
沼袋十人斬り
THE SHAMPOO HAT
ザ・スズナリ(東京都)
2009/10/14 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

ナノ クライシス ポルノグラフィティ
演劇集団 砂地
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2009/10/21 (水) ~ 2009/10/26 (月)公演終了
満足度★★★★
生々しさこそアート
なんともいえない高揚感で目が離せない。営みは日常であり非日常、当事者でもあり傍観者でもある。舞台を見下ろす形での客席だったが決して覗き見風ではなく、事例紹介されているような気分だった。

今日もいい天気
渡辺源四郎商店
アトリエ・グリーンパーク(青森県)
2009/10/17 (土) ~ 2009/10/22 (木)公演終了
満足度★★★★
【笑顔で帰れる芝居】
重い芝居が続いていたなべげん。今回は雰囲気がガラリと変わり、とても温かい。テーマは別なのだが、観ながら昨年の『どんとゆけ』を同時に思い出す。「あの」階段がまた出てきたからだ。「家族」というものを対比して観ていたように思う。
穏やかに話しは進んでゆく。謎の新人?吉田唯サンがイイ味を出している。くすくす笑ったり、ホロリとさせられたり…大人の童話な内容。次回作も楽しそうだ。反面、もっともっとドロドロしたなべげんも観てみたいと思う。

ヒ・ト・ミ
innocentsphere
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2009/10/22 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

『ヘアカットさん』 / 『朝焼けサンセット(朝公演:朝食付き)』
岡崎藝術座
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
変であることの尊さ
「面白かった」と断言してしまうことにリスクを感じる。
知った風なクチを聞くな、と言われてしまいそうで気がはばかる。
だが、あえて断言してしまう。
面白かった。
星つけるのはやめようと思っていたが、いくらなんでも平均星が低いのがカチンときたので高い星をつける。これじゃまるで不評みたいじゃないか。不評は正当な評価ではないと思う。

ヒ・ト・ミ
innocentsphere
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2009/10/22 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
すごかったー
前からずっと気にはなっていた劇団なのですが、
初めて観劇しました。
一言。
「すごかったーーーー!」
ほんと面白かった。
出演者26人全員、演技力もあり、台本も、衣装も、セットも、音響も、照明も、すべてよかったです。
特に十郎と雪乃、心奪われました。
次回公演もぜひ観たいです。

徹底的に手足
売込隊ビーム
「劇」小劇場(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
満足度★★★
イイ意味で力が抜けている感じ
ここを観るのは04年7月の『13のバチルス』以来5年ぶり2度目ながら、どちらかと言えば今回の方が好み。
『…バチルス』は、前半はともかく、後半が捻りすぎ・考えすぎのようだったが、本作はイイ意味で力が抜けている感じ?
特に冒頭のワカるようで実はワケのわからないオカヤマの喩えを筆頭に、会話全体にトボけた味わいがあって可笑しい。
また、整備しているのではなく足場のネジを締め直しているだけじゃん、とか、どう見ても航空機の下部あるいは尾部ではなくモビルスーツ系の脚だろ、とか、確信犯的にツッコミどころを作っているようなフシがあり、そんなところも好み。
そういえばチラシに写っている脚部らしきものだって膝の関節の向きが変だし。
そういうことなら次回公演にも足を運んでみようか…

くるくるとしとしっと
秦組
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/10/13 (火) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
命の重さ・生命の尊さ
死刑になりたいという理由から無差別殺傷事件を起こした男によって兄を意識不明の重態にされた女性研修医を中心にした物語。
プロローグは余命の少ない恋人のために不老不死の薬を手に入れたが「不老」と「不死」それぞれを分けてのんでしまい…というまた別のハナシ(しかし後半でリンクしてくる)だったり、そちらの主人公が胡蝶の夢よろしくどちらが夢か迷ったりもしてチョイとトリッキーでもあるので戸惑わされもするが全体を通して謳われるのは命の重さ・生命の尊さ。
特に終盤で研修医が述べる生命についての主張にはホロリ。その前の肝臓をめぐるやりとりでもすでにホロ、くらいまで行っていたワケなのだけれども。
また、前述の部分も含めて凶悪犯の生命の重さ、死刑の是非などについても考えさせられる。(死刑になりたくて無差別殺人を犯した者を死刑にするのは被告の思う壺、などという「矛盾」的な理屈も含めて…)
で、ストーリーの中心となる研修医を演じた工藤里紗は前年の秦組旗揚げ公演『Pain』に続いて好演。築山万有美、滝佳保子なんてベテランと互角に渡り合う(張り合う?)、な感じで。
TVドラマだと端役程度なのであまり気付かれないけれど、実はかなりイイ女優になってきていて、イイなぁ。今後ますますの舞台での活躍を期待。

噺劇と落語の会
北沢タウンホール
北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)
2009/10/13 (火) ~ 2009/10/14 (水)公演終了
満足度★★★
おぉ、進歩している!
噺劇は元ネタが最後のオチでストンと決まるタイプのものではないことと上手く脚色されていた(「転宅」の終盤で唄に乗せて演技を見せるなぞ見事)こととで、前回のようになんだか潔くないとかキレが良くないとかの不満もなく、「おぉ、進歩している!」みたいな…。
また、小宮孝泰は明大の落研出身なことに加えて最近落語を語る機会が増えてきたということで、本職の噺家顔負けの達者な語り口な上に噺劇も2本とも出演とほぼ出ずっぱり。そうそう、噺のマクラで明大時代からテアトル・エコーを経てコント赤信号に至るまでを語ったのも◎。

ミネルヴァの梟は新月に飛びたつか
O-MATSURI企画merrymaker
シアター風姿花伝(東京都)
2009/10/10 (土) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
両キャストをマチソワで
ヴァーチャル空間で高校生活を送るオンラインゲームのデバッグのためのプレイヤーの1人に選ばれた主人公が、10年前の「あること」について伝えたいと思っている従兄も参加していると知り、一方、そのゲーム内では固有アイテムの盗難事件も起こっており…という物語。
再演ものだけに出来が特に良く、ゲーム関連ネタ満載な上にダンスやアクション、サスペンスやほのかなロマンスなどもバランス良く配合して鮮やか。
ちなみにゲーム内にキャラクターとして入った主人公を描くというプロットは X-QUEST の『R.P.G. 私を土星に連れてって』と共通ながら、当然の如くオモムキを異にする。
また、ゲームキャラとして演じられている登場人物たちについて、それを操っているプレイヤー本人の素性が明かされた後に、その「本人」が垣間見えたりするのも巧いところ。
さらに、DDRによるダンスバトルのシーンで「ライオン」を使い、2人のプレイヤーがそれぞれMay'nと中島愛…もとい、シェリル・ノームとランカ・リーのパートを担当して踊るとか、「お前の罪を数えろ」(フラワーではガンダムネタ)とか、細かいネタにも感心。(爆)

天使を汚す
ロスリスバーガー
RAFT(東京都)
2009/07/17 (金) ~ 2009/07/19 (日)公演終了
満足度★★★★
とにかく暑苦しい
暑苦しい。もうほんとに暑苦しい。
暑苦しくて、ばかばかしくて、ひどい。
それがほんとに面白かった。
約1時間で1000円という試みはとてもいいアイデアだと思いました。
この値段でこの面白さなら納得です。

ともだちのいもうと
RONNIE ROCKET
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/10/20 (火) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★
席によっては
面白かったです。役者の方々の自然な演技が、
お客さんをすんなりと同じの部屋にいる感覚に引き込んでくれます。
座席込みの舞台装置(?)はとても雰囲気が出ていて気に入ったのだけど、
ただ、席によって声が聞こえづらかったり表情が見づらい…。
もちろん、それもわかった上で演出されているんだと思うけど、
やはり「いまこの役のこの顔が見たい」という瞬間があります。

カカフカカBig2
カカフカカ企画
アイピット目白(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
ばかばかしすぎて!
『大恋愛学園』 観ました。
最初から最後まで、笑わせていただきました。
仕事や恋や人間関係で、悩んでいる人たちに見てもらいたい。悩んでいることがばかばかしくなります。
「手ぶら」は、先が読めてしまっていたので、残念でした!
二宮さんのくねくねしたところ、結構好きです。

組曲虐殺
こまつ座
天王洲 銀河劇場(東京都)
2009/10/03 (土) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
名脚本とベストキャストの幸運な出会い
私にとってワースト1の演出家の舞台で、買おうか買うまいかさんざん迷ったけれど、観られてよかった!
今まで、神野三鈴さんと、山崎一さんが出た舞台でダメな作品にお目に掛かったことがないので、今回もお二人が作品に深みを与えてくれるに違いないと思った通り、本当にこのお二人が、情の通った素晴らしい人物を造形して下さっていました。
最初、ミュージカル界の貴公子が多喜二?と心配したのも、杞憂に終わり、いつもは、ミュージカルの歌唱の井上さんが、地声の歌唱で、見事に多喜二役を好演。特に、独房での歌は心に沁みました。
多喜二が主役ではなく、むしろ、周りで彼を支えた家族や、彼を見張る刑事達の心情に光を当てた描き方が、さすが井上ひさしさん!
あんな悲惨な題材をよくこれだけ笑いに満ちた物語にできるものだと、ただもう感心しました。
多喜二の台詞が少ない分、一層彼の言葉の一つ一つが胸にずしんと響きました。
小曾根さんの静かな音楽ともマッチングして、秀逸でした。
ただ、最後の多喜二のアップ映像は、どうも興醒めの感が。あれは、、多喜二ではなく、井上芳雄のCDのジャケ写のように見えて、ちょっと肩透かしな気がして、残念でした。

ペンパル狂時代
B-amiru
OFF OFFシアター(東京都)
2009/10/20 (火) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

劇場HOPEこけら落とし『かもめ』
ノアノオモチャバコ
劇場HOPE(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/20 (火)公演終了
満足度★★
ううむ
原作よりは分かりやすかった。
(原作読んでない人はたぶん理解に難あり?)
しかし、それが仇となった。
特に、
主人公♂の心情と、
ニーナと小説家の惹かれ合うシーンの交錯が
拙僧にとっては非常に鬱陶しかった。
苛立ちさえ憶えた。
主人公部分になったら照明が変化し、その都度音楽挿入。
学生演劇にありそうな感じでした。
ダンスは非常に良かった。
ジャズが基本。クールでややエロスあり。
しかし同じく、ダンスとしてである。
最初は鮮やかではっとしたが、
場転とともにいちいち挿入が始まり、
以下同文。
まるで前に見た、RAKUENOH+の
照明ちかちかしながらの場転を思い出した。
あれも拙僧には合わなかった。
とはいえ、美しい部分もあった。
最後の雪降る中、
のたれ死んでるニーナと、自殺した主人公♂の手を
回想を聞いてたある娘(原作になし)が結ぶところだ。
しかし、やはりこれも
原作を読んでる拙僧としては臭い。臭すぎた。
ニーナの末路、その解釈はそれもありでしょう。
精神錯乱+飯食してない+疲れてる などでのたれ死ぬ。
主人公♂と話をしていくうちに、
明るい方向を見いだしていくニーナが所詮幻想や幻覚であったとしても。
しかし、拙僧はこう考える。
もはや何をしても不満な主人公♂にとっては未来は明るくない。
彼の救いはニーナが自分の元に帰ってくること。
しかし、やつれたはずのニーナは明るく、
彼に「あの人を以前より深く愛してる」と言い放つ。
絶望である。
引き金をこめかみに当て自殺した彼に、
苦し紛れに救いを与えて良いものか。
そうなってほしいと願う心もなくはないのだが、
それなら
手と手を結ばせた後も雪が降り積もり、
彼らを埋めてやれば良かったと思うのだ。
ロシアらしさを出せとは言わない。
ですが、「雪」が綺麗で軽いものに見えてしまった。
ロシアの、否、彼らの雪はそんなもんでしょうか?
作家としてのあなたは、主人公♂のような心境に陥ったことはなかったのでしょうか?
なんにせよ、終わりは主人公♂の、
否、トレープレフの苦悩・憔悴・絶望を強く表現するべきだと拙僧は思った。
現代風アレンジするのは構わないし、
おかげで最近、とても興味深い団体を見つけたし、これからも様々な団体に大いにしてほしい。
ですが、現代風の、妙なあまっちょろい考えで台無しにはしてほしくないのである。
人形の家が面白かったあなたがたなら出来るはずです。
なのであえて☆1。
しかし劇場がとても良かったのと、
こけらおとし記念に☆1おまけ。

島あつめ
トリのマーク(通称)
ーーーー(東京都)
2009/10/20 (火) ~ 2009/10/21 (水)公演終了
満足度★★★
島。
通称トリのマークさん、トリの絵はなんと読んでもよいので通称なのだとか。私はガー子さんと読みます。場所から発想する芝居ということで、東向島の近辺の雰囲気を外側から掴んで身体の内側へと取り込み、昭和二年建築の木造住宅へすんなり溶かしていました。芝居だしここは東向島だと認識しているのだけれど、さほど遠くはない一段ずれた世界へ紛れ込んだ面白さがありました。ウトウトしてしまったのはつまらないからではなく、私は気持ちの良い人ばかりの空間にいるとふわ〜となってしまうせいです。柱時計の17時の合図でスタート。確か50分の公演時間だったと思うのですが、柱時計では1時間40分経っていたような・・・気のせいでしょうか。異次元という演出であれば楽しい試みで、またガー子さんの芝居を観たいです。
柳澤明子さんはへびとダンスが踊れる可愛い妖精のような、山中正哉さんは繊細に米を研ぐ手品師のような、原田優理子さんは美しく水上を散歩するバレリーナのような。三人共好きな感じの役者さんでした。私は知らない土地で夢をみてきたんだわ。

smallworld'send
時間堂
王子スタジオ1(東京都)
2009/10/21 (水) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★
正直に書きます!
って、毎回、正直すぎて困っちゃってるんだけれど。劇団が!笑
今回は明らかにキャストの演技力に差がありすぎる為、下手が演技力のあるキャストの足を引っ張るというナリ!(苦笑!)
観ているワタクシの方が気の毒に感じちゃったから、当の本人は拷問したかったのでは?笑
休憩入れて4時間!
以下はネタばれBOXにて。。

星屑とボタン
三角フラスコ
エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)
2009/10/20 (火) ~ 2009/10/22 (木)公演終了
満足度★★★★★
今年のベスト1かも
2年前の初演も凄かったのに、ますます洗練されて美しい物語でした。戯曲はもちろん、俳優さんたちも演出も舞台美術も素敵でした。私は三角フラスコの世界感が空きなのですが、それだけでなくたくさんの方にお勧めできる名作です。本当に本当に良かったです。

劇場HOPEこけら落とし『かもめ』
ノアノオモチャバコ
劇場HOPE(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
若さ溢れる
若さと意気込みが伝わってくる作品。
稽古をしっかり重ねたことがわかる、満足のいくクオリティでした。
こけら落としということでしたが、大人数での表現やダンス、この劇場サイズではもったいない作品だったかも。
チェーホフは昔読んで挫折しましたが、読み返してみたくなりました。