第一次審査(ネット審査)結果発表!

エントリー団体数

審査員がそれぞれに10作品を推薦し、1作品につき1票ずつ合計10票を投じました。票の入った作品について議論を重ね、10作品を決定しました。
※94団体中の1団体から「演目変更のため参加を辞退する」との連絡があったため、その公演は審査対象外としました。

矢作 「将来のビジョン」「本公演の意気込み」において、自分たちのビジョンを的確に表現するとともに、他者に伝えたいという思いをきちんと言語化できていること。また、演劇という手段を用いてどのようなことを実現したいかということについて注目しました。同時に、今後につながる展望を持ち、その可能性を期待させる劇団を選ばせていただきました。
山口 まずは公演内容と意気込みを読ませていただいて、「観たい!」と思える第一印象があったところを選びました。そして、今後の劇団活動を継続するための将来へのビジョンがあり、さらなる飛躍の可能性を期待できるかどうか。最後に、こりっちに掲載されている過去の活動実績や口コミも参考にさせていただき、選ばせていただきました。
鈴木 ①自分たちの活動を客観的に捉え、オリジナルな言葉でそれを表現しようとしていること。②「賞金100万円でいっそう飛躍できる!」と思えるビジョン(活動内容/次回公演の内容・公演形態)が示されていること。③たとえそれが「娯楽」と分類されるものであったとしても、演劇を使って世界と切り結ぶのだという意思を感じさせること。――審査会は「演劇ってなに?」を考える時間でもありました。
高野 提出された文章類、CoRich舞台芸術!の「観てきた!」クチコミを含めた団体の実績、スポンサード公演候補である次回公演などを重視しました。CoRich舞台芸術!は全国の舞台芸術団体、観客をつなぐポータルサイトですので、多地域公演を行う団体には特に注目しました。
手塚 過去何作品かのCoRich舞台芸術!上での評判、CoRich舞台芸術!の利用状況(例えば舞台写真とか動画をたくさん掲載している等)を見、またどれくらいのユーザーにお気に入り劇団として登録されているかなどを参考にさせてもらいました。その後は各劇団の企画書を読み、将来のビジョンがしっかりしている劇団を選びました。
それでは10作品の発表です!

※公演初日順。

エビス駅前バー(東京都)
本来は劇場ではない場所を見事に利用して、魅力的な演劇空間を作りあげています。役者と観客の距離が手が届くほど、心臓の鼓動さえ聞こえるほどです。今回は14日全29ステージという驚異的なスケジュールですが、しっかりとした意識の元に運営がされていますし、また将来のビジョンもしっかりしています。何かここから新しい演劇のムーブメントが生まれてくるような、そんな可能性を感じ、期待しています。
(手塚宏二)
カムヰヤッセン(東京都)
チラシが美しい。このまま部屋に飾りたいくらい。番外公演と銘打っていますが、今回は劇団員のみの公演なのだそうです。ということは、カムヰヤッセン度100%ということですね。その濃密さで、劇団の本質のところをじっくり味わうことができるのではと期待しています。
(山口由佳子)
チャリT企画(東京都)
スパイスの効いたチラシと裏腹に、風刺性と批評性を兼ね備えた脚本がカラーの劇団は、ややもするとちょっとふざけているように受け取られがちです。しかし、応募作品の「ネズミ狩り」は、劇団の特徴であるその風刺性と批評性が絶妙なバランスで描かれた優れた作品として非常に高い評価を得ました。これを再演するということで期待は大きく膨らみます。
(矢作勝義)
テノヒラサイズ(大阪府)
「誤謬」…最初、漢字が読めなくて調べました(笑)。なんだかタイトルは固そうなんだけどチラシはポップで可愛い。そして、内容は新感覚パフォーマンスコメディ!? …ここまでくるとすっかり気になる存在に。果たしてこれはテノヒラサイズの作戦なのか? それを劇場で確かめてみたいと思います。地方の劇団が東京に来るのは本当にパワーが必要なことだと思いますが、それをやすやすと越えてきそうな勢いを感じます。楽しみにしています。
(山口由佳子)
ゲキバカ(東京都)
登録された写真や動画を見る限りはバカバカしそうだし、どっか暑苦しそう。なのに妙にシンプルでまっとうな「意気込み」には、審査員の「応援したい」をくすぐるものがあったのかもしれません。次回作が「新作」と「再演」の2本立てであることや、長めの期間設定がされていることなども好印象。熱い王道エンターテインメントを引っさげて、颯爽と三都市(東京・大阪・名古屋)を旅していただきたいと思います。
(鈴木理映子)
ホチキス(東京都)
結成14年目の劇団でコンスタントに活動を続け、近年CoRich舞台芸術!上でもその評価はどんどん高くなっています。また所属している俳優も一人一人が個性的で魅力的で、それぞれが他の劇団でも客演として活躍しています。色々な意味で劇団力を感じさせる劇団です。上質なエンタメ、本物のエンタメを今回も楽しませてもらえるだろうと期待しています。
(手塚宏二)
KAKUTA(東京都)
設立15周年を迎えるKAKUTAの座付き作・演出家は桑原裕子さん。2008年には岸田國士戯曲賞最終候補に選ばれました。舞台中継がNHKで全国放送されるなど、劇団としても着々と確かな実績を重ねています。企画力、実行力ともに目を見張るものがあり、最終審査対象作品となった「朗読の夜」シリーズは、過去にプラネタリウムで上演されたこともありました。浅草の遊園地を貸し切りにした2度の野外公演も忘れられません。年末には劇団初のツアー公演も視野に入れているとのこと。各地へ飛び出して行っていただきたいです。
(高野しのぶ)
クロムモリブデン(東京都)
妄想と現実が交錯するポップでグルーヴィーな世界観、ドロリとした「生」の感触……クロムモリブデンの個性は確かに「演劇ならでは」のものです。「意気込み」に書かれた「結成22年を迎えながら『これからが楽しみな劇団』と言われ続ける」には参りました。新作ながらすでに脚本も完成しているとのこと。シアタートラムという新たな場所での満を持した飛躍、さらなるブレイクを期待しています。
(鈴木理映子)
箱庭円舞曲(東京都)
昨年は、残念ながら「あと一歩だった作品」に終わりましたが、その後に上演した2作品がいずれもハイクオリティであったため、注目していました。今年も応募開始早々に、力の入った文章をよせ、気合いも十分なようで期待しています。
(矢作勝義)
福岡にシチュエーション・コメディーを上演する人気劇団があるという噂は、数年前からよく耳にしていました。去る2月の満を持しての東京公演は、開幕前に前売り券が完売。福岡公演で使用した大掛かりな舞台美術が建て込まれ、大入りの初日は熱気と笑いで満ちていました。福岡演劇界の若手ホープの新作を、劇団本拠地で拝見できるのを嬉しく思います。長い劇団名もバッチリ覚えました!
(高野しのぶ)

以上の10作品です! 次の最終審査では、審査員が実際に公演を観にいきます。

最後まで候補に残っていた、大変惜しかった6作品です。
“審査員注目の作品”として公表させていただきます。※初日順

労働です 範宙遊泳(東京都)
オペレッタ 黄金の雨 ピーチャム・カンパニー(東京都)
パラリンピックレコード 北京蝶々(東京都)
線のほとりに舞う花を てがみ座(東京都)
団欒シューハーリー 悪い芝居(京都府)
仏教キリスト教イスラム教 宗教劇団ピャー! !(東京都)
「CoRich舞台芸術まつり!2011春」開催決定!

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