
ジェノサイド
演劇サムライナンバーナイン
テアトルBONBON(東京都)
2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり)
風琴工房
ルーサイト・ギャラリー(東京都)
2010/04/26 (月) ~ 2010/04/29 (木)公演終了
満足度★★★★
桜-和服の所作に気配りが必要
今回の公演、カフェのスタッフの女性は全員和服姿で、マダムは女優が日替わりで勤めていたようだ。なかなかよいアイディアですね。
和服を着たときの立ち居振る舞いというのは本当に難しい。
今回、お客の中にも和服姿の若い女性がいたが、席に着くと、みな正座ができないらしい。訪問着を着て、体育座りをして観ているのには絶句した。
いくらきれいな着物を着ても、これでは着物が泣く。興ざめである。昔から「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」って言うでしょう。和服を美しく着こなすには、着ただけではダメ。まずは正座の練習から始めないと(笑)。
小劇場でも時代劇が増えてきたが、役柄、年齢によって所作も違うが、出来ている女優はほとんどいない。わたしが小劇場の時代劇を観たくない理由もそこにある。そのへんのことをネタバレでも述べてみたい。「濹東綺譚」の項で。

THE LEFT STUFF
Piper
本多劇場(東京都)
2010/04/10 (土) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

職員室
U-1グランプリ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/04/24 (土) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

In The PLAYROOM
DART’S
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/04/27 (火) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

ピースピットVOL.11 『MOTHER』 緊急追加公演 in HEP HALL
ピースピット
HEP HALL(大阪府)
2010/04/16 (金) ~ 2010/04/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
大阪の誇り
3月の應典院公演を観て、追加公演に演劇初心者の友だちを誘いまくって観劇。そろってみんな「連れてきてくれてありがとう」といってくれた。そんな芝居。小劇場の公演は残念ながら普通に生きていてそうそう出会えるものではない。でも小劇場には素晴らしい世界が確実にある。だからたくさんの人に出会って欲しい。人生史上初めてそう思わせてくれたカンパニーだ。

ミッション女・プロジェクト男
よしもとクリエイティブ・エージェンシー
駅前劇場(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/03 (月)公演終了
満足度★★★
ダイハードな二人
脚本が上田誠なのでネタ的にはヨーロッパ企画のSFものに近いんだけど、二人芝居なのでネタの濃縮度が高まっている。「一難去ってまた一難」とはまさにこの芝居のための言葉。それに比例するように役者二人の発汗量がこれまたすごい。上着だけでなく、ズボンにまで汗のしみができていた。これもある意味で見所かも。
福田転球という役者は、アドリブ命みたいなところのある人なので、この芝居でもいろいろやっていたし、相方の平田敦子もかつてサモ・アリナンズの芝居で、アドリブが飛び出す雰囲気には慣れている。
上田誠のギャグセンス豊かな脚本と、福田・平田の丁々発止な演技がいい具合にミックスして、汗だくの舞台とは対照的に、客席にはリラックスした笑い声が響いた。

15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★
企画自体には今回も敬服
前回から観始めた、15Minutes 、興味ある劇団を一挙に知ることのできる良い機会です。今回は、いつも見逃してばかりいる国道五十八号線に興味があって、行きました。
ところが、残念ながら、そちらにはあまり好感が持てず、逆に、あまり興味なかった劇団を追いかけたくなりました。
時間堂の演目は、ある仕掛けが施されていたらしいのですが、出演者から、そのネタバレを聞かされた息子から話を聞くまでは、私には全く気付けなかった仕掛けでした。何故気付けなかったかは、ネタバレにて。
たとえ15分でも、その劇団の色やエキスは伝わるので、この企画、本当にありがたく思います。
できる限り、続けて頂きたいと思いました。

15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★
こういうのが増えると嬉しい
一度でいくつものグループを観れるというのは素敵です。中身も、1本目以外は魅力ありました。役者さんで光る方がほぼ居なかったのが残念。 時間堂、組立は素朴でシンプルで素敵なのに、役者さんの演技にガッカリ。主催が一番飛んでて笑いました。いつもこんななのか。 PLATformance、とても好みでした。音、照明、2人の動きがたまらなかった。
これからも楽しみにしています。

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり)
風琴工房
ルーサイト・ギャラリー(東京都)
2010/04/26 (月) ~ 2010/04/29 (木)公演終了
満足度★★★★
藤-風情のある会場にて
ルーサイトギャラリーのことは以前、TVの情報番組で知ったが、詳しく場所が紹介されず、開館されていない日もあるとのことだったので、行く機会もないままになっていた。今回おるがん選集の会場がそこと聞いて、大変嬉しく、早速予約した。
建物の持ち主だったという芸者さんは元祖美人歌手の市丸姐さんのことだった。お若いかたは市丸という芸者歌手をご存知あるまいが、わたしは生の歌も聴いたし、一度だけお会いしたこともある。父の学生時代の友人がレコード歌手をやっていて、その人のスポンサーが市丸さんとも親しく、うちの隣家に住んでいた関係で、リサイタルのお祝いに行った。そのとき、市丸さんがゲストで来ていた。昭和32,3年ごろだったと思う。当時、わたしが熱中していたのは日本髪の女性の絵を描くことだったため興奮して、楽屋の艶やかな市丸さんの傍を離れず、市丸さんは自分の簪を抜いてわたしに見せながら、「お嬢ちゃんはよっぽどこういう物が好きなのねぇ。大きくなったら、いくらでもお着物着れるし、簪も付けられるわよ」と言われて期待に胸がふくらんだものだ。そんなことを併設のカフェで懐かしく思い出していた。
今回は、桜、藤、両公演とも続けて観劇した。まずは「藤」から。

15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
6編の配置が絶妙
前半は動きのある絵2枚の後に静物画、後半はコメディ、コント、本格短編、という6編の配置が絶妙。
もちろんそれぞれ特色があって各編とも面白かったが、トリである印象深さもありTPC(じゃなくてトープレ、トーコレ?)が特に好きかも。

奇妙奇天烈ファンシーハウス in大阪 (公演日は24日!15時と19時からです!!)
劇団ぎゃ。
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2010/04/10 (土) ~ 2010/04/11 (日)公演終了
無題
女の子4人による楽しいコスプレ芝居を観たつもりで帰りましたが、うまいことごまかされて本質を見逃していたことに2日経ってから気づきました。怖い話です。
ネタバレになるので詳しい内容は語りませんが、親子(母娘)関係の暗い面をさんざん見せつけられて、最後に与えられる小さな救いにすがりたくなる物語でした。
毒々しい内容が軽いノリで演じられていました。でもやっぱり楽しい観後感です。福岡の劇団なので大阪ではなかなか観られないと思いますが、今回観られて良かったと思います。

モテハン・オンライン
ファントマ
ABCホール (大阪府)
2010/04/03 (土) ~ 2010/04/05 (月)公演終了
無題
「ダメ男が波乱万丈のバーチャル世界で鍛えられて、現実世界でもちょっとだけ成長する」という構図はまあベタですがお約束としてありでしょう。現実・バーチャル・回想シーンなどが交錯しますがわかりやすく表現されており、エンターテイメントとして楽しめました。
ただ2階席で舞台から遠かったため、なんだか楽しい雰囲気の場所を遠くから眺めているような感覚になってしまうことが何度か。1階席が盛り上がっているのに2階席はそれほどでもなかったりしたので、やはり距離は大事だなと思いました。

教育
夕暮れ社 弱男ユニット
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
無題
物語の内容はどうあれ、この作品のチャレンジは舞台配置に尽きる。スペースの中央に客先が四方を向いて組まれ、役者はその周囲をぐるぐる回りながら演技し続ける。
ひたすら回り続けているので役者は体力勝負だろう。しかし細かい演技はほとんどなく、セリフだけで語られているに等しい。いや、細かく演技していたのかもしれないが、全体の三分の一くらいしか視界に入らないので、よくわからない。
この舞台配置をとることで何が得られたのか。当人達は色々狙ったことがあったのだろうが、本作について言えばアイデア倒れな感が否めない。物語としては“客席を中央にしてぐるぐる回る”というスタイルで見せる必然性もないし、観客としてはどのみち全体が見えないのだから眼前の役者も見る必要を感じなくなり、むしろ全体の「音」を聴くために目を閉じてしまった。
とは言え、このアイデアは一発ネタではない。上手に発展させれば色々なことができるのではないか。偏った視界になるのは円形劇場だって同じことなのだ。どうせならぐるぐる回ったりせず、本当に一部しか見えない作品にしても良かったのではないか。
しかも全体を見ることができないと言ってもこのスタイルなら、振り返れば真後ろ以外は見える。客が能動的に動かなければ見えないし動けば見える舞台というのは、今までなかったように思う。せいぜい花道くらいだろう。
せっかく面白いスタイルなのに戯曲はさほど練り込まれている感じがしなかった。だから本作自体が成功していたとは言えないが、次はもっと上手に工夫して挑戦してもらいたいと思う舞台だった。

UBUROI
マレビトの会
ギア専用劇場(京都府)
2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
無題
物語の内容は問題ではなく、演出が圧倒的だった。こんなヘタウマな芝居で、基本的に無表情で棒立ち、セリフ棒読み。多少動きがあるところでも操り人形のようにギクシャクした身振りだけ。本当に下手な役者たちがこれをやったら金返せレベルになるだろう。それでちゃんと観客を魅了する舞台ができているのだからたいしたものだ。
しかし残念ながらこれは一発ネタだろう。同じことを別の戯曲や役者がやっても面白くはない。本作を知らなければ楽しめるだろうが、基本的に二度使える手ではない。そういう意味で、本作を観られたのは幸運だったと思う。

レベッカ
東宝
帝国劇場(東京都)
2010/04/07 (水) ~ 2010/05/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
祝・帝劇版! 深みと幅がスケールがアップ!主人公"わたし"の自立・サクセス・ラブ・サスペンス・ストーリー。
避暑地で大富豪に見初められ結婚した"わたし"は、
亡き前妻レベッカの影と、夫の秘められた過去に
苦しみながらも立ち向かい、戦い、自立していく。
2008年、シアター・クリエで初演を観劇。
とっても良かった本作でしたが、
このたびめでたく帝国劇場バージョンに!
生フルオーケストラ(やっぱオペピが見えないと!)、
ヴァンダース夫人がダブル・キャストに、
豪華セットに本物の炎の効果、
歌曲の追加、
アンサンブル増員!
見事にグレードアップしました!
ヒッチコックの映画で有名な小説を原作にした
ミステリーがベースですが、
まだ若かった"わたし"(そう主人公には名前がない)
が、夫のために意を決して戦って、強くなり
大人になる、ラブ・ストーリーでもあるところが
このミュージカルの優れたところです。
大塚ちひろ さんの演技の変化が見所。
反撃に出るくだりが爽快。
山口祐一郎さんの、なよっとした伊達男ぶりもいい。
そして欠かせないのが、姿を見せないレベッカの
影を際立たせる、彼女のメイドで女中頭の
ダンヴァース夫人。
すべてにおいてレベッカ命の彼女の愛。
冷酷で無表情。
初演でもシルビア・グラブさんの演技が
だんぜん光ってましたが、今回、涼風真世さんも
ダブルキャストで担当。じめっ、として怖い。
来月、今度は、シルビア・グラブ版を観ます!

In The PLAYROOM
DART’S
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/04/27 (火) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇中虚構と劇中現実がシームレスにつながり観客を幻惑
劇中虚構と劇中現実が(いや、本当の現実までもが)クラインの壷の如くシームレスにつながり観客を幻惑させ、一旦謎解きをしてから複数回どんでん返しがあるのに破綻しないストーリーが鮮やか。
リピートしたいがコマがないのはつくづく残念。
初演を見逃したことも今さらながらに悔やまれる。

15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★
観て来ました。
やはり楽しかったですね。
個人的には時間堂が一番良かった。前に本公演を見た時はどうかなと思ったのですが、あの空気感は素敵でした。
全部の団体が良かったとはさすがに言えませんが、ハズレだなと思っても15分、次に期待すれば良いのです。

恋愛恐怖病
東京演劇アンサンブル
ブレヒトの芝居小屋(東京都)
2010/04/28 (水) ~ 2010/04/29 (木)公演終了
満足度★★★★
フランス映画のような短編
2日間・2班に分かれての公演なので1班しか観られないのかと思っていたら、45分の短編で、2班続けて上演されたので両方とも観ることができた。研究生の公演なので身内しか観に来ないのかと思ったら、通常の公演同様、満席だった。改めて、この劇団が地域の人々や、本物志向の演劇愛好家たちに愛されていることを知った。
また、岸田國士の未見の作品を観る貴重な機会に恵まれたことにも感謝。
「フランス映画」のような作品だと思ったが、岸田がフランスから帰国後に書いた作品。岸田國士は、わが国でまだ恋愛結婚自体が珍しかった時代の作家だ。劇の内容と岸田國士の恋愛観についてはネタバレで。

嫌われ松子の一生
ネルケプランニング
青山劇場(東京都)
2010/04/17 (土) ~ 2010/04/28 (水)公演終了
満足度★★★★★
愛に生き男に翻弄され続けた『松子』の壮絶な人生!小劇場で円形囲み舞台、ケレン味たっぷりの迫力演出、良かった!
全力で男を愛し、信じ続けるのに、次々に裏切られ続け、
堕ちて行く、松子の生涯!
「信じること」の大事さ、信じきれないとき、
一瞬の行き違いによって狂ってしまう人生が切ない。
裏切る男が許せない。
もどかしい!
でもこれだけ劇的な恋愛人生を精一杯生きれたら
と思うと、とってもうらやましい。
劇中で、絶望した松子は手近な木片を拾うのですが
それが十字架の形をしている。
(チラシ参照)
ある男も言っていた、松子は「神様」だと。
純真過ぎる彼女に自分なんかには近寄れないと。
ショッキングな展開の「ポイント」では、
大音量の歌・音楽、照明、ケレン味たっぷりの演出が
小劇場しかも円形囲み舞台ならではの迫力で
めちゃくちゃ気持ちいい!!
もっとあってもいいくらい。
・・・良かったです。
今回も、あれだけ話題になった映画(中谷美紀)も
ドラマ(内山理名)も原作小説も未経験という不勉強な私です。
申し訳ありません。
大堀こういち さんは、ドラマ「ケータイ刑事シリーズ」の
だめだめでハチャメチャなところしか知らなかったのですが、
松子の同僚トルコ嬢と、善人風の床屋の店主と
どっちもまじめな役でした。(トルコ嬢だけど。)
なんと、劇団健康(現・ナイロン100℃)旗揚げ
メンバーだったんですね!知らんかった!