
昆虫大戦争
こゆび侍
RAFT(東京都)
2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了
満足度★★★★
今更感想ですが
視点が面白い。
フンコロガシに家族の概念があるのかはよくわかりませんが、戦時中の人間のような暮らしぶりでした。
糞という一見すればばりばりネタになってしまいそうな題材をよくぞこんなにシリアスに仕上げたなあ。
そしてやっぱり私は佐藤みゆきさんが大好きです…

シューマンに関すること
劇団東京イボンヌ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了
満足度★★★
今更感想ですが
芦屋夫妻、作家、夏樹のどれに焦点を合わせていいかわからず、ピンボケしてしまったような印象。
どれも惹きつけられるキャラクターだっただけに、惜しい。
個人的には夏樹がよかったのだけど、最後は物語から置いてかれて放置されてしまったしなぁ。

スイングバイ
ままごと
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★
無邪気さと無自覚と
20世紀アメリカの作家ソーントン・ワイルダーの戯曲には、人類の歴史を、とっても身近なちいさな社会(町とか、家庭とか)にまで圧縮して、重ねて描く作品がいくつもある。その代表作が “Our Town” (わが町)なので、「わが社」の歴史と人類史とを重ねて描く今作は、前作『わが星』と同じくワイルダーを下敷きにしている。
ワイルダーは本当に面白い。でも僕には、柴幸男作品にちょっと疑問があるのです。

悪ノ娘
X-QUEST
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2010/01/27 (水) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
原案の動画は知らなかったが・・・
動画サイトで有名になった「悪ノ娘」を原案とした、X-QUEST版「悪の娘」の舞台。
原案となる動画は見たこと無いので(^^;;、どれだけ原案の雰囲気を出せているかはわかりませんが、2時間の上演時間はあっという間に感じるほど、舞台の世界観に引き込まれてました。非常の面白かったです。
各出演者の衣装も素晴らしかったですが、それ以上に殺陣も素晴らしかった。若干効果音とのズレはありましたが、舞台上になかなかの人数がいながら、各人ともぶつからず流れるようなあの動き、凄かった、いや圧巻でした。
赤の女剣士・ジェルメイヌを演じた松山友紀さん、カッコよすぎです。
逆に、王女・リリアンヌ、悪っぽい雰囲気は出してましたが、もっと冷酷・冷徹ぽいイメージと捕らえたので、ちょっと冷酷・冷徹さが足らなかったかな。(見ていても嫌な王女とは思えなかったし)

ロング・ミニッツ-The loop of 7 minutes-
FOSSETTE×feblabo×エビス駅前バー
エビス駅前バー(東京都)
2010/01/22 (金) ~ 2010/01/28 (木)公演終了
満足度★★★★
飽きずに観れるループ
ひょんなことからある7分間を繰り返すことになり、抜け出そうとする物語。
7分間の繰り返しを、どう飽きさずに見せてくれるか楽しみにしてましたが、繰り返し部分は少しずつ変えたり、バーに来てた客を巻き込んで、前の7分間とは大きく変えたりして、飽きずに楽しめました。
ただ、ループに巻き込まれた原因と、脱出した答えは少し曖昧だったように感じました。
また、抜け出した後の描写の解釈も、お客さんに任せる部分の方が多かったかも。
記憶を持ったまま無限ループに巻き込まれる役(厳密に言えば、出演者全員ループしてるんですけどねww)の桐野を演じた、酒巻さんのループにより、いろいろな変化する演技もよかったですが、バーの客役・結城を演じた今城文恵さんが、まさかあんな役だとは。
前半の口説かれる役柄もよかったですが、後半部分の役はさらに似合ってたような(笑)
![月並みなはなし[2010]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/120/stage12060_1.jpg)
月並みなはなし[2010]
時間堂
座・高円寺2(東京都)
2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

農業少女
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2010/03/01 (月) ~ 2010/03/31 (水)公演終了
満足度★★★
良くもあり、悪くもあり
多部未華子さん、本当に良かった。もう、予想を遥かに上回っていて、大満足。
他の内容は、ネタバレで。

おばあちゃん家のニワオハカ
鳥公園
市田邸(東京都)
2010/03/17 (水) ~ 2010/03/23 (火)公演終了
満足度★★★★
市田邸!でもそれだけでなく!
不思議な空間ですね、市田邸。
終演後もなかなか帰りたくなくなってしまう、お客さんと役者さんが座布団の上でおしゃべりしながらあの居間にいる、終演後の感じ、すごく素敵でした。
あの素敵な空間を生かしつつ、かつそれだけでもないぞ、という、ちゃんと演劇でした。笹野さんが最高です。

「SHINGEN~風林火山落日~」 (ハムレットより)
WAKI-GUMI(脇組)
あうるすぽっと(東京都)
2010/03/14 (日) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
満足度★★★★
翻案物としてはよくできているが・・・
戦国大名の武田家の滅亡をシェイクスピアの「ハムレット」仕立てで描く2時間40分(休憩込み)。正直、長くて疲れた。両隣の若い女性は退屈した様子で爆睡していた(笑)。何の理由か開演時間が遅れたうえ、上演時間自体も多少延びたが、スター俳優を招聘した公演なのだから、開演準備はきちんとやってもらいたいものだ。無料の配役表は用意されておらず、1部1200円のプログラムを買うように仕向けているようだ。脇太平のユニット芝居のパンフというのはいつも同じ作りで読むところも少なく、配役表のために1200円も出費する気は起こらなかった。この公演のフライヤーも、あうるすぽっとに最近行っていないこともあり、よそではお目にかからず、主役級以外の出演俳優の情報がとれない。脇が主宰していた「ちょんまげ軍団」なる劇団が銀座博品館劇場に初めて進出した際は、無料の配役表も配布されたのだが、回を重ね、有料になってからも数百円程度だった。現在はさらに出世したので配布しないのだろうか?世田谷パブリックシアターなどは有名俳優の出る公演でも配布しているが?最近は知らないが、以前、劇団新感線が新橋演舞場に出た際も、販売している豪華パンフとは別に無料の配役表も配布された。
無料の配役表については、ほかのかたも別の件で苦言を呈されていたことがあったが、昔からそういう慣例のない東宝系の大劇場は別としても、本公演は有名劇団とは言えない大衆演劇系の小規模公演であるのだから配慮がほしいところだ。

招かれた客
シルバーライニング
三越劇場(東京都)
2010/03/16 (火) ~ 2010/03/21 (日)公演終了
名舞台の予感大ハズレに泣く
何だろう???
とにかく、劇場全体が緊張感のなさで充満していました。
終わってますね、三越劇場!!
子供の頃は、数少ない劇場のひとつで、三越で芝居を観た後、デパートのレストランで、お子様ランチを食べるのが、あんなに楽しみだった、馴染み深い劇場でしたが、もう愛想もクソも尽き果てました。
カンフェティで購入した引換券を
シルバーライニングの受付に出すと、「チケットお持ちの方はお入り下さい」と言われ、「これ引換券で」と言うと、「ではあちらへ」。で、今度は劇場受付で、またそっくりそのままのパラレルワールドを経験し、また「いえ、引換券で」と言うと、「ではあちらへ」とまたさっきの受付を促され、「いえ、さっき、あちらで、こちらへと言われて…」と言うと、何とその受付のおば様、私には何も言わす、めんどくさそうに立ち上がり、私をその場に置いてけぼりにしたまま、製作受け付けに…。言われた向こうの受付と責任のなすり合いをしばらくしていたら、横で、他のお客さんと他愛ない話に興じていたおじさんが、「え、あーカンフェティのね?さっきから、そうじゃないかと思ってたんだ」とか、信じられない台詞を吐いて、私に、一言の詫びもせぬまま、にこやかに指定券を渡して下さいました。(怒りを通り越し、苦笑する私)
何だか、コメディを観に来た筈なのに、別役さんの不条理劇「受付」の主人公にでもなった気分。その間、だいたい5分は超過。もし、私がギリギリに劇場に付いたなら、きっと開演前に、自分の席に着くのは無理でした。
で、やっと席に着いたら、案内嬢が、気のない様子で、携帯電話などの注意をして、無気力な感じで、空席だらけの客席を一巡。
すっかり、舞台観る前に、気持ちが萎えてしまいました。
で、肝心の舞台ですが、これがもう、あの鵜山演出とは信じ難い絞まりのない舞台進行(涙)
コメディに不可欠なテンポの良さが微塵もなく、何だかひたすら、名優4人がお気の毒な感じでした。
きっと、制作サイドがあんなだから、お客さんにいい芝居を…なんて、気概は皆が失ってしまうのですね。「一事が万事」、この言葉、台詞にも出て来ましたが、まさに「一事が万事」を痛感した舞台でした。あー、それにそれに、テンポの良さが命のコメディなのに、何と、休憩が25分もあるんです。食事休憩でもないのに、帝劇や歌舞伎座じゃあるまいに、何故に25分も休憩??
昔ながら、デパートの営業時刻に合わせて、夜の部が16時始まりというのも、今のご時勢に合いません。これじゃ、客席が埋まる筈ないと思うことだらけ。
こういう、諸々の思いを、アンケートの「本編のご感想を」と記載された、ひどく狭いスペースに書き込み、帰りに、ボーっと立ってる案内嬢に、「アンケートはどちらに?」と、三回もよく通る声で聞き続けた末、ようやく「あ、こちらでお預かりします」と、ありがたいお返事を頂いて、ようやく昔懐かしい劇場をスゴスゴと後にした、何とも哀しくなる観劇でした。全てにおいて、間が抜けた舞台!!

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】
三角フラスコ
エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)
2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了
満足度★★★★
咀嚼に時間がかかります。
原作を読まずに観劇しました。前回の「星屑とボタン」のようなオリジナル台本の作品と違い、原作があるためか、いつもの「三角フラスコ」とは一味違った肌触りの作品だと感じました。原作の時代背景から紡ぎだされたであろう言葉と、現代の感覚から紡ぎだされた言葉の間のギャップのためか、いつも以上にセリフとセリフの間に隠れた事柄を想像するのに時間がかかりました。
観劇後まず思ったのは、三角フラスコの作品はどんどん咀嚼するのに時間がかかるなぁということでした。
照明はぜいたくにささやかだなぁと思いました。公演期間中、2度の地震が起こったので、シビアな当たりを修正するのは神経質な作業だったと思います。
舞台美術と融合したきれいな明かりでした。
気合いの入った良い作品でした。ただ、やはりこの作品はナンバリングタイトルではなく、三角フラスコのアナザーサイドストーリーであって欲しいとも思いました。

兵器のある風景
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2010/03/14 (日) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
満足度★★★
技術者倫理を問う話!
画期的発明が軍需産業に利用される怖さ…、でも、そう単純でもない。GPSは逆に軍のシステムが民間に解放されたものだから。

コルテオ
CIRQUE DU SOLEIL
福岡・新ビッグトップ(千早)(福岡県)
2010/02/11 (木) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
拍手を忘れて見惚れてしまう
とにかく、超人的なパフォーマンスの数々に、拍手するのを忘れて見入ってしまいます。
クラシカルなヨーロッパ風のセットや衣装も素敵です。
その日によって演目が変わるので、もう1回行きたい(●≧∪≦●)

皇帝【公演終了。ありがとうございました。】
趣向
STスポット(神奈川県)
2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

スイングバイ
ままごと
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★★
蟻の大群!
ここでのリーマンが働くビルは普通のビルではない。おそらく高さという概念もない。それでも空虚すら感じるその壮大なビルは天空のもっと上のオゾン層までも届いている感覚のある高さだ。だから300万階のビルの窓からは雲が下に見え、雨は降らない。笑
要するにアニメ的な描写の世界。
以下はネタばれBOXにて。。
![月並みなはなし[2010]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/120/stage12060_1.jpg)
月並みなはなし[2010]
時間堂
座・高円寺2(東京都)
2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★
ふつうの演劇
6人の中から1人を選出する状況下でナチュラルに空気を読む相対的な協議は「12人の怒れる男」よりもやはり「12人の優しい日本人」に近いと感じさせる。
すんなりふつうにいい感じで観れる作品なのだが、漠然と「おしい」という感覚が残った。
相対主義が強いせいか、キャラクターの個々の想いの絶対性という点においては、未来の人と月までの距離感が現在とは異なるということを留意していても「え、そんなもんか」と感じた。
言っても「ふつうの人」が月に移住するのは初めてだという文脈や、かなり厳しい選考試験をくぐり抜けてきたらしいという状況があって、
それとキャラクター個々や持つ敗者復活戦の協議で明かされる月への想いとの間に、自分の中で納得できるバランスが取れる支点が上手く見つけられなかったのがその原因。
全体の繊細さやパンの人の想いにはきちんと納得させられるものがあったので余計なにか「あと一歩」という気持ちが強い。
もう一段階下の深度を掬っていたならば、自分にもきっと「ふつうの、すごい演劇」として納得できたと思うのだが。

九人の脅える団員
岩手大学 劇団かっぱ
盛岡劇場 タウンホール(岩手県)
2010/03/13 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
怖!
まさしくホラーでした。思わず叫びそうになるくらい、ホントに怖かったです。タウンホールの扉から上から裏に至るまで、会場全てを使っていたのはすごいと思いました。

あなたとわたしのための時間 ツアー2010
I.Q150
いわてアートサポートセンター・風のスタジオ(岩手県)
2010/03/13 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

スイングバイ
ままごと
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
えすえふ。
柴作品はSF。Sukoshi Fushigi。その線引き具合が絶妙。あとちょっと踏み込んだらきっと何やってるか分からなくなっちゃうけど適度。演劇を見慣れない方は『こういうのもあるんだなー』くらいの気持ちで観れば良いし、畏まって観る必要がないのは次第に分かるはず。子どもが玩具で本来以外の用途での遊び方を見付ける様に、演劇で遊んでるんだなというのが伝わって来る。
物語はあらすじにある通り。ドラマや漫画で見た覚えがありそうな部分があって、でもそれは安易に選んだのではなく観る側から遠くなりすぎない様にあえての印象。共感というよりは再確認と顧み。
冒頭からしばらくは個人的にあんまり面白くなかったのが、途中からノリ始めました。始まった瞬間から面白かったらそれは好みだからだろうし、もしくは目当ての出演者を追うとか何かしらの観る為のスタンスが出来ているから。折原さんとか野津さんとか森谷さんとか事前に気に掛けていた役者はいたんだけど、冒頭のあれこれは個人を観る部分じゃなかったからこの演目自体を値踏みする目線になってたんだろうなぁ。それで面白く感じたって事は、ちゃんと面白かったんだと思います。
劇場を出てビルがあったらいいなと思えて、演目的にはルデコでもアサヒアートスクエアでもやれそう。とはいえそれに合わせるにしても次にやるなら規模的に池袋の芸術劇場とかになるのかなと妄想。

Bench Time
年年有魚
新宿眼科画廊(東京都)
2010/03/13 (土) ~ 2010/03/24 (水)公演終了
満足度★★★★
共感できる芝居
観客参加型ワークショップ形式(?)というのでしょうか、画廊の狭いスペースをうまく生かして、観客が自然に芝居の中に入っていけるようになってました。芝居そのものはありきたりの日常会話劇なのですが、ほのぼのとした中に、けっこう毒があって、なんとなく意地悪で、うんうんと共感できるものでした。主催の方にはこの方向で、深化してもらいたいです。