日射し 第一部 公演情報 楽園王「日射し 第一部」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    2年前に観たときよりも良くなってる。
    「2010/08/20/ 23:04に「旬の観たいもの展2010」のほうにUP済みでしたが、じべ。さんが情報をUPしてくださったので、ここに移しました。」
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    とにかく懐かしい。2008年に「SPIRAL MOON」のを観て以来だ。やっぱり泣ける。しくしくと泣いた。改めて傑作だったことを噛み締める。

    物語は3人姉妹のリーディングから。そうして静かに静かに物語を丁寧に貢いでゆき、優しい男女の風景から、やがて家族の風景へと変化するも、優しく丁寧に丁寧に仕上げた作品の温もりは観客の全ての心に沁みこむ。

    だから、お時間の許せる方は是非にぜひに観て欲しい・・。
    最近、とがってるなーとか、攻撃的だなーとか、萎えたなーとか、かさついてるなーという方は余計に。

    ネタバレBOX

    3人の姉妹は心の日記帳として家族の回想をリーディングで表現し、静かに丁寧に劇化してゆく。物語は両親の結婚に至った経緯や兄・太陽が3歳で亡くなった後の家族、3人の姉妹の生き様などを、とても優しく柔らかく描いてゆきます。中でも父親の不器用だけれど家族を宝物のように思う気持ちの描写が素敵。

    やがて大人になった3人の姉妹はそれぞれ独立し育った家から離れてゆくが、自分たちの生活に追われて、心では気にしながらも実家とは疎遠になっていってしまう。


    母の臨終には結局、二女の日知と父しか間に合わず、父は母の細い手を握り締めながら「ありがとう。ありがとう。ありがとう。」と何十回も何百回も何時間も言い続けていた姿を目のあたりにした日知は、あんなに父に愛されていた母は幸せだった。としみじみ思うのだ。

    母が居なくなって父が一人になっても姉妹は「お父さん、大丈夫?不安だね。」と言葉はかけても、父の元には帰らず、やがて半年が経過するも、父の誕生日ということで実家に集まったりする。しかし父のこれからを心配しながら、それぞれの暮らしの日々に追われて時だけが経ってしまう。

    一方で先天性の病で亡くなった兄・太陽はずっとこの家に住んで家族を見守っているという設定。

    そうして場面は変わり・・・
    太陽が亡くなって直ぐに子を失った心痛からか、母は父に別れを切り出し「この結婚は太陽がお腹に宿ったことから始った結婚です。太陽が死んだ今、別れたほうがいいと思います。」と言うが、父は妻に「太陽は死んでも私たちの近くにいます。太陽が発した光が日差しとなって、私たちの家を暖かく照らしてくれている。私たちはきっと、大丈夫です。もっともっと幸せになれます。この陽だまりの中で一緒に生きていきましょう。これから沢山の家族と共に。私たちはまだまだ大丈夫です。どうか、これからも宜しくお願いします。」と返す。

    こうして、この家には明るい日差しがいつも照らされているのです。

    ああ、何と強い日差しなのでしょう。


    繊細で優しい温もりのある舞台でした。3人の姉妹と両親の情景を観て、しくしく泣いて、泣けども泣けども涙は溢れて感動した。彼らの美しい風景は照明の効果でうっすらと輪郭が浮き上がって幻想的でもあった作品でした。

    こうゆう暖かな作品を観ると、家族が欲しくなるんだよね。
    夢乃輔みたいな人がいいなぁぁ・・。


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    2010/08/24 12:59

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