ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる 公演情報 掘出者「ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    それぞれの弱さ
    誰かに依存しなきゃ生きられない人と人との関係性を描いた作品。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    本田の家に友人だからという理由だけで転がり込んで世話をしてもらっている井上。恵みを受けてる井上自身は本田に感謝しているのか?というとそうでもない。金がないし友達なんだから助けてくれるのは当たり前だと思っている。挙句、一緒にいたら何かしてもらいたくなる、なんつって屁理屈をコネル。居候なのに。笑   
    そんな井上は彼女にフラレテ彼女の妄想を見る。自分の世界に入り込んでいる時は気持ちが良いものだ。何しろ思うように物語が作れる。

    そんなある日、井上のところに薬中の鈴木が現れる。鈴木の脅すような不気味さについついシャブを受け取ってしまうも本田が部屋に戻ってくると井上は引っ越そう、と言い出す。この場面でも井上は他力本願なのだった。と、本田の妹が部屋に訪ねてくる。妹は兄が井上を部屋に住まわせているのを不審に思い、「お兄ちゃんは騙されてる」と決めつける。が、どうやらこのきめつけの前提には父親が友人の保証人になって友人に騙されたという苦い過去が背景にある。しかし、兄自身も鬱だったことがあり依存型だ。妹も宗教がらみのセミナーに妄信してソレに依存する。

    そんな折、職場の同僚の田中が井上に盲目の女のことで相談を持ちかける。その女は「貴方のお母さんよ。お母さんなんだから何でもしていいのよ。お金もあげるし、何でもしてあげる。」といいながら、グレートマザーのような女から息子のふりをして現金を貰ったという。依存症の井上は他人の相談なんかにのれるわけもなくびびって逃げてしまう。田中は田中で井上と同じようなタイプだったことから、グレートマザーに依存してしまう。

    やがて、田中に「お前に得させてやろうと思って。」との話に付いて行った井上はこの盲目の女に「貴方は私の息子よ。」と言われて絶大な盲目の愛を受ける。この居心地の良さから離れられなくなった井上も田中も、そしてシャブ中の鈴木、本田までもが淋しさを埋める為にすっかり盲目の女に依存してしまう。

    人間の関係性を損得で推し量る弱さと、依存型精神力の弱さの過程を見たような気がした。本田の彼女だけが真っ当で本田を軌道修正させるあたりは観ていて救いだった。何故か盲目という設定だったはずの女が途中から盲目でない演技に変わっちゃってたのが痛い。(苦笑!)

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    2009/12/22 11:31

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