最新の観てきた!クチコミ一覧

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うたかたの日々

うたかたの日々

ヒンドゥー五千回

サンモールスタジオ(東京都)

2007/03/07 (水) ~ 2007/03/13 (火)公演終了

満足度

初日だからなのか・・・
役者はみな達者で魅力的。だけど、面白いと思ってやってるだろうことが、私はみんな楽しめなかった。物足りない感じ。倍のテンポでやれば盛り上がるのに、と思うシーンも。

結局、私はこういう何か起きそうで何も起きない系が苦手なんです。いや、何も起きてないわけじゃないけど、なんか、どうでもいいって思っちゃって。すみません。

受付の女たち

受付の女たち

ラムネ☆天色堂

劇場MOMO(東京都)

2007/03/07 (水) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

笑って楽しい110分
回想シーンが入れ子になっていて、最後に元の時間に戻るっていうのは面白いですね。
受付嬢の反逆は未遂で終わるけれど、なにか妙にスッキリ感がのこりました。

ワキ役の女子社員たち、1シーンか2シーンのみの登場でしたがやたらインパクトありました(笑)

キャプテン

キャプテン

劇団風三等星

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/03/10 (土) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

ザ・娯楽♪
分かりやすい設定、分かりやすい舞台、分かりやすい展開。全ての要素が観客を絶妙な力具合で引っ張っていってくれるので安心して身を任せられました。最後にはまんまと感動させられたりして。最高の2時間でした。

ネタバレBOX

特に最後の仕掛けはすごいですね。モアイ像の鼻。中盤でこれに関してひと盛り上がりするんですが、その後はほとんど触れられず。しかしその形状から舞台上では異様な存在感を放っていて、「あの程度のイジり方で終わるのか?」と思っていたところ、最後の最後で…
あの瞬間、この公演は私の中の本年度暫定一位に躍り出たのです。
激情

激情

ポツドール

本多劇場(東京都)

2007/03/04 (日) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

面白いのか面白くないのか・・・
初観劇。後ろのお客さんが、「いつもよりストーリーがちゃんとあった」と言っていましたが、個人的には前評判が高かっただけに、意外にフツーだなぁという印象。そんなにえぐくもなかったし、後味も悪くなかった。小さな劇場で見るのとは、随分雰囲気が変わってしまったんだろうな、と。それを考えると、この劇団の表現方法には限界があるのでは、と思います。笑いはわりと好み。これくらいのキャパの劇場での次作を観てみたい。

ネタバレBOX

登場人物たちが、突然キレる場面が多発する。観ていると、だいたいいつキレるかわかってくるのだが、その感覚をどう楽しんでいいのかがよくわからず・・・。
廃校/366.0【後日譚】

廃校/366.0【後日譚】

NEVER LOSE

千種文化小劇場(愛知県)

2007/03/09 (金) ~ 2007/03/14 (水)公演終了

満足度★★

セリフのない空白を味わえなかった
「廃校」という設定から、舞台になった学校が「必要なのに失われてしまう場所」として描かれていたようです。場所への郷愁は普遍的なテーマですから、この作品のこの登場人物だからこその、独特な思い入れや情熱を感じたかったですね。
ライブのように躍動感のあるロックのリズムやムードと、非常に静かな会話劇とが、常にマッチしているとは思えませんでした。オープニングがとても良かっただけに残念。
セリフのない時間が長く取られていましたが、必要不可欠な無言であるとは思いづらかったです。役者さんの演技の質のばらつきも原因のひとつだと思います。
人物の設定に腑に落ちないことがあり、残念ながらお話を信じることができませんでした。

特筆すべきは劇場設備の素晴らしさと制作・運営の方々のいたれりつくせりの歓待です。感動しました。

ネタバレBOX

桜吹雪が舞台全面に散りばめられて、開幕前から「何かが起こった後」であることがよくわかりました。天井の高い空間が美しかったです。上から眺める席に座って良かったです。
大音量のロックミュージックが突然止んで、耳にキーンという音が残る静寂に変わります。オープニングはかっこいいと思いましたが、何度も同じ方法を使うと効果が薄れます。


ケンジの妹トシ子(女教師)が学校で刺殺された時、トシ子の恋人で同僚のコウイチは、すぐそばにいたのに彼女を守れませんでした。教師だったコウイチですが、今は廃校になって取り壊しを待つばかりの学校の管理をしています。だから夜中の学校でケンジらと偶然に出会うのですが、殺人事件の現場に居た人間が、管理人になれるとは到底思えません。


学校は妹が殺された場所で、今でも彼女がそこに居る(幽霊として登場します)と思うから、ケンジは学校に戻ってきます。妹の死をコウイチのせいだと思ってしまっていたり、「俺はここに居る!」と叫んで、学校が彼にとって大切であると訴えたり、ケンジの妹に対する愛情は非常に大きなものであることがわかります(宮沢賢治と実妹の関係がモチーフになっています)。それほど妹を愛しているなら、妹を殺した犯人についてもっと強い感情を持っているはずなのではないでしょうか。チラシに「(犯人は)拘置所で自殺してしまう」とありますが、事件から1年しか経っていない状態で、これほどまでに犯人の像が見えてこないのはおかしいと思いました。


目には見えない幽霊(男子学生、女子学生、女教師)に押されて、普通の人間がおかしな動きをしてしまいます。その動きが良かったです。押された後にイスに登ってしまったり、自分が超能力を使ったのではないかと勘違いしたり、独特な演出がありました。
不思議の国の大人のアリス

不思議の国の大人のアリス

北海道舞台塾実行委員会

札幌市生涯学習センター  ちえりあホール(北海道)

2007/03/09 (金) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★★

観ました☆
子供が見ても楽しめるお芝居だったかと思います。
ダンサーの皆さん♪ 見とれてしまいました。

廃校/366.0【前日譚:メガトン・ロマンチッカー】

廃校/366.0【前日譚:メガトン・ロマンチッカー】

メガトン・ロマンチッカー

千種文化小劇場(愛知県)

2007/03/09 (金) ~ 2007/03/14 (水)公演終了

満足度★★★

初観劇
スケジューリングを失敗し、開演時間より10分遅れての観劇。
ごめんなさい。
 
ファンタジックな演出や空間の装飾はなかなか素敵だと思いました。
一方で、役者さんの演技・間の取り方などに記号的で紋切り型のものが多く、私にはリアルな感覚・手触りのようなものがなかなか伝わってこないように感じられたため、総合して星三つです。
 
ともあれ、企画的な面白さも大きく、ぜひ後日譚も観てみたいと思いました。

ネタバレBOX

声と、後おそらくは顔の表情を頑張って演技をしている役者さんが多かったように感じました。が、円形劇場ということもあって顔が見えない役者さんも多く、後姿や立ち姿などもっと身体でも語ってほしいと思いながら観ていました。
逆にラストの前の懐中電灯のシーンは、姿がはっきりしない分、リアルな高校生らしさを感じて、良かったです。
また、遅れての入場になってしまったのですが、制作・受付周りの方々がしっかりしていて、落ち着いて(?)入場することができました。
むかしここは沼だった。しろく

むかしここは沼だった。しろく

劇団八時半

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/03/07 (水) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★

ふむ。
一度観ておきたかった鈴江俊郎の八時半。
・・・んー、微妙。
何をやりたかったのかよくわからなかったなー。
役者は良し。
んー。

うたかたの日々

うたかたの日々

ヒンドゥー五千回

サンモールスタジオ(東京都)

2007/03/07 (水) ~ 2007/03/13 (火)公演終了

満足度★★★★

異国の空気。
空気を楽しむ。
役者も良し。
ドロい。

おやすみ、おじさん

おやすみ、おじさん

劇団桃唄309

ザ・ポケット(東京都)

2006/09/06 (水) ~ 2006/09/10 (日)公演終了

ほどよいファンタジー
 山奥ではなく東京の下町を舞台にした妖怪とまじない師の物語。東京という街は日本で一番先進的な都市であるがゆえに、こういった超常現象を絡めるのも絵になる。極端なところでは『帝都大戦』などが有名だろう。元々はミスマッチを狙ったのかもしれないが、むしろファンタジー色がほどよく中和されている。

 「ISIS(自立不能舞台装置システム)」と名付けられた“俳優が支えていないと倒れてしまう舞台装置”は、不安定だからこその躍動感があって好印象だった。おじさんを演じた坂本和彦の風貌はとても役に合っていたが、対立するまじない師を演じたバビィはもうちょっと冷たい雰囲気があると良かったように思う。

猿の惑星は地球

猿の惑星は地球

クロムモリブデン

ザ・ポケット(東京都)

2006/09/12 (火) ~ 2006/09/17 (日)公演終了

オチは無理矢理っぽい
 進化して不老不死を得たSARUは護身のための刀を振り回し、驚異であるNINGENはナイフを持っている未来社会。死ぬ方法を書いた本が森の中にあると聞いた一人のSARUが、それを探す旅にでる。

 あいかわらずあらすじを書くことに意味がないクロムモリブデンの芝居。今回は全席指定のためやや後ろの席になってしまったせいか、以前に比べて舞台から圧倒されるような印象は受けられなかった。セットや音響の派手さも前回より控えめだったような気がしたが、距離のせいかもしれない。

 もともとストーリーはあまり意味を持たない作風なのでどんな展開でも問題ないのだが、今回のラストは無理矢理オチをつけた感じがしていただけない。その場面の演出自体は悪くなかったので、やや残念だった。

廃校/366.0【後日譚】

廃校/366.0【後日譚】

NEVER LOSE

千種文化小劇場(愛知県)

2007/03/09 (金) ~ 2007/03/14 (水)公演終了

満足度★★★

空気は好みです。
確かに引き付ける「手法」は持っています。オープニングの入り方は期待させるものがありました。あの空気は大好きです。空気から物語が生まれたり、質が変化して行けばおもしろいと思います。
ノスタルジーを感じる程に場所・空間が描かれるわけではなく、感情移入できる程に人物・関係が描かれるわけではなく、空気のままで終わってしまったような印象を受けました。

ネタバレBOX

会場内に入ると、床を染める桜の花。散った様子から、何かが起こった後なんだなというのが伝わってきます。上空、奥から伸びる桜の枝の影が、花散る床に。それが満開の桜のようでもあり。

ラストは一個手前のシーン終わりで拍手しそうになりました。空間が変化したあの一瞬で終わっていたら気持ち良かったと思います。
廃校/366.0【前日譚:メガトン・ロマンチッカー】

廃校/366.0【前日譚:メガトン・ロマンチッカー】

メガトン・ロマンチッカー

千種文化小劇場(愛知県)

2007/03/09 (金) ~ 2007/03/14 (水)公演終了

満足度★★

イメージとドラマが結びつけば。
イメージやビジュアルで魅せる綺麗なシーンと、ドラマを語る部分の演出がうまく合ってないこと。また、ドラマ部分で「観てもらおう」という演技の役者さんと、「魅せよう」という演技の役者さんが混在していること。その二つが芝居を追いかけようとする流れを切ってしまう感じがしました。
そのせいもあってか、途中まで全体の構造が若干見えにくく。

ネタバレBOX

上空の桜の木が迫ってくる手のようにも見えました。予兆。
正面から観ていたのでまだ良かった方だと思いますが、ラストはせっかくなら雪のように辺り一面桜で埋め尽くしてほしかったです。
廃校/366.0【後日譚】

廃校/366.0【後日譚】

NEVER LOSE

千種文化小劇場(愛知県)

2007/03/09 (金) ~ 2007/03/14 (水)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
ド派手な音楽と リズミカルなセリフの応酬。
奇妙な間というか動きの妙。
主催者の見事な髪の毛の色(笑)

集中力を途切れさせない演出のすごさも感じました。
舞台美術もステキ。

むかしここは沼だった。しろく

むかしここは沼だった。しろく

劇団八時半

ウイングフィールド(大阪府)

2007/02/16 (金) ~ 2007/02/25 (日)公演終了

救いがないのに救われるような
 劇団八時半の舞台は三度目の観劇になる。これまでに観た「私の音符は武装している」「完璧な冬の日」と同様、高学歴な人々を描いている。今回は化石発掘現場でひたすら採掘を続ける、私設研究所メンバーの話だ。

 人里離れた山奥に隔離されたような現場で毎日毎日単調な作業を繰り返すメンバー。色々な問題が発生するなかで、だんだん精神的にもおかしくなってくる。普通の人がそうじゃなかったり、普通だった人がそうじゃなくなったり、ジワリジワリと事態が進行していく描写が実に秀逸。

 人格と状況と事態が絶妙なハーモニーを奏でるような作品。何も救いはないけれど、救いがなくても救われるような、妙な安堵が感じられた。

「僕を愛ちて。」

「僕を愛ちて。」

劇団鹿殺し

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2007/02/16 (金) ~ 2007/02/18 (日)公演終了

わけわかんないけど痛快
 鶴が名物の田舎町。その沼で母を亡くした兄弟の、兄は小屋を建てて暮らしている。そこに謎の女性が現れて共同生活を始める。弟はバンドを組んでメジャーを目指す。父は家にいる。

 東京で観劇していた頃から名前は聞いていたが観る機会がなかった「劇団鹿殺し」。関西から東京に進出して、路上ライブを繰り広げているパワフルな集団との噂だった。今回、大阪公演をも見逃したけれど神戸まで足を伸ばしてやっと観劇することができた。

 チラシの裏には劇団☆新感線の古田新太と劇団太陽族の岩崎正裕の紹介文が書かれている。古田は「元気があってよろしい」、岩崎は「鹿殺しの演劇は強い」との文言をタイトルに掲げてこの劇団のパワフルさを伝えている。

 実際に観劇してみて、そのエネルギーを実感できた。確かに元気があって強い。破天荒でワクワクさせられる、頭では理解できないけれど心と体が揺さぶられる、そんな舞台だ。ある意味、KAVCのような大きな劇場で観たのは残念に感じられる。もっと身動きできないほど狭い芝居小屋で観たかった。

 路上パフォーマンスで鍛えてきた集団でありながら、舞台装置もかなりしっかりした物ができていた。美術的な面だけでなく構造的な堅牢さと安定感が優れており、スタッフは地味に優秀だと思われる。

 わけわかんないけど痛快。また観たいと思える一品だった。

地獄八景・・浮世百景

地獄八景・・浮世百景

北九州芸術劇場

世田谷パブリックシアター(東京都)

2007/02/09 (金) ~ 2007/02/18 (日)公演終了

満足度★★★

落語
落語が全編にちりばめられていて笑いどころは沢山ありました。落語の内容を知っているとオチが分かってしまうのですが、それはそれでどう演じるのか面白かったです。落語実写版といったところか。

月と牛の耳

月と牛の耳

いるかHotel

ピッコロシアター 中ホール(兵庫県)

2007/01/06 (土) ~ 2007/01/08 (月)公演終了

その時、人はどのようにもがくのか
 ある病院にて。1年に1度、入院している父親を訪ねて子供たちが集まる。空手の師範だった父に結婚相手を紹介する長女と、その婚約者だという男。彼は恋人の父に勝負を挑むが、いとも簡単に圧倒されてしまう。

 四人の兄弟姉妹に囲まれて幸せそうな父親だが、その病気の正体が明らかになるにつれて子供たちの辛い思いがクローズアップされる。

 ネタバレになるので病気の正体を書くことは控えるが、家族の絆とは何かを問い掛ける作品。‥‥という紹介はありがちすぎると思うが、そういう作品だ。

 子供たちは皆、父親を慕い、父親の気持ちを守ろうと思っている。しかしそこには矛盾や葛藤が避けられず、もうすぐ破綻するであろう予感を直視せざるを得ない。そんな状況で、人はどんな風にもがくのかが丁寧に描かれていた。

 あのような病気が実在するのかどうか知らないが、もしあるのならやはりあの子供たちのように応じるしかないのではなかろうか。それ以外に、彼を傷つけない方法が見つからないからだ。エンディングはやや無理矢理ウェルメイドな終幕に持ち込んだような気がする。

 ワンシチュエーションのためか舞台装置の安定化が高く、控えめだが的確な照明と音響もきっちり仕事をこなしていた印象。役者は特に目立つ人はいないものの、役柄をしっかり演じきれていたということだろう。

マイ・フェイバリット・バ――――――ジン

マイ・フェイバリット・バ――――――ジン

メガトン・ロマンチッカー

千種文化小劇場(愛知県)

2006/11/09 (木) ~ 2006/11/12 (日)公演終了

ワクワクさせられるブルーな芝居
 リーディング公演や少年ライブラリィなどの企画公演は都合がつかずに観劇できなかったメガチカですが、久しぶりの本公演でちょうどスケジュールが合いました。

 観終わってまず思ったのは、この劇団とこの作家の持ち味が存分に発揮された作品だったということ。ものすごくメガチカらしい舞台であり、ものすごく刈馬カオスらしい脚本で、ワクワクさせられるブルーな芝居だ。

 身体障害者専用デリバリーヘルスの事務所として借りたマンションの一室を舞台とするワンシチュエーションドラマで、風俗店ではあるがその場に客が来るわけではない。それでもR-15指定が妥当な程度にきわどい台詞が飛び交い、露骨にセックスが語られる。

 とはいえ舞台で女優が脱ぐわけでもなく、痴話喧嘩さえ真水のようにサラサラな雰囲気で展開する。身障者用のデリヘルは実在するそうだし、劇中で語られる若者の集団レイプ事件なども似たような実例が記憶に浮かぶ。様々な形でそれらに関わる人々の苦悩や割り切りもリアルな印象を受ける。

 しかしこの作品は決して社会派ドラマとか問題提起とかではなく、若者たちの姿を素直に描いた青春群像劇なのだと思う。全体を通じて主張したいメッセージのようなものは感じられず、善人も悪人もいない、ただそれぞれの人物がそれぞれの想いをぶつけたり溜め込んだり怒鳴ったり逃げたりしている様子を淡々と俯瞰している。

 物語としての起承転結すらも曖昧で、存在意義のわからない台詞や演出も多い。だがそういった要素もまた、落ち着かない若者の情動を語っているように思えるのだ。メガチカの舞台はいつも絵になる構図が多く、今回もそうだった。視覚的には決して崩れないスタイルを維持しながら、構成として何かを崩そうとしたのではなかろうか。

 なんか難しい言葉を並べてしまったが、要するに観て良かったと思うのです。

歪みたがる隊列

歪みたがる隊列

劇団ジャブジャブサーキット

精華小劇場(大阪府)

2006/11/02 (木) ~ 2006/11/05 (日)公演終了

劇的でなく、されどドラマチックに
 乖離性同一性障害、いわゆる多重人格障害をテーマにした作品。この劇団は過去に摂食障害を扱った「しずかなごはん」も上演している。岐阜の劇団なので名古屋でもしばしば観劇したが、今回は大阪に来ていたので観劇することができた。

 こういう作品にありがちな演出を極力避けたとパンフレットで作者が説明しているのだが、その一環として一人の役者が多彩な人格を演じる「役者冥利に尽きる」表現も除外し、それぞれの人格を担当する複数の役者が一人の主人公を演じる構成をとっている。この点についてはあらかじめパンフレットのキャスト欄を見て理解しておかないと戸惑うかもしれないが、読んでいなくてもすぐ気付くだろう。

 とはいえ演劇が演劇である限り「劇的な」演出を完全に捨てるわけにもいかず、それなりにドラマチックな物語になっている。あまりドラマチックになりすぎれば興味本位な印象を受けるが、問題を真剣に受け止め啓発するような姿勢で作れば説教じみて詰まらなくなる。このあたりのバランスが作者の力量にかかるわけだが、本作はさすが実力派だと思わせる内容だった。

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