みさの観てきた!クチコミ一覧

501-520件 / 1613件中
ラジオのちから

ラジオのちから

X-jam

「劇」小劇場(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

少女の生きざま
2部構成。第1部(ライブ)は、石川よしひろのライブ。 第2部(芝居)は、石川よしひろがレギュラーを努めた ラジオの名番組「オールナイトニッポン」制作当時の実話を元にした芝居。どちらかというと「ふくふくや」が好きなことと、観劇マニアのワタクシは芝居のほうに興味があったので、今回の感想も芝居を主軸に書きます。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

石川が担当のラジオ番組は視聴率が上がらない。どうにか視聴率を上げようと画策するプロデューサー神埼はとある一通の手紙に着目する。それは番組を聴いていたリスナーからのものだった。石川を「アニキ」と慕うリスナー亜子。

亜子は理由あって母子養護施設で育つ。中学卒業後、お饅頭の工場で働くも、そこの社長に騙されて不倫の関係に陥る。しかし、亜子は頭が弱いことから、自分が騙されていることに気づかないのだった。これを番組で取り入れたら必ず視聴率が伸びると踏んだ神崎は、なかば強引にこれを番組の企画として組み込んでしまう。

石川は個人のプライバシーだからと反対するも、個人の声なんか届かないのが企業と言うものだ。かくして石川は亜子の身の上相談をラジオで放送し、ヒットを飛ばす。しかし、視聴率が上がればあがるほど、番組は公に知られることとなり、そんな番組の噂は工場の従業員と社長の奥さんにも、バレてしまう。亜子は奥さんに殴られ退職させられてしまうも施設で育った身の上と中卒という条件から、何処も亜子を働かせてくれるところはなかった。

一方で視聴率が鰻登りに伸びて昇格した石川の元に、母子寮に戻った亜子から手紙が届けられる。「私はいらない人間なのかもしれません。一人は怖いです。」石川をアニキと慕いながらも孤独が怖いと言う依存型の手紙だった。

そんな亜子に対して石川は番組で「君は一人ではありません。これからも会うことはありませんが僕と繋がっています。皆とも繋がっています。ずっと友達です。強くなってください。自分に優しくしてあげてください。」

・・・「友達・・・、あたしの?!」亜子はこのメッセージを聞いて明日の希望を持つのだった。

その後の亜子は夜間高校に通い、パチンコ屋で働きながら毎日を楽しく暮らしていると言う。「アニキのラジオは私の宝物です」という手紙と一緒に届けられた近況報告。


亜子こと荻野みかん(JFCT)の演技が絶妙!落涙を誘うシーンがあり、うるうるする。ああ、やっぱ芝居はいいわー。
思うにライブと芝居を構成で仕切らないで芝居の合間に歌うほうが良い様な気がする。基本的に「劇」小劇場は芝居好きな人が集るから序盤、ライブで始ると休憩に帰っちゃう観客がいた。苦笑。
芝居でこれだけ魅せたなら、最初から芝居を軸に音楽劇としたほうが良いと思うのだが・・。
【ご来場ありがとうございました!】蜻蛉玉遊戯

【ご来場ありがとうございました!】蜻蛉玉遊戯

趣向

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

絶品!
この日はスケジュールにぽっかり穴が空いて、破格の料金ということもあり、急きょ当日券で観に行った公演だった。しかし予想に反して素晴らしいものを観て、ものすっごく感激しちゃったよ。霊験あらかたな気持ちで真摯に観劇。
今回の演目は「キョウダイ」「Sky Burial 天葬」「CARNIVALカーニヴァル」。前2つがオノマリコ、最後がモスクワカヌの戯曲。二人の共通点は繊細で美しい世界観だ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

「キョウダイ」
二人の兄弟は小さなころから仲良しで2人で一つみたいにいつもくっついて楽天的にバカをやりながら遊んでいた。小学生になっても、中学生になっても、こうしてくっついて離れることはないのだと思っていた。先生にはもっと広い視野で友達を作らなくちゃダメだよ。なんて指導されたけれど、兄弟がいれば私は十分だと思っていた。だけれどやがて、兄弟は、なんだか少しずつ私から逃れようとしているようだった。その兄弟との境界は曖昧で安定していなかった。遠くの大学に行った兄弟はやがて音信不通になり、生きてるのか死んでるのか解らなくなった。かつて私には兄弟がいました。



「Sky Burial 天葬」
父親が仕事で多忙な一つの家族は姉と弟と母さんの3人家族みたいだ。姉は特殊な才能を持った自閉症だ。このことが父を仕事にのめり込ませ、母は姉に普通の娘になってほしいと思い悩む。それでも偏差値88の姉の日本語はオカシイのだ。姉は昔から人間嫌いだった。そんな家族が嫌で弟・洋司は家を出てしまっていたが、チベットで死んだ父が鳥葬をしたという話を聞いた洋司は家に帰ってくる。

鳥に食べられた父と、姉を普通に結婚させて生きさせたい母、自閉症の姉、父にもっと家にいて欲しかった弟の家族の情景を表現した舞台。ワタクシは個人的にこういった物語が好みだ。父の気持ちも母の気持ちも、姉の気持ちも、弟の気持ちも解るからだ。それぞれの気持ちは痛いほど心に響いて、なんだか悲しくなってチクチクした。そしてじんわりと静かに泣いた。みんな、好きなように生きたらいい。そんな風に思えた美しい物語だった。



「CARNIVALカーニヴァル」
女は肉屋を営む。ちっさな町には楽しみなんてない。年に一回のカーニヴァルくらいだ。女は過去にカーニバルのサーカスの男に恋をした。カーニヴァルが終わると男は来年も必ず来るからと言って去って行ったのだった。カーニヴァルは幸せも不幸も持ってやってくる。

あれからカーニヴァルは来てないが女には子供が出来た。しかし女は子供に、「貴女のママはカーニヴァルの歌手だから、貴女を育てられないの。だから私が預かった」と嘘をついて育て、その子は美しい少女となる。女は生きるために馬を殺し馬肉として売るが、少女はそんな仕事が嫌でたまらない。カーニヴァルがもう一度この町を訪れ、歌手のママがいつか自分を迎えに来てくれると信じ夢を見る少女。

オルゴールの箱を開けると音楽を奏でピエロにマジシャン、カーニヴァルの歌手が歌い回転木馬は踊りだす。しかしその夢もカーニヴァルが来ればすべてが終わってしまうのだ。そのカーニヴァルが今年はやってくる。待ちわびる少女。しかし女は少女に本当の事を打ち明けるも、少女は「私がず~っと生かし続けてきた夢をおばさんが壊した。」と詰る。カーニヴァルは幸せも不幸も持ってやってくる。



総括・・どの戯曲も素晴らしい。近すぎる「キョウダイ」の存在から離れたいと感じる心。墨絵を想像させるチベットの山々での優美な情景と現実を帯びた世界観の格差の「Sky Burial 天葬」。幻想の世界で生きる少女の「CARNIVALカーニヴァル」。、特に4人のカーニヴァル団が登場するさまは実に楽しい。

この日は丸尾聡さん(世の中と演劇するオフィスプロジェクトM主宰)のトークの日だった。なんでも、モスクワカヌは丸尾の弟子らしいが、弟子のほうが師匠を上回る本を書くというのは珍しくない。
瀕死の王さま Le Roi se meurt

瀕死の王さま Le Roi se meurt

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

なかなか死なない
公演時間2時間20分。今回はとにかく長いと感じた為、後半はちょっと苦痛だった。キャストらは熱演を見せたが、割に単調なストレートプレイで、これまた、なかなか死なない陛下を観ていると、ワタクシ、早く死んでくれないかなー、と願ったほど。また、客席は対面式に設置されており、公演中、客席も明るい事が落ち着かなかった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

不条理劇作家ユジェーヌ・イオネスコの作品。とある王様が、第1王妃と侍医に「あなたはもうすぐ死ぬ」と宣告されるも王様は第2王妃との甘い生活に固執し、第2王妃も王様の死を受け入れられない。国民の命を軽視してきた王様は自分が生きることには貪欲だった。

やがて、身体がだんだん弱っていくにも関わらず、相変わらず命令する王。しかし国が滅びかかっている一国の王の命令なんて誰も聞きやしない。普遍的な死と死に対する恐怖を描いた物語だが、舞台に登場した王様は秘密のSMクラブで働いてるようなイデタチ。もしかしてチップとか必要なのかしら?なんて気をまわす。しかし見方によってはサタンにも見える。笑

そんな王様が死に対してジタバタするのだが、この描写がとにかく長い。死にそうで死なない。死んだかと思うと生き返る。笑)
個人的にはもっと削れるような気がするのだがいかがだろうか?90分くらいで充分な物語だと思った。


ヴィジョン

ヴィジョン

ミームの心臓

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★

演技が硬かった
初日という事もあってか、キャストらの演技がちと硬い。とある少女画家の物語。ちなみに当日配布するパンフの「声明」の内容は社会的なコメントが書かれてあって読み応え満点なのだが、ち、ちっさい字だー。。笑)....
ちなみに「出る杭は打たれる」けれど、「出すぎた杭は打たれない」と思う。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

物語は少女が左手首を切って自害しようとした場面から。

かつて少女は絵が好きだった。しかし、絵画のコンクールで少女の描いた「ジャンヌ・ダルク」が優勝してから彼女の周りは一変してしまう。マスコミは賑わい、世の中も学校も家族も彼女に期待し、少女の母親も少女の才能に溺れ、その重圧に負けてしまった少女は自ら絵を焼いて自殺未遂に至る。

少女は精神病院に入院し、妄想の中でジャンヌ・ダルクになった自分と現在の自分を行き来する。ジャンヌ・ダルクの世界に行った場面で、嫌われ者のロベールと村人を仲良くさせようと仲介するシーンの説得の仕方が面白い。「ロベールはバカだから忠告しても直らないの。そういう場合、賢い人が1歩引いて愛を与えればいいの。皆は賢いのだから出来るでしょ。」とチクリと刺す哲学!笑

悲劇のヒーローと現況に置かれた自分を同調させながら、病院内での場面では鴻上尚史の「トランス」をも盛り込む。ここで登場する天皇は金魚のアロハシャツをお召しになった、イッチャッテル天皇だ。しかし、彼が吐くギャグは受けなかった。苦笑!

少女は母に「私を見てよ。私の才能じゃなくて。」と訴える場面はそこはかとなく甘いと感じた。才能も「私」の一部だからだ。しかし少女の年齢で多くの人から期待されるプレッシャーはあまりにも重く現実逃避しながら「普通であることの幸せを」を噛み締め願う。たまに有名人が「普通になりたい」と訴えるが普通にしか生きられないコッチ側の人間にとっては羨ましい限りだ。笑

こうして終盤、ジャンヌの言葉によって復活した少女は「絵を描かなきゃ、絵を描かなきゃ・・・、私が認められるには絵しかないもの・・。」と言いながら闇から立ち直り「人々に希望を与えるような絵を描くの。」と、しっかりと地に足をついて生きる決意を固めるのだった。


今回は舞台の空間が目立った為、全体的な演出が前作と比較して雑だったような気がする。更にキャストが頭を入り口にぶつけて顔面まで血が滴り落ちて引いた。(・・!)
そしてキャストの演技力の格差が目立った。一人の少女にスポットを当てて物語を丁寧にみついではいたものの、色んな所作を盛り込み過ぎた為か、ワタクシには響かなかった。次回に期待!

かなりあノ声

かなりあノ声

張ち切れパンダ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

崩壊家族と模倣家族
物凄いものを観た!という確かな実感が今でも胸に去来する。物語は本当の家族が崩壊していくと予感した兄がその悲劇を隠すかのように新しい家族を構築していく物語。しかし、心の歪みから始まって作られた模倣家族は、その歪みが増大した時に破裂する。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

誰でも安息に満たされ豊かでありたいと願う。この物語は一つの家族を捨てて去って行った父親不在の不安から始まったものと感じる。

平井家の父は女を作って出ていき、母はそれを苦に自殺してしまう。しかし、物語は過去に遡っての描写から。
父親不在となった平井家の人々は不安定な気持ちを抱えたまま少しずつ、じんわりと欝になっていく。鬱積したものを抱えた長男・一鷹は施設から女の子を誘拐してきて自分の妹・雛として育てる。このころから少しずつ精神的に病んでいた母・千鶴は一鷹に何も言えない。

かくして一鷹は雛を猫可愛がりして異常なほど大切に扱うも、弟・翔は自分に対する兄の態度が一変し見向きもされなくなってから、女装し始める。自分も女の子になったら雛のように兄ちゃんに好かれるという切ない思いからだ。

一方で隠れて雛を苛める母親。一鷹の異常な変貌ぶりは雛のせいだと思い込み、どう対応していいか解らない気持ちと、夫が帰ってこない不安からの混雑した精神状態の母親。そんな母は「お前なんか生まなきゃ良かった。」と一鷹に暴言を吐く。一鷹が自分の友人と関係を持った母を詰った後の言葉だ。

誰かが誰かを傷つけ、誰かが誰かを詰り罵倒し、そして自らも傷つく。家族であるがゆえの描写だ。家族だからこそ肉親に対しての甘えで増長される感覚だ。血の信頼感とでもいおうか、いったん問題が起きた時の怒りや悲しみの度合いもまた他人同士のそれよりも一層激しく、こらえ性なく爆発するのだと思う。他人同士なら一線を引いて考えられる問題でも、真実の親子だから、真実の兄弟だからこそ、「理解してくれるはず。」なのに理解してもらえないことにカッとして自制心まで失ってしまうのだ。

メビウスの輪のように、その光景はくるくる、くるくると一定の方向に誰も混じり合うことなく空回りする。くるくる、くるくる・・。

やがて、千鶴は首を吊って自殺し、その光景を絶望の目で見つめる一鷹。こうして一鷹は更に狂気を増し、雛が気に入るからという理由で雛の友人の彼・翼を押し入れに軟禁しペットのように扱う。同じくまみちゃんも軟禁し首輪をさせる。一鷹とオカマ(翔)、雛、翼、まみの5人が囲む鍋の光景はあたかも仲の良い家族の光景だ。幸福な表情をふと垣間見せる一鷹。一鷹が渇望するもの。それは信頼の家族だ。

施設から連れてこられた雛は「お兄ちゃんは私のアンパンマンなんだよ。」という。「初めて会った時にパンをくれたの。」ともいう。雛にとって一鷹は世界の全てだった。その正義の味方アンパンマンのやることは雛にとって絶対であり正義でもあったのだ。しかし、父の再婚相手の連れ子・まみが現れてから状況は一変する。

「いつまでこんなことしてんの。私たち3人こそが本当の家族なんだから一緒に行こう」と一鷹と翔を説得するまみ。そして雛には「ここはあんたの場所じゃないよ帰りな。」という。そんな雛をあっさり手放し、雛に土下座する一鷹に驚愕と絶望を感じた雛は歌を忘れたカナリアのように壊れてしまう。

終盤は序盤に撒いた伏線をきっちり回収し見事に収める。しかし、包丁を手に持った雛と戻ってきた一鷹が対面するその後の行方は解らない。観客の想像に任せる余韻を残す終わり方だ。全員がやり場のない屈折を抱え、そして愛情に飢えた人たちの物語。

キャストらの演技は本当にお見事。中でも雛(小林美奈)と一鷹(浜本ゆたか)のタッグは絶妙!それに加味して欝な物語に横からスパイスをかけるようなコミカルな場面展開も素敵だった。





ライフパスファインダー2010

ライフパスファインダー2010

パスファインダ制作室

吉祥寺シアター(東京都)

2010/08/27 (金) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

人生の船出
序盤、ディズニーランドの中のイヴェントにでも迷い込んだような感覚。客入れの時点からそんな雰囲気があったのは確か。キャストら全員がスタッフとして動くなか、ワタクシ達はクルーに導かれた客船のゲストだった。舞台セット、照明は本当に申し分ない。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

物語は主人公・太郎が人生を楽しく有意義に自分らしく生きるために旅を続け模索していくというストーリー。その始まりの扉を探す旅でもあり、再生のたびでもある。この物語の中で太郎は多くの他者と関わりあう事で自分らしい生き方を捜し求めて行くのだが、このなかでの重要なポイントは「失敗しても何度でもやり直せるんだよ。」という応援歌みたいなものだ。

舞台は全体的にロックと言うより、ショー的な要素が強い。正直申し上げて、物語性は少し、浅いと思った。キャラクターがガキくさいのと、異常細胞を排除する作戦において、異常細胞を持ったキャラクターの生きて来た構造の掘り起しが甘いのだ。なぜ、彼女はそんな攻撃的になったのか?それは属性からなのか?そして彼女らが殺されるまでの物語の説明があまりない。更に死に方もあっさりしていて、あまりにも簡単だ。

そしてピンで歌を歌うシーンは上手下手が素人の耳にも歴然と解ってしまうほどの格差ぶりだった。だから物語をもっと練りこんで歌に磨きを入れればほぼ完璧に近い舞台だったのだ。更にこういったイヴェント的な舞台で欠かせないのは観客のノリだ。

最後の2曲はまさに観客共々、盛り上がるべき場面だったように感じる。だから前説で、まえもって観客に振り付けを教えて共に盛り上がったら良かったと思う。その仕込みを怠らなければ、観客はキャストらと一緒にノリノリで踊って、「楽しかったねーー!!」なんつって笑顔で帰れたものを・・、と思う。

次回を楽しみにしたい。
街【公演終了!ご来場誠にありがとうございました!】

街【公演終了!ご来場誠にありがとうございました!】

ヲカシマシン

タイニイアリス(東京都)

2010/08/27 (金) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★

渇望する愛
雑多な人々が無機質な街で生きてる様子をまんま、表現したような舞台。しかし、そこで息づく人々の関わりがあまりないから、ってか、ないのが現実のまんまの描写なのだろうけれど、個人的には、もっと飛躍した物語性が欲しかった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

現実の街での雑事や雑踏のように、今日も豆腐屋に豆腐を買いに行く小僧。世の中を遠めで観るホームレス。幸せでないリッチマン。何か食わせろと男にせびり挙句、身を売る少女。別れる事になる恋人たち。それらを無関心に見つめる大衆。しかし、誰もが愛を渇望する。

愛は永遠ではないが、永遠の愛を欲しがる女。「愛して」と口に出し、また自分の想いと同等の愛を男に要求する。そんな欲望うごめく個々の想いを飲み込むように街は存在する。街はワタクシ達が形成したものだが、幸せはそこにはない。「月並みだけど、私の幸せは家族です。」と言い切るホームレス。かたや、自殺を試みるリッチマン。距離を置いて見ている者だけに解る真実だ。

街に飲み込まれてその空間に鎮座していると解らないものも、誰にぶつけていいのか解らない憎悪やこれから先の自分自身の不安も街へ転化して、まるで街全体が悪いかのように誰もが幸福を前に敗北してしまう。

それでも我々は街でしか生きられない。愛が欲しいなら努力しろ。それだけ。




旬の観たいもの展2010

旬の観たいもの展2010

旬の観たいもの展

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/08/17 (火) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

総括
「旬の観たいもの展2010」の参加劇団を全部観終わって、とにかく楽しくてワクワクしたイヴェントだった。今思うと、充足感で満たされた舞台の数々だった。
企画も素晴らしいなら、劇団のチョイスも素晴らしいと感じた。

次回も是非にワタクシ達を楽しませて欲しい。次回も観ます。

女中たち

女中たち

劇団 風蝕異人街

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/08/28 (土) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ぶっ飛んだ3人芝居
売春婦であった母から生まれ、生後7ヶ月でその母に捨てられたジャン・ジュネ。その後、田舎に住む木こりの夫婦の養子となったジュネは犯罪を繰り返すようになった。養母が死亡した後、新たな夫妻の養子となったが、繰り返して起こした犯罪のため、15歳のときに感化院に送られた。18歳のときに外国人部隊に志願し入隊するが、後に脱走してフランスを離れ、ヨーロッパを放浪した。この際にも、窃盗や乞食、男娼、わいせつ、麻薬密売といった犯罪を繰り返していた。このように数奇な運命を自ら実践してきた彼は遂に1942年に中央刑務所に投獄されるという、小説の主人公みたいな生き方をしてきた。
だから、今回「女中たち」を楽しみにしていた。。

ネタバレBOX

ソランジュとクレールの二人姉妹は屋敷の女中。奥様の留守に奥様の衣類をつけて沢山の花に囲まれた豪華な部屋で奥様ごっこをして遊ぶ毎日。若い牛乳屋とのいけない遊びに耽ったり、旦那様を陥れて徒刑場に行かせようと企てたり、奥様の嘆く様子を見て喜んだり、奥様を毒殺しようと試みたりしている。

二人は健気で愛らしく、罪深さを、淫らさ、汚らわしさを憎み、愛している。ここで登場する奥様は自意識過剰の娼婦のような奥様だ。やけに長い睫毛をセンスのようにヒラヒラ、バサバサさせながら、目をパチクリする。笑)
このキャラクターがとても素敵だ。インパクトありまくりで彼女が登場した途端、場の空気の流れが逆流したかのよう。笑)

しかし、この遊びの中、二人は次第に追い詰められ、また追い詰められる自分たちに夢中になりすぎて自ら毒(ボダージュカのお茶)をあおって死んでしまう。


女3人芝居。膨大でテンポの速いセリフはさぞかし大変だったろうな。と思う。惜しむらくはクレールのセリフが聞き取り難かったこと。毒々しいソランジュ役のキャストが熱演していた。楽しいというより、面白い舞台だった。

追伸:劇団の主宰が公演中に裏でちょろちょろしていた。客席から丸見え。気が散るから止めて欲しい。苦笑!



クモ ≪公演、無事終了いたしました。ご来場ありがとうございました☆≫

クモ ≪公演、無事終了いたしました。ご来場ありがとうございました☆≫

どろっぷすプロデュース

d-倉庫(東京都)

2010/08/27 (金) ~ 2010/08/31 (火)公演終了

満足度★★★

モルモット
密なスペースでの濃厚な人間関係と破綻を表現した物語。タイトルの「蜘蛛」はスパイスが蜘蛛のように男の心を取り込んでしまう事と、10人の複雑に絡まった人間関係を表現しているようだ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

物語は国家規模のプロジェクトとして10名の人間をシェルターに閉じ込め、行動心理を観察する為に作られた特殊実験の模様を描写する。

爆発によって世界が破壊し、また放射能の影響で外に住めなくなったと思い込んでいる10人はシェルターに閉じ込もりながら、生活する。何もやることがない彼らはトランプゲームに興じるが密なシェルターの中での人間関係はどうしてもそれなりの弊害がつきものだ。ここでも男女の恋愛関係から三角関係に発展し、嫉妬や様々の欝な感情で人間関係が崩壊していく。そのうち、周囲の人間に危害を加える危険分子も現われる。

この様子を政府から任命されたクラウドが盗聴器を使って盗聴し逐一報告する。つまりスパイ役だ。しかし、クラウドはスパイスの歌う声に魅了され、また、他の人のように精神的に破綻する事もなく、自分を律してギリギリのバランスで精神を保っている彼女に恋をしてしまう。

一方で革命家を名乗る輩の勢力が強くなり、彼らは仲間同士殺し合いになってしまう。そんな折、クラウドはスパイスを連れて外に脱出しようと試みるも、ボス(革命家)に阻止され、また、クラウドが自分たちを監視していた政府の人間だと知ったスパイスの心はクラウドを不信感で満たしてしまう。

「誰も信用できない」と言いながら外に出ようとするスパイスを苦悩しながら撃つクラウド。全員死んでしまったかのように見えた光景は、クラウドの後悔と懺悔の言葉「このポッカリと空いた空虚感はなんだ。人に信用してもらえないというのはこんなにも空しいのか・・。」によって全員が生き返る。つまり、10人はクラウドが政府の人間だと知っていて大芝居を打っていたのだった。

しかし、政府の人間にも心のある人は居るということを知った彼らは、今回の芝居の状況を説明し、「革命に入らないか?」と誘うも、クラウドの手によってシェルターごと爆破させて全員を殺してしまう。「私はいかなる状況下にあっても任務を遂行する。」との言葉を残しながら・・。


物語は大きなうねりに入るまでが少し長すぎる。たぶん、丁寧に丁寧に物語を進行させる為なのだろうか・・、とりとめもないゲームに興じる時間が長すぎるのだ。だから、もうちょっと削ってくれれば飽きずに観られる。また5年前の本だそうで、だからか・・、個人的にこういったシェルターものは数多く観ていたことから終盤は脱出しても死ぬか、あるいはシェルターを破壊するかのどちらかで大抵終わる。想像の範囲内だった。



ダミーサークル

ダミーサークル

花まる学習会王子小劇場

王子小劇場(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★

演劇というよりリーディング
口コミで広がってるのか空席が目立つ。物語の内容はシリアス。笑える箇所はただの一つもない。だから中屋敷のファンが考える賑やかさやハイテンションや突き抜けるコメディっぶりは全くない。中屋敷が「本来の中高生は笑うのが不得意だから、こういう笑わない無表情の芝居こそが中高生の姿だ。自分の中高生の頃も笑っていなかった。」と主張していたが、ワタクシの中高生は実に良く笑っていた。箸が落ちても笑っていたのだ。

更に練習時間22時間という最速短での本番だから、台本を読みながらのあまり動きのないキャストらのセリフは教科書を読んでるかのように単調で演技も褒められたものじゃあない。なかには滑舌は悪いは、聞き取れないはで、まあ、やっぱり22時間の舞台。

観客の中には「中高生だから仕方がない。」なんて寛大な客も居たが、料金を取る以上、そんな甘えは許されない。学校で上演する無料の学芸会とは違うのだ。先日観た「TOKYOハンバーグ」の舞台で小学5年生が長台詞を完璧にマスターしていたさまと比較すると完全に演劇を舐めてると感じたダミー演劇。

ネタバレBOX

物語は高天原高校演劇部で起こったことをベースにサークルとは名ばかりの集団ごっこ。

セットは11個の椅子のみ。円形に設置された椅子に座って一つずつずれながら、あるいはその円から飛び出しながら台本を読んで物語を進ませる完全なるリーディング。その台本を顔の前に立てて読むせいか、セリフが響かない。篭ってしまうのだ。

演劇部は文化祭とコンクールに向けての練習で忙しい。演じる演目は「フランダースの負け犬」。この演目で一人の生徒が「ネロのような軟弱な男はイライラする。」なんてのたまい、主役を演じる子に「調子に乗ってんじゃねーよ!ブス!」とも言う。しかし、その後の練習風景はただただ台本を読んでるだけで単調だが、終盤、黒田就平が熱演を見せる。

そのうち、高校教師の加賀沢先生(29歳)が女性徒・さきやまさき(17歳)を暴行し実刑の後、懲戒免職になる。これは同校演劇部員が赤羽署に相談したことから発覚したのだった。その後、さきは失踪し行方不明となるも、部員らは「それを通報した」生徒を集団で責める。この頃から部の纏まりがなくなる。いや、元々纏まりなんてなかったのかも知れない。

階段から落ちたと受傷する生徒。薬缶の熱湯をかぶったと受傷する生徒。たぶん、虐めだ。演劇サークルは一皮剥けば、妬み、嫉みの感情で屈折して間違った正義感を振りかざしてしまう。窒息してしまうほどうっとうしい。そのくせ自分の立ち位置だけは常に意識しているのだ。見えない何かに支配されてるように彼らは一定方向にだけ頭を向ける。

「8月24日に失踪して行方不明のさきやまさきを探しています。当時17歳、現在28歳です。」

「8月24日に失踪して行方不明のさきやまさきを探しています。当時17歳、現在46歳です。」


ダミー演劇でぶちかましたダミーサークル。

今度はプロの演技での演劇を観てみたい。



『まばたき』

『まばたき』

ポムカンパニー

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

殺したいほど愛しい?
喫茶店に居合わせた3組目のカップルの模様をみつぐ。序盤、なんだか普通すぎてインパクトがないなー。なんて思ったのもつかの間、喫茶店を球体に見立てると、3カップルの見せる角度を少しずつずらして見せるという演出だった。この方法で裏側の本来の真意をも伝える。

なかでも可笑しかったのは、兄と妹と他人の3人だ。コメディかと勘違いしたくらい。笑

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

3組のカップルはそれぞれ危うい。作家・涼の作品が進まない事に、恋人・友里はちょっとイライラ気味だ。そして喫茶店に居合わせたカップルをネタに想像を膨らます。

一方でヒカルと同棲をしているらしい恭子は最近、なんだかデートらしいデートもなくメールのやりとりもなくなって心が淋しい。かつてのようにワクワクしたりドキドキしたいのだ。だから喫茶店でデートしようと企んだが、既に一緒に住んでる二人にはそんな高揚はない。

もう一方では兄と妹、そして妹のストーカーの3人の場面。ストーカーは何故か頭から血を流して血まみれ。女子高生の妹がお兄ちゃんを詰るシーンで始まるこのカップルの情景が面白い。どうやら兄弟はお互いに相思相愛らしいが、それを言葉に出して言えない。兄弟という壁が二人の愛に圧し掛かるように邪魔をするのだが、感情は抑えることが出来ない。
その感情のはけ口として兄は別の女を抱き、妹は男を連れ込む。

妹は兄のそんな行為に激怒し、なし崩しに兄に強引にキスをするも、兄は多数の女と寝るのは男の性だと主張する。笑)
そんな危ない女子高生は喫茶店のトイレで、兄の昨日の女が居たことから、ナイフで刺してしまう。しかし兄もそんな妹を抱きしめ、妹を刺してしまうのだから、愛って解らない。笑)
ここで気になるのは妹のストーカーだという男の存在だ。始終、二人の会話に参加し、最後にナイフを持っていたことから考えると兄を殺してしまったのだろうか?

作家のカップルも、同棲中のカップルも女から「別れよう」と切り出すが、大抵こんな時に驚くのは男子の方だ。「なんで?」と鈍感にも素っ頓狂な質問をする。そうして自分の気持ちもはっきり言えないまま、「君がそうしたいなら」なんて大人なセリフを吐くも後悔しまくるのはやはり男子だ。

終盤、別れを告げられた2組の男子らは「好きだ。」と相手にきちんと伝えてハッピーエンドになるも、兄弟の愛は破壊的で究極な愛だった。笑)





旬の観たいもの展2010

旬の観たいもの展2010

旬の観たいもの展

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/08/17 (火) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

天然果実「Water-Cooler」を観た
「ゲームの名は獣奇的殺人!」そんなタイトルが似合うかのような、ゲーム性の強い、アニメ感覚の世界観。暗転する際の音響の導入、照明、6人の高校生の薄暗がりでの佇まい。それはもう、映画の中のワンシーンのよう。

ほの暗い闇の世界から浮かび上がってくるような斬新な場面だ。閉じ込められた世界、身に覚えのない異次元の世界から彼女らの物語は始まる。

ワタクシのこりっち投稿「観てきた!」の数、1102舞台の中でも極めて経験のない描写だ。その映し方は演劇というより目の前で起こっている高校生らのゲームさながら。作家・広瀬格は勿論の事、津島わかなの演出の見事さに唸る。たぶん、この舞台を観た誰もが今まで経験したことのない描写に驚くと思う。

座席は最前列の桟敷席に座ると女子高校生の・・・、とても美味しい。笑


以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

序盤、6人の女子高校生が銃、斧、ナイフ、ロープ、カッター、ペットボトルを持ってちょっとガニマタで佇む。この演出に最初からやられる。この物語はもしかして「殺人ゲーム」なんじゃないかと。6人はそれぞれ自分が何故ここに閉じ込められて凶器なんか持っているのかが、さっぱり解らない。しかし、記憶を辿っていくと、10年前に学校であった獣奇殺人の情景を思い出す。

この6人の中に誰かによって殺された被害者と殺人鬼が居ることを漠然と理解すると、6人はお互いに疑心暗鬼になって殺し合いの模様を描き出す。いったい誰に誰が何で殺されたのか?凶器、殺人鬼、被害者で216通りのシーンがある。これは中学生の問題だ。6の3乗。

そして殺されるかも知れない恐怖に打ち勝つことが出来ない6人はヤラレル前に殺してしまう者、己の精神の限界についつい銃で撃ってしまう者。狂気の寸前で殺し合いの様になるが、殺された者が倒れるシーンの演出はまさにゲームのように静かにゆっくりと落ちてゆく。そして数秒後、また復活するのだ。まさにゲーム。

だから一般的なエンゲキという視点で観てはいけない。これはただの殺し合いというゲームではなく、犯人捜しのサスペンスの中に、仲間が先生によって殺された事を知ると、それに対峙して生徒が手に武器を持って戦うというホラー性もあり、更に殺人者と被害者が繰り返し反転することで観客もいったい犯人は誰か?などとドキドキしながらのめり込み、いつしか自分も物語の中に入ってしまうという高度なトリックも存在する。

正解を見つけないとここから出られない恐怖。ザアーザアー・・と止まない雨の音の演出。舞台ではブレイクダンスのようなゾンビダンスも盛り込み、連続猟奇殺人の犯人に仕立て上げられたプールの死体の謎と中原の呪い。喉が渇くというおぞましい罰から5人の同級生を殺してその血を啜るという吸血鬼のように変化した1人の生徒の終盤の展開と教師との対峙は想像だにしなかった結果で、その風景も新しく斬新だった。

この舞台に関わった彼らにとてつもない才能を感じて、演劇界の新しい夜明けを観ているかのようだった。素晴らしい。



口紅を初めてさした夏『ご来場ありがとうございました。』

口紅を初めてさした夏『ご来場ありがとうございました。』

TOKYOハンバーグ

千本桜ホール(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/31 (火)公演終了

満足度★★★★★


血の繋がりを考えさせる舞台だったと思う。とかく日本の浄土は血縁を重視するような傾向が強いが、この物語は一人の子供をめぐっての情を訴えたものだと感じた。主役はなんと、現在小学5年生の増田亜見。セリフも膨大なら、一人二役という役もこなし、実に堂々とした演技で秀逸だった。
将来、バケモノになる予兆を感じた。この子が大の大人の観客を存分に泣かすという舞台は、やはり、この上なく素晴らしい!

以下はネタばれBOXにて。。






ネタバレBOX

物語は真知子ママがオーナーのスナックに、少女・清水連が来訪したことから始る。この少女は真知子が結婚するはずだった今は亡きスナックの客・清水の子だ。

連は両親の離婚後、父を交通事故で亡くし、一方で母親も連を残してイギリスへ渡ってしまってから、祖父母の居る長野に引っ越していた。しかし、父の好きだった真知子に遭いたい一心で東京にやってきたのだった。

スナックの常連客らとの話の中で、夏休みの間だけ、連を預かることになった真知子は連によって生活は一変する。同時に真知子が幼少の頃、母親に言われた言葉「一体、誰の為に、おしっこから血が出るような思いをして働いてると思ってんの!あんたの為よ!」を思い出し子供ながらに傷ついたあの頃をも思い出す。云わば、真知子と連は似たような境遇だったのだ。

真知子の少女時代と連役の両方を増田亜見が演じ、その心理的な表情の表現を見事に演じきる。本当に素晴らしいと思う。真知子の少女時代と今の真知子、連を絡めながら、孤独で寂しい少女の情景と、同じように清水を失った孤独な真知子の心理も描写しながら、海で遊ぶ連との夏はいつしか確実に二人を強い絆で結んでゆく。血の繋がりはないけれど、情が芽生え親子となる瞬間だ。真知子は連を自分の子として育てることを決心した矢先、連の母親がイギリスから連を迎えに来て連れ去ってしまう。

蓮が夢想する父への焦がれ、海での連と真知子の情景、大人達が少年の頃の夏休みを取り戻したかのように海ではしゃぐシーンは楽しく美しい。その美しさはもう二度と帰ってこない一度きりの瞬間だ。蓮が真知子の化粧を見て「連もしたい」と言ったあの夏の想い出は連がさした赤い口紅と一緒に真知子の記憶に残るだろう。楽しく切ないその記憶の残像は眩しく儚い一瞬だ。

今回も泣いた。情の通い始めた二人を引き裂いたもの。それは血縁だった。その不条理に、なんだかズシン!と心に強く響いていたたまれなかった。相変わらず、スナックの場面から一変しての夏の海の演出はお見事。更に導入音楽もキャストらのセリフの邪魔にならないようなピアノ曲でその旋律も素敵だった。


このままでそのままであのままでかみさま

このままでそのままであのままでかみさま

COLLOL

SuperDeluxe(東京都)

2010/08/24 (火) ~ 2010/08/25 (水)公演終了

満足度★★

舞台の言葉は抽象的
序盤、「あれ?『地球割り』かい?」なんて感じたほど、抽象的な言葉の羅列で始る。誓約聖書の中に登場する「あなたはただしい。」から。
しかし、『地球割り』ほどの芸術性はない。だから、個人的には照明、演出でもっと幻想的な世界感が欲しかった。
それでも、たぶん、幻想的な世界観を演出したとしても、今回は現実に無理に引き戻される事件が起きた。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

物語はヨブ記の内容を表現したものだが、はっきり申し上げて観客に訴えるヨブ記の説明が甘い。ヨブ記は『旧約聖書』のなかの代表的な知恵文学の一書で、紀元前5世紀ごろのパレスチナにおいて完成された。著者は豊かな人生経験、国際的見識、高度な文学的表現技法と雄大な詩的構想力をもった無名の詩人であり、「ヨブ記」の構成は次の三部分からなっている。プロローグ(1~2章)、詩文による三友人との弁論(3~42章6節)、エピローグ(42章7~27節)。

今回の舞台はどうやら、3~33章を抜粋し、そのカケラを抽出し表現したものかと思うがいかがだろうか?ヨブは非情な苦しみを受けながらも忠実に神への信仰の中に踏みとどまった義人だ。ヨブ記が示す大事なことは「苦難は必ずしもその人が罪を犯した結果としてくるものではない。」ということで、だから自分を責めるな。という癒しの提示でもある。

今回の劇中に発せられた「あたしとこどもつくろうよ。そして死ぬまで幸せに暮らそうよ。」はプロポーズの言葉としては最大の殺し文句だと個人的には思っている。しかし、こういった幸せを導くセリフだけでなく、攻撃的な尖ったセリフも用いられる。そのセリフと同じように一部のキャストに殴る、叩く、突き飛ばす。を他のキャストにさせるものだから、ミサイル(東京ディスティニーランド)が殴って倒したキャストが怪我をしたのだ。

ワタクシの眼の前で倒れた役者は目の下を3~4cmくらい切った箇所から流血!しかも生暖かい血が滴り落ちてるその顔に、更にミサイルが服で叩く。その叩いた場所が見事に膨れ上がり大きなタンコブとなって、まるでこぶとりじいさんのコブのようになってる。いあいあ、ワタクシは心配で心配でドキドキしながら見つめる。なのに、スタッフはおろか、誰も助けようとしないで放っておく。

怪我をしたキャストはしばし倒れたままになっていたが、またまたミサイルが「自分で立てるだろ?立てなかったら救急車呼んでやるから、立てるなら自分で立てよ。」と。
ワタクシはその言葉を聞いたときにすっかり、現実の世界に引き戻されて、「何がヨブだよ。眼の前の怪我人を誰一人として助けないで観てみぬふりをしていいのか・・?、そんな人達がヨブ記を公演する資格なんてあるの?」と思って醒めた。

怪我人のTシャツは鮮血で染まり、顔は原型を崩し、どうにもこうにも痛々しかった。駆け寄ってグラスに入った氷で冷やしてあげたい衝動に駆られたが、舞台に駆け寄る勇気もない。また、駆け寄っていいものなのかも躊躇する。
結果、この公演で見たものは人間の残酷さだった。

この事件がなくとも、この劇団はヨブ記を知らない観客に対して親切ではないと思う。ヨブ記の説明を放棄してるからだ。




宇宙ダイヤモンド

宇宙ダイヤモンド

劇団TipTap

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/23 (月)公演終了

満足度★★★

スターウォーズのパロディ版!笑
ワタクシの観た回は観客にテレビの人が多かった。芸能人というと、ここで出演してるキャストらも、いわば芸能人だから、テレビでちょくちょく見かける、テレビの人といったほうが解りやすい。しかし、テレビをあまり見ないワタクシはテレビの人の名前までは知らない。ワタクシの両隣がテレビの人で、その前も左隣のテレビの人の娘だったようで、やっぱテレビの人らしかった。今回のキャストがそんな有名どころを呼んだのだろうか?劇団鹿殺しの山岸門人とは考えにくいし・・・。笑)

そんなこんなを考えながらキンケロシアターの豪華な椅子で心地よく見入る。

以下はネタばれBOXにて。。



ネタバレBOX

オープニングダンスと見た目は素敵なセットで魅せる!笑
ミュージカルと提示するだけあって歌とダンスをにぎにぎしく披露するも滑舌の悪いキャストも居たりして、ちょっと残念。
全体的にテンポも展開も早く、スピード感溢れまくりの感あり。だから、舞台は疾走気味。

スターウォーズマニアの馬鹿科学者と清掃員、アンジェリーナジョリーになりたいオカマの3人が間違って宇宙にやってきてしまったことから始まるスターウォーズパクリ版。笑

地球に迫る彗星きなこ餅を破壊するために打ち上げられたロケットに間違って忍び込んだことから、ヘンテコ3人は気づけば自分たちが地球を救う羽目になってしまう。

そんなわけで宇宙にやってきた3人が見た宇宙には「国際宇宙ステーション」があり、そこではカジノもあったりして、宇宙センターも副業して儲けてま。みたいな関西のノリなわけ。でもって囚われの身の王女さまやらライオンキングネタやら、映画ネタなどのマニアックなネタで解る人にしか解らない、というヲタ好みネタ盛りだくさんなわけ。

たまに音響がキャストのセリフを喰っちゃって、聞こえない部分もありながら、あもちゃのライトセーバーを振り回し敵と戦うなんざ、勇士以外の何物でもないはずなのに、あまりにもヨワッチイのは、ナニコレ状態!笑

でもって馬鹿科学者は「月はダイアモンドで出来てます。」という絵空事が本当にそうだったなんて展開になると、更にナニソレ状態!笑

でもって、レイア姫やら、月の女王・カグヤらはアメリカの陰謀によって騙されてるなんて話から敵だった月側と地球側が合体して、馬鹿科学者の余命一か月の命も延長しちゃって無理無理にめでたしめでたし・・・になるさまは、物語を盛り込みすぎてがちゃがちゃのナリ。ナニソレ。

まあ、楽しければ何でもいいんじゃね?状態のナニソレ物語でした。






日射し 第一部

日射し 第一部

楽園王

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

2年前に観たときよりも良くなってる。
「2010/08/20/ 23:04に「旬の観たいもの展2010」のほうにUP済みでしたが、じべ。さんが情報をUPしてくださったので、ここに移しました。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



とにかく懐かしい。2008年に「SPIRAL MOON」のを観て以来だ。やっぱり泣ける。しくしくと泣いた。改めて傑作だったことを噛み締める。

物語は3人姉妹のリーディングから。そうして静かに静かに物語を丁寧に貢いでゆき、優しい男女の風景から、やがて家族の風景へと変化するも、優しく丁寧に丁寧に仕上げた作品の温もりは観客の全ての心に沁みこむ。

だから、お時間の許せる方は是非にぜひに観て欲しい・・。
最近、とがってるなーとか、攻撃的だなーとか、萎えたなーとか、かさついてるなーという方は余計に。

ネタバレBOX

3人の姉妹は心の日記帳として家族の回想をリーディングで表現し、静かに丁寧に劇化してゆく。物語は両親の結婚に至った経緯や兄・太陽が3歳で亡くなった後の家族、3人の姉妹の生き様などを、とても優しく柔らかく描いてゆきます。中でも父親の不器用だけれど家族を宝物のように思う気持ちの描写が素敵。

やがて大人になった3人の姉妹はそれぞれ独立し育った家から離れてゆくが、自分たちの生活に追われて、心では気にしながらも実家とは疎遠になっていってしまう。


母の臨終には結局、二女の日知と父しか間に合わず、父は母の細い手を握り締めながら「ありがとう。ありがとう。ありがとう。」と何十回も何百回も何時間も言い続けていた姿を目のあたりにした日知は、あんなに父に愛されていた母は幸せだった。としみじみ思うのだ。

母が居なくなって父が一人になっても姉妹は「お父さん、大丈夫?不安だね。」と言葉はかけても、父の元には帰らず、やがて半年が経過するも、父の誕生日ということで実家に集まったりする。しかし父のこれからを心配しながら、それぞれの暮らしの日々に追われて時だけが経ってしまう。

一方で先天性の病で亡くなった兄・太陽はずっとこの家に住んで家族を見守っているという設定。

そうして場面は変わり・・・
太陽が亡くなって直ぐに子を失った心痛からか、母は父に別れを切り出し「この結婚は太陽がお腹に宿ったことから始った結婚です。太陽が死んだ今、別れたほうがいいと思います。」と言うが、父は妻に「太陽は死んでも私たちの近くにいます。太陽が発した光が日差しとなって、私たちの家を暖かく照らしてくれている。私たちはきっと、大丈夫です。もっともっと幸せになれます。この陽だまりの中で一緒に生きていきましょう。これから沢山の家族と共に。私たちはまだまだ大丈夫です。どうか、これからも宜しくお願いします。」と返す。

こうして、この家には明るい日差しがいつも照らされているのです。

ああ、何と強い日差しなのでしょう。


繊細で優しい温もりのある舞台でした。3人の姉妹と両親の情景を観て、しくしく泣いて、泣けども泣けども涙は溢れて感動した。彼らの美しい風景は照明の効果でうっすらと輪郭が浮き上がって幻想的でもあった作品でした。

こうゆう暖かな作品を観ると、家族が欲しくなるんだよね。
夢乃輔みたいな人がいいなぁぁ・・。


吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

なおの生きざま
本当に素晴らしいと心から思う。この作品の前で頭を垂れて平伏したいくらいだ。物語の最後は破壊的で衝撃的だが、全体を通すと、優しげで温もりのある物語だと感じた。

ワタクシの琴線にこの本がチクチクと刺さって泣けた。

物語はなお(木崎友紀子/青年団)が舞台左で語り部のように過去の生きてきた情景を話して聞かせながら進ませ、その模様を舞台上で演出するという方法。序盤、彼女は誰に向かって語っているのか気になったが、中盤頃になって尋問を受けているような感覚に陥る。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

物語は序盤、家族の風景から始まる。対照的な兄と妹。「にいに」と呼んで兄を慕う妹・なおは聡明で思いやりがあって優しい兄が自慢で大好きだった。

しかし、両親の繊細で弱い部分を全部受け継いでしまったような兄は、思春期に入るとあまりにも世の中に順応できなくなってしまい、中学3年で心臓が痛いといって自宅に閉じこもるようになってしまう。いつも自分を守ってくれてた兄が、汚い臭い存在になって、なおは兄に「気持ち悪い!」と棘のある言葉を吐いてしまう。

その日のうちに兄は首釣り自殺未遂を犯し、一命は取り留めたものの逃げるように留学してしまう。しかし、なおの心にはこの時のショックが、自分の身に起きたことが、いかにおぞましく、この先の長い道のりに消えない何かを押し付けられ膿のように蔓延ってしまうのだった。

このことがあって以来、なおの家族は少しずつ家族崩壊の兆しが見え隠れし、やがて母は若い男(のちに伯父と判明する)と家を出て行ってしまい、なおは「いつか母が死ぬのではないか」とそればかり考えるようになってしまう。

この世の不条理は己の身の上に押された烙印の深さをも思い知らされるが、この先もずっとこの痛みから逃れられないことを幼くして知り、なおの孤独は痛みと一緒になおの心に同居しけっして離れないのであった。

やがてなおは高校でバンドを結成し、恋愛もして、あたかも普通の女学生のように青春を謳歌しているように見えたが、大学生になってからの恋は「死ぬ」と簡単に言葉にするような、しょもない男との恋愛に縛られ離れることが出来ない。それは過去の兄の自殺未遂がトラウマとなって「死」という言葉に対しての恐怖がなおを呪縛するのだ。

一方で高校のバンド仲間のえみ(高橋智子/青年団)がなおの良き親友となるが、彼女はなおを見守り手助けするポジションだ。えみがとっかえひっかえしながら付き合う男性遍歴の描写が実に面白い。男の数だけ服の数で見せる演出はお見事!笑)

やがて大人になったなおは就職、結婚を戻ってきた実母優先に配慮しながら、決めていく。兄と社会を繋いでいるのは自分だという気負いも重なり、なお自身の心が少しずつ病んで破壊へと向かっていってしまう情景だ。更に兄の事故死の原因は自分だと罪の意識に苛まれ「私のせいでみんな死んじゃう!」という心の縛りに苦悩していた矢先、悪いことは重なるもので、その病院の屋上で「死にたい」などと、死ぬ気もない女から告白された言葉をなおは真に受けてしまう。

元来、「死」という言葉に敏感ななおは、かつて経験したあの時の出来事が・・、なおの目に深い亀裂のような恐怖と絶望と屈辱が混じり合い、もはや拭い去ることの出来ない印が自分の上に刻み込まれてしまった、あの兄の事件が重なり合って、女を止めようともがき合ううちに誤って女を屋上から落下させてしまう。

罪。二人も殺してしまった罪。いつか自分を振り返り過ごした時間に時代という言葉を冠するときがくるなら、青の時代があり、そして赤の時代があり、しかしその全てもやがて潰えてゆく。私は「死」の恐怖に怯えながらも、それなりに懸命に、そして健気に、私は私なりに生きてきたのだ。青い血をかつて流したことも、自分が犯した罪も、私が私を深い海に沈ませることで容認されるだろうか?許してください。

こんななおの心の叫びを想像してしまう。
過去に蔓延った心の闇ゆえに自身自身を、かつて兄がしたように首吊り自殺を実行し破壊することで終わらせる。という幕引き。


素晴らしいと心から思う。個々の人生のドラマは死ぬ間際になって悲喜こもごも理解出来るというが、きっとなおはやっと楽になれたのだ、と思いたい。

アウコトバ

アウコトバ

風花水月

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/08/17 (火) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

飢愛の狂想曲
主人公・吉崎を軸に子どもを保護する養育施設での出来事を綴った物語。これは単に施設での情景を綴ったモノではなく、これから起こりうる未来への警告とも取れそうな内容。ここに関わる人たちが人間らしい人たちであればあるほど破綻に向かって進んでゆくさまの描写がお見事!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

吉崎は過去の結婚生活から始って血のつながりのない子供を育てた経緯から、家族とか学校とか、社会とかを深く考えるようになる。そんな想いから福祉センターに勤めていた吉崎は、このセンターの子供に対する扱いを疑問に感じ、退職し、新たに社会貢献事業を展開している民間企業に就職する。

しかし、ここも蓋を開けてみれば養育希望者と研究所にいる子供の橋渡しを行っている人身売買と変わりないビジネスだった。地域へのバックアップと言いながらも、子供をお試し期間と称して、ホームステイをさせて、組み合わせ(適性)が悪かったならば、子供を返却させて新たに別の子供をレンタルさせる、という仕組みだ。

これに反対し異議を唱えていた吉崎だったが、ビジネスとしての能率を考えたなら綺麗ごとばかり言っていられない、と吉崎を説得する遠野と内村だったが、そんな折、レンタルされた子供・かすみが殺害されそうになって施設に戻ってくる。犯人は子供をペットとしか見ていない黒田だったが、このことがあってから、吉崎はこの施設も「やっぱり救えなかった・・。」と独り言のように呟いて退職してしまう。

血縁を重んじる日本の風土を風刺しながらも、子供にとっての世界の全てが母親だと言う事実にも触れ、更に、生んだ子供への責任を追及する情景も加味しながら、単に1時間と言う短時間での物語りな割に、内容は重く、中身の濃い充実した作品だったと思う。

終盤になって施設を訪れた吉崎は「子供が安心して暮らせる村を作るから、ここの子供たちを全部、自分にくれないか?」と遠野に詰め寄るが、その表情は既に思い余って気がふれたような表情だ。理想郷ほど現実離れした郷はない。

ここでのアウコトバとは、「児童保護法」とか「児童保険法」よりももっと合う言葉はないかなー?から。

素晴らしい舞台だった。キャストらの演技が確実で魅せられた。本も短時間でこれだけの濃い内容は、疾走に近い情景で観ていて、あっという間だったが、その模様はたぶん、忘れない。
[ty.]

[ty.]

コメディユニット磯川家

こった創作空間(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

ゆる楽しい!!!
もう、バカバカしいのみ。13編からなるショートコント。全てが孤立したコントではなく、大まかに6つの物語を分けて上演した為に、13コントとなったさま。笑


以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

個人的には、コント「擬音エロ小噺」が実に上手いと感じた。男と女のエッチをする擬音を違った角度と情景で描写するも、目の前の情景はそっちのけで、どうしたってアノ風景が能の中では創造しちゃってる!笑

更に、コント「おにごっこ」がめっさオモロイ。赤鬼の表情がとにかく可笑しくて大爆笑した。凄いなー、、女性であれだけ曝け出す勇気に拍手したい。

名探偵ドコナンは序盤、面白かったが、流石にやりすぎて飽きた。笑
それでも全体的に楽しかったのさ♪

このページのQRコードです。

拡大