
エヴリデイ・エヴリナイト
丸顔
江東区深川江戸資料館小劇場(東京都)
2008/10/17 (金) ~ 2008/10/20 (月)公演終了
満足度★★★
ハイブリッド系
演芸場の囃子兼前座の三人組「三味線ガールズ」を主人公に、彼女たちをとりまく人々をも描いており、演芸場の出し物である落語や漫談、漫才なども劇中に取り入れ、もちろん三味線ガールズの生演奏もアリというハイブリッド系。
その噺家役は立川談奈だし、女性漫才コンビがWAHAHA本舗の2人なのでほとんどホンモノである他、マッチョ系ピン芸人を少年社中の井俣太良が演じているのだが、これまたそっちでもやっていけるんじゃね?な出来具合。(笑)
さらに、日系2世の音楽プロデューサーが Studio Life の船戸慎士(客演で何度観ていることか!)だったり、双数姉妹や東京タンバリンのメンバーが出演していたり、演出が危婦人のスギタクミだったりって、いったいどういう座組み!?
…な面白さがあったので(+野村祐香が可愛かったので(爆))、ストーリーがデジャブ気味であろうが、ラストが蛇尾気味であろうが、そこには目をつぶろう。(爆)

へなちょこヴィーナス
“STRAYDOG” Seedling
ウッディシアター中目黒(東京都)
2008/10/16 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了
満足度★★★★
父親と母親の両方に似ている子供、みたいな?
ダンサーだった母親から自分の夢を押し付けられ、ダンスがイヤになっていた女子高生が、フトしたキッカケからチアリーディング部を作り、陸上部を応援させられることになり…という物語。
ショーマの高橋いさをが学園青春モノとは珍しいと思っていたら、以前高校生と芝居を創り上げた時の作品とのことで納得。
ということで、冒頭(とラスト)のスプリント競技のシーンの表現はショーマ手法まんまだし、「えっっ!!!」と一同が一斉に驚くところなどはモロに森岡利行演出だし、その意味で父親と母親の両方に似ている子供、みたいな?(笑)

おわりのいろは
ホチキス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2008/10/17 (金) ~ 2008/10/26 (日)公演終了
前作とは異なるシュールな作風
基本的なストーリーや個々のパーツは古典的と言えるほどの「家族再生モノ」ではありながら、それを一旦分解し新たな要素も加えて組み立て直した、いわば古着を仕立て直して最先端のファッションにしたような感覚。
比較的日常的だった前作『PTA』(08年1月)とはガラリと異なるシュールな作風はナイロン100℃にも通ずるもので、米山脚本作品に初めて接した劇団毛利と米山(ホチキスと少年社中のコラボ)による『銭に向け叫ぶ』(07年8月)をもっと極端にした感じ? うん、こういうのも好きざんす。
もしや、ここって日常系とシュール系の2つの軸があるのかしら?
また、柿喰う客に近いテイストも感じたのは玉置玲央が客演していたからだけではあるまい。

昭和スキャンティ
弾丸MAMAER
あうるすぽっと(東京都)
2008/11/06 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了

三丁目の夕日
明治座
明治座(東京都)
2008/11/03 (月) ~ 2008/11/28 (金)公演終了
初めて参りました
友人にチケットをいただき鑑賞いたしました。初明治座。
ビル一棟レストランから、喫茶店からすべて揃っているのですね。
全3幕、合間に30分休憩。合計4時間でした。

『リズム三兄妹』 / 『はやねはやおき朝御飯』
岡崎藝術座
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/10/30 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了

『リズム三兄妹』 / 『はやねはやおき朝御飯』
岡崎藝術座
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/10/30 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了

邪沈(ヨコチン)
乞局
笹塚ファクトリー(東京都)
2008/11/06 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了

二葉さんの樹
天然工房
ザ・ポケット(東京都)
2008/10/15 (水) ~ 2008/10/19 (日)公演終了
満足度★★
かろうじて及第点?
ある女性が“兄”と共謀して(むしろ兄主導で)元カレにいささかやりすぎ気味の復讐をしようとする90分程度の作品。
劇中でその女性も気にしていたように、そのやり口があんまりだし、そもそも「バレるだろ、それは」満載なので、リアリティの無さゆえいま一つ作品世界に入り込めず。
とはいえ、中谷千絵の独特な持ち味や程良い笑いはいつも通りなので、かろうじて及第点、的な?

走れ!クラシックタイム
劇屋いっぷく堂
新宿シアターモリエール(東京都)
2008/10/16 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了
満足度★★★★
ネオ人情喜劇
場外馬券売場を舞台に繰り広げられる、常連客や初めて訪れたワケありの客、それに職員たちが織りなす悲喜こもごも、様々な人生模様。一言で表現すれば「ネオ人情喜劇」あるいは「ヒューマンコメディ」といったところ?
登場人物のキャラクター設定・造形が巧い(もちろん脚本だけでなく、それを体現したキャストの演技も含めて)ことに加え、スケッチ集風にキャラ紹介を兼ねたエピソードを積み重ねて、人物が出揃ったあたりでタイトルにもなっている馬の出自をチラリと示してクライマックスへの伏線とし、さらに各人物のドラマを見せてからすべてを束ねてメインレースにつなぐという構成も巧みで、そこに名セリフやナイスツッコミまでもちりばめてあって、満足度かなり高し。

BUS STOP
smokers
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2008/10/15 (水) ~ 2008/10/19 (日)公演終了
満足度★★★
バスがちゃんと走る
路線バスの車内を舞台にその日が最後の勤務となる運転手と乗り合わせた客たちを描いたライトコメディ。
舞台に据えられたバスを、乗客の動きと窓外を時折走る並木の枝の影やパトカーの赤色灯の照明効果でちゃんと走っているように見せるのが見事。

黒船だあ!
リブレセン 劇団離風霊船
みなとみらいテント劇場(神奈川県)
2008/10/15 (水) ~ 2008/10/21 (火)公演終了
満足度★★★
離風霊船流幕末グラフィティ
冒頭「2008年、東京・深川」とクレジットされるのに、そこはまるで幕末の江戸、登場人物も平賀、勝、坂本、沖田、土方などで、時代の流れに取り残された日本…と言うよりは幕末の日本が丸ごと現代にタイムスリップしたというオモムキ。
その設定ゆえ当然と言えば当然ながら「時代劇に現代の事象が登場する」ということで倉本聰の「浮浪雲」(78年)や早坂暁(ほか)の「天下御免」(71-72年)などのドラマを連想。離風霊船流の幕末グラフィティってところか。
それに三味線、尺八、太鼓の生演奏やテント小屋ならではの演出も加わり、10分の休憩込み2時間半の長さもさほど感じず。
ただ、舞台後方を開放して現実の風景を取り込むということでは劇団桟敷童子の『風来坊雷神屋敷』(05年10月)や椿組の『新宿ブギウギ ~戦後闇市興亡史~』(05年7月)の巧みさには及ばず。

難民X
tsumazuki no ishi
ザ・スズナリ(東京都)
2008/10/09 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了
満足度★★★
諸星大二郎作品と通ずるものあり
大震災から数ヶ月後、中学校の体育館横で生活している被災者たちを中心に描いた物語。
いつもは裏日本(←推測)の古い商店街のうちの一軒とか昭和中期に建てられた古いコンクリート造りの社宅っぽいアパートの管理人室の前での冬の夕暮れ前のような微妙に薄暗い雰囲気の舞台なのに、今回は妙に明るく、しかも当日パンフで内容を知って抱いたイメージよりも笑いが多くそっちの意味でも明るいので、ちょっとビックリ。
が、冒頭で交わされる放置された隣の家の戸袋に鳥が巣をかけて雛がその中にいるという会話とリンクさせたカタチで、体育館の戸袋に関連する話になったあたりから様相が変化。
戸袋の中のシーンが幻想的と言おうか、諸星大二郎作品(「壁男」とか)の世界観と通ずるものがあり、摩訶不思議な感覚。
また、戸袋の中が冥界との接点となり主人公が亡妻と再会するということでオルフェウスや黄泉の国の神話も連想。
結局それが夢なのか幻想なのかあるいは現実なのか明かされないまま結末を迎え、ヘンな…もとい、不思議な余韻が残されるというシカケ。
あぁ、この感覚、ちょっと好きかも?

そまりえ
黒色綺譚カナリア派
ザムザ阿佐谷(東京都)
2008/10/03 (金) ~ 2008/10/13 (月)公演終了
満足度★★★
翻弄されっ放し
タイトルの通り模倣画家を中心とした物語、絵画に対する画家の情念・執念ってコワいなぁ、などと思わせておき、キモになる部分は藪の中で、最後に「全部狂言さ」とまで言ってのけるとは…見事にダマされた感じ?
しかも、どこまでが狂言か?という疑問まで残り、翻弄されっ放し、的な。
さらに男女逆転のキャスティングによる胡散臭さがそれに輪をかけていて…。
実は男女逆転配役の狙いが見出せずに訝っていたのだけれど、こういうことだったのかしら?
ただ、男性役の女優が真っ赤なマニキュアをしてチークも入れているのは「女優が男性を演じている」のではなく単に「女優が男装して演じている」だけのようで違和感。
終盤で本来の性別を演ずるシーンがあるのでそのためか、と思ったものの、そのわずかな後日譚的部分のためだけに女性っぽいメイクをしているのなら本末転倒だし、しかもその後日譚パートの後に再び中心となる時制に戻って終わるのも意図不明。(これってσ(^-^) の理解力不足か?)
一方、この小屋の特徴を生かしただけでなく、中心となる居間(客間?)の周りにシンボライズしたような小ぶりの台所・寝室・便所を配した装置は見事。
そういえば、その床も畳を表現するように小さな茣蓙(?)が配されていたし。

幸福/眠る男
楽園王
ギャラリーLE DECO(東京都)
2008/10/10 (金) ~ 2008/10/12 (日)公演終了
満足度★★★
RAKUENOHテイスト満載
まずは長堀博士の書き下ろし短篇「眠る男」。
中央の柱の前に立ち布団を持った(=眠っている状態の俯瞰)男の顔をビデオカメラで撮り、そのまま壁(白いのでスクリーン要らず)に投射するなんてところから始まり、以降は純文学チックで独特な(得意の句読点ズラしも含む)RAKUENOHテイスト満載。
続いての「幸福」は「生きている小平次」で知られる鈴木泉三郎の作品で、時代がかった台詞回しとその内容は文芸作品を原作にした昼メロのような感じ?(笑)
また、いろんなゲーム・遊戯(オセロ、剣玉など)をしながら演技をするのだが、「眠る男」で大型のトランプカードを床に撒き散らす場面があった(そしてそのカードはそのまま残っている)ので、そのまま世界が繋がっているような効果アリ。

ようこそ童貞島へ~あの娘はニコール・キッドマン~
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2008/11/07 (金) ~ 2008/11/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
若さに勝るものなし
若さあふれる作品でした。
演出さんの意気込みがコレでもかと伝わってくる作品でしたし、ある種の覚悟さえ伝わってきました。
これだけ、力強い作品であればあっぱれです。
客観的評価としては、「見る価値のある作品」だと思います。

七人は僕の恋人
大人計画
本多劇場(東京都)
2008/11/08 (土) ~ 2008/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
ウーマンリブVOL11『7人は僕の恋人』を観た
最高という言葉以外思いつかない!
今年観た舞台の中でダントツの1位!
池田成志最高!
伊勢志摩最高!
荒川良々最高!
峯村リエ最高!
猫背椿最高!
星野源最高!
クドカン最高!
前回のウーマンリブ『ウーマンリブ先生』と対極的作品で、
どちらもそれぞれのジャンルでトップクラスだろう。
クドカン恐ろしや.。.
いつも満足度をつける時それなりに悩むが、
今回は悩むというよりチープな満足度システムに腹が立つ!
5点満点で100点つけたいわ!

邪沈(ヨコチン)
乞局
笹塚ファクトリー(東京都)
2008/11/06 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了
満足度★★★★
舞台上が悪意と閉塞感で、
よい感じに充ち満ちている。大仕掛けによる転換も描く世界を広げたり、交差させる意味でも効果的に作用している。99分。

フユヒコ
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2008/11/04 (火) ~ 2008/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
小劇場以上中劇場未満の枠で、
最大公約数が極めて大きくなるようなつくり。若年層から年配まで納得できるきっちりした脚本に安定した演技に満足感大。145分。

アダポンイベェ/トカゲちゃんヒカゲちゃん/仮面の忍者☆豚影
空間実験こがねむし
白鳥ホール(宮城県)
2008/10/31 (金) ~ 2008/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★
よもやの・・・3時間!
予想するべきでした。3本立てですものね。
またも【左目】が見えない状態での・・・
3時間を越える観劇は、想像以上に辛かったワン。
しかし!その苦行に耐えた甲斐のある見ごたえありな芝居~☆
【ネタバレ】は凄く長文なので、覚悟して下さいましネっ♪