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団体所在地 応募数 割合
東京都 35 56.45%
神奈川県 5 8.06%
埼玉県 3 4.84%
京都府 3 4.84%
大阪府 3 4.84%
北海道 2 3.23%
愛知県 2 3.23%
兵庫県 2 3.23%
福岡県 2 3.23%
栃木県 1 1.61%
千葉県 1 1.61%
新潟県 1 1.61%
山口県 1 1.61%
徳島県 1 1.61%
計62団体

審査員がそれぞれに10作品を推薦し、1作品につき1票ずつ票を投じました。票の入った作品について約4時間30分に渡って議論を重ね、10作品を決定しました。

※今年の≪審査のポイント≫には選考結果についての具体的な言及があります。ご了承の上、お読みください。

丘田
コロナ禍の影響がまだまだ拭いきれない中、年齢層から在り方に至るまでますます多様な団体様にご応募いただけたこと、とても嬉しく思います。まずはこの場を借りて、エントリーくださった全国の皆様に感謝を申し上げます。

さて、審査概要において今年から大きく変わったのは再演義務がなくなったこと、そして、第一審査通過の10団体に賞金が発生するということでした。団体の負担がより軽減されたことはもちろん、そのことによって昨年より応募数が増え、多くの新たな団体とその活動を知る契機ができたことは舞台芸術まつりの運営、審査に関わる側の人間にとっても非常に意義深いことだと感じます。
一方で、「10団体に賞金が発生すること」を鑑みた時に、「その活用に期待を持てる団体であること」が審査の新機軸ともなり、応募書類からそのような展望や試みが読み取れるかということについては慎重な議論を要しました。また、「再演義務がなくなったこと」でグランプリ賞金の意味合いにも変化が生じ、「対象公演への意気込みと将来のビジョンのいずれを重視するべきか?」という議論も新たに立ち上がりました。審査員の意見が分かれた時には一つ一つの団体の文章に都度立ち返り、全体を通して前述したようなことがしっかり書かれているか、また接戦となった時には、どちらの団体の文章がよりそのことが伝わるように書かれているか、を紐解きながら話し合いました。第一審査は書類審査、つまり言葉と文章から判断するため、あくまで「ここに書かれていること」を審査ガイドラインに据えることを心がけました。

審査員がそれぞれ演劇業界で活動していることから、過去に仕事で携わった団体や知人が所属・出演する団体があることもあり、その点において私情の介入や不公平が生じないよう各々が予めその背景を共有するという前提も踏みました。同時に、そのことによって、特定の団体を排するということが起こらないようにも細心の注意を払い、議論に持ち上がった際にはフラットな視点で意見を発言することもありました。「2〜3つの内のどの団体が選出に相応しいか」といった議論の際には、あくまで書類を元に判断した上で既知の団体に票を投じることもありましたし、その逆もまたありました。また、団体の年齢層や演劇としてのジャンルに関する議題が持ち上がった際、議論を円滑に進める上で必要だと感じた時には知っている情報をそれぞれが共有することもありました。ただ、その情報はHPやSNSなどの公式の発信を紐解けば見えてくることでもあり、特定の審査員が持っている特定の情報や感触によって特定の団体が優位または劣位に働くことは決してないよう審査が進められた、ということもここに名言しておきたいと思います。

第一次審査は、審査員が予め決めていた10団体をそれぞれ推薦投票した上で議論を交わし、投票を重ねながら最終の10団体を選出する、といった手順を取っているのですが、内一人である私が10団体の推薦と審査中の議論・投票においてどんな部分を重要に考えたかも併せてお伝えできたらと思います。

去年と同様、
  • 団体紹介・公演の意気込み・将来のビジョンの3点が齟齬なく、連動していること
  • 活動に継続性が感じられること
の二点を踏まえた上で、そのことがしっかり文章化されている団体を10に限らず挙げることから始めました。団体のカラーやビジョンを紐解く作業上、HPやSNSを参照したり、CoRichの特色であるアクセス数やクチコミなどの観客からの反応も把握はするようにしましたが、個人的には「知名度」には重きを置かず、第一審査の判断材料として重要視はしませんでした。

厚みのある書類を以てエントリーしてくださる団体が多かったこともあり、この時点で私の中では20団体以上が候補となってしまったので、地域、年齢層、団体の形式、ジェンダーバランスなどを鑑みながら再度応募文章を読み解き、接戦となった際には団体の過去・現在・未来についてがより明確かつ矛盾のない言葉で綴られている団体を推薦することにしました。また、団体の活動や在り方に関する視点が内側のみにとどまらず、どのような形で社会と接続するのか、どういったビジョンを以て活動の場や機会や方法を拓いていくのか、など外に向かった展望が併せて綴られていることにも注目をしました。団体形式においては、劇団のみならず個人で活動しているユニットのエントリーの母数が昨年より多くあったこと、その在り方や意義、共につくる他者や観客、社会への思いが具体的に綴られている書類が多かったこともあり、そういったユニットを俎上に載せたいとも考えました。
私が最初に推薦投票した団体とその理由の全てをここで明らかにすることは控えさせていただきますが、最終選出の10団体においては、最初の推薦投票段階でルサンチカ、コトリ会議が半数以上の票を獲得していました。同段階で私個人はカリンカ、ポケット企画にも票を投じさせていただきました。また、惜しくも最終に残らなかった団体の中にも私が強く心を惹かれた団体が複数あったこと、最初の投票時から各審査員の1票が比較的バラけたことから議論に持ち上がった団体が多数に上ったことも併せてお伝えさせていただきます。

以上を踏まえ、まつり史上最長となる4時間半にわたる濃密な議論を経て全員が納得する形で最終選出団体を決定させていただきました。この4時間半という時間は、多様なエントリー団体それぞれが自身のカンパニーのカラーや持ち味や展望をいかにしっかりと書いてくださっていたか、ということでもあると思います。
演劇関係者である個人5人が審査員を務める以上、あらゆる憶測が飛ぶといった事象も避けられないことかもしれません。だからこそ、できる限り透明度高くお伝えしなければならない。そんな思いから、少々長くなってしまったのですが、推薦や審査を通じて感じたことを書かせていただいた次第です。今回の応募をきっかけに知ることができた団体も多く、10団体の上演はもちろん、その他の公演にも足を運んでみたいと考えています。願わくはその全ての公演が無事完走を遂げられるよう、また、より良い形で団体が継続できるよう今後の活躍に期待を寄せています。重ね重ねになりますが、この度は多くのご応募ありがとうございました。
河野
様々な団体にご応募いただき、初めて知る団体にとても興味を惹かれたり、観たことがあっても「新しい取り組みをされようとしている!」と発見があったりと、刺激と楽しさにわくわくしながらエントリーを読みました。多くの団体よりご応募くださり、本当にありがとうございました。応募テキストの言葉選び一つひとつに姿勢が現れ、そこから受ける印象は審査に大きく影響したと感じています。

今年は、過去の審査から変化を感じる点が大きく3点ありました。
  • 賞の形態
再演義務の廃止と賞金システムの変化により、一次審査そのものがどうあるべきかを根本的に考えることになりました。様々な活動背景の団体を同じ基準で選ぶことはできないため、応募テキストに加え、各団体の構成、活動環境、創作ジャンルそのものの背景なども踏まえました。審査員はそれぞれの考え方を述べつつ意見を交わしていき、過去最長の審査時間となりました。
  • 団体のヴィジョン
これまでと比べて長期的な計画や具体性が減った印象でした。様々な背景が考えられますが、新型コロナウイルスの影響や昨今の舞台芸術にかかわる環境の変化などもあると思います。そんななかで「団体のビジョン」の考え方について、たとえば、厳しい状況のなかでも長期的・具体的なヴィジョンを描くのが良いのか、これまでの時代とは違うヴィジョンの考え方があるのではないか、そもそも“今、ここ”に向き合うことが劇団のあり方のひとつではないか、などなど……団体の背景も鑑みながら読み解きつつ、とらえ方は審査員それぞれ異なったように思います。
  • クチコミなどが全体的に少なかった
CoRich舞台芸術まつり!は、クチコミやお気に入り数など観客の方のアクションも審査ポイントのひとつとなる、いわば観客参加型ともいえるイベントです。そのためクチコミなどが少ないことは、団体によっては「新しく活動の幅を広げようと今回応募に挑戦した」と受け取れることもあれば、「まだ公演が先なので情報が整っていない」と考えられたり、はたまた「そもそも宣伝や観客の導入の方法・ルートが近年変化している」と予想されたりと、団体ごとの背景や活動履歴なども踏まえながら見ていくこととなりました。

一次審査にあたっては、まず応募テキストの「団体紹介」「公演の意気込み」「将来のビジョン」の3点に芯が通っていることを基準として、それが魅力的であること、クチコミ・お気に入り・掲載情報などCoRichの利用状況と観客の方々の反応、団体のWEBサイトなどで公開されているこれまでの活動内容やその背景、と広げながら候補をあげていきました。このとき、実績やWEBサイトの充実度は重要視せず、いま、どのような思いやスタンスで活動をされていて次回公演に臨んでいるのかを団体背景を踏まえながら見ていき、思いだけでなく情報や公演概要の設定などからもかける情熱が伝わること、魅力や特徴をアピールできていることを大事にしました。それでも! 20団体以上が候補に並び、選ぶのに苦心しました。
また審査会ではかなり審査員の票がバラけたことで、多くの団体が選定の俎上にのぼりました。審査会では、私はとくに「地域、世代、ジャンルなどによって創作・表現環境が違うところを、いかにフラットに考えるか」ということを大事にしました。舞台芸術とひとくちに言っても、そこにはまったく異なる文脈、背景、成り立ち、モチベーション、観客との関係性などがあります。限られた時間ではありますが、それぞれ一つひとつを知り思いを馳せ、自身の価値観だけで判断しないよう心掛けました。
今回から賞のシステムが変わったため、審査基準も多かれ少なかれ変更することとなった。中でも、これまで応募条件だった再演の必要がなくなったことは大きい。この変更により、審査員によって審査基準が(根本的な部分ではある程度一致していたが細かい点で)異なり、したがって選考は慎重なものとなった。しかし結果として、バリエーションが担保されたものになったのではないだろうか。
今回の書類選考では全体的なレベルが高くなっていると感じた。ここでいう「レベル」とは、当然最終選考前なので、作品や団体の質ではなく応募書類の質のレベルである。上位として挙がった団体の多くは、恐らくある程度の事前調査等を行っており、いわば書き方のコツを押さえている印象があった。わかりやすく言ってしまえば、助成金申請書等を書いたことのある人の書き方であった。そういう書類は客観的で明快である他方で、没個性的で今ひとつ魅力に欠けてしまう。選考の過程で、この明快さを取るか、個性/熱意を取るか、という議論にもなった。難しいところだが、そのバランスが取れたものが最終選考に残ったと言えるだろう。
私の選考基準は大きくは変化していないが、グランプリを取る意気込みの感じられる作品を選ぶことをより意識した。つまり、最終選考対象作品に選出されただけでも賞金が貰えるため、それに相当する書類だったものを選ぶことを心がけたのだ。そのため、私の選出対象はかなり安全牌ばかりになってしまったことは反省点だったが、他の審査員との議論の中でそこを修正できたと思う。応募書類やその他の資料から伝わってくる未知性、すなわち「どうなるんだろう、どんな作品なんだろう、どこへ連れて行ってくれるんだろう」というワクワク感こそ、「CoRich舞台芸術まつり!」の醍醐味であることを思い出した。
深沢
今回からグランプリ受賞団体の再演義務がなくなり、第一次審査通過団体に支援金を贈るという方針転換がなされた。そのため私は前回までに比して公演そのものへの期待に加え、アウトリーチの充実や発展性・継続性のある運営といった点により着目した。

総じてどの応募も各団体が創意工夫を凝らしており粒ぞろいであった点はとても心強いと感じた。新型コロナウイルスの流行や世間のハラスメント問題への注目を受けての対応など、難局に真摯に向き合いながら創作活動を継続している団体にはただただ敬服するばかりである。ただ前回同様、ダンスなど身体表現の応募が少なかった点は残念に感じている。

例年通り応募作品の紹介ページの記載事項をまず精査したが、記述が物足りないと感じた内容であってもホームページやSNS、過去映像や「観たい! クチコミ」の数などに目を通して選出した例が少なくない。応募歴がある団体については自然に過去のそれと比較する傾向にあった。しかし公演内容の具体性が乏しものやあまりに簡潔すぎるもの、使いまわしのような説明や他者性を欠いた記述への評価は低いと言わざるを得ない。20団体ほどに絞り込んでから最終的な精査を経て10団体を選出し審査に臨んだ。

これも例年通りであるが、すんなり第一次審査通過が決まった団体はごくわずかであり、半数以上の票はバラけた。また、再演義務がないからこそ企画そのものを評価するのも一考という他の審査員からの意見は傾聴に価するものであった。そのため各審査員から団体の選出理由を一つ一つ聞き、長い討議を経た結果がこの10団である。

振り返れば私が審査員の任を受けた2020年から本催事は新型コロナウイルスの流行と隣り合わせであった。「ニューノーマル」の状態で審査に携われるかと思うと感慨深いが、先に何が待っているかは分からないということをこの間痛感してきた。グランプリ発表まで全団体が無事に上演を終えられることを願っている。
松岡
昨年同様に「団体紹介」「応募公演の意気込み」「将来のビジョン」を第一に、加えて団体のHPや過去映像、わずかな指標として自身が観劇鑑賞していた場合はその評価を考慮しました。それぞれの文章から読み取れる範囲での「企画の独自性」「社会的視点」「制作運営体制」を基軸として評価しました。それらに加えて今年は「地域の多様性」「若手」「ジェンダーバランス」といった視点も考慮しました。
今年も多くの皆様にご応募頂き心から御礼申し上げます。中にはすでにベテランや中堅と呼ばれる様なキャリアや受賞歴のある団体からも多くご参加頂き、大変ありがたく感じるとともに、それらとまだ活動を始めて数年といった団体とを同じ土俵で審査することの難しさも感じました。個人的にはもっともっと若手や立ち上げ直後の団体も選ばれるように出来ればと思っていたのですが、応募文章を武器に審査会に臨むとどうしても太刀打ち出来ない場面がいくつもありました。それは必ずしも自身の主張が通らなかったという話ではなく、なるべく公平に文章を読み取ろうとするとどうしても書き慣れている制作者や団体の文章から意図が読み取りやすかったり、観客への意識が感じられたりと、これからの可能性だけで戦うのには限界があるのでした(CoRich舞台芸術まつり!の審査会は大変心理的安全が守られておりますので、きちんと主張させて頂いた上で結果が出ております。念のため。)。
これは様々なフェスティバルやコンクールに共通する事だとは思いますが、改めて制度上も考えて行きたいと思いました。
最後にご応募頂いたすべてのアーティスト及び団体に感謝申し上げます。この応募で出会わなければ、未だ知らなかった団体や活動が例年幾つもあります。審査結果に関わらず自身も含めて多くの皆さんが初めて出会う場所にもなっていると思います。これをきっかけに自分も皆様の活動を観ることが出来ればと思っています。

それでは10作品の発表です。
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※公演初日順。

最終10団体

エアスイミング

エアスイミング

カリンカ(東京都)

★審査員より(丘田ミイ子)
橘花梨さんによるソロプロジェクト、カリンカ。「1920年が舞台の女性二人による会話劇『エアスイミング』をなぜ現在、そして、なぜカリンカで?」そんな投げかけに、現代社会に生きる一人の女性としてのシンパシーとエンパシーのいずれもを以て応答する、明確かつ赤裸々な応募文章が印象的でした。共に創作に乗り出す俳優や演出家、その魅力への言及にも「現場づくり」への真摯な眼差しを感じます。他者からのリクエストに応えるのではなく、俳優自らが企画段階から主体的に活動することで表現のさらなる可能性を切り拓く。そんな団体の挑戦が舞台芸術における一つのモデルケースとして浸透・発展していくことにも期待を寄せながら開幕を心待ちにしています。

最終10団体

この世界は、だれのもの

この世界は、だれのもの

ながめくらしつ(東京都)

★審査員より(河野桃子)
とくにヨーロッパの舞台芸術祭に行くと「現代サーカス」がいちジャンルとして確立されています。日本はそうではないなか、その普及・定着を目指しているだけでなく、ジャンルを横断したコラボレーションにも力を入れていて、この積み重ねの先にまだ見ぬステージがあるのではないかと取り組みに期待が高まります。今回は、演者個々人の価値観、鑑賞者への問いかけ、それぞれを含めたコミュニケーションを意識した意気込みが、ひとつの舞台に関わる様々な方への矢印を感じられ好印象でした。表現としても、テーマの設定の仕方が現代的でることも、ライブであることに意義を感じます。CoRichの団体ページに複数掲載されている動画もわくわくしますね!

最終10団体

雨降りのヌエ

雨降りのヌエ

コトリ会議(兵庫県)

★審査員より(關智子)
コトリ会議は文章の明快さと企画の個性のバランスが良く、突出して評価が高かった。創作手法が団体の意図に適しており、加えて、自分たちの問題点を把握しているために、将来のヴィジョンも明確かつ具体的である。さらに、それらが実現可能な範囲であることにも堅実さを感じ、好感を持てた。企画自体の面白さ、描かれる物語内容の魅力もあるが、会場と団体の特性を活かしており、さらに料金体系もバリエーションを揃えている辺りに、クレバーな印象がある。審査対象が指定されているのも、応募要項をしっかり読み込んでいる感があり、「ちゃっかり・しっかり・お得」だろうという期待が持てる(褒めている)。

最終10団体

波間

波間

ブルーエゴナク(福岡県)

★審査員より(深沢祐一)
代表の穴迫信一さんら日本各地で活動するメンバーが北九州と京都を拠点に作品を発表している2012年結成の劇団です。昨年12月に初演した本作は、死ぬことを決めた青年が見る夢を通して現実と虚構の関係を描きます。メンバーやスタッフを一新するこの東京初演によって、今後さらなる躍進が期待されます。多拠点という団体の特性を最大限に活用し、今後各地での上演をより充実したものにしていきたいという「将来のヴィジョン」に強い説得力を感じています。

最終10団体

新ハムレット

新ハムレット

早坂彩 トレモロ(兵庫県)

★審査員より(深沢祐一)
2010年に脚本家・演出家の早坂彩さんが結成したトレモロは、「身体と音楽」「台詞と空間演出」と時期ごとにテーマを掲げ、ストレートプレイやオリジナルミュージカルなどさまざまな作品を発表してきました。2022年初演の本作は太宰治が太平洋戦争開戦直前に発表したシェイクスピア劇の翻案です。利賀山房と出石の永楽館の上演を経て、京都と東京の小劇場でどのような成果をあげるか注目しています。第3期のテーマに「自由に、開いて、場作りを進める」を掲げ、より強度の強い創作を志向している姿勢が頼もしいです。

最終10団体

更地

更地

ルサンチカ(東京都)

★審査員より(關智子)
ルサンチカは創作手法とやりたいことが明瞭であり、団体の個性が読み手に魅力的な形で伝わった。また、既存戯曲への向き合い方が月並みではなく、過去を過去として認め距離を取るというあり方には個人的にも心惹かれ、期待できる。さらに、基本的だがそれゆえに大事なこととして、ウェブサイトが見やすい点やアクセシビリティに配慮が伺えること(会場がやや特殊であることもあるだろう)も評価につながった。応募書類から読み取れる独自の詩性に加え、太田省吾のテクストを、異なるアプローチ手法を持つ俳優たちと共に立ち上げるというチャレンジングな態度に心踊る。

最終10団体

(あたらしい)ジュラシックパーク

(あたらしい)ジュラシックパーク

南極ゴジラ(東京都)

★審査員より(丘田ミイ子)
平均年齢26歳の若手、南極ゴジラ。演劇をポップカルチャーに押し上げるべく旗揚げされた“ゆかいな劇団”。そんな触込みに違わず、応募文章には「ジャンルや職種を横断した試み」や「観劇を持続可能な行為にするための展望」が独自の筆致を以て爛々と綴られていました。『(あたらしい)ジュラシックパーク』は、誰もが知るSF超大作を下敷きに“テクノロジーの暴走”を描くというもの。多くの審査員が抱いた率直な感触は「どんな上演か予想できない」でした。それは言い換えるならば、演劇に新ジャンルが掲揚される予感、そして期待とも言えました。演劇を使ったまだ見ぬ仕掛けに立ち会えるかも。そんな高揚とともに全貌を見届ける日を楽しみにしています。

最終10団体

天の秤

天の秤

風雷紡(千葉県)

★審査員より(河野桃子)
2年と経たないうちの再演ではありますが、世の中はどんどんと変化しており、今この時にどのように上演されるのか2024年3月版として観ることも楽しみです。家族を母体とする団体自体はいくつも存在するなかで、それぞれに劇団外の演劇活動をおこないかつ個性があることが、閉じておらず魅力的に感じました。また劇団として、劇団員の生活(仕事や子育て)のあり方や地域性についても言及されていて、創作における視野が内と外の両方へ向いていることは力強いです。CoRich内でも長くいくつものクチコミが集まっており、しかもそれが「観てきた」だけでなく「観たい」も多く、観客の方々からの大きな期待も感じます。

最終10団体

さるヒト、いるヒト、くる

さるヒト、いるヒト、くる

ポケット企画(北海道)

★審査員より(松岡大貴)
表現活動をどのような地域で行うのか、「創作環境」として考える事と「発表の場」として考える事は異なると感じています。創作環境としては、多くのAIRがあるように創造に地域ならではのコンテクストを与え、作品に独自の影響を与える筈です。一方発表の場としては、(東京を主とした)大都市とそれ以外の地域では異なる課題があり、制作面も含めた独自の取り組みに迫られると感じています。観客や会場や交通においても。
ポケット企画は公演活動に止まらず、演劇祭やコンクールへの参加、若手アーティストを集めた意見交流会を実施されています。創作とそれを取り巻く環境との両方にアプローチする姿勢に共感し、その可能性を観たいと思いました。

最終10団体

べつのほしにいくまえに

べつのほしにいくまえに

趣向(神奈川県)

★審査員より(松岡大貴)
この数年、自身が協働するアーティストとの会話の中で「ケア」という言葉を耳にすることや、友人との会話の中でも使用することが多くなったと感じている。皆それぞれがそれぞれの関係性に相応しい言葉を模索している。規定したい訳でないけれど、別の言葉に規定されたい訳でもない。現行の婚姻制度が、そしてそれを(あるいは家を)前提にした諸制度が綻びを見せていることには、皆気が付いている。我々は多様な関係性を(一応)言語化する必要性と、それに対応する柔軟な制度を模索しています。趣向の描く『成人間のケア関係によって「結婚」が行われるようになった世界』を、観てみたいと思いました。

以上の10作品です!
次の最終審査では、審査員が実際に公演を見に行きます。

CoRichメンバーもクチコミをして
全国の舞台芸術ファンみんなで盛り上がろう!

最後まで候補に残っていた、大変惜しかった作品です。
“審査員注目の作品”として公表させていただきます。※初日順

御菓子司 亀屋権太楼 MONO(京都府)
正夢 星歌オムニバスひとりしばい公演(東京都)
悪童日記【4月15日夜~4月16日公演中止】 サファリ・P(京都府)
イノセント・ピープル 「CoRich舞台芸術まつり!2025春」開催決定!

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