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ゆらぎり【脚本:成島秀和(こゆび侍)×演出:古川貴義(箱庭円舞曲)】

ゆらぎり【脚本:成島秀和(こゆび侍)×演出:古川貴義(箱庭円舞曲)】

FOSSETTE×feblabo×エビス駅前バー

エビス駅前バー(東京都)

2010/01/22 (金) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

満足度★★★★

最高の贅沢!
 会場が狭いこと、そして当然のこと舞台が狭いこと、それらがマイナスにならないばかりか、逆にとてつもない魅力になることをこの劇場は思いしらせてくれる。狭い空間に満員の人、足を伸ばす事もできず、隣の人と肩がぶつかってしまう。こういうとき、体が大きいのは損だ。そして固い座り心地の悪い椅子。そういった悪条件も、そこに素晴らしい役者がいて、素晴らしい芝居があれば、最高の空間になってしまう。まさに芝居の魔力だ。

 役者の息遣いが聞こえる。ふとついた役者のため息さえ、しっかりと捉えられる。なんという贅沢。成島秀和の作品を古川貴義が演出する。なんという贅沢。そして各劇団からいい男といい女を集めたような座組。なんという贅沢。

 成島秀和の戯曲は愛しあう男女が微妙にすれ違っていくさまを見事に表現し、恵比寿駅前バーをうまく活かして、バーのカウンターで隣のテーブルの会話を盗み聞きしているようなそんなゾクゾク感を与えてくれる。そして古川貴義の演出は、これまた狭い空間を見事に活かし、二人の会話が突然、違う組み合わせに変わっていくという素敵な仕掛けを用意した。いい演出家は、舞台の狭ささえ、長所に変えてしまうのだ。お見事。

ネタバレBOX

 役者では、二人の女性の心を弄び、それがゆえに転落していく男性を澤田慎司が好演。持ち味の誰にも好かれる性格の良さを逆手にとり、それゆえ、他人から嫉妬され、落とし穴に陥ってしまう男を見事に演じた。莉奈役の望月綾乃はロロの役者で前回の公演で気になっていた女優。早くもベテラン俳優を相手に一歩も引けをとらぬ演技ぶり。将来が楽しみだ。エステエリザベスの社長貴島荒太を演じた和知龍範は典型的な二枚目、いつか彼を主役にして、影のある二枚目をたっぷりと見せてくれないかなあと思わせる俳優。

 客席の一番前の列で見た。役者と役者の間隔より役者に近かったりする。思わず自分が舞台に立っているような緊張感を感じた。素敵な経験だ。
ロング・ミニッツ-The loop of 7 minutes-

ロング・ミニッツ-The loop of 7 minutes-

FOSSETTE×feblabo×エビス駅前バー

エビス駅前バー(東京都)

2010/01/22 (金) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

満足度★★★★

ストーリーの面白さと役者の魅力を堪能!
 昨年、同じく恵比寿駅前バーで上演して好評を得た名作を、今度は池田プロデューサー自らが演出をして、ひと味違う舞台に仕上げてみせてくれた。

 前作がシリアスなSFミステリーだったのに対し、今回はエンターテイメント的味付けのされたミステリー。同じシーンの繰り返しというこの劇の面白さであり難しさであるところを、個性豊かな役者を揃えて、わかりやすく楽しめる作品に仕上げた。場面転換の音楽の使い方など絶妙。

 役者では酒巻誉洋が難しい桐野役を自分のものにしていた。編集者役の乙黒史誠は汗をしたたらせての熱演。桐野に対する友情と期待が見事に表現され、愛すべき友人役を好演していた。バーの客役の今城文恵は私の好きな女優だ。不思議な色気と、独特なな影を持っている。今回の役ははまり役。ただし、出ずっぱりでありながら活躍するのはラスト近くになってから。もっとたっぷりと活躍を見たかった。

ネタバレBOX

 同じシーンの繰り返しの中で、少しずつ変化し、その少しずつの変化の中で最初は妻と友人の浮気疑惑からスタートし、いつしか山手線連続殺人事件に焦点が移り、そしてその犯人を突き止めるところまで持っていく作者の筆力をあらためて感心。昨年のルデコでのDart'sの公演とあわせて、ミステリー作家桐野範容シリーズといったところ。第三弾が期待される。
スーパースター

スーパースター

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2010/01/21 (木) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

素敵な舞台でした
普遍的なテーマをまっすぐに、そのひたむきさが心を打ちました。

ラストのエモーショナルな演出はちょっと泣けました。

根拠がなくとも「頑張れ」とか「期待してる」なんて絶対に味方でいてくれる人からの前向きな言葉は、暖かい気持ちにさせてくれるものです。

歌の持つ根源的なパワーみたいなものを再確認させてくれる素敵な公演でした。

TVロード

TVロード

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2010/01/20 (水) ~ 2010/01/27 (水)公演終了

街の表現方法にハッとしました。
街を歩くという表現方法が、
あの看板で表現できるなんて、とハッとさせられました。

若者たちの会話感が好きでした。

スーパースター

スーパースター

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2010/01/21 (木) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

色とりどりの舞台
ふんだんに楽曲を利用していて、
鹿殺しさん特有のパワーがみなぎる舞台でした。

個人的にはあのマンションの使い方が絶品で!
その視覚の贅沢に満足しました。

あたしちゃん、行く先を言って-太田省吾全テクストより-

あたしちゃん、行く先を言って-太田省吾全テクストより-

地点

吉祥寺シアター(東京都)

2010/01/22 (金) ~ 2010/01/31 (日)公演終了

ゆらぎり【脚本:成島秀和(こゆび侍)×演出:古川貴義(箱庭円舞曲)】

ゆらぎり【脚本:成島秀和(こゆび侍)×演出:古川貴義(箱庭円舞曲)】

FOSSETTE×feblabo×エビス駅前バー

エビス駅前バー(東京都)

2010/01/22 (金) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

満足度★★★★★

バーの雰囲気と…
それぞれ2人の会話劇がとても合わさっていて、とても楽しかったです♪何より、お酒を飲みながらっていうのも♪

ネタバレBOX

会話をしている2人を見ているような見ていないような周りの登場人物がとても気になりました。

最後は何とも切なくて泣きました。
美しいヒポリタ

美しいヒポリタ

世田谷シルク

小劇場 楽園(東京都)

2010/01/13 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

現実と…
アバターの世界というのがとてもおもしろかったです♪

個人的には、元気な青木役・前園あかりさんが気になりました♪

The Stone Age ブライアント『胸に突き刺さった5時43分21秒』

The Stone Age ブライアント『胸に突き刺さった5時43分21秒』

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2010/01/27 (水) ~ 2010/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

チラシの人だ!!
と感激するくらい、くりそつ!!内容もチラシ見てわかる感!なるほど、大阪のりやねん。近くて遠いような、あのキャラクターさんたちとはお友達になりたくないような、そんな熱い舞台でした。できれば、本場大阪のお客さんに混ざって観てみたいです。

友達の友達

友達の友達

『友達の友達』

シアター711(東京都)

2010/01/08 (金) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

よそよそしさ加減が…
絶妙で笑いました!大爆笑がなくてもいいんです…ちょっと笑えれば!(誉め言葉です)

ネタバレBOX

内田さんのお姉さん…かなり最強でした。間の取り方はすごい
HOTEL CALL AT

HOTEL CALL AT

メガバックスコレクション

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2010/01/28 (木) ~ 2010/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

不思議な世界観を堪能!
舞台は「HOTEL CALL AT」のロビー。
そこで繰り広げられる生と死の葛藤のドラマ…不思議な世界観に浸っていたら、2時間があっという間でした。
今回メガバックスコレクションを初めて観劇したのですが、まず劇場に入って驚いたのがセットのリアルさ!
小劇場の空間を目一杯贅沢に使ったホテルのロビーのセットは調度品などの細々した小道具に至るまで実にリアル!
見ている私も「HOTEL CALL AT」にいるような感覚に陥ったほどで、演出家さんのこだわりがものすごく伝わってきました(←もしこれからご覧になる方…いらっしゃったら、開演前にホテルのセットを観察してみるのも面白いかも 笑)。
そして…このお芝居の不思議な世界観は実際に見て体感してください!…としか言えません(^_^;)。
その癖になりそうな不思議な世界観の面白さは、実際に見て体感すれば分かるので。
今回私が見たのは初日でしたが初日の割にかなり完成度が高かったので、これから千秋楽に向けて回数を経ればもっといいお芝居になるんじゃないかと思いました。

メガバックスコレクションはコメディからシリアス、ミュージカルと幅広い演目を上演しているそうなので、今回はシリアス系でしたがまた違ったジャンルの舞台も見てみたいな…とも思っています。
楽しかったです(^-^)/!

スーパースター

スーパースター

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2010/01/21 (木) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

満足度★★★★

よかったです。
元気をいっぱいもらえる公演でした。
○○周年公演というのはお祭要素が強すぎて内容はイマイチというのが多いよ思っているのですが、これは単純に楽しめました。
惜しかったのは、円形舞台をあまり活かしてなかったかな・・・。
もう少し演出の工夫が欲しかった。

ハッピー・マン

ハッピー・マン

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2010/01/24 (日) ~ 2010/01/31 (日)公演終了

満足度★★★

ミニチュア新感線試運転風芝居でした
気恥ずかしく、気忙しく、何と無く、開幕当初は、どういうスタンスで観ればいいかと戸惑いましたが、その内、気持ちも馴染んで、楽しく厭きずに観られました。
でも、いつもは生真面目な舞台がお得意の青年座。
この芝居に馴染んで演じていると感じた方は、全員客演さんでした。
私にとって、ピカイチだったのは、薩摩藩士五代を演じた石井テルユキさん。
この手の芝居はこういう風に演じてこそと思える名演で、舞台から石井さんが消える度に、次の登場を心待ちしてしまいました。
麗華役の松山さん、松陰と秀成の二役を演じた秦さんも、共に好演でした。
青年座陣では、竜馬の高松さんと、パンダの野々村さんが、楽しげに役を演じていて好感が持てました。
高杉役の宇宙さんは、青年座には稀有なタイプの役者さんなので、この芝居で、主役に抜擢されるのは彼以外いないと納得できましたし、殺陣も綺麗で、いい役者さんに成長されたなあと感嘆しましたが、やや台詞が聞き取りにくく、主役としてのオーラや色気がまだ若干不足している気がしました。
むしろ、音楽座を辞めてフリーになった吉田朋弘さんは、学生時代から兼ね備えていたオーラに益々磨きが掛かり、異彩を放っていました。
バリー・ハグレー役だけは、何故客演さんである必要があったか、やや疑問でした。この役、山路さんだったらなと妄想しつつ、観ていました。

そう、そろそろ、山路さんや高畑さんを、青年座の舞台で観たいです。

ネタバレBOX

舞台構造も、芝居内容も、青年座らしからぬ舞台。
青年座の役者さん達、懸命に演じられる程に、この芝居の空気感とは違和感が生まれる気がして、まだこの劇団には、まさに‘冒険劇’ではと思いました。
舞台、4方向から、役者が出入りしての、新感線張りの殺陣や活劇は、興奮するより、何だか気忙しい印象でした。
パンダ役の野々村さんが、非常に愛嬌があって、お気に入りでした。
五代の台詞から、寺田屋事件の時、竜馬は、上海にいたような話でしたが、いくらフィクションとは言え、それはちょっとどうかしら?と気になりました。
埋没おんな

埋没おんな

ぬいぐるみハンター

下北沢GAoh!(東京都)

2010/01/23 (土) ~ 2010/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

ねつでたし。。。
お疲れさまです。あの大量の洋服はどこから仕入れてきたのでしょう???とても楽しみにして、下北まで行った甲斐がありました。女の子がかわいいお芝居でした。あんなにたくさんの洋服に囲まれるのは女の子の願望だと思います。そんな願望を満たしてくれるお芝居、また見にいきます!

スーパースター

スーパースター

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2010/01/21 (木) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

20100127
。・`ω´・)ノ ラストは今まででいちばんすきです。サイドの席はけっこう見づらいかも。

シンクロナイズド・ガロア

シンクロナイズド・ガロア

ユニークポイント

「劇」小劇場(東京都)

2010/01/26 (火) ~ 2010/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い!(^0^)
箱に入ると、そこには大きな壁が立ちはだかってる。それが劇中、黒板として設置されたのが解るとなんだか、楽しくてワクワクドキドキ。でもって、ガロアを観客によりよく理解させる為に、一次方程式から始まって五次方程式を簡単になぞる。この解説も楽しい!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

フランス革命後の混乱期を過ごした数学者、ガロアの生涯を、どうやって東大全共闘とリンクさせるのかな~?と考えていたら、大学に在学している学生にエンゲキとしてガロアの生涯を演じさせることで、リンクさせる。だから、あの有名すぎる全共闘の暴走に至るまでの経過とガロアの生涯を同時進行で表現させる。

この試みが案外面白い!(^0^)
ガロアは一人の女と関わったことで、その婚約者に決闘を申し込まれて殺されてしまうが、この死は最初から仕組まれたものだった。

一方でインターン制度を改正すべく立ち上がった医学生は、いつのまにか動いた列車がスピードを増し壁に激突するまで止まらないごとく、その闘争も激化し凶暴化し一人の判断では止まる術を失っていった。

だから、舞台上の黒板に、「処分の撤回、医師法改正案、安田講堂占拠、自己否定、戦後民主主義批判、近代合理主義的批判、どんな鳥も想像より高く飛ぶことは出来ないだろう、くそくらえったら死んじまえ、この世で一番エライのは電子計算機」なんつって哲学的な文字やら批判を東大生が自らの感情を高揚させるべく、せっせと書いていくさまは、滑稽というか何というか、この言葉や演出だけでも面白いんだけれど、そこに多方面からの解説が入って、やたら、楽しかった。

自己否定って言葉、この頃の運動家、つまり赤軍派なんかもよく使っていたようだったけれど、現代では自己否定ってしないよね?自己肯定はしても・・。

でもって、こういう場合、闘争してる本人よりも観客として観てる分には、近くの悲劇も遠くの喜劇なのだった。やがて、安田講堂に機動隊が突入し事は収まるが、その年の入試は中止したのだから、東大に入ろうとした輩はいい迷惑なのだった。全共闘のアンディンティティは何か、エンゲキをしていた彼らはエンゲキで世の中を変えようとしたかったのか、ガロアの命を奪う為に仕掛けられた罠は、なんて大きな芝居だったのか、そうして当時の全共闘に関わった人たちは今、当時を振り返ってどんな思いで居るのだろうか?やはりそれは虚構のなかの一コマなのだろうか?

今回の芝居も丸ごと含めて、何て大きな虚構なのか実感せずにはいられない。  おわり
虫喰いだらけで、アナーキー。

虫喰いだらけで、アナーキー。

オッセルズ

CAFE&BAR BE-WAVE(新宿)(東京都)

2010/01/22 (金) ~ 2010/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

エチュード的な面白さ
平たく言えば、コントライブ。といっても、ちゃんと芝居仕立てにはなっている。劇団のエチュード的な要素もあって観ていて楽しめた。タイトルの意味がよくわからなかったが、観終わって納得。なるほど、うまいタイトルだ。
作・演出の河野真子さんは役者としてしか観た事がないが、とてもインパクトのある女優さんだったことを憶えている。
コントでも、漫才でも、日本の演芸作家はもともと、男性の世界。夫婦漫才でもネタはたいては夫のほうが考えている。最近は放送作家もコントを書くが、女性の放送作家の場合、ユーモアのセンスがある人でも、町山広美さんや山田美保子さんのようにバラエティー番組の構成作家になる人が多い。
だから、女性の作ったお笑いネタは、女性の漫才やコントでしか観られないのが現状。そのなかで河野さんは異色と言えるかも知れない。オッセルズの過去の公演のDVDを観てみると、女性特有の・・・という印象はなく、両性具有のような人とお見受けした。友近のやっているような女性らしいチマチマしたお笑いネタではなく、リアルで思い切りが良いカラッとした男性的なネタで、思い出し笑いができるほど面白い。別の機会に本公演をぜひ観に行きたい。
公演のあとに希望者のみの宴会参加というケースは知っているが、最初から歓談タイムが組み込まれている公演は初めて。自然と、来る客は演劇関係者や友人、知人が多くなるが、自分のような部外者でも話を聴けるのでこういう企画も悪くない。
バーなので喫煙OKはいたしかたないが、地下で空調が悪く、気管支の弱い当方には少々辛かった。せめて、テーブルを喫煙・非喫煙席に分けてもらえると有難かった。案内された席がたまたま喫煙者ばかり固まっていたのだが、あとで見回すと、たまたまなのか、まったく吸っていない客ばかりのテーブルもあったので分煙は可能だったのでは。

ネタバレBOX

ビルの地下への階段を降り、店に入って入場料を払うと、出演者がバーの従業員のごとくドリンクの注文を取りに来る。
どんな感じで芝居を始めるのかなと思っていると、出演者3人がバーのオーナーと従業員という設定で会話を始めた。つまり、このバー自体がすでに「舞台」になっていたわけだ。
バーは不景気のためか最近客が少なく、オーナーの女(川崎桜)は、毎晩、店に顔を出して飲みに来ているらしい。いまは2月という設定で、「ニッパチって何のこと?」と世間話を始める。
オーナーは従業員の男2人(小笠原佳秀、武子太郎)に、「何か面白いことやって、私をもてなしてよ」と注文する。最初は「エアートランプ」などやるが、オーナーのわがままなゲーム展開にシラケてしまう。
オーナーが高校の演劇部にいたという話から「即興芝居」を始めることになる。ここでもオーナーが芯になる。
男女3人組で宝籤売り場を襲って宝籤を奪おうということになり、3人はいろんな役を演じていく。耳の遠い女店員の対応に戸惑ったり、「バラと連番の割合」に迷ったり、バッグを狭い窓口にどうやって入れるか苦慮したり、警察に取り囲まれ、犯人の母親役の小笠原の説得の秋田弁が聞き取れなかったりする。捕まって取調べが始まると、「かつ丼をとってやるのはなし」と取調べ官役の武子に言われたことに犯人役の小笠原が拗ねて芝居が中断する。男2人は服役し、事件から3年。事件の見張り役だった女だけが逃げおおせ、宝籤でも当てたのか、店を持ってママになっているという噂に訪ねて行き、女を詰問すると、女は当時、小笠原の子を身ごもっており、捕り物の最中に陣痛が始まって病院に運ばれたため、2人を逃がせなかったことを打ち明ける。「子供」と聞いて、2人の視線から、自分が子供役を演じなければならないと察するときの武子の表情がなんともおかしい。子供がいたという事実によって、3人が感きわまった芝居をし、本気で号泣する。せっかく入ってきた客(河野真子)が3人の様子を見て、引いてしまい、客を逃すというところで芝居は終わる。
ただ、私がひっかかったのは、当時、臨月ならば、男たちが気づかないのはおかしいという点だ。よって、女に子供がいたということを出所して知るのはありえない。また、宝籤の場合、番号があるので、どの店にどの番号が割り当てられたか、警察が調べれば把握できるのではないだろうか。当選しても、換金にくれば逮捕できるのではないか。細かいようでもそういう不自然な設定のコントはいただけない。そういうことをクリアして終わっても良かった。つまり、女が臨月ではなかった設定にするか、臨月であるにしても、客が帰ったあと、臨月だったのはおかしいと男がつっこむとか。宝籤番号の件は、盗んだ宝籤以外の宝籤を買っていて、そちらが当たったことにするとか。
終演後、河野に矛盾点をただすと「そうですよね。口からでまかせを言ってるお芝居なもんで」と笑っていた。「虫食いだらけで、アナーキー」。なるほど、タイトルはそうなのだ。そういう矛盾も即興のお遊びのひとつと解釈すべきなのか。だが、私は芝居の辻褄にこだわるほうなので、気になってしまった。
川崎は大人の女の色気があって、芝居が達者だ。私事で余談になるが、川崎は私の高校の同級生で演劇部の部長をやっていた子に容姿、雰囲気も話し方もそっくりなのだ。うちの母校は演劇部だけでなく、クラス別、学年別、全校と、一年中、いろんな座組で演劇をやっていた学校だったため、彼女と古典の芝居で組んだことはあったものの、ほかのチームの芝居への自分の出演と重なってしまい、演劇部での彼女の現代劇芝居は一度しか観られなかった。当時、彼女の芝居を観た劇団四季の浅利慶太が幹部と共に女優になるよう口説いたほどの逸材だったが、彼女は「平凡に生きたい」と芸能界には進まなかった。が、彼女が指導した後輩で、いま劇作家になって大劇場で活躍している人もいる。私も彼女の勧めで古典芸能を勉強することができた。
川崎の芝居を観ていると、彼女の演技を髣髴とさせ、とても懐かしい気持ちになった。今後も観たい女優さんだ。
武子は存在感があって、芝居の流れをしっかり作っていく。小笠原はナチュラルだが印象に残る芝居をする人で、わざとらしくない演技で笑わせることができる人。
この3人のキャスティングが心憎い。


 闘争か、逃走か。

闘争か、逃走か。

演劇ユニットG.com

シアタートラム(東京都)

2010/01/24 (日) ~ 2010/01/27 (水)公演終了

満足度★★★★★

不思議なおもしろさ
初日に観ましたが満席でした。
初演よりは難解な用語が多用されておらず、照明もさらに「変な村の変な村人」の不思議な世界観が増していたように思いました。衣装も前とは違っていて、個性と不思議感を際立たせていた感じでした。
笑いもたくさんあって、盛り上がっていました。
役者さんも魅力的で上手く、安心してみられました。

パリジャン!

パリジャン!

とくお組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/01/27 (水) ~ 2010/02/07 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった!
とくお組の役者さん少ないし、どうなのかなーと思ってましたが、しっかりとくお組でした。なにげにとくお組さん出番多いし。ベテランの山崎樹範さんと福田転球さんはさすが!って感じでしっかり笑わせてもらいました。セットもステキだしまた見たいなー。

相棒

相棒

宝塚歌劇団

【閉館】日本青年館・大ホール(東京都)

2010/01/15 (金) ~ 2010/01/22 (金)公演終了

満足度★★★★

タカラヅカ×相棒ワールド♪
10年ぶりくらいに宝塚を観劇しました。日本青年館ホールでの観劇は初。
銀橋がないしどうやってやるのかなーと思っていましたが、客席を使っていてスターさんたちが近くに来てびっくり&お得な気分でした。

世界観がしっかり作られているドラマが原作なので、うまいことそこに乗っかってしっかり宝塚になっていました。意外にいいじゃん!と。

個人的には鑑識の米沢さん役がちゃんと六角さんの風味を残していてうれしかった(笑)

ネタバレBOX

殺人のトリックがイマイチな気もしましたが、そこはまあ、タカラヅカなのかなー。

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