最新の観てきた!クチコミ一覧

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あゆみ

あゆみ

toi

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/24 (火)公演終了

満足度★★★

役者の集中力に不満
人間の一生を“歩く”をテーマに切り取った脚本は、
セリフに過不足がなく秀逸

ただ、同じ作品を
よりうまく立ち上げられる演出家がいる、と
劇中で感じてしまい若干興醒め

役者の集中力が5倍くらい濃かったら
飛躍的にいい作品になるだろう

I do I want

I do I want

空間ゼリー

サンモールスタジオ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★

青春群像
いまさら等身大の青春劇みせられても…というのが率直な感想
値段が高すぎる、半額でも微妙かも

役者の丁寧な演技には好感が持てるが、
そこまででしかない
そして、役者の演技・衣装とは逆に
リアリズムのない舞台美術が世界を壊している

ノイロヲゼブウム

ノイロヲゼブウム

劇団 虚仮華紙

早稲田大学学生会館(東京都)

2008/06/20 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

感覚で観る!
早稲田って劇場もタダだし、セットの費用もかからないのだろうか?
セットは都会のビル群を想像させるブロックを積み上げたようなセット。
その高く積み上げたセットだけで『うーーん。』と唸り期待感のベクトルは最高潮に上がる。


以下はネタばれBOXに。。

ネタバレBOX

オープニングに魅せられます。

機械的なダンス・タップダンス・パントマイムなどアメリカンティストが味わえる。

この物語はカフカの『変身』とサルトルの『嘔吐』が軸ということだが、どちらかと言うとフランツ・カフカの色合いが濃い作品で、グレゴール・ザムザを主人公にした物語。

この作品は作者・成生が17歳の時の記憶を現在の自分と比較し、重ねあわせたもの。
17歳の作者は未来に向かって希望や夢があった。いや、今でもそれは捨てていない。

だがだがしかしだがしかし・・・現在、ふと気がつくと自分の周りはどんどん変わっていくのに、自分だけが取り残されて何者にもなっていない事に気づく。

自分は虫だ。
虫とは嫌な意味合いの虫ではなく、これから成長して何になるか解らない幼虫なのだ。


舞台はグレゴール自身が巨大な虫になったという妄想から始まる。

芝居は断片的に一つ一つのブロックを積み上げていくように進む。
この芝居は感覚で観る芝居だ。

世の中はチックタックチックタック・・・と、寝てもさめても自分の意志に関係なく進む。

この芝居も世界の時間より早く進んでいるかのような錯覚に囚われる演出だ。

ここで描かれる世界は時代を遡り、戦時中になったり、ナサになったり、宇宙
を想像させたり、桃太郎になったり、女子高生やニューハーフが登場したり、現代になったり、ビジネスマンが登場したかと思うと歌舞伎的和歌が登場したりと、とにかく盛りだくさんの上、チョイスした音楽も素晴らしいのだ。。

「フィフス・エレメント」でリールが地球の歴史を瞬時に復習するシーンがあるでしょう?
あの場面を見てる感覚がします。

凄い!!とにかく凄いのだ!!(@@!)


これって本当に学生が作ったの?!(@@!)と驚愕する。。

いあいあ、本当に早稲田の芝居はレベルが高いです。

これは言葉で説明するべきではない。。
何故って感じるしかないのだ。

エネルギッシュなダンスシーンもピタッと決まり、相当、練習した事が伺える。


グレゴールはやがて、成長した大きな虫になる。



一見の価値あり!



レオナール・F S改

レオナール・F S改

WANDERING PARTY

精華小劇場(大阪府)

2008/06/17 (火) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★

よかったです
初演も観ていたのだけど、イメージがまた違った。
精華小劇場での上演ならではだった気がして、こういう感じなら、精華演劇祭で上演した意味があるなあと思った。

大人狩り/トマトケチャップ皇帝

大人狩り/トマトケチャップ皇帝

劇団ぎゃ。

大野城まどかぴあ(福岡県)

2008/06/20 (金) ~ 2008/06/21 (土)公演終了

満足度★★★

総天然色の楽しさ♪
なぜ昔の作品なのに今にマッチするのだ?
歌と踊りならぎゃ。が一番♪あと衣装もね。
今回は客演の雰囲気もすごく合っていたと思う。

ネタバレBOX

髪型にまで凝ってたのが驚き^^;;
「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」

「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」

演劇集団キャラメルボックス

シアターアプル(東京都)

2008/06/08 (日) ~ 2008/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

水平線の歩き方
主人公が帰宅すると23年前に亡くなった母がそこにいて…という「異人たちとの夏」を思い起こさせるような始まり方で、二重の意味で弱点を突かれるかと思ったら…(以下ネタバレに続く)

ネタバレBOX

…途中で真相が推測できるとはいえ、その「『シックス・センス』的転回」に「してやられた感」があり見事に一本取られた快感(?)が感動を上回り、珍しくもホロリとせず。
「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」

「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」

演劇集団キャラメルボックス

シアターアプル(東京都)

2008/06/08 (日) ~ 2008/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

ハックルベリーにさよならを
敢えて常套句を使えば「少年期の旅発ち」を描いて爽やか。かつてのステージ写真でカヌーのパドルを持って川下りをしているような人物2人のシーンをよく目にしていたが、アレはあんな流れの中の1コマだったのか、と大いに納得。(以下ネタバレに続く)

ネタバレBOX

また、そのシーンで本水を、それに続くラストシーンで砂を使うというのが効果的。
冒頭で語る人物が主人公の現在で本編は回想なのかと思いきや、それは主人公の兄で…というトリックもありつつ、終盤で真相が明かされて最初に感じたことは強ちハズレではなかった、という仕掛けも面白い。
絡ませたり縺れさせたりしたらほどかないとダメだよ!!

絡ませたり縺れさせたりしたらほどかないとダメだよ!!

劇団ノーティーボーイズ

ザ・ポケット(東京都)

2008/06/10 (火) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

懐かしさと新鮮さが同居
この劇団との出会いとなった『絡縺』(03年1月)の改訂版で、大筋(と部分的な細かいギャグ)は覚えていたものの細部は記憶から飛んでいたし、しかも改訂によって登場人物が1人増えて終盤の展開が異なったりもするので懐かしさと新鮮さが同居、的な?
また、いつもながらボケとツッコミが見事なまでにかみあっているテンポ良い会話が秀逸で大和(作・演出)の会話センスに改めて感服。

ジェントルマンズキッチン

ジェントルマンズキッチン

劇団6番シード

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2008/06/11 (水) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

『最後の1フィート』とリンクも
客足が減って経営がピンチとなった下町の弁当屋が、目にしたチラシにすがるような気持ちで有名店を渡り歩いた男を呼んだが…という物語、若干類型的ではあるが、最大のピンチに伝説の男,(?)が「船長が船を見放してはイカン」と叱るところがやはりイイ。こういう時の年長者の言葉って、深いんだよね。
さらに終盤には前月公演『最後の1フィート』の出演者がその時の役・設定のまま登場するというリンクまであって、このテのサービスって好きだなぁ。しかも、ちゃんと必然性のある出方なので『1フィート』を観ていなくても意味がわからないなんてことがないのが上手い。

あゆみ

あゆみ

toi

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/24 (火)公演終了

ちょっと泣きそうになった。
別に泣くようなことは何一つとしてないのに、
泣きそうになってしまいました。

シンデレラ

シンデレラ

赤堤ビンケ

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2008/06/14 (土) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

見てきた。
ラストシーンがなんとなく印象に残りました。

俺を縛れ!

俺を縛れ!

柿喰う客

インディペンデントシアターOji(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/30 (月)公演終了

初柿くう客
初めて見ました。役者さんのエネルギーのすごさと
舞台美術の意味深さになんだかほえ~、と関心。

夏祭浪花鑑

夏祭浪花鑑

松竹/Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2008/06/10 (火) ~ 2008/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

大興奮
ひさしぶりに自主的にスタオベしました。

Root Beers ~ルートビアーズ

Root Beers ~ルートビアーズ

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/25 (水)公演終了

満足度★★★

それはそれで・・・
いい感じだったのですけど・・・。

ネタバレBOX

作品紹介でのキャッチが「オトコ、魅せます」。
で、フライヤーには、勇ましそうなアンちゃんの後ろに「漢」の字がドーン・・。

自分で勝手に、「ケンカに明け暮れる男クサい物語」と決め付けて出かけたので、ちょっと、えっ、てのはありましたけど・・・。
杭抗(コックリ)

杭抗(コックリ)

乞局

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/06/04 (水) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

観て来ました。
初コツボネだったので期待して。

ネタバレBOX

精緻にして粘っこく陰湿な脚本にも舌鼓を打った(美術で描かれていたあの湿っぽさは、文体からも漂っていた))が、それ以上に微に入り細を穿つ俳優の演技に脱帽。聞いたら演出家がどこまでも細かく徹底的に演技をつけており、それを俳優が必死で追っ掛けていたそうだけれど、それに見合った陰影の深さがあって、文体・脚本のねちっこさに全く負けていなかった。

いろんな意味でバランスの取れた、見応えのある時間。三世代を説明抜きでびゅんびゅん飛び越えるのも、脳が疲れる感じはせず、リラックスして観れて、繋がったときにはちょっとスッとする、ゾッとする。低空飛行の、低温多湿の狂気って感じがして、愛を持ってこねくり回された舞台作品の持つマニアックな面白さが感じられて、大変興味深かったです。
「て」

「て」

ハイバイ

駅前劇場(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

現代版チェーホフ。
脚本、演出、俳優力、死角なしの面白さ。以下全部ネタバレ。下北沢駅前劇場にて、23日(月)まで。是非観に行くといいと思う。現今、小劇場で観られる最もユニークで完成度の高い作品。

ネタバレBOX

ハイバイは昨年くらいから追っ掛けているが、不条理で超常現象的なギミック((得体の知れない病気とか))のないのってこれが初めてな気がする。一応死にそうなばあちゃんを中心にした話だけど、老人介護の問題とかじゃなくて、わかりあえずにどんどん不幸になっていく不器用で馬鹿でみっともない人々が生々しく描き出されていて戦慄する。

くくりで言ったら群像劇になるんだろうが、秀逸なのは最初は普通に主人公のいるお話っぽく見せちゃってるところ。金子岳憲氏演じる「じろう」が主人公で、よく岩井作品に出てくる理不尽に怖い奴として吉田亮氏演じる「たろう」が出てきて、何か理不尽に揉めたりして、ってとこまではいつも通りだったんだけど、途中からシーンの視点が「たろう」に移る。あるいは長女の「よしこ」や岩井氏本人が演じる「山田母」に移る。

「じろう」目線で「たろう」を見て、あー田舎とか行くといるよなこういうセンスの悪い従兄弟とか親戚とか、カチンと来るわー、と思ってうかうか見ていると、いきなり「たろう」目線が入って来て、むしろ「じろう」の理想主義的で偽善者っぽい薄っぺらな言説にコノヤローと思ったりする。長女の「よしこ」なんて途中まではよくいる鬱陶しい親戚のおばちゃんくらいにしか見えてなかったのに、後半で「よしこ」の気持ちがわかったり、あるいはさらに「よしこ」への憎悪がふつふつ沸いたり、と、観ている俺の感情がぐらぐら揺れる。しかも、身勝手な四人兄弟の性質が、最終的にはDV野郎だった「山田父」の印象に繋がる、って言うか、「親父に一番似ているのはお前だ」みたいな話になったりして、直接的だがより生々しく痛々しい。もう、参ってしまう。

シーンごとには主観的でありながら、全体としては群像劇。よくできたアイロニカルな構造で、前例がなくはないのだろうが、実に鮮やかに繋がっており、完全にやられた。

こう書くと、大変文学的なお話なのだなぁという印象があるが、ワンシーンワンシーンは上質のコントを観ているよう。この辺の「抜き方」が巧妙かつ絶妙過ぎて舌を巻く。でも確かに、目の前で女がワンワン泣いたり大人がギャンギャン怒ったりしている最中に、変なCMが流れて来たり、チャック開いてたり部屋に貼ってある変なポスターに気づいたり、そうやって平成人の日常は流れているわけで、ある意味残酷なほどにリアル。この辺の観察眼も凄まじい。

観ていて、これは、平成版チェーホフなのではないか、とすら思う。知らない人のために解説すると、チェーホフは、「かもめ」だの「三人姉妹」だのを喜劇だ喜劇だっつって書いて、上演させて、で、確かに出てくる人物は滑稽だしドカンと笑いが起きるシーンがあったりするんだが、最終的にはどうしようもなく陰鬱で、人生の薄暗さを痛感するような芝居を書いたのだけれど、ハイバイ「て」はまさに平成版チェーホフではないか、と思う。たぶんこれ、何の前情報もなしに台本だけ新劇系の演出家とか高校演劇の顧問とかに読ませたら、とにかく静かで鬱々とした家庭悲劇として上演されていたんではないかしら。

岩井氏の書く本は、着眼点のくだらなさやユニークさ、観察力の鋭さ、発想のむちゃくちゃな飛躍とかにばかり気を取られていたが、今回のこの本は本当の意味で構成力のある本だと感じた。賢いんだなぁ。クイズとか得意なんだろうなぁ。とにかく、これは面白かった。今回こそはつまらないだろう、と思って観に行ったら、面白くってちくしょうって思った。次にも期待。
大怪獣サヨナラ

大怪獣サヨナラ

The end of company ジエン社

明石スタジオ(東京都)

2008/06/19 (木) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★

脚本に消化不良感
俳優はイイ。パッと見20代前半のようだけれど、なかなかおもむき深いキャラクターがいて、おもむき深い言動があって、わちゃーっといっぱい(14人?)いるけど個性が消えてなくて、俳優がイイのか、演出がイイのかわからんけど、とにかく個々の人物像にはかなり興味深い方が大勢。ドレッドの教師の人とか、保健室の先生とか、挙動不審な女の子(姉?)とか、自称カメラマンの立ち居振舞いとか。

ネタバレBOX

が、脚本に消化不良感。言葉の使い方や単語の選び方を聴く限り、きちんと演劇の作法がわかった上で個性的な冒険をしようとしているように思えるのだが、そのこだわりがどこにあったのか、今一つ伝わって来ず。旧世代的な起承転結のお話を書こうとしているわけでも、不条理的な群像劇を書こうとしているわけでもないんだろうけれど、ではその答えは? それがストレートに伝わって来れば、と思いました。

が、野心的な作風で、箸にも棒にもかからないウェルメイドをやられるよりは断然観客としては嬉しい。いいプロデュース力と野心を持っているようなので、今後化ける可能性はあると思う。
「て」

「て」

ハイバイ

駅前劇場(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★

交じり合えない家族
舞台は中央で演じられ、その対極に観客が座るとゆう意外性に最初からワクワクする。。

葬式の場面、牧師のぶっ飛んだ話から始まる。

以下、ネタバレBOXに。。

ネタバレBOX

この物語は祖母が痴呆になって亡くなるまでの間の出来事を主軸にした物語。

作者の岩井が体験した本当の物語だ。実際の父親はもっと暴力的だったというから、どんだけファイターなのか解らない!(^^;)

父親は自分の家族に対し理不尽な事を言ったり、めちゃくちゃな事を言い出して暴力を振るうという事を繰り返す。父はじろうが中学の頃から家に一銭も入れてなかったと言うから家長制度も真っ青の狂気じみた父親だ。
暴力の度に家族の神経は漂流される。

そんな父親のお陰で長男は「いつか絶対に殺してやる。」と恨むようになる。

祖母の痴呆がきっかけで家族が集まろうと提案した長女だったが、彼女の押し付けがましい態度で他の兄弟から疎まれる。

家族が集まったのにも関わらず、父親はまた、理不尽な事を言い出し争いになる。家族なのに、どこかつぎはぎだらけの繋がれないバラバラな家族の物語。

劇中長女が母親に、「何故お父さんと離婚する事を考えなかったのか。」と詰め寄るシーンがあったが、母親は「離婚が怖い。子供たちが自立していなかったし、世間の目も気にした。」というセリフ、時代を感じる。


物語はひじょうに良く練られた作品です。
物語のパズルをカットアップしてリミックスさせた作品。
最終的にカットアップしたものがすっきりと繋がり一本になる。

岩井が見る家族と母親が見る家族の視点は当然違うだろうから、その思いをカットアップして表現している。

最後に母親が父親に「離婚して。」と詰め寄りながらも、当の本人は離婚の意思はなく脅しているに過ぎない。

そんな母親の切ない感情も散りばめ、しっかりと笑いは取ってる。


『手』というタイトルは家族の繋がり、つまり、手と手を結ぶ。という意味合いがあるらしい。


セットのドアノブの作りが面白いです。。


牧師も葬儀屋も可笑しさ満点で、見ごたえがあります。

I do I want

I do I want

空間ゼリー

サンモールスタジオ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

観ました。
好きな劇団さんで、今回で4作品目の観劇になったわけですが、この作品はその4作品の中でも1番好きな作品です。
作品尺自体はそんなに長くないってことで、話が不足するのかと思いましたが、シンプルなのに言いたいことがはっきりしてて共感しました。

よければ、足を運んで見てはいかがでしょうか。

I do I want

I do I want

空間ゼリー

サンモールスタジオ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

いや、これは…
前回が好みでなかったものの、ここでの評判を頼りに。残念ながら4000円の価値はありませんでした。別に貶すつもりではないのです。既にそれなりに知名度があって集客をしている団体というのを考慮すると、この出来で4000円というのは対価に見合っていない。そういうのを抜きに演劇作品としてのみ考慮しても、個人的にはかなり低い評価です。役者は悪くない。それぞれの個人活動には興味も沸きます。でも、脚本と演出が…。濁したらズルいか。脚本と演出に関しては大きな失望を抱きました。

ネタバレBOX

長くなります。
まず制作面。fringeの受け売りですが、関係者に知人がいないか受付であえて聞かないのは徹底するべき。とはいえ事前に『割り引きます』と伝えられていたのにそうならなかったので微妙な心境で支払いを済ませました。それもこの時点では「よし、それならば4000円の価値として観よう」と決心するに至り、悪いほうには影響しませんでした。が、受け取ったチケットの日付に修正テープ。パンフレットにも出演者の名前表記に修正テープ。あれれ?と。
演目。始まってしばらくは我慢していたものの、やがて確信。「これは何も起きない物語だ」。その割に台詞は意味のある格言めいたものをいくつも散りばめていて、なのに芝居自体は何処かで何かを発散するでもなくダラダラと同じ温度で続いていく会話劇。何を観ろと?役者が峰麗しくても中身がなければただの人形。魅力ナシ。それこそ何故オタク要素を取り入れたのか。レッテルとして使われただけでした。ファッション誌のモデルに『今回はこれで』とゴスロリ衣装を着せて写真を撮って雑誌が完成し、でも結局終われば本人達は『なんでこんなの好きなんだろね。キモいね、オタク』と言い放ちそうな感じ。冒頭でオタク談義にわーきゃー盛り上がる部分にまるで熱を感じなかった。着飾っただけだったので真の振舞い方が分からなかった様な状態。「単なるネタだな」と思いました。それこそゆきの人物造詣なんかは存在そのものがネタ。リスカにしても過呼吸にしても、現実にそれらを苦にする人々がいるのを別次元のものとして都合よく往なしている。そんな事をしたら、『演劇は作り物だから嘘でもいい』という不栄誉な偏見が増すばかりですよ。
そんな何も起きない物語。後から場に現れた人物にも特に必然性がないので何を口にしようと共感出来ず。その人物のそれまでの人生がまるで見えない。今その場面を演じる為だけに用意された人物、もしくは部品でした。そんな中、言葉数の多いタカコが完全に破綻してた。消費側と供給側に纏わる話(同人誌を描いてるなら読者として商業誌の内容を批判する立場にないというもの)で他の人間を追い込んでおきながら、自分が追われる側になったら『なんで多くを語ると損をするんだ』とか言う。矛盾してる。何も起きない物語ですからそこまでに心境も変化が起きた訳でもない。しかもタカコの登場は他より遅れていてそれまでに少しは別の人物の口から触れられるものの、主だった人物像は登場してからの行動・言動で見せている。自分勝手で小賢しい嫌な奴という印象しか沸きませんでした。
役者は悪くないのです。それどころかもっとやれると思う。要はそれをどう活かすか、引き出すか。能力圏内を徘徊したって成長はない。無理してギリギリ出来るくらいの挑戦を与えるべきでしょう。少なくとも所属役者には。その責任は座付き作家と演出家にあるかと。客も彼女達の容姿だけを見に来ているのではないのだから。確かにね、美人揃いだからそれを加点してあげたくもなります。それでも個人的には半値の2000円にも届かない価値でした。

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