最新の観てきた!クチコミ一覧

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鳥の飛ぶ高さ

鳥の飛ぶ高さ

青年団国際演劇交流プロジェクト

シアタートラム(東京都)

2009/06/20 (土) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

お尻がムズムズ
30年前に書かれた上演時間約7時間のフランスの戯曲を、平田オリザが日本を舞台にして2時間強の芝居に翻案したもの。演出はフランス人。テキスト自体は労作だと思うけれど、演出や演技は翻訳劇くさくてあまり好みではない。

ネタバレBOX

外国企業の進出という外圧によって、日本のある会社で経営者の交代劇が起きるという経済ドラマ。
原作ではトイレットペーパーを作るフランスの会社がアメリカ企業の脅威にさらされるという話らしいが、翻案では便器を作る日本の会社がフランス企業に脅かされるという設定。日産とルノーの関係を連想したりした。
ルワンダの虐殺や日本の古代神話などを絡めてあるが、これはあまり有機的に繋がっているようには思えなかった。ただ、異質なものと対立してもそれを排除してしまうのではなく、最終的には内に取り込むのだという見方は面白いと思った。原作でも同じなのだろうか。

便器の開発をめぐって行われるブレインストーミングの場面では、大竹直が出ているのを見てサンプルの「地下室」を思い出したり、フランスの現代美術家デュシャンの「泉」を連想したり。

ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-

ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-

流山児★事務所

座・高円寺1(東京都)

2009/05/29 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

良かった!
まず、理屈抜きに楽しかった。
生演奏、アレンジも演奏もいい。
歌、時に美しく、時にコミカルに、そして時に大迫力で心に響く。
そしてストーリーも台本も演出も演技も舞台も照明も大道具も衣装も……みんな本気で創り上げ楽しみ楽しませ考えさせ……泣いたり笑ったりドキドキしたり大変でした!

ネタバレBOX

余談ですが、ショウベンを我慢する民衆の姿に共感してしまい、我が膀胱もかなり厳しい状況に追い込まれてしまいました。休憩時トイレに駆け込み、自由の素晴らしさを謳歌しました(苦笑)
炎の人

炎の人

天王洲 銀河劇場

天王洲 銀河劇場(東京都)

2009/06/12 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

魂の演技
とても素晴らしい舞台です。役者は安定した上手さがあり安心して見れます。
今井さんが優しい兄想いの弟役好演。

市村さんの狂気と正気の演技は見事。正に魂の演技。必見。
ゴッホの背景が分かってから見た劇中スクリーンに現れるヒマワリはなんだか涙が溢れてきました…
後半から涙涙。

ネタバレBOX

ゴッホがこんなにメンヘラだったとは…耳なりとか自分がした事忘れちゃうなんて重症ですよね…
境界性人格障害?

唯一の友達ゴーギャンにも見捨てられ…でもそこで叫ぶ言葉は弟テオの名前…

弟だけは最後まで兄を捨てなかった。
ここの兄弟愛は夫婦より親友より深い。
ヒマワリの絵は引き裂かれましたが、本物のヒマワリの絵も破れていて貼り合わせた物なんでしょうか?
生きてる内に一枚も売れなくて、死んでからずっと後に物凄く高価になるんだから皮肉ですね…
音楽劇「新宿パラダイス」光は新宿より

音楽劇「新宿パラダイス」光は新宿より

東京ギンガ堂

歌舞伎町「大久保公園シアターパーク」特設劇場(東京都)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★

人情音楽劇!
観劇させて頂きました。この作品は、あらすじの時代の新宿東口を主に音楽劇にした作品でした。ここまで書きこみをされてきた方々と対照的に自分の場合は結構楽しめてしまいました!音楽劇と言う割には部分部分で期待させるものが感じられる楽しみのところが強かったのですが、この作品は結構文芸関係の登場人物から話が始まる、当時の大衆風俗の話題が多かったことが自分の場合は楽しめた原因かもしれません。登場人物たちの小説あるいは対談集を読み漁っていた時期があり、「あぁ、あの話しかぁ~」と一つ一つの話題に納得してしまいながら物語を観ていました!多分自分が楽しめたのは主だった登場人物たちの作中で用いられた話題をよく知っていたからかもしれません。ただ、確かに少し公演時間的には長かったかなぁ~、と思うところもありました。しかし、年配の方々はかなり楽しまれていた方々もいらっしゃったので、やはり作中の話題で当時を思い出す、あるいは思い当たるものがあるか・感じられるかが本作品の最大の評価の分かれ目かもしれません。今回の作品の評価は、自分の場合は当時を過ごしてはおりませんが、作中の主だった登場人物の小説・対談集を読み漁っていたので、その振る舞いと話題に納得しながら観て楽しんでいたことが星の評価になっております!しかし、新宿の公園テント小屋での新宿を物語にした公演は一夜の夢物語のようで楽しめました!

空耳タワー

空耳タワー

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/06/16 (火) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

傑作かも…!
ここ何作か、物足りない感じがしていたので、行くかどうか迷った末の観劇。
本当に行ってよかったです。
全部よかったけど、ラストがとくに、とくに好き。
あのラストがなければ、「傑作かも…!」とまでは思わなかった気がします。
が、意外にも、ラストは賛否両論なのですね。
いろんな感じ方があるんだなあ。
「静かな芝居」のクロム流解釈にしびれました。

梅沢武生劇団・梅沢富美男・前川清 特別公演

梅沢武生劇団・梅沢富美男・前川清 特別公演

明治座

明治座(東京都)

2009/05/29 (金) ~ 2009/06/29 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しかった!
大衆演劇と言っていいんでしょうか?
すごく楽しかったです。
楽しければ何でもアリの極みにぐうの音も出ません。

高襟狂騒曲

高襟狂騒曲

高襟〜HAIKARA〜

Dance Studio UNO(東京都)

2009/06/22 (月) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

エロス全開^^
エロス全開のダンスパフォーマンス。でも,なんという躍動感と緊迫感。馴染みのあるクラシックの調べのなか,予測不可能なエロスとダンス。息もつかせず眼も放せない。稽古でつくったアザも痛々しいが,捻挫をもしかねない突発的な動き,くれぐれも気をつけて最後まで踊りまくって欲しいものである。しかし,いやー,素敵なパフォーマンスだったなぁ^^5人の後姿のフォルムと主催深見章代さんの肩甲骨には心奪われてしまいました^^;次回公演がいまから楽しみです。

睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜

睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜

飛ぶ劇場

北九州市立大手町練習場(福岡県)

2009/06/20 (土) ~ 2009/06/20 (土)公演終了

満足度★★★★★

まず、楽しかった
とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。
銀河鉄道の夜として目新しく感じたところもうなずきたくなるところもあって、銀河鉄道の夜のイメージがずっと広がった感じです。

ネタバレBOX

「参加席」楽しませてもらいました!
「ポー!」が頭から離れません。
青い体温

青い体温

劇団HallBrothers

ぽんプラザホール(福岡県)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/23 (火)公演終了

満足度★★★★

共感
チケットプレゼントでチケットを頂いたので見てきました。
役者さんの感情が手に取るようにわかるよく練られた演技に魅せられました。
多くの人が共感したり、どこかに(いい意味で)引っかかるものを感じる作品になっていたと思います。素直というか。
初めて見させていただいた劇団でしたが、いい入り口になったなあという気がします。
上演台本を販売されているのもとても魅力的でした。

ネタバレBOX

冒頭のモノローグも全くいやな感じがしませんでしたし、あたまとラストの藤原が客席に呼びかけたりするところですごく入り込みましたね。自然に、芝居を観るテンション?になったというか。
あとは、回想シーンがきれいで、各々が意味を持ってて良かったです。
鳥の飛ぶ高さ

鳥の飛ぶ高さ

青年団国際演劇交流プロジェクト

シアタートラム(東京都)

2009/06/20 (土) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★

疲れた。
これがもっとも素直な感想。元々は6時間以上の公演を2:20分に短縮させた公演だったからか、色んなものを詰め込みすぎ。

以下はネタバレBOXにて。。

ネタバレBOX

便器を扱う猿渡商会の商戦と泥沼買収劇。日本の家族経営メーカー・猿渡商会が世界最大手のフランス資本便器会社に狙われる。二つの企業戦略に日本神話を上手くはめ込み、日本の古代の神々が国を取り合う話とリンクさせる。神話の中の世界戦争勃発と企業同士の買収劇は似たようなさまになる。更に日本の皇室と将軍の話も登場し、その登場の仕方は猿渡商会の社長の趣味で収集している古美術品を長男嫁のフランソワーズ(フランス人)に教える事によって舞台に登場させる。
更に更に、猿渡商会の営業社員の娘婿がツチ族だった事から、フツ族がツチ族を大量虐殺したルアンダ虐殺までも回想的に舞台に登場させちゃってるのだから、物語を追うだけでもワタクシ、ものすっごく疲れちゃったのよね。

フランス資本便器会社のターゲットにされた猿渡商会の内部抗争にフランソワーズが裏で罠を仕掛けていくのも、男の影に女ありき、じゃあないけれど、長が失脚する時には必ず裏には女が居る。という泥沼のようだけれど、単純に描く。だからストレートな勝負だった。

だからってフランス人妻は誰からも嫌われてない。夫の父親にも可愛がられ、夫の弟ともデキちゃってる。「お金目当てで結婚したけれど、少しは愛情はあったわよ。」なんて夫にサラリと話すのもフランス的で現実的だ。

結局薬局、猿渡商会はフランス便器会社に買収される訳だけれど、彼らがそこで学んだ事は「何処に落とし穴があるか解らない」ということと、エルシオのように「穴を掘り続けるしかない」ということ。

そしてパトリック(買収後の新社長)は言うのです。
「買収したのは機会でも特許でも製品でもない。人材です。」・・と。

いやはや・・・フランス人にしてやられたり!って感が強い。
パトリックにしても、フランソワーズにしても、利己主義で主張が強い。フランス人の特徴ですね♪

これだけの内容を2:20分に詰め込むのだから・・・観ているほうも疲れますってば!だから、終盤はものすっごく長く感じた。隣のご夫人は寝てたし。溜息の連打も聞こえる状態。
そんなに長くなくていいから、主軸だけをはっきりさせてもらいたかった舞台。
ワタクシには合わなかった。



R2C2〜サイボーグなのでバンド辞めます!〜【6月14日千秋楽】

R2C2〜サイボーグなのでバンド辞めます!〜【6月14日千秋楽】

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2009/04/27 (月) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

キョンキョン
クドカンさん、ステキです。

阿部サダヲさんの半ケツにドギマギしました。
後方席だったので、微妙に見えなくて残念でしたが(笑)
森山未來くんがセリフをとちってて、
ちょっと可愛かった。でも、役柄としてはカッコよかった。

アザラシ

アザラシ

カムカムミニキーナ

THEATRE1010(東京都)

2009/05/01 (金) ~ 2009/05/04 (月)公演終了

満足度★★★★

アフタートーク付
舞台のテーマは、地球温暖化でいいんでしょうか?

話の内容としてはごちゃごちゃしてた気がするけど、
よくよく考えると、深いのかもしれない。
けっこう、役者さんたちがフリーダムなので、
その辺を楽しんで観れました。面白かったです。

アフタートーク付の回でしたが、
縄跳びが凄かったです。

蜉蝣峠

蜉蝣峠

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/03/11 (水) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

下ネタ全開
しょっぱなから、クドカンはぶっ飛んでると思った。

三枚目に徹していることが多く古田さんだけど、
カッコよかった。
堤さんもカッコよかった。
シャモリ先輩(♀)にはかなり笑った。

連れとの間では、
闇太郎は最初から記憶をなくしてなかったという結論になったけど、
実際はどうなんだろう?
意外と、奥が深い作品だと思った。

リチャード三世

リチャード三世

劇団☆新感線

仙台銀行ホール イズミティ21・大ホール(仙台市泉文化創造センター)(宮城県)

2009/01/10 (土) ~ 2009/01/11 (日)公演終了

満足度★★★★

遠征してシェイクスピア
遠征しました。
これまた、古田さん見たさに。
東京公演のチケが取れなかったからね。。。

シェイクスピア原作ってのもあって、
内容は、知らないとちょっと難しいよね。
あと、早口で聞き取りにくい場面もちらほら><

ヌンチャクトカレフ鉈鉄球

ヌンチャクトカレフ鉈鉄球

芝居流通センターデス電所

青山円形劇場(東京都)

2008/11/13 (木) ~ 2008/11/16 (日)公演終了

満足度★★

物騒なタイトル
に、惹かれました。
ジレンマ系メンチサイドホラーって響きにも。

それなりに面白かった。と、思う。
次があるかと聞かれたら、言葉に詰まるけど、、、

五右衛門ロック

五右衛門ロック

劇団☆新感線

新宿コマ劇場(東京都)

2008/07/06 (日) ~ 2008/07/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

美脚
個人的には、面白かった。
舞台がこんなに笑えるものだとは知らなかった。

とりあえず、松雪さんの美脚に釘付け♪

49日後・・・

49日後・・・

パルコ・プロデュース

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2008/05/22 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

満足度★★★

お初に
初舞台。
しかも、大好きな古田さん見たさに遠征した。

内容は、面白かった!と絶賛するのはちょっと。
キャスティングに惹かれたけど、
全てを理解するには、難しいと思う。けっこう。

鳥の飛ぶ高さ

鳥の飛ぶ高さ

青年団国際演劇交流プロジェクト

シアタートラム(東京都)

2009/06/20 (土) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

滑らかに表現される会社の内幕劇、だけど・・・
よく出来た話だとは思います。

ビジネスの一面を、確かな感性と裏付けを持って捉えた作品だし
役者達の表現もすっきりと的確だったと思います。

海外の役者についても、台詞回しの可否はわからないにしても、演じるものはしっかりと伝わってきた・・・。翻訳の提示も凄く見やすかったし・・・。
でも・・・・、やはり何かが足りない気がするのです。

ネタバレBOX

シンプルな舞台装置が会社のピラミッドの役目を果たし、社長・経営陣・社員と分けられていく前半部分・・・、その広さにあわせた社員の動きなどがすごくスムーズで、観ていて物語がどんどんと客席に広がっていく感じ。

会社が凋落していく姿も、また、カリスマ経営者によって再生していく姿にも、真理が含まれていて、そこからの力強さも確実に伝わっていたと思います。

日本書紀と会社の関係も良く出来ていて、観ていて飽きることはありませんでした。ミュージカル仕立てにした部分もとてもしっかりと機能していて・・・。

作者の分身であるという狂言廻し役の社員の存在も旨いと思った。


でも、観終わって、満足したかというと、かなり微妙。
なんというか、深いところにまで舞台の感動が染みとおっていかないのです。

元々この戯曲は7時間くらいの長さが合って、そこから上演時間に合わせて4つのバージョンができたとのこと。今回の上演はそのなかの一番短いバージョンだったそうで、原本を削ぎ落としていく際に舌足らずになった部分があったのかもしれません。

一番気になったのは、企業が活性化する仕組についてダイナミックに描かれていたのに、人についての描き方が足りないこと・・・。

親子(社長も営業担当者も含めて)の距離や兄弟間の確執、社内の人間関係・・・、それが事象にとしては非常にしたたかにに描かれてはいるのですが、それらのバックボーンにある人間の想いが、なにか書割のように感じられるのです。

不思議なことに役者の芝居がしっかりとしていればいるほど、そのキャラクターから伝わってくるものの希薄さが浮き立ってきて・・・。また、希薄であるが故に、ダイナミックに動く会社の根本が人であるという終盤のスピーチに説得力がやや欠けるように感じたり・・・。

決して悪い芝居ではないと思うのですが、昨今の秀逸なお芝居たちに比べると、大味な部分を感じてしまうのです。
熱海殺人事件

熱海殺人事件

一徳会/鎌ヶ谷アルトギルド

atelier SENTIO(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

今更ですが・・・
すごくよかったです。

ネタバレBOX

四人でまわしていく舞台。
刑事役の人が最高でしたね。
つかこうへいの台詞回しを完全に自分のものにしてました。

水を使ったセットもよかったです。
あれってオリジナルでも使われてるんですかね?

前に同じ芝居を観たと思っていたら番外編でした。
ふうふうの神様

ふうふうの神様

劇団桟敷童子

ザ・スズナリ(東京都)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★

森にふうふうの神様がいた最後の時代
今回は「笑い」の要素がまぶしてあり、ちょっとだけ印象が違っていた。
その笑いがすべて当たりというわけではないのだが、いいアクセントにはなっていたと思う。
相変わらずの熱演、そしていつものような重苦しさもあり、伝奇モノ的な要素もありで、やっぱり桟敷童子だった。

毎回、驚くシカケがあるのだが、今回どんなシカケがあるのだろうという気持ちでついつい観てしまう。でも、スズナリではここまでだろう。
だけど、あの狭い舞台を立体的に、奥行きまで見せる技(美しいセット)は、やっぱり桟敷童子だ。

ネタバレBOX

客入れ時に、体操着姿の役者たち。「こんな話なのかな?」と思っていると・・・さすが、いつも掴みは見事。続くストーリーの重さが、まだ何なのかはわからないまでも、運動会の子どもたちの叫びに乗って伝わってくる。

設定が、70年代末〜80年代初頭頃の九州(北九州?)のどこかなのだが、たぶん、この地域におけるこの時期が、異界という存在が許される最後の時代だったのだろう。
かろうじて「神隠し」が違和感なく存在する、最後の時代。

ただし、その神隠しについても、古い伝承ではない。
神隠しに遭った人たちがいる異界では、楽しく運動会が行われていると言い伝えられていて、その神隠しに遭った人が戻ってくるように、家の軒先に吊るしてあるのは、玉入れの紅白の玉なのだ。

小学生の子どもが失踪してしまった夫婦が、妻の実家である村を訪れる。ここは、神隠しの村で、妻もかつて神隠しに遭ったという。1人戻ってくれば、1人が代わりに神隠しに遭う。妻は自分が異界に行く代わりに、神隠しに遭ったと思っている子どもを取り戻したいと考えていたのだ。
村には、何かが欠けている数家族が暮らしている。
そして、妙にけたたましく、馴れ馴れしい子どもたち。
「神隠しは最後の希望」というような台詞は、子どもを失った夫婦にとって、とても辛くて重い台詞だ。

村の真実と神様たちのことが明らかになってくるあたりから、重苦しさの加速度は増す。
そして、「なぜ、夫婦には村が見つからなかったのか」「子どもたちに一緒じゃないと村に行けなかったのか」が明らかになり、「なるほど!」と。
この話の収束の仕方が、好きなのだ。

この世と異界は紙一重であり、家族の関係も紙一重である、それが白日のもとに晒されていく。
しかし、信じるべきものがありそうな予感を与えてくれる、幕切れが鮮やか。
この感じが好きだから、桟敷童子が好きなんだ。

「神の介在しない(人間による)神隠し」として「戦争や革命」などが挙げられていたり、森が伐採されて、裸になっていく様に合わせて2人の子どもが寒がる、というエピソードがあるのだが、そこのあたりは、少し消化不良。

また、浮かばれない者(死者)たちが家族のように暮らす村は、執念・怨念のようなものが根底にある場所であり、この村と異界(神隠しで連れて行かれる場所)との関係は、村が異界への入口であるということがわかってくるのだが、そのあたりの設定とその収まりどころが、すっきりと整理がついていないように感じてしまった。
観ている側の受け取り方の問題なのかもしれないが。

さらに言うと、笑いの要素に「薄毛」が何度も使われていたのだが、結果、哀しい話につながるだけに、あそこまで何回も使わなくてもよかったのではないかと思うのだが。
そして、やはりオリジナルの歌もほしかった。

で、次回もとても楽しみなのだ。

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