太陽と下着の見える町(庭劇団ペニノ) 公演情報 フェスティバル/トーキョー実行委員会「太陽と下着の見える町(庭劇団ペニノ)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    イッチャッテル世界!
    太陽と下着の見える町というよりも、精神病院の中なのだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    序盤、出だしは静だった。そこにいきなり爆音が響く。静から動への展開。
    序盤から急激な展開へ誘う音は断片的に投入され、これから始まるであろうサスペンス的な魅惑にドキドキする。実はこういった効果音はとても好きだ。
    以前見た「電動夏子安置システム」の舞台にも落雷の効果音が使われていて、すぐに物語りに入り込めた。だから、効果音はワタクシにとっては物語への誘い水だ。

    舞台は一階と二階に区切られ、どうやら一階は精神病院の4つの病室らしい。そこでは患者が便器としゃべったり、同室の女性が同性愛になったり、はたまたオナニーをしたり、積み木で遊ぶ少女など独自の妄想の世界を表現する。一方で階上ではこれから手術をする患者をほったらかしにして、女医らが、腸を取り出す策を練る。(患者が死んじゃうってば!)笑

    そして階上のテラスではパンティ論者が意気揚々とパンティについて話すが誰も真剣に聞いてやしない。要するに変態たちの集まりだ。狂気とは変態なのかもしれない。気が狂った人っていうのは素敵な無関心さを貫くことだから、案外、この素敵な無関心さはどなたにも存在する事でこの素敵さが狂気に繋がるのだとしたら、みんなちょっとは狂気じみてる訳だ。笑

    タイトルのパンティは実はここでは大した深い意味は無い。だけれど、作家が相当な拘りを持ってパンティに挑んだのは確かだ。だから、いちいちパンティをひっかえとっかえしながらパンティカラーが変わっていた。

    生活そのものが妄想の世界を走っていた一人の閉鎖的患者はやがてテラスから風船を持ったまま飛び降りる。そうして、風船だけが地上に向かってふわふわと彷徨いながら空を舞う。こんな演出は素敵だ。そこにはロマンがあるからだ。泡の音響も泡となって散ったクライアントのようで、その精神世界は自分が犠牲になって死んだ人魚姫のような感覚だ。

    だから・・この突飛で変態で誰をも侵入させない無関心さを真っ直ぐに生きようとする生真面目で病んだ精神の描写が好きだ。
    全ては脳内の物語。

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    2009/12/12 16:59

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