
ハウスシェア~わたしのプリン食べたら死刑~
演劇ユニット3LDK
劇場MOMO(東京都)
2010/02/16 (火) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
満足度★★★★
2段構えの構造が○
不運続きで身寄りも住まいも職もない男が忍び込んだのは、赤の他人たちが共同生活をしている家で、家主の計らいにより男もそこで暮らすことになり…という物語。
この家主が「小料理屋の女将で保護司で町内会の世話役」という設定で、そのきっぷの良さが小気味良く、なおかつ「あぁ、この人ならそんな面々を住まわせそう」な説得力もあり。
前半は侵入した男がそこに馴染むまでの期間(1ヶ月少々?)を住人たちの紹介を兼ねて描き、後半はさらに新たな人物を2人も登場させて家主の誕生日に起きた騒動(事件?)をほぼリアルタイムで見せる2段構えの構造が○。
この後半では、古典的ですらあるウソと勘違いによるコメディ要素に始まり、家族や人と人とのつながり(「居心地の良い距離」なんて言葉がイイ)や嘘をつくことの是と非など感動させたり考えさせたりする要素も盛り込んで、まさにヤマ場。チラシでも謳っていた「笑いと涙」が爆発、みたいな。
また、最初とその次の暗転で流れる曲が「危険な関係のブルース」と「ワーク・ソング」と内容と微妙にカブっており、曲名を知っている客への目配せか?などとも思ったり。

バラシ
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/02/10 (水) ~ 2010/02/18 (木)公演終了
満足度★★★★
満足度高し
いろんな人の繋がりを断ち切る(=バラす)裏稼業を営む「バラ師」グループを描いたストーリー、劇団K助の金沢主宰(脚本)の手口(笑)はよく知っている(←つもり)ので、最終的なオチはかなり早い段階で予想できたものの、そこに至るまでのサスペンスあふれる展開は全く先が読めず、途中で「ありゃ、やっぱりそういうオチではないのかな?」と思ってしまうくらい。だもんで、「予想できた」というよりは「結果的にそこに落ち着いた」という方が的確か。
まずは頼朝と義経の不仲を仕組んだ男が「バラ師」の起源であり現リーダーの祖先、ということで頼朝と義経はマンガチックな映像(スチル)、家臣と実行者を役者が演じて見せることでヤるなぁ、と。
以降、映像(スチルだったり動画だったり)を効果的に使い、場合によっては「なんでアレ(←役者が演じた部分)だけリアルで立体的なんですか」と出演者がツッコミを入れたりもする手法が愉快。
一方、メイン部分である夫婦を別れさせるために互いの猜疑心を膨らませて行く手口は巧妙だし、バラ師チームがたどる末路はコワい(このあたりで予想したオチよりもビターなのか?と思った)し、でハラハラドキドキしつつ、最終的な落としどころは「あぁ、やっぱりぃ」で安心(?)し、満足度高し。

たゆたう、もえる
マームとジプシー
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/02/13 (土) ~ 2010/02/16 (火)公演終了
満足度★★★★★
ほとんど感服
大きな括りで言えば「家族モノ」ではあるが、(σ(^-^) の弱点であるところの(爆))「家族の絆」よりも肉親であるがゆえの甘え(と反発)から生じた溝を描いており、優しさの中からビターテイストが時折表出して、ふわりとした感触なのに強く握るとトゲがある、な感覚。
またそれが、中心となる姉妹(とその弟)の子供時代・少女(少年)期・大人になってからの3つの時代を過不足無く描きつつも90分のワクにキッチリ収めるというのが見事。
さらにその3つの時代はもとより、同じ時代の中でさえも部分的に時系列に沿わない並べ方をしながら、ちゃんとわかる(どころかむしろわかりやすい?)のも巧みだし、回想や説明の短いシーンをサラリと挿入する手口(笑)も上手く、ほとんど感服。
そんなスタイルで、子供ゆえの無神経さ・残酷さでやってしまった(その時はそう思っていなくても大人になってから振り返ると)取り返しのつかないことや、そんな子供時代・少女期の体験が大人になっても尾を引いていることなどまで語って、ホントに巧い。
小説などでテレパシーを「頭の中に直接響く声」などと表現することがあるが、これは「心の中に直接響く芝居」で、共感というよりも共鳴。遠赤外線の如くジワジワ効いてきて、観終わってからもホロリとしたり…。
あと、上方から吊るされた丈が3メートルはあろうかという6着の赤いニットのワンピース(そこから垂れた糸を血に見立てる手法も含む)も印象的。
しかし当日パンフ(に挟んだ紙片)に大半が夫を喪った女性の心境を詠んだものである俳句を載せて涙腺を緩めておいて最初に見せるのが子供たちの情景(郷愁をそそるんだ、これが)というのは卑怯!(笑)

five plots ~名探偵登場~
Last Brand
アイピット目白(東京都)
2010/02/11 (木) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★
評価は真っ二つかも
タイトル通り、とある私立探偵の事務所を舞台にした5つの連作短編集ながら、それぞれサスペンス・ミステリーだったりシチュエーション・コメディだったりとスタイルがすべて異なり、しかも5編が時系列にそって並んでいるワケではないという凝ったツクリ。
さすがに台詞が全部尻取りだったり、時間の経過に従って使う文字を1つずつ減らしていったりというムチャ(笑)をする作家だけのことはある…。
個人的には「パロディ・ミュージカル」と銘打った第3話に特にウケるが、もちろん他の4編もそれぞれタイプが違って面白く、90分程度にしか感じなかったものの、確認したらシッカリ120分経っていたという。
が、逆に全体の統一感に欠けるという弱点もあり、そのどちらに重きを置くかで評価は真っ二つかも。

いえすか?農家!?
セメント金魚
笹塚ファクトリー(東京都)
2010/02/09 (火) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
満足度★★★
日本の人情系喜劇
節分恒例の「相撲祭り」を目前に控えたある日の家栖村、最多優勝回数更新の期待がかかる阿栗家の主がギックリ腰になり…な状況から始まるホームコメディ。いや、古典的と言ってもいいほど基本に忠実なのでむしろ「日本の人情系喜劇」という表現の方が的確か?
長女の結婚未遂(どころか金銭貸借まで絡んでいる)問題なども絡ませつつ、ベタゆえにスベらない笑いも交えての105分、万事丸く収まる結末まで手堅くまとめてあり、安心して観る。
また、客入れのBGMと劇中での使用曲がT.D.N.のベストアルバムからの選曲(曲名が全部ワカっちゃったりして)だったのも懐かしかった。

遠ざかるネバーランド
空想組曲
ザ・ポケット(東京都)
2010/02/10 (水) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★
ここまでキャラクターがまんま登場するとは…
かつて母から「ピーターパン」を読んでもらうことが好きだった少女が、フト気付くとネバーランドらしきところにいて…な物語。
ピーターパン・シンドローム(調べたら正しくは男性のみに使うとのことだった)の人々あるいは「モラトリアム人間」たちの「待避所」的なユートピアに一般人(あるいは主人公を救いに来た人物)が侵入したことでそこが崩れるハナシかと思いきや、ネバーランドらしきところにいたキャラクターすべてが少女の内的なモノだったというのが真相で、見事にダマされる。(笑)
思うに恩田陸の「エンド・ゲーム」を読み終わって間もなかったので、その内容と無意識的に結びつけていたのではないかと。「少年」は黒い衣裳なので「火浦」と重なるし…(ありゃ、アッチのネタバレか?)
で、ピーターパンの世界に迷い込んだ主人公、的な展開ではありつつ微妙に歪んでおり、外界(?)とのつながりのヒントもちりばめて進行して行くのであるところで全体像がつかめ、最後に改めて真相を明らかにして「あぁそうか!」と納得させる構造が上手い。
とか言って、前述の勘違いの他にてっきり病院の屋上と思っていたら実は学校の屋上だったなんてこともあったので「全体像がつかめて」などとエラそうには言えないか?(爆)
また、各出演者とも登場人物にうまくハマっており、特に武藤晃子なぞ少女の母(&ティンカー・ベル?)という役どころもさることながら、娘の名前を強引にウェンディに結びつけるところにそのキャラがうまく活かされていて…(笑)。
それにしても、タイトルからピーターパンに関連したストーリーとは予想していたけれど、ここまでキャラクターがまんま登場するとは思わなかったわさ。
一昨年、ホリプロのミュージカルでおさらいしておいて良かったァ。

パニ★ホス
PU-PU-JUICE
ザ・ポケット(東京都)
2010/02/18 (木) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ホント可愛い!
加賀美早紀さん、下宮里穂子さん、アイドル系二人を使って、とびっきりの笑いと、ちょっぴり切なく悲しいお話をありがとう。感動しました!
始まってからしばらくは笑いっぱなしでした(珍しいこと)。
二人ともスレンダー、加賀美さんは細すぎるくらい!

イキシマ breath island 【2月27日19:00 追加公演決定!!】
精華小劇場
精華小劇場(大阪府)
2010/02/18 (木) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
コンテンポラリーのような作品
観察者と生活者と演技者との視線が絡み合い、
なにをもって「息」る――「生きる」というのか、深く考えさせられました。
絵画的ダンス的で、演劇なのだけど演劇ではないような。
コンテンポラリーが好きな方は、楽しめる作品だと思います。

僕等のチカラで世界があと何回救えたか【作:高羽彩×演:青木豪】
ネルケプランニング
大阪ビジネスパーク円形ホール(大阪府)
2010/02/25 (木) ~ 2010/02/27 (土)公演終了

ハコブネ【作・演出 松井周(サンプル)】
北九州芸術劇場
J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)
2010/02/23 (火) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
あまりにも短く感じた125分
非正規雇用&ブルーカラーにカテゴライズされ、世間でワーキングプアと言われるものにも足がかかってるんだろうなと思われる、今の自分にとって
胸に痛すぎる作品でした。
最初の15分ぐらいで、最後まで観る気持ちが揺らぎ、帰ろうか?と思ってしまうほど。
スタッフとか関係者ほどの思い入れには程遠いと思いますが
観てない人に「ぜひ観にいってほしい」と
伝えたくなってます。
今のところ今日もう1回観にいくつもりではあります。

飛龍伝2010―ラストプリンセス【作・演出 つかこうへい】
松竹
新橋演舞場(東京都)
2010/02/03 (水) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
満足度★★★★
なぜか最近多い学生運動もの。黒木メイサ、徳重聡のパワー。
「飛龍伝」が2010年ヴァージョンとして甦った!
最近、学園紛争、学生運動を描く舞台が多い気がします。
これは団塊の世代が当時果たせなかったことに対する後悔か、
現代の若者に対する憤りの表われでしょうか。
演歌・ダンスを交え、時代を錯綜して描かれる、
つかさんの世界は「学生運動のエネルギー」を訴えながら、
今の要素を取り込んだうえで、東幹久のCMネタなどの
アドリブ的なパートまで交えてサービス満点。
この世界感と新橋演舞場の和風、演芸の雰囲気の相性もいいです。
しかし、何よりも21歳とは到底思えない黒木メイサの
凛として堂々とした演技に圧倒されます。
他にも石原軍団の若手エースだった徳重聡を
鍛え上げて、ただただまっすぐなパワーを最大限に
発散させてます。

三日月に揺られて笑う
タニマチ金魚
ザ・スズナリ(東京都)
2010/02/23 (火) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
コメディ? ホラー? コメディ?
登場人物は最小限だが、互いの関係と、バックボーンがうっすらと見えるような土田英生さんの脚本がうまい、キャラクターがはっきりしていて無駄がなく、それを演じているすべての役者がいい。
上演時間も含め、コンパクトなところもいい。
そして、何より、コメディとしてきちんと笑わせてもらった。

富士見町アパートメント
自転車キンクリーツカンパニー
座・高円寺1(東京都)
2010/02/27 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

マフィアの行進
壱劇屋
枚方公園青少年センター(大阪府)
2010/02/27 (土) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
きれいだった!
初壱劇屋。たいへん美しゅうございました。ほんまに!かっこよすぎて開始三分くらいでハハハってわらっちった。なんだこれーって思うくらいかっこよかった。
前売り1500円。捨てた金ではございませんことよ。
まずはお試しで見てもいい価格なんで、とりあえず見て欲しいです。
私は次回公演行きます。DVDも買った!

halshinam【ご来場ありがとうございました】
劇団森
早稲田大学学生会館(東京都)
2010/02/26 (金) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★
前衛的で刺激的!
久しぶりにアバンギャルドな芝居を堪能した。早大学生会館のステージを広々と使い、劇場に入った瞬間から新鮮さを感じた。B203ってこんなに広かったのだ。ステージがとても広く感じた。そう感じさせただけでも影山直文の演出の成功だろう。
物語は難解、ビートルズが出てきたり、宇宙人が攻めてくるということで防衛隊を組織したり、お掃除ロボットを開発したり。しかし、ストーリーに重きはなく、それぞれのシーンの詩的なイメージを紡いで演劇にしていくという作り。
定期的に挿入される音楽がまさにツボで、素敵だった。ビートルズの歌を口パクするときの田中晶の表情がたまらない。また影山直文の書く台詞が全て詩になっているところに驚く。わざと抑揚を抑えたしゃべり方をさせ、まるで本を棒読みしているかのような台詞術が逆に詩的なリズムを形成している。とても刺激的な芝居だった。

パニ★ホス
PU-PU-JUICE
ザ・ポケット(東京都)
2010/02/18 (木) ~ 2010/02/28 (日)公演終了

目を見て嘘をつけ(再演)
KAKUTA
NHKみんなの広場 ふれあいホール(東京都)
2010/02/27 (土) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★
登場人物とサイドストリーが無駄に多いような・・・
最近わりと評判がいい劇団だったので
観に行ってきましたが、正直いまひとつ。
登場人物が無駄に多いような気がするし、
それらの人物の描き方、サイドストリーもなんか中途半端な印象。
それぞれの話が最後までバラバラだった。
笑いどころもしっかりあるので
もっと話を絞って、1時間半くらいすれば
感じ方も違ったかも。
NHKシアター・コレクション2010という企画で
会場で収録もしていたので
後日NHKで放送されるらしい。

今宵、花の宴の姫君は。
メッテルニッヒ
萬劇場(東京都)
2010/02/26 (金) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
美しく哀しい平安王朝コメディ!
宇宙人にゲームソフトをもらい、そのソフトで平安時代のギャルゲーを作り、自分がゲームの登場人物になるというストーリー。荒唐無稽な話で、主人公がゲームの主人公になるというストーリーは最近よくある設定。
物語のスタートは若干心配をしながら観ていたが、途中からぐいぐ引き込まれた。平安時代の物語がまずしっかりと練りあがっている。だからゲームの中の物語とはいえ、感情移入してしまった。そちらの物語は王朝絵巻、格調高く、美しく、かっこよく、そして哀しい。
メインストーリーが荒唐無稽なコメディで、、ゲームの中が重厚でシリアスなラブロマンと、通常とは逆の構成になっているところが面白い。そしてそのゲームの中の悲恋があまりに美しいので、全体のコメディ仕立てがちゃちにならない。そこら辺見事だ。
出てくる役者、出てくる役者がイケメンと美女ばかり、そのことにも驚いた。演技も含めて関屋役の葵鴒と男装の検非違使蛍を演じた瀬戸山京子が特に素敵だった。
作演の高橋幹は場面展開がうまく、それぞれが絵になっている。また随所に視覚的に美しいシーンを用意し、素敵でかっこいいお芝居になっていた。王朝悲恋が好きな人にはたまらない作品。

The Heavy User
柿喰う客
仙行寺(東京都)
2010/02/27 (土) ~ 2010/03/02 (火)公演終了
満足度★★★
幻聴が聞こえそう
柿喰う客はまだ3作目ですが・・・ やはりこのアトをひく感じがなんとも言えず良いですね。
座席も座布団が柔らかくて疲れなかったし、観劇@お寺 というまたとない体験をするだけでも観る価値アリです。 当日券で入りましたが、やっぱり観に行って良かったな~と思いました。

第11回本公演『いずみの能力RRR』
劇団えのき岳遊劇隊
ぽんプラザホール(福岡県)
2010/02/26 (金) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
恐るべし「えのき岳」
初めて「えのき岳遊劇隊」さんの舞台をみました。
魔法少女?HPのマンガからしてこれ怪しい舞台??とちょっとひいていたんですが・・・。
いや~かなり笑わせてもらいました。うちの会社もそうそう!!はははは。
おまけに動きもカッコイイ!!
一緒に行った初見の彼女も満足してました~。