満足度★★★★
ここまでキャラクターがまんま登場するとは…
かつて母から「ピーターパン」を読んでもらうことが好きだった少女が、フト気付くとネバーランドらしきところにいて…な物語。
ピーターパン・シンドローム(調べたら正しくは男性のみに使うとのことだった)の人々あるいは「モラトリアム人間」たちの「待避所」的なユートピアに一般人(あるいは主人公を救いに来た人物)が侵入したことでそこが崩れるハナシかと思いきや、ネバーランドらしきところにいたキャラクターすべてが少女の内的なモノだったというのが真相で、見事にダマされる。(笑)
思うに恩田陸の「エンド・ゲーム」を読み終わって間もなかったので、その内容と無意識的に結びつけていたのではないかと。「少年」は黒い衣裳なので「火浦」と重なるし…(ありゃ、アッチのネタバレか?)
で、ピーターパンの世界に迷い込んだ主人公、的な展開ではありつつ微妙に歪んでおり、外界(?)とのつながりのヒントもちりばめて進行して行くのであるところで全体像がつかめ、最後に改めて真相を明らかにして「あぁそうか!」と納得させる構造が上手い。
とか言って、前述の勘違いの他にてっきり病院の屋上と思っていたら実は学校の屋上だったなんてこともあったので「全体像がつかめて」などとエラそうには言えないか?(爆)
また、各出演者とも登場人物にうまくハマっており、特に武藤晃子なぞ少女の母(&ティンカー・ベル?)という役どころもさることながら、娘の名前を強引にウェンディに結びつけるところにそのキャラがうまく活かされていて…(笑)。
それにしても、タイトルからピーターパンに関連したストーリーとは予想していたけれど、ここまでキャラクターがまんま登場するとは思わなかったわさ。
一昨年、ホリプロのミュージカルでおさらいしておいて良かったァ。