最新の観てきた!クチコミ一覧

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昆虫大戦争

昆虫大戦争

こゆび侍

RAFT(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★★

今更感想ですが
視点が面白い。
フンコロガシに家族の概念があるのかはよくわかりませんが、戦時中の人間のような暮らしぶりでした。
糞という一見すればばりばりネタになってしまいそうな題材をよくぞこんなにシリアスに仕上げたなあ。

そしてやっぱり私は佐藤みゆきさんが大好きです…

シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

今更感想ですが
芦屋夫妻、作家、夏樹のどれに焦点を合わせていいかわからず、ピンボケしてしまったような印象。
どれも惹きつけられるキャラクターだっただけに、惜しい。
個人的には夏樹がよかったのだけど、最後は物語から置いてかれて放置されてしまったしなぁ。

スイングバイ

スイングバイ

ままごと

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★

無邪気さと無自覚と
 20世紀アメリカの作家ソーントン・ワイルダーの戯曲には、人類の歴史を、とっても身近なちいさな社会(町とか、家庭とか)にまで圧縮して、重ねて描く作品がいくつもある。その代表作が “Our Town” (わが町)なので、「わが社」の歴史と人類史とを重ねて描く今作は、前作『わが星』と同じくワイルダーを下敷きにしている。

 ワイルダーは本当に面白い。でも僕には、柴幸男作品にちょっと疑問があるのです。

ネタバレBOX

 人類の誕生とともに創業された「わが社」のビルは、毎日1フロアずつ歴史を積み重ねていく。今日は、2010年、3月○×階。そんな「今、ここ」で、僕らは、いつもとなんにも変わらない、一日を働いてすごす「社員」という人類の生活を見せられる。

 出会いもあれば、別れもある。結婚して、子供が生まれて、出世する人もいる。ほとんど人に顧みられない仕事を、延々つづける人がいる。なにもかもが嫌になって、働くのをやめる人がいる。そして、退社という名の「死」を迎える人もいる。柴幸男の演劇は、ワイルダーの劇作よろしく、小さな「わが社」という社会の中に、人間の営みや人類の歴史を圧縮する。

 「すずと、小鳥と、それからわたし、/みんなちがって、みんないい。」口当たりよいリズムにあわせて、人の全てを肯定する。ちょっと、じーんときてしまう。

 でも、ワイルダーのものと違って(金子みすゞとも違って)、この人類史には、戦争も、憎しみもない。苦しみがあんまりなさそうだ。どこか、そういう人類の負の側面を、「あえて描かない」ようなところがある。悪いことには、あえてそうしていることに、作者の自覚がないみたい。よしんば自覚があるにしろ(劇団名「ままごと」だし)、表面的には全く無邪気にうつるそれは、観客の目も、そういう部分から、無意識に目をそらさせる、危険な世界だ。今の世界を、「そのままでいいよ」と言って肯定してくれる、甘くて幼いユートピア。ノスタルジックな絵空事にしか見えなかった。

 「わが社」のタイムカードの形のチケットを、レコーダーに通してから、僕らは舞台に案内される。舞台に入るとパンフレットを「社内報です」と社員姿のスタッフから受け取る。劇場を、今日は「わが社」とみなすルールは、観客席を舞台と接続させようという試みだろう。

 でも、柴幸男のやり方は、観客の側に、舞台のルールに従わせるやり方。彼らの無邪気なままごと遊びに付き合わされる僕には、それは無自覚なだけ、よけいに傲慢と見える。そしてルールは、その外側を、内側から切り離してしまう。今回、舞台で演出家を演じた柴は、舞台上で、役者たちのかけあいを見て大笑いしていた。稽古場のような空気。よほど楽しいのだろう。観客の側を、つまりは、演劇の世界という小さい社会の外側を、みているようには思えなかった。そんな姿勢が、「今」を如実に表している、といえないことも、ないけれど。
悪ノ娘

悪ノ娘

X-QUEST

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/01/27 (水) ~ 2010/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

原案の動画は知らなかったが・・・
動画サイトで有名になった「悪ノ娘」を原案とした、X-QUEST版「悪の娘」の舞台。
原案となる動画は見たこと無いので(^^;;、どれだけ原案の雰囲気を出せているかはわかりませんが、2時間の上演時間はあっという間に感じるほど、舞台の世界観に引き込まれてました。非常の面白かったです。

各出演者の衣装も素晴らしかったですが、それ以上に殺陣も素晴らしかった。若干効果音とのズレはありましたが、舞台上になかなかの人数がいながら、各人ともぶつからず流れるようなあの動き、凄かった、いや圧巻でした。

赤の女剣士・ジェルメイヌを演じた松山友紀さん、カッコよすぎです。
逆に、王女・リリアンヌ、悪っぽい雰囲気は出してましたが、もっと冷酷・冷徹ぽいイメージと捕らえたので、ちょっと冷酷・冷徹さが足らなかったかな。(見ていても嫌な王女とは思えなかったし)

ロング・ミニッツ-The loop of 7 minutes-

ロング・ミニッツ-The loop of 7 minutes-

FOSSETTE×feblabo×エビス駅前バー

エビス駅前バー(東京都)

2010/01/22 (金) ~ 2010/01/28 (木)公演終了

満足度★★★★

飽きずに観れるループ
ひょんなことからある7分間を繰り返すことになり、抜け出そうとする物語。

7分間の繰り返しを、どう飽きさずに見せてくれるか楽しみにしてましたが、繰り返し部分は少しずつ変えたり、バーに来てた客を巻き込んで、前の7分間とは大きく変えたりして、飽きずに楽しめました。

ただ、ループに巻き込まれた原因と、脱出した答えは少し曖昧だったように感じました。
また、抜け出した後の描写の解釈も、お客さんに任せる部分の方が多かったかも。

記憶を持ったまま無限ループに巻き込まれる役(厳密に言えば、出演者全員ループしてるんですけどねww)の桐野を演じた、酒巻さんのループにより、いろいろな変化する演技もよかったですが、バーの客役・結城を演じた今城文恵さんが、まさかあんな役だとは。
前半の口説かれる役柄もよかったですが、後半部分の役はさらに似合ってたような(笑)

月並みなはなし[2010]

月並みなはなし[2010]

時間堂

座・高円寺2(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★

観てきました。
初観劇です。

農業少女

農業少女

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/03/01 (月) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★

良くもあり、悪くもあり
多部未華子さん、本当に良かった。もう、予想を遥かに上回っていて、大満足。
他の内容は、ネタバレで。

ネタバレBOX

多部未華子さん、山崎一さんのお芝居は、本当に素晴らしかった。

ただ、正直、最近の吹越満さんのお芝居は、何かやりすぎ感が多く、ちょっと不満です。勘違いしてる感じ。

江本純子さんは、普通のお芝居だと、吉本の芸人ぽく観えてしまいます・・・。演出に徹した方が好きかな。

全然今回の舞台とは関係ないですが、お客さんとしてきていた、内田慈さんに久々にお会いできて感涙でした。そう言えば、前回の江本純子公演出てましたね。

今思い出したけど、吹越満さんと内田慈さんも、昨年親子役&近親相姦で共演してましたね。あのお芝居の吹越満さんもいけてなかった。

また、関係ないですが、通路挟んで隣の席が、松尾スズキさんでした。意外と背が高くてビックリでした。
おばあちゃん家のニワオハカ

おばあちゃん家のニワオハカ

鳥公園

市田邸(東京都)

2010/03/17 (水) ~ 2010/03/23 (火)公演終了

満足度★★★★

市田邸!でもそれだけでなく!
不思議な空間ですね、市田邸。
終演後もなかなか帰りたくなくなってしまう、お客さんと役者さんが座布団の上でおしゃべりしながらあの居間にいる、終演後の感じ、すごく素敵でした。
あの素敵な空間を生かしつつ、かつそれだけでもないぞ、という、ちゃんと演劇でした。笹野さんが最高です。

ネタバレBOX

上野駅から歩くその道中からなぜかわくわくしてしまいました。
最初の、西尾さんの市田邸の歴史も教えてくださる前説から、雰囲気づくりがなされており、社会科見学の気分も味わえました。

芝居の内容としては、あの空間をもって、全てリアルに押し通すのではなく、客席に話しかけたり、時間飛び越えたり、おお、ちゃんと演劇的なのだな、と驚きました。
だったら、別に市田邸じゃなくとも、リアルに畳とお庭のある部屋の舞台美術にしたのと変わらないのか…とも思いましたが、だんだんと観ていくうちに、いやこの雰囲気はここでしか味わえないよな。道路の音。風が窓をたたく音!

もうすこしコンパクトでもよいかな、と思いましたが
笹野さんが出てくるシーンはテンポよく、飽きずにみることができました!
なにより徹子が最高すぎて、友近より今後は笹野さんに徹子を!と。

おばあちゃん役が男性、というのは、うまいな、とは思いましたが
すこしあの役者さんだけ演技の温度?が違うのが少しだけ気になりました。

でも、全体的に一見の価値ありだと思います。
ありがとうございました!




「SHINGEN~風林火山落日~」 (ハムレットより)

「SHINGEN~風林火山落日~」 (ハムレットより)

WAKI-GUMI(脇組)

あうるすぽっと(東京都)

2010/03/14 (日) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★

翻案物としてはよくできているが・・・
戦国大名の武田家の滅亡をシェイクスピアの「ハムレット」仕立てで描く2時間40分(休憩込み)。正直、長くて疲れた。両隣の若い女性は退屈した様子で爆睡していた(笑)。何の理由か開演時間が遅れたうえ、上演時間自体も多少延びたが、スター俳優を招聘した公演なのだから、開演準備はきちんとやってもらいたいものだ。無料の配役表は用意されておらず、1部1200円のプログラムを買うように仕向けているようだ。脇太平のユニット芝居のパンフというのはいつも同じ作りで読むところも少なく、配役表のために1200円も出費する気は起こらなかった。この公演のフライヤーも、あうるすぽっとに最近行っていないこともあり、よそではお目にかからず、主役級以外の出演俳優の情報がとれない。脇が主宰していた「ちょんまげ軍団」なる劇団が銀座博品館劇場に初めて進出した際は、無料の配役表も配布されたのだが、回を重ね、有料になってからも数百円程度だった。現在はさらに出世したので配布しないのだろうか?世田谷パブリックシアターなどは有名俳優の出る公演でも配布しているが?最近は知らないが、以前、劇団新感線が新橋演舞場に出た際も、販売している豪華パンフとは別に無料の配役表も配布された。
無料の配役表については、ほかのかたも別の件で苦言を呈されていたことがあったが、昔からそういう慣例のない東宝系の大劇場は別としても、本公演は有名劇団とは言えない大衆演劇系の小規模公演であるのだから配慮がほしいところだ。

ネタバレBOX

オープニングの武田軍団の進軍場面。「人は石垣、人は城」とうたわれた武田武士の勇壮なイメージを表現しているのだろう、と想像した。しかし、長すぎてダレる。もう少し短くてもよいと思った。
芝居の大部分は、「ハムレット」の物語そのままを武田家の話に移しているがまったく違和感がなく、よくできている。
父信玄が何者かによって殺害され、三年の間喪を伏す必要から、信玄の弟の信廉が信玄の影武者を勤め、嫡子勝頼の母である由布姫までも信廉の妻となったため、勝頼の叔父信廉への不信感と怒りが爆発。信玄の亡霊に出会って謀殺の事実を知った勝頼は、狂人を装い、自分の身辺を探っていた重臣馬場信春を斬殺。信春の娘で勝頼の許婚も犠牲になって斬られ、レアティーズ=信春の嫡男昌信(となっているが誰?笑 史実では嫡男は昌房という名のはずだが)が勝頼を父の仇と狙う。そうこうしているうちに天下を狙う織田信長が間者の森蘭丸を武田の城中に送り込んで信玄の死を確信し、
長篠の戦いが始まる。勝頼は武田の頭領は自分だと言って譲らず、母の由布姫は「まだ経験が浅い」と反対するが信廉が譲歩するので勝頼は決行してしまう。結局、その通り、織田の鉄砲隊に負け、武田は滅亡してしまう。この芝居では母親は死なず、尼寺に入るのはオフィーリアならぬ母親の由布姫だ。
和泉元彌の勝頼すなわちハムレットは、芝居はまあまあだが、振り絞るようなしゃがれ声が聞き苦しく、見た目に反して颯爽とした若武者にならない。この人の父で狂言師の故・和泉元秀も悪声だったので遺伝かと思うが。段差の多い舞台での足取りなどは時代劇俳優らしくさまになっており、これは伝統芸能にいる人の強みである。簡単なように見えても時代劇の舞台での歩き方というのは型やコツがある。これができていないと、時代劇は興ざめ。最近の人では中村誠治郎の歩き方がダメな例である。ガートルードは武田信玄の室、由布姫で、汀夏子。昭和40年代、宝塚歌劇団で伝統ある「芝居の雪組」を率いた男役トップスターだけに、深みのある芝居をする。タカラジェンヌ、特に汀の世代はこういう役が得意なので安心して観ていられる。昨今のハムレットによく見られる安っぽい娼婦のようなガートルードにならなかったのは救いで、信玄の室としての気品と美しさ、情愛の深さを出した一級品。オフィーリアにあたる勝頼の許婚・縫(ぬい)は岡崎高子。北区つかこうへい劇団で主演したこともあるようだが、時代劇のお姫様の下手な見本みたいで魅力に欠けた。先日観た宝塚の娘役の蘭乃はなのオフィーリアのほうが、よほど型にはまらず巧かった。脇組常連の夕貴まおは森蘭丸役だが、ここでの蘭丸は「お蘭」と呼ばれ、これが男装のくの一なのか、色小姓なのか、芝居上判然としない。元宝塚雪組の男役で在団中は芝居の巧い子だったが、彼女の殺陣の巧さと容姿の美しさは時代劇での華。彼女も汀夏子の後輩に当たるわけだ。勝頼が旅一座に父の暗殺劇を演じさせるのも原作と同じでそれを和泉元彌のお家芸の狂言風に演じるのがご愛嬌。この旅一座の助けを借りて蘭丸が潜入するが、企みが発覚し、座員たちは皆殺しにされる。
ポローニアス=馬場信春は脇の片腕とも言える石山雄大が手堅く演じる。昌信は鼓太郎、信長はザ・コンボイ・ショウの徳永邦治で、それぞれ見せ場を与えているが、徳永は、扮装が信長らしいだけで、演技はさほど印象に残らなかった。最後まで残った疑問は、原作の「ハムレット」同様、父の亡霊が叔父の裏切りを明かすのだが、はっきりと信廉の差し金とわかる台詞はなく、信廉はクローディアスほど腹黒い人物には描かれていない点だ。勝頼を家臣の前で嫡子と定め、あくまで自分はリリーフ役と宣言。勝頼が陣頭指揮をとると主張したときも素直に譲る。と、なると、勝頼の狂気の芝居は単なる妄想ではないかとさえ、とれてしまう。信廉役がザ・コンボイ・ショウの石坂勇だから悪役にできない配慮なのかもしれないが、テーマにかかわることなので、そこはきちんと描くべきだったと思う。長篠の合戦以降、ハムレットのテーマがぼけ、短気な武将の滅亡物語になってしまうのも気になった点。
招かれた客

招かれた客

シルバーライニング

三越劇場(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/21 (日)公演終了

名舞台の予感大ハズレに泣く
何だろう???
とにかく、劇場全体が緊張感のなさで充満していました。
終わってますね、三越劇場!!
子供の頃は、数少ない劇場のひとつで、三越で芝居を観た後、デパートのレストランで、お子様ランチを食べるのが、あんなに楽しみだった、馴染み深い劇場でしたが、もう愛想もクソも尽き果てました。
カンフェティで購入した引換券を
シルバーライニングの受付に出すと、「チケットお持ちの方はお入り下さい」と言われ、「これ引換券で」と言うと、「ではあちらへ」。で、今度は劇場受付で、またそっくりそのままのパラレルワールドを経験し、また「いえ、引換券で」と言うと、「ではあちらへ」とまたさっきの受付を促され、「いえ、さっき、あちらで、こちらへと言われて…」と言うと、何とその受付のおば様、私には何も言わす、めんどくさそうに立ち上がり、私をその場に置いてけぼりにしたまま、製作受け付けに…。言われた向こうの受付と責任のなすり合いをしばらくしていたら、横で、他のお客さんと他愛ない話に興じていたおじさんが、「え、あーカンフェティのね?さっきから、そうじゃないかと思ってたんだ」とか、信じられない台詞を吐いて、私に、一言の詫びもせぬまま、にこやかに指定券を渡して下さいました。(怒りを通り越し、苦笑する私)
何だか、コメディを観に来た筈なのに、別役さんの不条理劇「受付」の主人公にでもなった気分。その間、だいたい5分は超過。もし、私がギリギリに劇場に付いたなら、きっと開演前に、自分の席に着くのは無理でした。
で、やっと席に着いたら、案内嬢が、気のない様子で、携帯電話などの注意をして、無気力な感じで、空席だらけの客席を一巡。
すっかり、舞台観る前に、気持ちが萎えてしまいました。

で、肝心の舞台ですが、これがもう、あの鵜山演出とは信じ難い絞まりのない舞台進行(涙)
コメディに不可欠なテンポの良さが微塵もなく、何だかひたすら、名優4人がお気の毒な感じでした。
きっと、制作サイドがあんなだから、お客さんにいい芝居を…なんて、気概は皆が失ってしまうのですね。「一事が万事」、この言葉、台詞にも出て来ましたが、まさに「一事が万事」を痛感した舞台でした。あー、それにそれに、テンポの良さが命のコメディなのに、何と、休憩が25分もあるんです。食事休憩でもないのに、帝劇や歌舞伎座じゃあるまいに、何故に25分も休憩??
昔ながら、デパートの営業時刻に合わせて、夜の部が16時始まりというのも、今のご時勢に合いません。これじゃ、客席が埋まる筈ないと思うことだらけ。
こういう、諸々の思いを、アンケートの「本編のご感想を」と記載された、ひどく狭いスペースに書き込み、帰りに、ボーっと立ってる案内嬢に、「アンケートはどちらに?」と、三回もよく通る声で聞き続けた末、ようやく「あ、こちらでお預かりします」と、ありがたいお返事を頂いて、ようやく昔懐かしい劇場をスゴスゴと後にした、何とも哀しくなる観劇でした。全てにおいて、間が抜けた舞台!!

ネタバレBOX

風間さん、久野さん、綾田さん、川端さんんと、ベテラン役者揃いなのに、何とも、間の悪い芝居展開でした。
話は、まああまあよくできている部類のコメディですが、向こうの政治家などの台詞ではわからないと見て、かなり、台詞が日本バージョンになっているのですが、まあ、ムッシュ小泉の政治戦略の例えまではよしとしても、鳩山さんまで出てきては、ちょっと本筋を壊してしまい過ぎ。そんなことをするなら、いっその事、舞台を日本の話に置き換えればよかったんじゃないのと思ってしまいました。その方が、三越劇場の、この誰も楽しみに芝居を観に来た感のまるでない客席の雰囲気にも合っていたんじゃないかしら…(と、ちょっと嫌味言いたくなりました)

とにかく、制作、劇場、客席全部に、やる気なさ、観る気なさが立ち込めていて、その中で、一生懸命演じている役者さんを見ていたら、無性に切なくなってしまいました。
ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

三角フラスコ

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★

咀嚼に時間がかかります。
原作を読まずに観劇しました。前回の「星屑とボタン」のようなオリジナル台本の作品と違い、原作があるためか、いつもの「三角フラスコ」とは一味違った肌触りの作品だと感じました。原作の時代背景から紡ぎだされたであろう言葉と、現代の感覚から紡ぎだされた言葉の間のギャップのためか、いつも以上にセリフとセリフの間に隠れた事柄を想像するのに時間がかかりました。
観劇後まず思ったのは、三角フラスコの作品はどんどん咀嚼するのに時間がかかるなぁということでした。

照明はぜいたくにささやかだなぁと思いました。公演期間中、2度の地震が起こったので、シビアな当たりを修正するのは神経質な作業だったと思います。
舞台美術と融合したきれいな明かりでした。

気合いの入った良い作品でした。ただ、やはりこの作品はナンバリングタイトルではなく、三角フラスコのアナザーサイドストーリーであって欲しいとも思いました。

ネタバレBOX

オープニング、咲子の右腕がゆっくりと持ち上がり、掌を開いて始まる。たっぷりと時間をかけ、空間の重さを感じる動きが秀逸でした。第一声の空間を切り開くような圧力も見事でした。

兵器のある風景

兵器のある風景

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2010/03/14 (日) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★

技術者倫理を問う話!
画期的発明が軍需産業に利用される怖さ…、でも、そう単純でもない。GPSは逆に軍のシステムが民間に解放されたものだから。

ネタバレBOX

基本的な技術がいったん軍から目を付けられると、足抜けが困難なことが良く分かりました。例え本人がその組織を辞めても誰かが引き継いでいくことになる現実。

真の技術者倫理とは何か、武器開発のみならず、トヨタの問題なども含めて問われているのです。

上空からの電波を要せず、飛行体間の情報伝達によって進むべき方向を自分で判断できる飛行体を研究していた主人公、大量殺人兵器に応用可能なことなど兄に指摘されるまでもなく理解できるのではありませんか!?

兄との会話から軍との共同研究を止めたいと思ったというのはちょっとどうかなと思いました。
コルテオ

コルテオ

CIRQUE DU SOLEIL

福岡・新ビッグトップ(千早)(福岡県)

2010/02/11 (木) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

拍手を忘れて見惚れてしまう
とにかく、超人的なパフォーマンスの数々に、拍手するのを忘れて見入ってしまいます。
クラシカルなヨーロッパ風のセットや衣装も素敵です。
その日によって演目が変わるので、もう1回行きたい(●≧∪≦●)

ネタバレBOX

天使や神様などのキャラクターがでてくるのが、天国へ召されるまでのイメージでちょっと哀切を帯びています。

シャンデリアのエアリアルは、美しくて夢心地になります。
パラダイスは、古代神話の神様たちの世界みたいで優雅です。
ツアーニクは、シンプルだけどすごい!!
さすがオリンピック級のアーティスト達ですね(A^^;)

設定が「昔のヨーロッパのサーカス団」だからか、シルクにしては、わりとシンプルな作品の気がしました。

冒頭に日本語のナレーションが入るので、物語がわかりやすいです。
ところどろこカタコトな日本語の台詞もあります。
ただ、、、他の方の感想にもあったけど、私も「日本語」にちょっと抵抗があります(A^^;)

幕が、5000万円ってすごいなぁ。
皇帝【公演終了。ありがとうございました。】

皇帝【公演終了。ありがとうございました。】

趣向

STスポット(神奈川県)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

期待以上の
期待以上のおもしろさでした。
今も余韻に浸ってます。

スイングバイ

スイングバイ

ままごと

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★★★

蟻の大群!
ここでのリーマンが働くビルは普通のビルではない。おそらく高さという概念もない。それでも空虚すら感じるその壮大なビルは天空のもっと上のオゾン層までも届いている感覚のある高さだ。だから300万階のビルの窓からは雲が下に見え、雨は降らない。笑

要するにアニメ的な描写の世界。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

オープニングが楽しい。そして同じような風景で幕を下げるのは、昨日と同じような仕事をして、今日と同じような仕事をするであろう明日のリーマンの習性のようだった。

キャストはリーマンらしくない。リーマンらしかったのは板倉チヒロといしおくらいだ。まあ、トーゼンと言えば当然だ。彼らは現実にリーマンなんてやったことないだろうから・・。これらのリーマンが働く企業の本社はは300万年の歴史を持ち60億の支店を抱え、これまた30万階の巨大な超高層ビルだ。つまりは地球規模の企業だが、エレベーターの階が2010年3月16階とか2018年3月17階などと表示してあって、過去にも未来にも行けるドコデモドアー!!みたいな状況だ。

そんなビルの中で働くリーマンはまるで蟻のような存在に見える。社内広報課やら食品流通部やら総務やらで社員は働き、何処の会社でもある似たような人間関係を構築している。新入社員はあまりにも広すぎるビルの中で右往左往し、あたふたとしてしまう。気づくと何も仕事をしていなかったように思え、はたまた、本当に仕事をしない窓際族も居る。会社を不満に思う中堅ドコロの社員は退職し、それでも会社が困ることはない。かつての同士は今日と同じように何も変わることなく明日も働く。同じ道筋を決して逸れない蟻のように・・。

物語が反転する度にキャストらも反転する。この区切りは会社で働く人間の感情にも思えて可笑しくもあった。ただ、この反転が舞台上で最後までずっと続く。だから、少々飽きる。序盤は引き込まれて終盤に飽きるパターンだ。

これらは自らの意思で動いてないリーマンが軌道を逸れないように頑張っているようで哀れにも思えるが、ちょっと考え方を変えれば楽なのだとも思う。言われた事をそこそこコナシ、必要以上に成績を上げることはしない。テキトーに働けば良いだけだ。これが長く勤めるコツだ!なんつってリーマンを見下げてしまう事もあるが、実はワタクシもレッキとしたリーマンなのだった。

まあ、蟻も大群になれば世界を滅ぼす機動力になるのかもしれない。
頑張ろう!リーマン!世界は我々が動かしてるーーー!!!

月並みなはなし[2010]

月並みなはなし[2010]

時間堂

座・高円寺2(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ふつうの演劇
6人の中から1人を選出する状況下でナチュラルに空気を読む相対的な協議は「12人の怒れる男」よりもやはり「12人の優しい日本人」に近いと感じさせる。
すんなりふつうにいい感じで観れる作品なのだが、漠然と「おしい」という感覚が残った。
相対主義が強いせいか、キャラクターの個々の想いの絶対性という点においては、未来の人と月までの距離感が現在とは異なるということを留意していても「え、そんなもんか」と感じた。
言っても「ふつうの人」が月に移住するのは初めてだという文脈や、かなり厳しい選考試験をくぐり抜けてきたらしいという状況があって、
それとキャラクター個々や持つ敗者復活戦の協議で明かされる月への想いとの間に、自分の中で納得できるバランスが取れる支点が上手く見つけられなかったのがその原因。
全体の繊細さやパンの人の想いにはきちんと納得させられるものがあったので余計なにか「あと一歩」という気持ちが強い。
もう一段階下の深度を掬っていたならば、自分にもきっと「ふつうの、すごい演劇」として納得できたと思うのだが。

九人の脅える団員

九人の脅える団員

岩手大学 劇団かっぱ

盛岡劇場 タウンホール(岩手県)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

怖!
まさしくホラーでした。思わず叫びそうになるくらい、ホントに怖かったです。タウンホールの扉から上から裏に至るまで、会場全てを使っていたのはすごいと思いました。

あなたとわたしのための時間 ツアー2010

あなたとわたしのための時間 ツアー2010

I.Q150

いわてアートサポートセンター・風のスタジオ(岩手県)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

関係性
「兄妹」「合鍵」どちらも観劇できました。面白かったです。

ネタバレBOX

同じ部屋でも住んでいる人が違うと家具やレイアウトが変わる、というのが面白いなと思いました。そしてそこに出入りする人の関係性も見えるのだなと思いました。
スイングバイ

スイングバイ

ままごと

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

えすえふ。
柴作品はSF。Sukoshi Fushigi。その線引き具合が絶妙。あとちょっと踏み込んだらきっと何やってるか分からなくなっちゃうけど適度。演劇を見慣れない方は『こういうのもあるんだなー』くらいの気持ちで観れば良いし、畏まって観る必要がないのは次第に分かるはず。子どもが玩具で本来以外の用途での遊び方を見付ける様に、演劇で遊んでるんだなというのが伝わって来る。
物語はあらすじにある通り。ドラマや漫画で見た覚えがありそうな部分があって、でもそれは安易に選んだのではなく観る側から遠くなりすぎない様にあえての印象。共感というよりは再確認と顧み。
冒頭からしばらくは個人的にあんまり面白くなかったのが、途中からノリ始めました。始まった瞬間から面白かったらそれは好みだからだろうし、もしくは目当ての出演者を追うとか何かしらの観る為のスタンスが出来ているから。折原さんとか野津さんとか森谷さんとか事前に気に掛けていた役者はいたんだけど、冒頭のあれこれは個人を観る部分じゃなかったからこの演目自体を値踏みする目線になってたんだろうなぁ。それで面白く感じたって事は、ちゃんと面白かったんだと思います。
劇場を出てビルがあったらいいなと思えて、演目的にはルデコでもアサヒアートスクエアでもやれそう。とはいえそれに合わせるにしても次にやるなら規模的に池袋の芸術劇場とかになるのかなと妄想。

ネタバレBOX

「わが星」から「わが社」。世代を越えた人の移り変わりを見せる点では「あゆみ」に似ているのかも。締めの「階を重ねる」は「回を重ねる」でもあり、客も一部だった訳で。客入れの時点でその趣旨は伝わってきたし、ちゃんと回収して終わってるのが良かった。
スイングバイ部分が長かった様な。動きがちょっと雑に見えた気もするし、とはいえ世代や仕事の引き継ぎを見せるにはあのくらいの時間が必要だった気もする。本人は目まぐるしく必死にしてるけど傍目から見たら大した仕事に見えないっていう意味ではとても理に適っているものの、そこまで読み取らせるには足りてない。多分まだベストじゃない。
冒頭の矢倉は会社だったし社会だったんだと後から思い返す。そして別団体なんだけどふと岡崎藝術座の見方が分かった気が。この矢倉で、ふと。
駒場東大前駅に着いたら『結局あの細い人は飛び降りたのかな?』と話し合う声が。あの早退は好きに捉えればいいんじゃないかなと思った。個人的には自殺を見ちゃったら娘さんが同じ会社に務めるかは微妙な気がする。でも会社だし社会だったからなー。見ちゃっても抱えて過ごしていかなきゃならないのかもな。
柴さんも出演クレジット明記があっていい気がしたけど、あれはゲームの親の位置なんだろうな。出演者にあれをやらせたら語り部になっちゃってそれ以外させられなくなるし。世にも奇妙な物語のタモリみたいな。いや、タモリはたまにカメオやってるけど。…取り留めがなくなったのでこの辺りで。
Bench Time

Bench Time

年年有魚

新宿眼科画廊(東京都)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/24 (水)公演終了

満足度★★★★

共感できる芝居
観客参加型ワークショップ形式(?)というのでしょうか、画廊の狭いスペースをうまく生かして、観客が自然に芝居の中に入っていけるようになってました。芝居そのものはありきたりの日常会話劇なのですが、ほのぼのとした中に、けっこう毒があって、なんとなく意地悪で、うんうんと共感できるものでした。主催の方にはこの方向で、深化してもらいたいです。

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