最新の観てきた!クチコミ一覧

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高き彼物

高き彼物

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

カトケン最高です。
加藤健一事務所作品は、絶対に見逃せません。海外の秀作コメディーが多かったカトケンが、今回は久々の和物でした。マキノノゾミ作、これがまた良かった。高瀬演出の、さえてることさえてること、心憎いね。脇を固める役者さんたちもみんな良かった。 大満足です。

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/11/17 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

緊迫感あふれる良い芝居でした。
自分が裁判員として一緒に考えさせられているかのような…

美しいヒポリタ

美しいヒポリタ

世田谷シルク

小劇場 楽園(東京都)

2010/01/13 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

3カラーが同時進行!
まず、殿方は入って右側の席に座るべし。するってえと(時代劇風)、美樹谷の開脚が存分に観られる!(^0^)
世田谷シルク の公演って必ずエロちっくな場面、つまりサービスが毎回あるよね?

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

場面はとある会社の事務所。この会社はアプリを企画開発しているらしい。この社内の人間関係や出来事とシェイクスピアの「夏の世の夢」を同時進行させながら、どうやらアプリの中のキャラクターたちも動かすという、実に愉快な芝居だった。
現実的な表現での社内の風景を、ビデオを早送りするみたいにコミカルに時間を操ってしまう場面はひじょうに面白い。また、アプリの中のキャラクターたちの動きもチェスを動かすように15度ずつ回転しながら、ちょこまかとした歩き方の演出も憎い。「アリババと四十人の盗賊」の「開けゴマ!」という号令と共に一斉に動き出す場面を思い出して、なんだかこの芝居がマジで、こけしに似たチェスたちが動いているようにも見えてしまう。

物語は社内恋愛の様子が殆どで、社長のお節介のお陰かなんなのか、自然なのか必然なのか、デキチャッテルカップルが居るなか、秋葉ことチーフに恋い焦がれる役の青木がいい。あんな風に他者に目もくれないで、好きすきビームを発射したら、そりゃあ誰でもなびくってもんでしょ!笑
チーフに「女は顔でしょ。お前のような顔は無理!」みたいな事を言われ罵られても挫けない青木のあの一生懸命さが、観ている側の胸を打つよね。そんなだから、なんだか青木役の前園あかり自体を好きになっちゃって、「ああ、いい女だなー。」なんて思ってしまう。実際の前園のことは知らないんだけどね。(^^)

一方で社長は社員と不倫して、社長の妻は出会い系サイトで知り合った男に身の上相談をする。しかし、社長の不倫相手は上杉という社員とまんまと結婚することになり、社長の妻はサイトの相手が男だと思っているのに実際は、ここの女子社員がバイトでサイトに登録していたという社会を風刺したような筋。笑

同時進行の「夏の夜の夢」はコミカルに表現しながらも、一番最初に見た者に恋をするという仕掛けを間違えた妖精パックのお陰で社長の妻は馬(ロバ)に恋をして、「ああ、私はあなたを愛してる!」ってコクりながらも、馬に乗って歩かせる。笑  まるで、「好きよ。だーいすき!」なんつってコクりながら男を操る妖精みたい。笑

芝居は大きな笑いも泣けるシーンもないけれど、とにかく、いちいち役者のやることが面白くて、クスっと笑えるシーンがいくつもあった。バカバカしくも愉快な舞台で、お笑いぐさは全て夢!



私の恋人

私の恋人

BATIK(黒田育世)

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/01/05 (火) ~ 2010/01/06 (水)公演終了

満足度★★★★

観劇
おいおい書きます。

新春浅草歌舞伎

新春浅草歌舞伎

松竹

浅草公会堂(東京都)

2010/01/02 (土) ~ 2010/01/26 (火)公演終了

満足度★★★★

観劇
おいおい書きます。

東京月光魔曲

東京月光魔曲

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/12/15 (火) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

満足度★★★

観劇
おいおい書きます。

僕らの声の届かない場所

僕らの声の届かない場所

ろばの葉文庫

The Art Complex Center of Tokyo(東京都)

2010/01/12 (火) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

実直に伝わる
一昨年夏(だったとおもう)の空想組曲の公演も観ていて、
そのときにも深く感銘を受けた作品。
今回の公演を観て
まったく異なる肌合いに、
優劣ではなく
それぞれの演出の秀逸さを感じて。

作品が描く世界の豊かさを、実感することができました。

ネタバレBOX

空想組曲の公演を観たときには
明らかに物語を外側から眺める感じがしました。
舞台自体がキャンバスの上に置かれていて。
そこには、
観客が外側から向かい合うからこそ伝わってくるような洗練や
個々のキャラクターの
想いの昇華がありました。

一方今回は、観客を空間の内側に置く感じで
物語が描かれていきます。
キャラクターたちと同じ空気感に満たされるなかで
物語が展開していく。

会場にいたる廊下の微かな匂い、
いくつもの部屋に飾られたアートたち、
その建物自体が秀逸な舞台装置の役割をはたして。
どこかシンプルで手作り感のある舞台や照明・・・。
キャラクターたちの想いが瞬時に観る側を浸潤するのではなく、
役者達の肌合いの中から滲み出してくるもので
次第に観る側が染めあげられていく感じ。
登場人物たち自身の想いはもちろん、
よしんば演じられるものが
人物ではなく記憶や想いが具象化されたものであっても、
観る側が立ち向かってその意味を理解するのではなく、
その存在がしだいに寄り添いながら時間をかけて
深く観る側の腑に落ちてくれるように感じて。

良い意味でとても生々しい感覚が伝わってきます。
高揚や孤独や焦燥・・・、
舞台から伝わってくるそれらの切っ先は、
空想組曲版の方が研ぎ澄まされているのですが
後に残る感覚は今回の方が深い・・・。
でも、その違いは優劣としてではなく、
全く異なる質感として、
観る側の物語に対する思いを広げてくれるのです。

どちらのヴァージョンとも
役者がしっかりと舞台を支えきっていて。

今回に関しては、公演二日目で、まだほんの少し硬さが残る舞台だったようにも思いました。でも、そのことが公演を重ねるにしたがってより深い熟成を促していくようにも感じたことでした。













『カガクするココロ』『北限の猿』

『カガクするココロ』『北限の猿』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/12/26 (土) ~ 2010/01/26 (火)公演終了

満足度★★★★

【北限の猿】ヒトはすべてイヴから産まれる
先日観た『カガクするココロ』との緩やかな関係があるような作品であるが、それからは完全に独立した作品であると考えたほうがよいようだ。

と、いうより、個人的には『カガクするココロ』を観てから少し時間が経っているので、そこでの役名等はほとんど頭から消えているものの、『北限の猿』での登場人物との違和感(「なんか違う」のような違和感)が出てきたので、すぐに頭を切り替えることにした。
つまり、『カガクするココロ』での各登場人物を記憶から引っ張ってきて、今、目の前で行われている『北限の猿』の役と結びつけて考えることは一切しないことにした。
「えっと、あの人は前のときは、何していた人だっけ」と考えないということだ。

もちろん、大学の研究室にある休憩室をスケッチしたような作品ということでは、『カガクするココロ』と同じ構造を持つ。

そして同様に、青年団的な見事な会話劇が続く。それは観ていてとてもいい感じだ。

ネタバレBOX

『北限の猿』でも『カガクするココロ』と同様に、舞台には登場しないラモスと呼ばれる教授の「ネアンデルタール作戦」というとんでもない研究は続いているようだが、今回、そのマッドサイエンストぶりはほとんど感じることはない。

むしろ「ヒト」と「サル(類人猿含む)」との差異や、進化についてが物語の背骨となる。
それは、ボノボというキーワードですぐに思い出した、王立フランドル劇場(KVS)&トランスカンカナル『森の奥』ほどの重さはないが、後半から物語の全体をじっとりと覆う。

2つの作品は、それぞれのタイトルが示すように、扱うテーマが違うのだ。だったら、10年後の同じ研究室の休憩室ということではなく、まったく同じ時間の同じ場所の別の出来事として描いたほうがすっきりしたように思える。
まるでパラレルワールドのようにだ。


人類のすべての母は、アフリカにいたイヴと呼ばれる者であったという理論が披露される。

あたり前だが、女性からヒトは生まれたのだ。最初のヒトも現在のヒトもそれは同じ。

また、かつて森にいた類人猿が、ジャングルの端にある木の枝にぶら下がりながら、サバンナを眺めていて、思い切って踏み出した一歩が「ヒト」への道へ通じていたのだろうと、女性研究員が言う。

そして、彼女は自分が行き詰まったときに、まるで最初のヒトとなるサルが行ったように、自宅の鴨居にぶらさがり、6畳の部屋をながめて気持ちを高めている。

研究室では、同僚の研究員との不倫の結果、妊娠している女性がいる。当然、研究室の誰にも話すことはできず、ようやく、相手の男にのみに告げることができる。
不倫相手は、妊娠した研究員を避けるようにしており、また、休憩室の人の出入りがあって、どうするのか、という結論までにはまったく話は進まない。
さらにその彼は来年アフリカに行くということもわかってくる。

妊娠した女性は、誰もいない休憩室で椅子の上に立ち、最初のヒトのように、休憩室を眺める。

次に、彼女は、南の島で行われていた、口減らしのための妊婦の儀式、すなわち離れた岩場から岩場へ飛び移るということ(失敗した妊婦は谷底に落ち死ぬし、恐怖のために流産することもあるという儀式)を、椅子を2つ置いて試そうとする。
しかし、飛ぶことすらできない。
ここには、ストレートながら、彼女の気持ちの揺れが示されていた。

彼女は、最初のヒトのように一歩を踏み出すのであろうか。

彼女はヒトになるのか、ヒトの母になるのか、イヴになるのかという岐路に立っている。
つまり、彼女は今、間違いなく、自分が進むであろうサバンナを、木の枝にぶら下がりながら眺めているのだ。

さらに、劇中で語られる、サルには中絶はないと言う事実(つまりヒトにはある)が、彼女の行く末に暗く陰を落としたりする。

そんな会話が、この会話劇の中で唯一の事件とも言える、彼女のことをちょっと際立てる。
しかし、それが物語の中心ではないところがいい。

彼女のただならぬ様子を察している、同じ研究室の女性の、救いの一言がいいし、ラストのゴリラのドラミングは印象的。
『森の奥』のラストに似た印象のシーンだ(意味はかなり違うが)。
妊娠した女性が、彼女の何かを察してくれた女性の気持ちにちょっと触れるいいシーンだったと思う。
・・・ただ、確かゴリラのドラミングは雄だけが行い、しかも相手を威嚇するときに発する行いだったような気がするのだが(違っていたらすみません)。であれば、類人猿を研究している人たちが知っていて行ったのだから、何かもっと意味があるのかなと深読みしてみようとしたが・・・単にうかつだったとしか思い当たらなかった(笑)。

研究員たちが言う、人間と猿との違いとは、「許せるか許せないか」だと言う。
そして北限にいる猿、というか人間が餌付けをしない猿の集団にはボスがいないらしい。
ヒトは許すことができないし、「餌付け」されているから上下関係もあるし、ボスもいる。
ボノボのようなコミュニケーションはとれるはずもなく、コトバそのものと、その裏を読んだりする。
だから、ヒトとサルの平行線が研究室の中にどこまでも続く。


先に書いた『森の奥』は、今回の『カガクするココロ』『北限の猿』の姉妹編となっているので、『森の奥』には、『北限の猿』に名前が出ていたアフリカに行っている研究者を登場させ、3本立てで上演する、なんていうのもよかったかもしれない。


まったく関係ないけど、たまが『さよなら人類』って曲で、「今日人類が初めて木星に着いたよー、ピテカントロプスになる日も近づいたんだよ、サルになるよ、サルになるよ(さるにはなりたくないって歌詞もあったなあ)」と歌っていたのを思い出したりして。なんか近いなと思ったり。

シンプルなコミュニケーションで、許しがある。サルとヒトはどっちが進化しているんだろうな、とまた考えたり。
【無事終演!】LOOKING FOR A RAINBOW【公演写真多数UP!】

【無事終演!】LOOKING FOR A RAINBOW【公演写真多数UP!】

劇団宇宙キャンパス

吉祥寺シアター(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ホントに青臭かった(^^)
けれども、ただ懐かしいだけでなく。あの時の自分がいたから。
今の自分がいるんだと。再認識されられた劇でした。
王道な展開に、ステレオタイプのストーリーなのですが。
いろいろスパイス効かせて、上手にまとめ上げた芝居になっていました。

ネタバレBOX

まさか月影先生出してくるとは・・。笑えました。
いやあ3Dにすると、役者さんの上手もあるのでしょうが、
インパクト強いですねぇ。

前説なくて変だなあと思っていたら、劇に組み込んでいたんですね。
面白い寸劇でした。衣装さんの、つまんねー長話聞かされるのかー、
というところ。よくでていました。

なんか青春している、少年漫画見ている気分でした。
まぁ「ガラスの仮面」は少女漫画ですけどね。
他の芝居でも、よくも見かけるけど。
芝居好きの人は、必ず読んでるんでしょうねぇ(^^)。

ちゃんと前説に繋がったエピローグ、綺麗にオチました。すっきりしました。

どこまで実話入ってるのかな?
それとも、劇団の方々の個々のエピソードを上手にまとめたのかしら?
なんにせよ、心に残った芝居になりました。



三月の5日間

三月の5日間

オーストラ・マコンドー

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

岡田あがさと坂口辰平の、
草食系な雰囲気がいまっぽくて可愛い♥ 
ただ、中央には「オラオラ系」…w パンツはトリコロールで、自由・平等・博愛なんだけどね。

ネタバレBOX

捕虜のところ、「es」(「看守」と「囚人」を割り当てて行われたスタンフォード大学の心理学実験を元にした映画)っぽくて、ある意味、戦争(≒狂気)を象徴している秀逸なシーンだと思った。あ、こちらのパンツは黒白横縞の囚人服模様w
届かないことだってある

届かないことだってある

パセリス

OFF OFFシアター(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/11 (月)公演終了

満足度★★★

ガールフレンズ編の方が好みでした
ボーイフレンズ
 男たちの心情を歌に乗せて、というところなのでしょうが、セリフが少ないのに途中が平板で芝居としてはちょっと違和感ありでした。ただ、ダンスパフォーマンスとしてはありかも。汗びっしょりの熱演でした。

ガールフレンズ
 演じる側に都合のいいストーリー展開もありましたが、女性同士の会話がポンポン進むので面白く拝見しました。立ち位置が入れ替わったり、5人で舞台上を回転したり、役者の動きに、話相手との相対的な立場を示すようにも感じられました。


2編ともラストにちょっとした苦い感じを残して終わりましたが、これは好きな感じの終わり方でした。
アフタートークで作者の作品への想いを伺うことができ、観劇中は腑に落ちないところが分かってよかったです。



世界の秘密と田中

世界の秘密と田中

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/01/09 (土) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

今までで最高作でした
ラッパ屋、拝見するのは三度目ですが、今回が一番良かった!
前2回は、一つの場面に雑多な登場人物が出たり入ったり。そんな人通りのある場所で話さないような会話や痴話喧嘩等を無理矢理露呈させたりと、どうしても段取り芝居になりがちでしたが、今回は、作者の工夫が功を奏し、そういった作劇上の違和感が皆無な上、登場人物のキャラクター設定も大袈裟でなく、すんなり素直に、舞台上の人物に気持ちを寄り添わせることができました。 
鈴木さんが、長年温めていた、ノートに書き溜めたフレーズの数々を、満を持して発表されたらしく、さすがの職人技の傑出舞台でした。
キャストも、今回は、無理して役を振り分けた感が一切なく、皆さん、適材適所の配役で、まさに、熟練劇団の為せる技! 

二―ル・サイモンやレイ・クーニー等、喜劇王はたくさんいて、大好きではあるけれど、やはり、国や人種や宗教観の違い等で、日本人には100%笑いきれない部分をいつも感じますが、今回のラッパ屋は、欧米のコメデイの大家に匹敵する上等な人情喜劇に、日本人ならではの程よい味付けを施した日本のコメデイの最高峰的作品でした。
強いて言えば、もう少し、終盤をテンポ良く終わらせた方が、冗長感を感じなかったかなと思うくらいでしょうか?

年明けから、良い舞台の連続で、今年は幸先良いなと嬉しくなります。

ネタバレBOX

同じ家具付きの同じタイプの部屋ばかりのアパートという設定で、一つのセットを、各登場人物の部屋として、使い回す手法が小粋で、場面転換のテンポアップにも好影響。
今度は、誰の部屋で、誰の話?と、観劇中、おまけの興味まで湧いて、ずっと厭きることがありませんでした。
玉村と礼子のベットシーンが、いつの間にか、田部と美雪のシーンに摩り替わった時は、心で喝采を叫びました。
死んだ村田が、椅子にのめり込んで消えて行くなんて、「四谷怪談」の提燈抜けさながら。
今回のラッパ屋は、演出も洒落ていました。
劇中、売れないストリートミュージシャンが歌う挿入歌が、何だか無性に気に入って、一緒に歌いたくなるくらいでした。
外国のコメデイだと、いきなり会ったばかりの男女がベットへ直行ってパターン、よく目にしますが、何か、腑に落ちない感があったけれど、こういう流れなら、妙に納得できてしまう説得力のある脚本でした。
本当に、今回は、全てに調和が取れて、ラッパ屋の面目躍如公演だと思います。
ぐり、ぐりっと、

ぐり、ぐりっと、

桃園会

ザ・スズナリ(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

泣きました
冒頭で上演された最新作の「ぐり、ぐりっと、」で既に堪えられなくなって、落涙。7年前に書かれた「月灯の瞬き」、14年前の「カラカラ」と時間が遡っていく構成も良かったです。身体が震えるほど満足しました。

ANJIN〜イングリッシュサムライ

ANJIN〜イングリッシュサムライ

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2009/12/10 (木) ~ 2010/01/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

日英合作
ありそうでなかったこういう日英トップ同士の演劇国際交流。まずは大成功でしょう。題材として400年前の国際交流の物語を取り上げたのもグーです。あの時代から世界は狭く便利で安全になりましたが、歴史はもとより、劇中の登場人物達の冒険心、好奇心、世界的視野、愛国心、己を知り相手も知る洞察力、これら全部をひっくるめたバランス感覚など、作品から学ぶべきことは大変多かったです。

最高傑作 -Magnum Opus-

最高傑作 -Magnum Opus-

劇団銀石

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/08 (火) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

そういう最高傑作ね
タイトルの最高傑作、そっち系のお話なのねと、タイトルは納得。

観終った後、理解度の悪いオイラは、まず全てが夢だったのと思ってしまった。
後、5つのオムニバスとの事であったが、確かに話が変わった感じは取れたが、変わったと思えず、そのまま続いてると思える部分もあったかな。
また、役者がいろんな役をやるから、ちょっとゴチャゴチャになってしまった。
したがって、上演時間が80分との事であったが、悪いほうでそれ以上に長く感じてしまった。

ただ、衣装や舞台を飾っている布などは綺麗でした。

『プルーフ/証明(Repirse)』

『プルーフ/証明(Repirse)』

DULL-COLORED POP

SPACE EDGE(東京都)

2009/12/12 (土) ~ 2009/12/12 (土)公演終了

満足度★★★★

喜怒哀楽の切替はお見事
出演者は4人で、清水那保さんを除く3人役者さんも非常によかったですが、清水那保さんがそれ以上によかった。
もう、あの一瞬の喜怒哀楽のチェンジはお見事です。

途中休憩が入ったので、もしかしたら観てるほうが集中力切れるかな思われましたが、全然そんなことなく、時間があっという間でした。

十二人の怒れる男たち

十二人の怒れる男たち

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2010/01/08 (金) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

濃厚で味わい深い
1954年にアメリカのテレビドラマとして書かれた作品。原作者のレジナルドローズ自身の陪審員としての実体験を元に描かれたお話。日本でも陪審員制度が施行されてから、間もないからとても考え深かった。こうして12人の考え一つで一人の少年の生死が決められるというのは陪審員自体も苦悩だと感じた。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

舞台としては初見。だから他の舞台と比較しようも無いのだけれど、実に満足した舞台だった。元々、こういった心理作戦みたいな物語は好みだ。だから、陪審員8号の松橋が発言するたびに、なんだかニヤついてしまってワクワクしちゃったのだった。

ことの筋は、スラムで育った少年が父親を殺した罪についての陪審。実のところ少年が父親を殺したという確信はなかったが、二人の目撃証言と、少年が育った環境、たまたまおもちゃ屋で少年が購入したナイフが父親の胸に刺さっていたという事実から、陪審員の12人のうち11人が有罪と主張する。しかしたった一人の陪審員が無罪を主張したことがきっかけとなって、「少年が殺したのを観た」と証言した二人の目撃者の信憑性を追求し話し合うことになる。

無罪を主張した陪審員8号は「簡単に一人の少年を死に追いやる事はできない。もし間違っていたらどうするんです?」と説得する。ここで8号は次々と辻褄が合わない事項を説明していくが、こうした場面でも実に幼稚にだだをコネながら有罪確定を念頭に好演してたのが10号の外山だ。彼を何度か他の舞台で観ているがこういった役が良く似合うキャラクターだ。笑
8号は周囲の愚弄にむかって一人で立ち向かっていく訳だが、コマは少しずつ変わっていく。8号の解説に共感した陪審員たちが一人、ふたりと「有罪」から「無罪」に変えていくのだった。

老人の証言とL電車の証言の矛盾を秒単位で示した8号の説明によって、無罪を主張する陪審員が増えて、有罪を主張する陪審員が減ってくると、8号に対して「そんな針の穴を突付く様に正確でなくても」と喚きながら理屈をこねる陪審員に対して8号は「そのくらい正確でなきゃいけない。一人の人間を電気椅子に送り込むのだから・・。」とセリフる。
事実というのは、その出所の人間の個性によって色が付く。といわれているが、本当にそうだと思う。

「判決によって得るものも失うものもない。だからこそ私情を交えるものではない。偏見を取り除くというのは実に困難で、偏見によって真実がぼやけてしまう。陪審は確信がなければ人を有罪とすることは出来ない。」と最後まで有罪を主張していた陪審員3号を説得し、これによって3号は無罪に変えるも、3号が自分の実の息子と、この事件の少年とを重ねあわせながらの心の葛藤は実に見事だったと思う。観客の何人かは、「いつまで一人で有罪を主張してんだよ!」なんつって感じたと思うが、こういった苦悩は理解できる。「被告はあなたの息子じゃない。他人の子です。生かしてやりなさい。」と放つ陪審員の言葉が重い。

一人一人のキャラクターは12人の個性が出ていて良かったと思う。世の中の雑多な人たちがここに集結したような感じだった。それにしても、なぜ、女性が居ないのだろうか?作者は女性を入れるのを忘れたのだろうか?
こんな芝居を観るとやっぱ、陪審員には選ばれたくないと切実に思う。もし自分が関わった事件で被告が死刑宣告を受けたなら、夜も眠れなくなるからだ。


世界の秘密と田中

世界の秘密と田中

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/01/09 (土) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★

温かさであふれている
そんな印象を受けるお芝居でした。

ネタバレBOX

登場する女の人がみんな尻軽になってから加速度的に面白さを増していったように思います。あそこから登場人物みんなの魅力があふれてきてすごくよかったです。ただ、逆にそれまでの展開がだれてたような…そこまで笑えない笑いの応酬で少し眠かったです。あと役者の皆さんの泣きの演技が妙に胡散臭かったような…何か狙いがあるのでしょうか?


ラッパ屋さんの観劇は初めてだったのですが、常に温かい感じの漂う素敵なお芝居をされるんだなと思いました。それと登場人物がみんな魅力的で好きになれる。また照明の落ち着いた感じやおしゃれな選曲、登場人物のはけ方がイリュージョンみたいだったりと見所がたくさんありました。

そしてカーテンコール後の鳴り止まない拍手からこの劇団の根強い人気が感じ取れました。次のラッパ屋さんも是非みたいです。
世界の秘密と田中

世界の秘密と田中

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/01/09 (土) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

まさにアラフォー世代には響くような。
バブル期になんとなく社会人になった連中に、躓いたときの行き詰まり感とその先にあるちょっとした希望を提示した作品。123分。

ネタバレBOX

何かを期待して大人になったつもりが頭に描いてた理想像と結構ズレてる現実。それでも信じて突き進んでいるときにはわからなかったが、ちょっとしたきっかけで見つめ直すとそこに感じるギャップの大きさ。そんな人達が巣くってる4階建て2棟の古いアパートメントでの物語はお気楽さも見えるが簡単に笑い飛ばせず胸に刺さる部分もあって。

劇団や劇団員が歳を重ねるのにマッチするように作風もうまく年齢が上がっていると思う。同世代には共感できる点が多々あると思うが、上の世代や若い人達にはこういう中途半端っぽい大人はどういう風に見えたのかがすごく気になった。
女魂女力其の壱しじみちゃん

女魂女力其の壱しじみちゃん

カミナリフラッシュバックス

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

マチネ観劇
半自伝的な物語だったように感じました。

次回作にどのようなテーマを用いるのかに期待です。

橋本さんが抜群に良かった。

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