女中たち 公演情報 劇団 風蝕異人街「女中たち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ぶっ飛んだ3人芝居
    売春婦であった母から生まれ、生後7ヶ月でその母に捨てられたジャン・ジュネ。その後、田舎に住む木こりの夫婦の養子となったジュネは犯罪を繰り返すようになった。養母が死亡した後、新たな夫妻の養子となったが、繰り返して起こした犯罪のため、15歳のときに感化院に送られた。18歳のときに外国人部隊に志願し入隊するが、後に脱走してフランスを離れ、ヨーロッパを放浪した。この際にも、窃盗や乞食、男娼、わいせつ、麻薬密売といった犯罪を繰り返していた。このように数奇な運命を自ら実践してきた彼は遂に1942年に中央刑務所に投獄されるという、小説の主人公みたいな生き方をしてきた。
    だから、今回「女中たち」を楽しみにしていた。。

    ネタバレBOX

    ソランジュとクレールの二人姉妹は屋敷の女中。奥様の留守に奥様の衣類をつけて沢山の花に囲まれた豪華な部屋で奥様ごっこをして遊ぶ毎日。若い牛乳屋とのいけない遊びに耽ったり、旦那様を陥れて徒刑場に行かせようと企てたり、奥様の嘆く様子を見て喜んだり、奥様を毒殺しようと試みたりしている。

    二人は健気で愛らしく、罪深さを、淫らさ、汚らわしさを憎み、愛している。ここで登場する奥様は自意識過剰の娼婦のような奥様だ。やけに長い睫毛をセンスのようにヒラヒラ、バサバサさせながら、目をパチクリする。笑)
    このキャラクターがとても素敵だ。インパクトありまくりで彼女が登場した途端、場の空気の流れが逆流したかのよう。笑)

    しかし、この遊びの中、二人は次第に追い詰められ、また追い詰められる自分たちに夢中になりすぎて自ら毒(ボダージュカのお茶)をあおって死んでしまう。


    女3人芝居。膨大でテンポの速いセリフはさぞかし大変だったろうな。と思う。惜しむらくはクレールのセリフが聞き取り難かったこと。毒々しいソランジュ役のキャストが熱演していた。楽しいというより、面白い舞台だった。

    追伸:劇団の主宰が公演中に裏でちょろちょろしていた。客席から丸見え。気が散るから止めて欲しい。苦笑!



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    2010/08/29 16:50

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