福岡県北九州市と京都府京都市の二都市を拠点に、普遍的かつ革新的な演劇作品の創作・上演をコンセプトに活動。リリックを組み込んだ戯曲と、発語や構成に渡り音楽的要素を用いた演出手法を元に、創作を行う地域に影響を受けることで〈個人のささやかさ〉に焦点を当てながら、世界の在り方を見いだそうとする作風が特徴。現在メンバーは11名であり、それぞれが福岡、大阪、京都、東京などを活動拠点とし、その各地域にて公演および滞在製作を行なっている。主な作品に、北九州芸術劇場とパートナーシップを組みながら「モノレール演劇シリーズ」(2014-2019)。ロームシアター京都×京都芸術センターU35創造支援プログラム“KIPPU”『sad』(2018)。TOKAS OPEN SITE5『Coincide 同時に起こること』(2021)。豊岡演劇祭2023フリンジプログラム『ゆきさきは環 (めぐ)る』(2023)。代表であり劇作家・演出家の穴迫信一が公益財団法人セゾン文化財団セゾン・フェローΙ、THEATRE E9 KYOTO第3期アソシエイト・アーティスト等を務める。
【応募公演への意気込み】
本公演は、当団体において5年ぶりの東京公演となります。本戯曲『波間』は、京都市東九条の劇場THEATRE E9 KYOTOのアソシエイトアーティストとして制作、上演した作品です。3年間に及ぶアソシエイトアーティストの創作テーマを「Here Is Beyond(ここは彼方)」とし、現実とフィクションの切り分けられない関係を描き出すことを目的としています。誰か/何かを信じることが困難になりつつある今日の世界において、相対的にフィクションがその存在感を強めています。本作では、交錯する現実とフィクションの行き先を、現在への応答として描くことで独自の演劇観を定義します。また京都での初演からメンバーを一新し、東京で活動する俳優・スタッフ陣を迎えリクリエイションを行います。多拠点という活動の成果として、あらゆる地域のアーティストとの創作・交流によって生まれた作品を、リクリエイションの中でより普遍性を強固に設計・デザインしたいと考えます。