケルの彼女も。この彼女もモテナイタケルが作り上げた幻想だ。小泉はタケルに、「そろそろ部屋に閉じこもってないで外に出ないと。そろそろ現実を見ないといけない。」と励ます。そんなタケルにモテル男になる為にはどうしたらいいか?なんつって恋愛家庭教師やら、早乙女アスカやらジェーンやら、宇宙人キャラやらアニメキャラなど・・・、とにかくイッチャッテルキャラクター満載の輩が登場してタケルを特訓する。笑

そうこうするうちに肝心のタケルより特訓してるキャラクターのほうがマンモス気持ちよくはしゃいじゃってる。笑

結局薬局、そんなマンモスアホらの言い分は、「モテナイ男はロマンチストが多い。ちっさいころからゲームやアニメに親しんで育ったから脳内恋愛を楽しんじゃって気付いたときには普通の女、現実の女にたどり着くことが出来ない。答えは扉の向こうにある。」とまともな回答を提示して、やがてタケルは扉を開ける。

恋愛家庭教師がマンモス楽しい!とにかくイッチャッテル!あのキャラはさいこーでした。バカバカしいけれどポイントポイントで真面目なタケルの心理描写も表現しながら楽しめたコメディ。
ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる

ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる

掘出者

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/15 (火) ~ 2009/12/20 (日)公演終了

満足度★★★

それぞれの弱さ
誰かに依存しなきゃ生きられない人と人との関係性を描いた作品。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

本田の家に友人だからという理由だけで転がり込んで世話をしてもらっている井上。恵みを受けてる井上自身は本田に感謝しているのか?というとそうでもない。金がないし友達なんだから助けてくれるのは当たり前だと思っている。挙句、一緒にいたら何かしてもらいたくなる、なんつって屁理屈をコネル。居候なのに。笑   
そんな井上は彼女にフラレテ彼女の妄想を見る。自分の世界に入り込んでいる時は気持ちが良いものだ。何しろ思うように物語が作れる。

そんなある日、井上のところに薬中の鈴木が現れる。鈴木の脅すような不気味さについついシャブを受け取ってしまうも本田が部屋に戻ってくると井上は引っ越そう、と言い出す。この場面でも井上は他力本願なのだった。と、本田の妹が部屋に訪ねてくる。妹は兄が井上を部屋に住まわせているのを不審に思い、「お兄ちゃんは騙されてる」と決めつける。が、どうやらこのきめつけの前提には父親が友人の保証人になって友人に騙されたという苦い過去が背景にある。しかし、兄自身も鬱だったことがあり依存型だ。妹も宗教がらみのセミナーに妄信してソレに依存する。

そんな折、職場の同僚の田中が井上に盲目の女のことで相談を持ちかける。その女は「貴方のお母さんよ。お母さんなんだから何でもしていいのよ。お金もあげるし、何でもしてあげる。」といいながら、グレートマザーのような女から息子のふりをして現金を貰ったという。依存症の井上は他人の相談なんかにのれるわけもなくびびって逃げてしまう。田中は田中で井上と同じようなタイプだったことから、グレートマザーに依存してしまう。

やがて、田中に「お前に得させてやろうと思って。」との話に付いて行った井上はこの盲目の女に「貴方は私の息子よ。」と言われて絶大な盲目の愛を受ける。この居心地の良さから離れられなくなった井上も田中も、そしてシャブ中の鈴木、本田までもが淋しさを埋める為にすっかり盲目の女に依存してしまう。

人間の関係性を損得で推し量る弱さと、依存型精神力の弱さの過程を見たような気がした。本田の彼女だけが真っ当で本田を軌道修正させるあたりは観ていて救いだった。何故か盲目という設定だったはずの女が途中から盲目でない演技に変わっちゃってたのが痛い。(苦笑!)
 『デストロイヤー花』

『デストロイヤー花』

junkiesista×junkiebros.

新宿FACE(東京都)

2009/12/18 (金) ~ 2009/12/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

めくるめく実力!
ダンスに歌に芝居にと、確かに素晴らしい!その実力は流石に帝国劇場などの大舞台を踏んでただけのことはありんす~。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

junkieな世界を一度味わうと次も観たくなるという定説どおり観客を飽きさせない舞台構成。 戦乱の世に軍人を相手にしていた廊、「遊水楼」が物語の舞台。

天下統一をめぐり北朝と南朝が内乱を続ける中、北朝の爆撃によって白峰の中立地帯が木端みじんにぶっ飛ぶ。当然の事ながら、その白峰に佇む「遊水楼」も爆撃に巻き込まれて焼け野原になったはずだった・・。
が、しかし、物語は廓の遊女の念によって、「遊水楼」が幻のように復活し具現化されていく。そうして幻の中の「遊水楼」では人民解放軍と言われるテロリストが廓に立てこもり遊女たちを廓から出られないように監禁してしまう。しかしこの監禁には重要な意味があり、テロリストだったはずの3人のうちの一人、ハナが特殊な能力を持った救世士だったのだ。彼女の役割は爆撃で死んでしまったエリコの想いをキャッチしてフジコに伝えフジコの命を守ることだった。

廓が爆撃されたことで家族同然だった遊女8名が亡くなった一方でフジコだけが廓から離れていたのが功を奏して生き残ってしまったという受け入れ難い現実を、信じられなかったフジコは自害しようと考えていたからだった。

終盤、この物語の種明かしが見えてすっきりする。そしてフジコにハナが投げた命の大切さを教えるセリフに感動し酔ってしまう。廓でしか生きられなかった遊女たち8人のそれぞれの生きざまを描写しながらコメディ色も満喫させる。大村俊介のカマ風味はサイコーだったし、bugs Under Grooveのホストシーンはコミカルでひじょうに楽しい。これだけでも一見の価値あり。エンタメ万歳!(^0)
帰りはなぜかモナカを買って帰りました。観た人には解るネタ!(^0^)


おぼろ

おぼろ

ゲキバカ

吉祥寺シアター(東京都)

2009/12/16 (水) ~ 2009/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★

えんたーてぃーめんとしょうー
上の平仮名文字がよく似合うショーだった。要はショーとして観れば楽しめる。本を追うなら少し弱い、といったところだろうか。キャラクターに頼りすぎたのだ。だけど見方によっては楽しめる。相変わらずオープニングのダンスは圧巻。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

石川五右衛門をベースにしたような物語。そこに未来からやって来たうさぎちゃん2ぴき。これまた、このうさぎちゃんがサンリオから抜け出てきたような、めっさアニメ的な2ぴきなわけ。当初、2ぴきが登場した時には、マジ、学芸会にでも来ちゃったんじゃないかと思ったわさ。しか~~し、人間てやつは直にその環境に慣れるもんです。だから、中盤頃から全く違和感無く観られた。
しかも、このうさぎちゃん2ぴきの運動能力といったら凄い!特に青いうさぎちゃんのヒップホップなダンスには目を見張る。このシーンがなかったら、この2ぴきの評価はまた違ったものだった。

舞台はおぼろ小僧(鈴木ハルニ)を主軸に偽おぼろ小僧を装った裏切りに、仲間の裏切りを経験しながらも懸命に生きた人物を描いたものだったと思う。終盤はおぼろ小僧は殺されるのか・・・、と思いきやこの本は殺さない。つまり今ある命を大切に亡くなった人の分まで懸命に生きようよ。というメッセージが含まれている。舞台とはこんなふうに誰かに希望を与えるものであってほしいと、つくづく思う。

物語の合間には湯の男優たちによる裸族シーンがあり、後ろ姿の演出の見事さは類をみない。特によたかのお花の後姿は女形としては秀逸で素晴らしかった。歩き方にもとことん拘って、カマ風味充分の味付けだった。勿論、他の裸族のキャストも後姿だけでその場の感情をよく表現していたと思う。そして、北斗の拳、テスモ、デーモン閣下などキャラクター満載でこれらが好きな人は十分楽しめたはずだ。

終盤、大量の降雪シーンの中でおぼろ小僧が舞うシーンは芸術的で美しかった。バックに映える満月の中のうさぎ2ぴきの幸せそうな影とおぼろ小僧の置かれている状況とが対比して物悲しくもあり切なさを増大する。月よりの使者うさぎ2ぴきは未来のおぼろ小僧とお花であって欲しいと思うとこの舞台は決して嫌いになれないのだ。

サンタクロース会議(再演)

サンタクロース会議(再演)

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/12/11 (金) ~ 2009/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★

子供参加型を観た
こっちはどんなものかと、興味津々で観に行ったけれど・・・、


以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

場内に入るとチルドレンが前列に敷かれたマットに座っている。年齢は4~6歳くらいだろうか・。で、お姉さんがチルドレンに注意事項を優しく解り易く、説明する。幼稚園の先生みたいだ。「いいですかー、お約束は守れますかー。」子供たちは一様に「はーい!」と元気がいい。

さて、本題。「サンタクロースさんに何をお願いするか?」が議題。
まあ、そうだよね。チルドレン相手に「サンタはいるのか?いないのか?」なんつーダークな質問は禁句なわけだ。でもって、昨日観たアダルト編と内容は一緒だったけれど、会議の内容が微妙に違う。で、サンタさんからのプレゼントは何が欲しい?という質問に「操り人形の魔法使い」と答えた女の子がいた。なんとまあ、かわゆくて夢があるじゃないのっ。日本の未来は大丈夫!なんつって微笑ましい確信に満ち溢れちゃって、なんとーなく家族の気分を味わってきたのでした。

芝居の内容としては勿論、ダークなセリフが入り混じったアダルト編のメルヘンが楽しいのだけれど、こっちはこっちで、緩やかな温かみのある家族の雰囲気を味わえる舞台でした。

ああ、そうか、こうして大人になったんだった・・。

サンタクロース会議(再演)

サンタクロース会議(再演)

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/12/11 (金) ~ 2009/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

アダルト編を観た!
いあいあ、めっさ楽しい。(^0^)サンタクロースは居るのか居ないのか、の会議を議長を中心に大人たちが会議をする形。目の前には3人の子供たちがいて、かれらに意見を聞きながら進行していく。

以下はネタばれBOXにて。。


ネタバレBOX


とりあえずは大人が会議をするのだけれど、目の前に座ってる子供たちと精神年齢はさほど変わらない。安岡さんと恵ちゃんのお母さんが子供じみた喧嘩をするし、ガミガミ博士とがりがり博士のキャラクターなど、いたって子供だ。(笑)子供たちの発言のほうが余程リアルで可笑しい。ちかこの突っ込みなどダーク過ぎて笑えるし、「鳩山さんて本当にあんなに小遣い貰ってるんですかー。」なんて質問する。とにかくメルヘンだ。何もかもがメルヘン。目の前で起こっている会議自体も魔女が参加したり、魔法をかけちゃったりと愉快なのだ。
しかも、安岡さんにブタの魔法をかけちゃうシーンでは、すんごく笑った。だって、あんまし変わんないし・・。(苦笑!)
畳の縁を歩く大名行列の様子や、小人が歩く話はなんだか可愛くて楽しい。悪い子にはサンタさんが靴下に石炭ガラを入れる話で子供をびびらせ、一方で魔女はとんがり帽子にくっつけた筒状の色紙を外しては何かを折っている。
そんな会議の最中に安岡さんは少しずつサンタさんになって大人たちにプレゼントを配っていくのだけれど、貰った大人たちは子供のようにはしゃぎ、ガミガミ博士はパンダのぬいぐるみを貰って、イッチャウ!(^0^)

議題からちょっと逸れた場面では50代の既婚男性の不倫問題にふれて、会議に集まった妻たちが「クリスマスは愛人に会ってから自宅に戻って団欒する」というシビアな統計に激しく反応する。

結局薬局、この会議に集まった大人たちは本当は子供たちで、大人のふりをして会議をしてたんじゃないのか・・?なんて勘ぐってしまうほど、メルヘンなのだった。クリスマスにはメルヘンがよく似合う。

モンキー・チョップ・ブルックナー!!

モンキー・チョップ・ブルックナー!!

アマヤドリ

シアタートラム(東京都)

2009/12/15 (火) ~ 2009/12/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

私を守ってください
男を落とす言葉として、こんな殺し文句はない。だから、男は自分が命をかけても守らなくちゃ、という気になってガゼン張り切ってしまう。と、同時にこの言葉には一種の呪文みたいな魔法が潜んでいて、じわじわ~っと女の見えない操りに動けなくなってしまう。
舞台はひじょうに観やすく聞き易い、日常に近い世界の会話でもって、言葉遊びも絶妙だったから、すんごく楽しめた!初見の方にはただ見特典があるから、ただ見するといいよ~(^0^)

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

舞台のセットは至ってシンプル。カラーテーブル6個のみ。だけれど、このテーブルの使い方が巧みだ。

一軒の家で小田と星野、仁村の3人がシェアして住んでいた。そこへ星野が三谷クミコを保護したといってこの家に連れてくる。話を聞くとクミコは見城という男に監禁されてたという。クミコを警察に連れて行くかどうかを話していると、クミコは警察には行きたくないと言い出す。そんなクミコの意思を尊重して、とりあえず小田の部屋において暫く様子をみようという事になったのだった。クミコは小田に「私を守ってください」とずけりと言う。この言葉をきっかけに小田のクミコへの執着が始まる。まるで呪文をかけられたハリーのようだ。

人付き合いが下手で内向的で話ベタな小田は周りに居る友人らとも、ある一定の距離感を常に感じているタイプだった。 他人と上手く接触できない閉じた気配を身にまとっているのだ。他人の殻に触れ合わないようにして一人分の空間をうめている。そんな孤独を感じていた小田は、しかし、だからこそ、常に温もりが欲しい、という欲求は強かったのだと思う。この冷えた心を癒してくれるのは想うだけで愛しさが溢れる恋人の存在しかない、とも感じていたはずだ。そして、これまではなんとかみんなの中に紛れ込んで普通のふりをしていたいという願望にしがみついていたのだとも思う。

そんな小田の目の前にクミコという希望が現れた。彼女は別の惑星から来た孤独な生き物に見える。自分と同じ匂いだ。小田のクミコに対する愛の行方は方向を失った船のようにゆらゆらと留まるところも解らず屈折し歪んでいく。気が付けば、クミコを監禁していた見城と同様に小田もクミコを監禁していたのだった。小田は「クミコのことを自分ほど愛してるヤツは他には居ない。自分ほど深く想ってるヤツは居ないんだ。」とでも叫びたいような、そんな心境になっていく。だから、クミコが心配で心配で仕事にも行けなくなってしまい、家から出られなくなってやがて退職してしまう。自らの監禁だ。

この時期からシェアしている3人の関係がギクシャクしていく。クミコを好きになってしまった小田は他の二人の意見が耳に入らないのだ。仁村は「もしかしたら、クミコに小田が操られてるのではないか?」と気づくも、その言葉も小田の耳には、何の効力もなくなって自分自身の感情をも抑えられなくなってしまう。感情が理性に勝つ瞬間だ。まるで小田の正常な赤い血は、やがて青い血に変化し逆流していくかのようだ。その青い血の存在は理不尽な深い海の中に沈んでいくように急速に流れる。情熱を燃やせるものが、のめり込めるものが、クミコしかない。小田にとってそれが人を愛することであり逃れられない宿命なのかもしれない。

やがて、クミコはそんな状況の中、ふっと居なくなってしまう。ある日突然、誰かが居なくなるということは、もはや言葉を交わすことも、あの穏やかな笑顔を見ることもなくなるということなのだ。その不思議な空白。何かを断ち切られたような淋しさ、自分の一部がもぎ取られたような暴力的な不在。残された小田はクミコの置いていった携帯電話から、クミコが持って行った小田の携帯にかけまくる。このシーンはかつての見城と同じシーンだ。ここで何故クミコは自分の携帯を置いて行ったのかが引っかかる。繋がりを残す為なのか、それとも小田を試したいのか、あるいは自分を悲劇のヒロインに仕立てたいのか・・。

こういった演出はお見事というより、もはや完璧でゾクゾクした。それと同時にクミコはこうやって男を転々としながらさ迷い歩いてるに違いないと感じる瞬間だ。クミコを3人のキャストで演じる意味は何か?と考えたが、きっとクミコの持っている三面性を表したかったのだろう、と勝手に解釈する。しかしどのクミコも根っこは一緒だ。

やがて、クミコを失った小田は自分の殻に閉じ篭って独自の精神世界に自らを監禁してしまう。小田の輪郭はどんどん緩んで正体のわからない重みだけが、ゆっくり増していく。なんともグロテスクなフォルムだ。

そして、3人は別々の玄関を探して靴を履く。
この言葉は序盤での仕掛けと伏線が繋がって、「ああ、成る程!」なんてすっきりする。コメディか?と勘違いするほど、巧みなセリフで笑わせ、時には小田の内面を透明な赤のような色彩で魅せる。言葉による断片の繫がりは、恋愛小説を読んでいるようでもあって、この物語自体を愛しく思ってしまう。監禁したいと想うほどの絶対の愛は決して異常ではないと考えるし、クミコのような、ちょっと天然で本心がどこにあるのか解らない、だけれど放っておけない純情そうな女を囲みたいという男の心理は何となく理解できる。つかみどころの無い実態のない愛だからこそ、きっと、男は自分を見失うほど一生懸命になってしまうのかもしれない。

ワタクシ好みの作品で楽しめた舞台!終盤の幕引きは上から降ろされる囲いのセットでキャスト全員がそこに監禁される。という演出は流石!
石橋の母親役の京子たん!にはウケタ!(^0^)サイコーでした。

Loving You

Loving You

劇団 M'sカンパニー

タイニイアリス(東京都)

2009/12/16 (水) ~ 2009/12/20 (日)公演終了

満足度

至上最低!
劇団の方たちはみないほうがいいです。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

受付にはガンギャル3人。名前を告げると、「は?」と言いながら探して、「これ?」と違う苗字のチケットを差し出す始末。
「荷物を預かって頂けますか?」こちらは敬語。
「ちと・・、狭いんでー。」とあちらはギャル語。
「いつもカーテンの向こうに置いてくれるんですよ。」とこちらは敬語。
「じゃあぁ、ここで。」と椅子の上を指すギャル。

ああ、こりゃあ、駄目だな、今回の芝居は。そう感じたのもつかの間、芝居は幼稚で雑。でもってキャストの演技も褒められたもんじゃない。物語に投入されるセリフはクサイし、自己満足の世界。4番目の物語では代議士の行はアロッタのパクリだし・・。

もう駄目だこりゃ。とキャストが挨拶してる最中に出ると、受付では一人のギャルと背の高い男子が腕組んで電気を暗くしてイチャツイちゃってる最中。
で、受付から外に出るドアも開けてくれる様子も無く、「開けてくれないんですか?」と聞くと、やっと気が付いた!というような表情で男子が開ける。
「ここの劇団は今回で何公演ですか?」と、そのラブラブしてたガンギャルに聞くと、「え!、ちっと、わかんない・・。」

最後まで敬語は話せなかった人たち。
この劇団は、3年後、居るのだろうか?
truth truth truth

truth truth truth

カラスカ

明石スタジオ(東京都)

2009/12/10 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

江戸川コナソのキャラクター
説明では、なんだかスリルとサスペンスのような勢い。けれど実態は!っつーやつだ。
ちなみにタイトルはコナンではなくコナソなのだ。一見みるとかくれみの術のようにどっちも同じじゃん!と思うかも知れないのだが、違うのだよアケチくん!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

物語の筋は神山龍二という名前からして物騒なボスが殺された。殺したのは水野里香だったが、彼女をかばって逃がした片瀬奈緒が容疑者となる。しかし、裁判で経過を紐解いていくうちに真実が見えてくる。と、まあ、こんな感じなのだが、相変わらず、コナンのキャラクターそっくりのコナソを久高が演じるが、このコナソが大した活躍をしない訳よね。つまりイジラレ役。笑
でもって何所の訛りか解らない言葉を発する家政婦の二毛作トシ子やら、弟系乙女型草食男子の音面太郎やら、ペに似せたペク・ソンホンやら相変わらずどんだけキャラクターなのだ。笑

しかし今回はミステリーのエッセンスを考えすぎた為か、本来のコメディ部分が手薄になってしまった気がした。この感覚は決してワタクシの要求がレベルアップしたわけではない。本来の劇団鴉霞のコメディはこんなもんじゃないのだ。だから、今回は客席もそれほど沸騰していなかったように思う。ワタクシの隣に座った観客はクスリともしなかったのだ。

キャラクターをどのように使いこなすか、言葉でどのように笑わせるかが、今後の課題として残ったような気がするし、コナソのキャラクターを存分に使いこなしてないように感じた。
それでも、とりあえずはコメディなのだった。




2P【満員御礼で無事終了☆】

2P【満員御礼で無事終了☆】

岩☆ロック座

シアターPOO(東京都)

2009/12/12 (土) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

なんちゅーか、ほんちゅーか!(苦笑!)
もうこれは苦笑いというか、笑うしかない前説。前説っつーと聞こえはいいが、ただ単に4にんの男優がパンツ姿で踊るわけよね、しかもそのおぱんつはブリーフだからね、トランクスなら線が浮かび上がらないけれど、彼らのおぱんつはブリーフ!しかも・・ヤナカケイスケがメッポウ張り切る!
ぐはっ!(吐血!)、ワタクシ思わず目を手で塞いじゃったっ!しかーし、何故か指は開いてたっ。(失笑!)

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

なんだかんだいって、気に入った作品は「愛という名のもとに」と「プレイ」

「愛という名のもとに」
妻を亡くした父親の性癖を垣間見た息子と親父の会話劇。二人の間の取り方が絶妙で、二人は意見し合ってるうちに熱を帯び、ビデオテープの早送りのように早口になって気がつけば宇宙人のような会話をしてる。それがなんとーなく理解できるから可笑しいやら楽しいやらで、最後にどんなオチをもってくるのか興味津津だったら、親父はダッチワイフを相手に妻の名前をつけてHしてた!という筋。笑


「プレイ」
会社では課長職にあるリーマンが今夜こそ童貞を捨てる為にラブホで娼婦を待っていた。しかし、現れた娼婦は「可愛い!」とのキャッチフレーズとは言い難い(ごめんね菊池)マスクであった。リーマンはチェンジを申し込むも、他の娼婦は出払っていて代理がいない。しかたなく諦めて「まあ、こいつでもいいか・・。」みたいな空気感から前戯のゼンギで娼婦の話を聞くうちに娼婦に実は処女だという告白をされる。つまり、毎回チェンジされるのでずっと処女のままだったというのだ。(大爆笑!)
結局薬局、男も童貞なのでお互いに今日、喪失しようという話になって、二人は裸に近い恰好で絡み合う。この絡み合う場面が、もう、もう、大爆笑なわけよね。(^0^)つまり娼婦役の菊池美里はタイツ姿で絡み合うわけだけれど、彼女自身にあまり色気がない!っつーか、まったくない女優だから(ごめんね菊池)、その仕草があまりにも滑稽で、ってか蛙のようで殺されるかと思うくらい笑ってしまった。
いあいあ、菊池の存在は貴重です。個人的に菊池は大好きな女優の一人だけれど、彼女には観客から嫌われる要素が一つもない。あの独特なゆるり、としたしゃべりは魅力的だし、彼女にコメディをやらせたら右に出る者はいないよね。素晴らしい女優です。
で?リーマンは激しくされて死んじゃったみたい。笑
リーマン役の大口達也(カリフォルニアバカンス)と菊池の絶妙なコンビは最高でした。(^0^)


ちなみに「Ceremony」は序盤から中盤が長すぎた。もうちょっとまとめて短くした方がインパクトがあったかも。

今回は 【愛という名のもとに】と 【プレイ】のみなら☆5つ。総合的には☆4つ。出演したキャストの豪華さは貴重でした。(^0^)

ヤマト版 仮名手本忠臣蔵

ヤマト版 仮名手本忠臣蔵

笑劇ヤマト魂

ザ・ポケット(東京都)

2009/12/09 (水) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

いつものプチ歌舞伎ヤマトティスト
だから、笑劇ヤマト魂を未見だった観客はちょっと驚くかもしれない。忠臣蔵の公演と聞くと「普通の時代劇ざんしょ?」なんつって思い込む観客が殆どだからだ。だがだがしかし、だがしかし・・・。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

だけれど、忠臣蔵もヤマト風にアレンジされると、美しい本歌を盛り込みながら、歌舞伎風な忠臣蔵になる。だから、まともな忠臣蔵を観慣れてると???になる。笑

しかし、ここで紡がれる本歌は本物だ。その本歌を猫というキャラクターがナビ役になって美しい情景や筋を猫の目を通して物語を解説させる。猫はあくまでもナビに徹している。猫がご乱心された浅野と吉良の様子を見つめ、更に47人の仇討ちの場面も目撃するという役割だ。こうした猫というキャラクターの建て方は渡辺の上手いところだ。

合間には大石内蔵助のなごやか~なノー天気な空気も演出させながら、ディスコネタやチャンバラネタを披露して笑いをとる。更にキャストらの糸つり人形のようなダンスを投入させながら舞台は芝居というよりもエンゲキというカタカナが似合うティストだ。

終盤は序盤に散らばせた伏線を見事に繋げ絶妙に魅せる。白い銀世界を紅の血潮に染まっていく風景の演出は美しく切ない。

吉良に口汚く罵られた刹那、浅野は正気を失ったとされた場面もヤマト風にアレンジして、めでたしめでたし・・にしちゃった本はちょっと違うんじゃね?(笑)なんて思いながらも、まあ、楽しめた舞台だったと思う。

相変わらず、大田と菊川の逸脱したキャラの存在感は素晴らしい。舞台に立つだけでゆらゆらと燃える炎のようなものを背中にしょってる役者でもある。
太陽と下着の見える町(庭劇団ペニノ)

太陽と下着の見える町(庭劇団ペニノ)

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2009/12/05 (土) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

イッチャッテル世界!
太陽と下着の見える町というよりも、精神病院の中なのだ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

序盤、出だしは静だった。そこにいきなり爆音が響く。静から動への展開。
序盤から急激な展開へ誘う音は断片的に投入され、これから始まるであろうサスペンス的な魅惑にドキドキする。実はこういった効果音はとても好きだ。
以前見た「電動夏子安置システム」の舞台にも落雷の効果音が使われていて、すぐに物語りに入り込めた。だから、効果音はワタクシにとっては物語への誘い水だ。

舞台は一階と二階に区切られ、どうやら一階は精神病院の4つの病室らしい。そこでは患者が便器としゃべったり、同室の女性が同性愛になったり、はたまたオナニーをしたり、積み木で遊ぶ少女など独自の妄想の世界を表現する。一方で階上ではこれから手術をする患者をほったらかしにして、女医らが、腸を取り出す策を練る。(患者が死んじゃうってば!)笑

そして階上のテラスではパンティ論者が意気揚々とパンティについて話すが誰も真剣に聞いてやしない。要するに変態たちの集まりだ。狂気とは変態なのかもしれない。気が狂った人っていうのは素敵な無関心さを貫くことだから、案外、この素敵な無関心さはどなたにも存在する事でこの素敵さが狂気に繋がるのだとしたら、みんなちょっとは狂気じみてる訳だ。笑

タイトルのパンティは実はここでは大した深い意味は無い。だけれど、作家が相当な拘りを持ってパンティに挑んだのは確かだ。だから、いちいちパンティをひっかえとっかえしながらパンティカラーが変わっていた。

生活そのものが妄想の世界を走っていた一人の閉鎖的患者はやがてテラスから風船を持ったまま飛び降りる。そうして、風船だけが地上に向かってふわふわと彷徨いながら空を舞う。こんな演出は素敵だ。そこにはロマンがあるからだ。泡の音響も泡となって散ったクライアントのようで、その精神世界は自分が犠牲になって死んだ人魚姫のような感覚だ。

だから・・この突飛で変態で誰をも侵入させない無関心さを真っ直ぐに生きようとする生真面目で病んだ精神の描写が好きだ。
全ては脳内の物語。
時計は生きている

時計は生きている

Rising Tiptoe

小劇場 楽園(東京都)

2009/12/10 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

音楽としゃべりのコラボが絶妙
既に本公演の詳細は説明にUPされてるから、重ねて言うまでもあるまい。。(翁風)
本編はダークコメディと簡単に括れるものではないことは確かだ。そこには一つの家庭を反映させながら、そのバックにのさばる企業が暗躍しているからだ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

今回は小難しい言葉でのUPはしない。まあ、出来ないけれど。笑
今回の芝居に限っては解り易く噛み砕いた説明のほうが観る側にとって親切だからだ。

ババアとジジイはごくごく普通の夫婦のようにTVの前で寛いでいる。ここでのババアのセリフが絶句するほど絶妙だ。いつものことながらコミカルでテンポの速いセリフの中には世相を表現しながらも、コメディ的リズムに乗って私たちを楽しませる。ババアの吐くセリフだけで、今から始まるであろう「時計は生きている」という芝居の世界感を期待してフルフルと震えてしまう。
そして、留まることのないババアのセリフは脚本家・宇吹萌の頭脳の回転の良さを思い知らされる。そんじょそこらの凡人ではないのだ。
重ねてババア役の蛯原には、あの長台詞を一度も噛むことなくしゃべりまくったプロ根性を絶賛したい。更に蛯原の手が美しすぎる。
な、なんだ?!この白い指は?男の手とは思えない美しさ!細いし。。”)

さて、舞台は二人の前で放映されてるTVの中の世界とこの部屋にいるババアとジジイの2つの面を交差しながら展開させる。TVの中ではスポンサーの為に商品を売ろうとする司会者たち。まんまとその誘惑にのってしまう、こちら側の消費者(ジジイとババア)ら。対面するTVと消費者は一見すると消費者が主役のような感覚を受けるがそうではない。消費者はメディアによって動かされ、挙句、人生そのものも管理されてた、と気づく。しかしそのメディアのバックに静かに大きく佇む世界企業。メディアも企業そのものに動かされているのだから、ちっぽけな存在だ。
メディアつまり企業は、ババアを撮影するというためだけに30年間閉じ込めて管理してきたのだった。ババアの人生の撮影だ。
だから、ババア以外の周りの人たちジジイも含めて全てが契約によって動かされてたエキストラだったというのだから、それを知ったババアは絶句する。
何のために?
誰もが疑問に思うところだが、人生全てが作品なのだ。結婚も出産もなにもかも・・。ホラーじゃないのか?と思ったほど、末恐ろしいダークコメディだ。
しかしこの物語は、それだけでは終わらせない。ババアの人生の終結までが契約の中身なのだ。だからババアには死んでもらわないと作品が終盤をむかえない。
宇吹萌はいったい誰にババアを殺させるのだろうか?そんなドキドキ感がぞわぞわ~っとした良く解らない感情とともに襲ってきた矢先、ババアは自分の子供・サーヤに毒を飲まされて苦しみながら落ちる。

ババアが死んだ後も何事もなかったように世界はその場その場の情景で動き流れる。TVの中の風景はTVショッピングやら人生相談のような、どーでもいいような放映が果てしなく続き刻々と時間だけが流れる。

ババアは撮影のためだけに生かされそして死に、メディアは企業に傅き、世界は企業によって動かされていく。そう、私たちは時を刻みながら大きな見えない怪物に生かされ動かされているのだ。今日も明日もあさっても。


追伸:物語の後半に入って空調の暖房が利きすぎてワタクシの思考が停止してしまいました。何度も空調を止めるように言いたかったけれど、芝居のセリフを聞き逃すまい、としているうちになんだか頭がボーっとして、くらくらして眩暈が襲ってきた。そうなると気持ち悪くなって、なんだかぐったり・・。可哀相だったのはキャストら。汗びっしょりで演じ切ってた。
そんなだから、一瞬、聞き逃した部分もあって今回のレビューは正確ではないかも知れません。ご容赦を。すみません。。

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