最新の観てきた!クチコミ一覧

177541-177560件 / 190004件中
『光る女』

『光る女』

Hula-Hooper

OFF OFFシアター(東京都)

2008/10/16 (木) ~ 2008/10/20 (月)公演終了

満足度★★★

やっぱ、かわいいさー
SF「っぽい」世界で遊んでみました、というのはそうだが、かわいいさー

あいどんとわなだい

あいどんとわなだい

エレクトリック・モンキー・パレード

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2008/10/18 (土) ~ 2008/10/20 (月)公演終了

満足度★★★

面白かったです。
テンポもよく、ストーリーにどんどん引き込まれました。

ネタバレBOX

ラストがつらい感じが残念でした。
本当のラストが、蛇足な気がしました。
次はハッピーエンドにしてください。
どんとゆけ

どんとゆけ

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/10/16 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

逆転の発想!
始終、ブラックジョーク的な要素が満載だと感じた。

それから、立ち居地を考えて欲しい。左側に座ると、死刑囚の妻がはだかって死角となり執行員の顔が全然見えません。全く見えない・・。ダメじゃね?(・・)

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

セットは畳の部屋が一つ。周りには古いゴムボール、汚いリカちゃん人形、使えそうもない炊飯器、汚れた浮き輪、片方のブーツ、おもちゃのピアノ、薬缶、動きそうもない扇風機、電気ポット、びっこのサンダル・・・ガラクタが散在している。

そこに死刑囚と死刑執行員が入ってきて、ここで、死刑の執行をするという。
どうやら、死刑囚の妻の自宅らしい。妻は死刑囚と5年前から文通を始め、めでたく1年前に獄中結婚をした。

この家に被害者の家族が訪れて、死刑囚の死刑執行に関する決まりごとを確認する作業に入る。

被害者の家族は勿論、被害者なのだが、この物語は死刑囚の死刑執行を被害者の家族が実行するという事と、死刑にする判断も被害者の家族がするという設定で、何だか、被害者が加害者で殺人者が被害者のように見えてくる。
許しを請い、助けて下さいとすがる加害者。
許さない。という被害者の妻。

そう、この物語は逆転劇なのだ。ブラックジョークにコミカルな要素も加味されて、笑えるシーンもある。

最後の受刑者の望みを叶える決まりとか、最後の晩餐には受刑者の希望を聞くとか、最後の瞬間を心安らかに行けるように、受刑者の神経を逆なでしないように。とか・・・流れは受刑者の機嫌をとる形に動いていく。

受刑者の絞首刑に直接、手をくだす。という時点で被害者は被害者でなくなって、人殺しとなり、被害者自身もそのような感覚になっていく。

しかし、受刑者は「助けてください。どんな事をしても償いきれないと思いますけど、それでも何でも償います。お願いします、助けてください。」と哀願していたにも関わらず、妻と二人きりになった途端、「逃がしてくれ。今なら逃げられる。どっか遠くへ行って二人で暮らそう。俺はまだ若い。やりたい事は山ほどある。パチンコもゲームもしてみたい。何で死ななきゃならないんだー」と泣いてみせる。

バカは死ななきゃ直らない!のだ。(^^;)

それを聞いた妻は「大丈夫、大丈夫だから・・・貴方の前にもここで二人死んでるの。貴方と同じ死刑執行で。」と。
天使のような妻を演じてた妻は、先のない死刑囚というペットを可愛がって、愛し、慈しみ、マリアになりたかっただけだったのだ。


それにしても・・・凄い物語を考えたものだー。
もし、ワタクシの家族が殺されたら、勿論、殺しにいく。
しかし、遠巻きで見てる分には「何もそこまで・・。」と受刑者に同情してしまう。

要するに・・・結局薬局、主体的にしか考えられないのが、ニンゲンなんだよねー(^^;)


今のように一人暮らしになってしまうと、かつて、わずらわしいとすら思ったことがある家族との生活が、実に幸せな時間だったということが、よくわかります。

人間、死ぬときは一人ですが、たった一人で死ぬのと、家族に囲まれて死ぬのでは、全然違います。意識を失う最期の瞬間に人生のゴールがあるとすれば、後者の勝利はあきらかでしょう。それまでの人生がどうであろうと、やはり終わりはハッピーエンドにしたいものです。

ONEOR8プロデュース「思い出トランプ」

ONEOR8プロデュース「思い出トランプ」

こどもの城 青山円形劇場/ネルケプランニング

青山円形劇場(東京都)

2008/10/10 (金) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

良作
円形劇場のサイズにあった構成、演出になっていて、
作品、環境、演出がマッチしてますね。
スマッシュヒットって感じかな。

愛憎劇を愛おしく見つめた物語、のような印象です。

これなら、スズナリやこまばアゴラあたりの小劇場でやってもらえれば、
もっと違う雰囲気になったかも。
世田谷パブリックシアターや、シアターコクーンも
円形仕様にはできるけれど、ああいうサイズじゃ物足りないな。
ヘタに合わせると、面白くない舞台になってしまう。


暗転がやたらと長い(大体30秒前後)。
そんなに人の入れ替えや舞台セットを動かしているわけじゃないんだから、
もう少し短くならなかったのかな。

ということで、星4個。

YAMANOTE ROMEO and JULIET

YAMANOTE ROMEO and JULIET

劇団山の手事情社

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2008/10/10 (金) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

戯曲はあくまでも媒体でしかない
戯曲だけじゃなくて、空間も役者も音も光も観客も媒体。
それら媒体を過信するわけでもなく、かといって距離を取りすぎるわけでもなく。
じゃあそこの中心には何があるのだろう。
でもそんなものはどうでもよくて、
どこから始まったとかも関係なくて、
宇宙とか神とかよくわからないものをグルグルと考えていた。
劇団の歴史とか底力とか色々感じられた。
ファッションショーみたいな華やかさが楽しい。

どんとゆけ

どんとゆけ

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/10/16 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

娯楽の責任?
非常によく考えられて、効果が緻密に計算された脚本、美術。
しっかりと、安定した演技。

笑いながら、じっくり、重いテーマに向き合うことができる、希有なお芝居に、嬉しくなる。こんな芝居を観たかった!

ネタバレBOX

裁判員制度が、もうすぐ、はじまる。人を裁くことの責任が、ますますみえにくくなる。でも、それは、国だけの責任ではないと思う。僕ら、国民も、常に、あらゆる責任から無関係でいようとしていて、それが、まわりまわって、国の責任放棄を招いているのだろう。

「死刑」は、一応、国民国家の、一番大切な主権のひとつである。人を、合法的に殺す権利は、近代法のうえでは、国家にしかないのだ。でも、その権利にともなう責任を、国民が引き受けなければならないとしたら。

さて、『どんとゆけ』(Don't you kill は、津軽弁でこう聞こえるとのこと)の日本では、これがさらにエスカレートして、犯罪被害者や遺族が、犯罪者の絞首刑を、実際に行うことができるという、「死刑執行員制度」というものが存在する。

「ロープはどうなさいますか」
「持ってきました」
「おそれいります」

淡々と、被害者の妻と、義父は、作業を進める。ロープは、亡くなった義母が、一針一針縫ったもの。だが、この被害者の若い妻と、彼女の将来を案じる義父との間には、犯人を殺すことに対して温度差があって、それが、物語を牽引していく。

死刑とは、なにか。前法務大臣の、死刑執行のサインに対する批判をめぐる問題は記憶に新しい。ひとを殺すことの責任について、ゆっくり、じっくり、僕ら観客に考えさせる。笑いも織り交ぜられて、負担に、ならない。観るものの視点を中心に作られた、非常にすぐれた舞台だった。

けれども、非常にレベルの高いものだっただけに、残念に思った点がある。この舞台は、問題提起と、娯楽とを、高いレベルで両立させて、その緊張感で、物語を進めていたが、最後に、大きく、娯楽の側に傾く様相を見せるのだ。いってみれば、娯楽としての責任を果たそうとしているかにみえる。

物語には、最後に二つ、オチのような結末が用意されている。

まず、獄中の死刑囚と結婚して、死刑執行の場所となる民家を提供した、死刑囚の妻。彼女は、最後に、死刑囚との結婚を繰り返し、死刑執行を行うことを楽しみとしていることを告白する。

もうひとつは、被害者の妻の、現在の恋人が、「こんなことしちゃいけない」と、乗り込んでくるというもの。

それまで、舞台は、特に被害者の妻と、義父の、気持ちのぶれを中心に描いていた。二人は、この葛藤に、どう決着をつけるのか、観客の関心は、まっすぐに、そこに向けられていた。

それが、最後、突然、角度をカクッと曲げられてしまった。エンターテインメントとしては、これで良かったのかもしれない。しかし、それまで、問題を、舞台を通してじっくりと考察していた思考の緊張感は、オチがついた瞬間に、急速にゆるんでしまった。

舞台は、結局、死刑の執行で終わる。被害者の妻は、乱入してきた恋人を拒絶して、なし崩し的に(ここは、詳しく描かれない)、死刑を行うという責任を引き受ける。彼女の、決意の瞬間は、はぐらかされて、描かれない。これは、脚本が、問題を、娯楽にすりかえる、ある種の責任逃れとして、僕には、映ってしまった。

それでも、ここまで、「責任」という問題と正面から取り組む舞台は、日本では稀だと思う。最後、妙にすっきりと終わってしまったのは残念だったが、それは、葛藤を続けるという文化のない、日本の演劇の限界でもあるのかもしれない。
シャープさんフラットさん

シャープさんフラットさん

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2008/09/15 (月) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

両方、観たかった!!
ゲットが遅れて諦めて、それでもホワイトが観れたからラッキーだったけど。
一つの作品の中で、こんなにも別のテイストが混在している感じ。
ケラさんの多彩さとか多重性とか、あれこれにも思いが至りました。
ここは、女優さん達が本当に魅力的!
あぁ、それにしても、ブラックも観たかった!!

おわりのいろは

おわりのいろは

ホチキス

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2008/10/17 (金) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

満足度★★★

大人数なのにはびっくり!
階段をいとも身軽に出演者たちが動き、それぞれが個性を表現してはいるが少々荒削りの感あり。元気いっぱいのパフォーマンスはそれなりによしとしても、いまひとつ盛り上がりとストーリー性に欠ける。「おわりのいろは」と言う意味をもっとかっこよく表現すべきでは?

どんとゆけ

どんとゆけ

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/10/16 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

どん!
序盤は笑わせて終盤でしっかり締める。最後にどうしようもない気持ちを残すのでやたら心に残ります。
一人だけ共感出来ない人物が。でもそれによって、別の人物に共感出来ました。

ネタバレBOX

死刑囚が生きたがるのは理屈で物語を先読みしてしまう部分。でも、しのの暴露は予想外。彼女に共感出来なかったのは、その時の和哉と一緒だった気がします。
あなたと私のやわらかな棘

あなたと私のやわらかな棘

ジェットラグ

新宿シアタートップス(東京都)

2008/10/17 (金) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

梅。
中屋敷演出についてはネタバレに。脚本内容については触れていないので、観劇前でも読みたい方はどうぞ。
印象に残ったのは深谷さん。深津絵里さんみたいな存在感。

ネタバレBOX

「梅」って感じ。脚本の中身の事もあって基本温度は低く、そこに様式美と脱線台詞が乗る。芝居のテンポは絶対的に柿よりも低速。って事で、柿ではないけど通じなくもない。「梅」。
エヴリデイ・エヴリナイト

エヴリデイ・エヴリナイト

丸顔

江東区深川江戸資料館小劇場(東京都)

2008/10/17 (金) ~ 2008/10/20 (月)公演終了

満足度★★★

そこそこ
芝居自体はベタで解り易い物語です。
物語は楽屋裏の様子を描いた作品。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

三味線バンドを組む女の子3人は『三味線ガールズ'』の名前で演劇場では人気を博していた。
ところがその人気に甘え行き過ぎた行動を度々重ねて先輩達の反感をかう結果になる。都の母親でもある演芸場の支配人は見かねて暫くの間、三味線ガールズを出場禁止にする。

一方、結華は結婚する事を決め、事後報告に二人の下に訪れるがショックを受けた鈴子は解散宣言をする。計らずも3人がそれぞれの道を歩む事になってしまうが、その事で都は自分の将来を真剣に考えるきっかけとなる。
高校生のときから家元を継いでいた都は今までそんなに真剣に考えずにここまできてしまっていた。

ところがその決意に母親の支配人は反対をする。
「芸能界は人気が出てるときはいいが、落ちるのも一瞬だ。人気が上がれば上がるほど、今度は落ち目になるまいと考えタレントは苦しむ結果になる。毒を飲むのと一緒だ。毒を飲みながら人気を維持し、それでも気の強いタレントはどうにか生きていくが気の弱いタレントは自殺したり失踪したり、行方不明になったりする。この世界はお前が考えてるほど綺麗じゃあないんだよ。」と。
この支配人役を演じた山野海。演技派です。ひじょうにいい。セリフのテンポといい雰囲気、しぐさ、完璧です。

楽屋裏の人間関係や展開を描いた作品だから、落語や漫才、漫談を舞台上で披露していたけれど、「まっちょマン」はひじょうに良かった!(^0^)
最初から飛ばしまくって、小ネタもおもろい!
会場の空気を一瞬にして和やかにしてた。(^-^)


結局薬局、都の固い意志に支配人も認めて、公演の企画をする。都は今回の三味線ガールズを最後の舞台として一人でやるjことを決意していたが、それを聞きつけた結華と鈴子はそれぞれ舞台に駆けつけて参加する。

三味線も漫談も落語も・・・と確かに盛りだくさんではあるが、本の内容が薄い。人気のタレントを起用したみたいだけれど、ワタクシはこの人達を知らない。
ただただ芝居が好きで足を運んでいるだけだからだ。

はっきりいって、全体的に退屈な芝居でした。


紫式部が言う前に!

紫式部が言う前に!

ユニット美人

インディペンデントシアターOji(東京都)

2008/10/18 (土) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待通り 見応えありました
こういうコントを見たかった!!
サプライズあるし、テンポもイイし、しかも美女も拝めるなんて、言うこと無し。
動きの激しいお芝居を観た後は、いつもであれば多少の観疲れが出ますが、
このコントは観劇した後、なぜか元気になりました。
どんどん突き進んで、目指せ国立劇場!、っていう気分です。
京都出身の私にとっては、言葉の響きもホッとした約1時間でした。

SHAMAN-BOY~小角伝~  【プレビュー公演】

SHAMAN-BOY~小角伝~  【プレビュー公演】

スーパーグラップラー

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2008/09/30 (火) ~ 2008/09/30 (火)公演終了

満足度★★★★

娯楽作品の王道
公演登録をプレビューだけ別にする必要性はあるのか?という疑問は置いといて…。
 
第3回公演作品の再演で、当日パンフによれば前2作が「人の生」「人の死」を扱ったものだったのでそれらとは全く違う作品にしようと明るく派手で誰でも楽しめる単純な娯楽作品を目指したとのこと。
 
確かに非常にわかりやすく、コミカルで、もちろんアクションもあって娯楽作品の王道、的な。
 
時代考証を全く無視して現代のものも時々登場するのは評価が分かれるかもしれないが、全体がコミカルな上に程度をわきまえているので特に違和感はなく、むしろ上手いアクセントになっているくらいで個人的には支持、ってかむしろ好き。
特に般若心経(だったっけ?)をラップで、なんてアイデアがイイ。
 
また、主人公の母の霊が元凶かと思わせておき、実はさらに別の悪霊が背後に憑いているという二段構えの構造とか、オープニングクレジット直前の場面とほぼ同じことを繰り返して世代交代を示す終わり方とかもポイント高し。

妄想協奏曲

妄想協奏曲

PU-PU-JUICE

インディペンデントシアターOji(東京都)

2008/09/26 (金) ~ 2008/09/30 (火)公演終了

満足度★★★

若干の後味の悪さが残る
多人数が出入りするあるセレブの屋敷内で、誤解と思い込みから発生した複数の妄想が錯綜するというコメディ系。
 
それまでに蓄積された(?)複数の思い違いが最後の場でたたみかけるように決着がついて行く構造はいわば根気よく並べたドミノの駒が一気に倒れて行くのを見るようで快感。
 
がしかし、悪だくみ(笑)をしていたメイド・ゆうかの顛末部分のみトーンが異なって全体から浮いてしまった感があるのは残念。
しかもその前に一旦「え、コメディに 人死に はそぐわないよな」と思わせておいてそれを回避した後のことだけになおさら。
 
だもんで若干の後味の悪さが残る。

サイエンティフィック ネガ/ポジ ジェンカ

サイエンティフィック ネガ/ポジ ジェンカ

q[ku]

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2008/09/26 (金) ~ 2008/09/28 (日)公演終了

満足度★★★

Don't think, feeeeel!
主人公がゴミ捨て場で「拾った」女性に1ヵ月だけ妹になってくれと持ちかけるとその女性はアッサリそれを承諾して…というややシュールな設定のストーリー、時々入る散文詩的なモノローグのためもあって文学で言えば純文学、絵画で言えば抽象画といったオモムキ。
 
だもんで、たとえば「休眠芽」が何のメタファーであるのかなど、読み解けない部分があるのがクヤシかったりもするが、やはりこれも「Don't think, feeeeel!」系、「考えるのではなく感じる芝居」ってことか?(笑)

リメイク~BREAK OR REMAKE~

リメイク~BREAK OR REMAKE~

ZIPANGU Stage

シアターサンモール(東京都)

2008/09/26 (金) ~ 2008/09/28 (日)公演終了

満足度★★★

モロにチカラ技
リメイク作品の脚本の執筆に苦慮している映画監督、実は妻とうまくいっておらず妻は出て行くつもりですでに荷物をまとめてあるし、監督が再婚しようとしている外国人女性とヤバそうなその親族は家にやって来るし、というトラブルの火元だらけという状況下でのコメディ。
 
そんな設定なのでモロにチカラ技ではありながら、キャラクターの濃さ(「アクの強さ」の方が的確か(笑))とテンポの良さでグイグイ観客を引きずり込む。
 
また、初めてここを観て惚れた作品『航海綺譚』(05年11月)の時よりもブラッシュアップした架空の外国語や、外国語訛りの日本語(おそらく演じているメンバーは実生活でもつい訛ってしまうに違いあるまい(笑))は秀逸。
 
さらに、監督の娘が母について行かず父のもとに残る理由が泣かせる…。幕切れとともにちょっとズルいくらいかも?(笑)

STAR MAN

STAR MAN

KAKUTA

青山円形劇場(東京都)

2008/09/27 (土) ~ 2008/10/05 (日)公演終了

満足度★★★

ほど良くユーモラスで、ちょっとビター
キャンプ場に予約なしに訪れ「1人だけの客は泊めない」と断られた男が、泊まれるようとりなしてくれた常連客の女性ライターから以前そこであった話を聞かされて…という物語。
あれほどドラマチックではなかったとはいえ若かりし頃(爆)の夏合宿のことを懐かしく思い起こしたりしつつ(肝試しとかやったなぁ)、ほど良くユーモラスで、ちょっとビターな内容に引き込まれる。
 
このビターな部分が実は「藪の中」であり当事者の2人以外は真相を知りえず、したがって舞台上で描かれる事件(?)はあくまで語り手の推測にすぎないためにその苦さが緩和されるというシカケは上手い。
 
また、その後の場で現在のパートに隠された秘密が明かされ(前述の苦さ緩和のシカケもここで明らかにされる)断られた男と女性ライターの立場がガラリと変わるのは、タイプは違えどロベール・トマの某作品(敢えてタイトルを秘す)のどんでん返しのようで面白い。

黒船だあ!

黒船だあ!

リブレセン 劇団離風霊船

みなとみらいテント劇場(神奈川県)

2008/10/15 (水) ~ 2008/10/21 (火)公演終了

満足度★★★

なんちゃって時代劇!
私がプロデュースしている劇団WHATCOLORが、いろいろとお世話になっている劇団、離風霊船のテント公演を観に行った。

離風霊船といえば、屋台崩しといわれる派手なセット転換で有名!

今回は、テントの公演と言うことで、どんなに派手なセット転換になるんだろうかと、とても楽しみに足を運んだ。

和楽器による生演奏、歌あり、踊りあり、殺陣ありで、これぞ「芝居!」って感じ。

テントならではの派手な仕掛けも盛りだくさん!はちゃめちゃな感じがとても楽しかった。

ネタバレBOX

50人近いキャストが繰り広げるなんちゃって時代劇(笑)。

テントの舞台には、見事に長屋が再現されていた。二階に部屋があってそこで芝居をしていたり、出演者の皆さんの着物が素敵だったり、観ているだけでワクワクしてきた。

歴史の教科書で知っているような人物と、名前は同じだけど全く関係が無いという登場人物達が、生き生きと生活している姿に、どんどん物語に引き込まれていく。

発明を志す「源内先生」や、裕福な商家から盗みをはたらき市中にその金をばらまく盗人の「ねみ」、尊皇攘夷で対立する「勝」や「西郷」、そして「坂本」と坂本の命をねらう新選組の「沖田」と「土方」など、史実とは関係ないと分かりつつも(笑)、そのキャラクターの言葉や行動に史実を重ねて、とても楽しく観ることが出来た。

作・演出の大橋さんの脚本や演出が、現代の世相をとてもうまく幕末に重ねていて、大笑いしたり、考えさせられたり。

印象に残ったシーンは、源内先生が、大きな武器を作ること承諾してしまい、その恋人「おすま」がある決意をして、長屋を離れるシーン。

舞台後ろの扉が開き、インターコンチネンタルと大観覧車のネオンと横浜の夜景が見え、冷たい風が客席に流れ込んできた。

舞台中央にたたずむ「おすま」役の大矢敦子さんの姿とが一体化して、とても素敵なシーンとなっていた。

また、テントならではの爆発シーンは、とても迫力があった。

私は前から2列目にいたのだが、爆発で起きた熱風がしっかりと感じることが出来た。しばらくはテントの中に、火薬の臭いが充満していた。

そしてラストには、大きな黒船がステージに登場する。船に乗っているJoanna.マッカーシーと、日本の女性達が語り合うシーンでの台詞は、とても胸に響いた。

「私達は、子どもを産み、育てるんです」
「私達のような女性が、世界を動かせるようになったら、また来てください。」

台詞は、この通りではなかったかもしれないけど(笑)、なぜかとても印象的だった。

恒例の気になる俳優シリーズだが、西郷の弟子甚太を演じていた小澤浩明さん。地味なお笑い役だったけど、とても印象に残った。特に卵焼きの食いっぷり(笑)。

今後どんな演技をする俳優になるのか、とても楽しみな感じ。

テント芝居って、その場所の空気を一緒に楽しめるのが魅力。

離風霊船の友人の俳優さんから、テントの設営は本当に大変だったと聞いた。けが人が出たりして、精神的にも肉体的にも、本当につらかったらしい。

そんな話を聞いたにもかかわらず、無謀な私はテント芝居をプロデュースしてみたいと思った(笑)。

そんなわけで、そうして苦労したテントに是非皆様、足を運んでいただけたらと思った。とにかくすごく単純に「芝居」が楽しめた作品だったので、初めてお芝居を観る方でも、安心してご覧頂けると思う。
あなたと私のやわらかな棘

あなたと私のやわらかな棘

ジェットラグ

新宿シアタートップス(東京都)

2008/10/17 (金) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

中屋敷…
ああいうタイプの、あのクオリティの脚本だから普通にやってなんら遜色なかろうに、中屋敷に演出させるということ自体がものすごい冒険(笑)。
わざと困難な道を選ぶ、フロンティアスピリッツ!! といえよう(皮肉のつもりはないんだが、そう思えたらごめん。そうなのかもしれない)

しかし、中屋敷も「柿」とは違い、自分の持ち味をだしつつ、下品を抑えたのは、ほめてあげよう。スピードも抑え気味で、わかりやすく、演出してた。
「柿」のあの動きは、普通の役者さんがやると、ああいう具合にギクシャクするのね、と妙な発見をしたりした。

あなたと私のやわらかな棘

あなたと私のやわらかな棘

ジェットラグ

新宿シアタートップス(東京都)

2008/10/17 (金) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

リスキーな演出
 能狂言の手法を用いた演出なのですが、牧田作品の空気が濃密になっていき、それが変化して行くものに対して成功だったのかなあ。
 良く分かりません。

このページのQRコードです。

拡大