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ジェノサイド

ジェノサイド

演劇サムライナンバーナイン

テアトルBONBON(東京都)

2010/04/14 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度

難しい
もっとわかりやすいお芝居が好きです。
役者さんは一生懸命なのに、残念です。

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

風琴工房

ルーサイト・ギャラリー(東京都)

2010/04/26 (月) ~ 2010/04/29 (木)公演終了

満足度★★★★

桜-和服の所作に気配りが必要
今回の公演、カフェのスタッフの女性は全員和服姿で、マダムは女優が日替わりで勤めていたようだ。なかなかよいアイディアですね。
和服を着たときの立ち居振る舞いというのは本当に難しい。
今回、お客の中にも和服姿の若い女性がいたが、席に着くと、みな正座ができないらしい。訪問着を着て、体育座りをして観ているのには絶句した。
いくらきれいな着物を着ても、これでは着物が泣く。興ざめである。昔から「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」って言うでしょう。和服を美しく着こなすには、着ただけではダメ。まずは正座の練習から始めないと(笑)。
小劇場でも時代劇が増えてきたが、役柄、年齢によって所作も違うが、出来ている女優はほとんどいない。わたしが小劇場の時代劇を観たくない理由もそこにある。そのへんのことをネタバレでも述べてみたい。「濹東綺譚」の項で。

ネタバレBOX

「寡婦」。モーパッサン原作だが、華族令嬢の話に置き換えている。令嬢が問わずひとり語りで、血の繋がらない甥の弦(ゆずる)との悲恋を回顧する。
この令嬢は未婚で寡婦という設定。寡婦といっても、心の妻だったのですね。何やら最近のフジの昼ドラみたいな話。松木美智子は青海波の総模様の振袖姿が美しい。
鉄仮面のように無表情な女中の上野理子がいい。弦の五十嵐勇は背が高いせいか、猫背で姿勢が悪いのが残念。姿勢が悪いと高貴な役に見えないし、和服は着映えがしないのだ。
「濹東綺譚」。客の大江は青年団の芝居でもおなじみの篠塚祥司。こういう役は彼のように年のいった俳優でないと無理だろう。良い配役だ。上野のマダムは、「寡婦」の女中とは正反対で饒舌な役だが、生活感を出すのには、ちょっと演技がぎこちなかった。雪の津田湘子は、商売女の色気がないので玉ノ井の女には見えない。どう見ても、この芝居は女子大生のアパートを訪ねた援助交際の中年男といったふうだ。蚊帳を吊る後姿ももっと肩の線に気をつければきれいに見えるのに。結果、雪の所作が気になって、芝居として楽しめなかった。
女郎は、腰で立つといい、外股で歩くのが所作の決まり。たて膝や体育座りも実は女郎特有の仕草で、私などは家の中でうっかりこれをやると、「はしたない」と母に膝をパチーンと叩かれたものです。ラブシーンでも、和物は上からガバッと抱きついては色気が出ない。下、斜め横から抱きつくのですよ。「濹東綺譚」のような芝居は、そういう所作ができていないと無理です。
五十嵐勇の小僧は庶民の役なので、猫背でもまあ、よいでしょう。
レトロな芝居は、演出とは別に、所作指導や時代考証が必要。きちんとやれば、深みが違ってきます。総ざらいのときにチェックしてあげたら、だいぶ違ってきたと思う。
豊田四郎監督の映画「濹東綺譚」でも観て、学んでください。山本富士子のお雪をお手本に。あれが玉ノ井の女ですよ。
和物の所作に自信のない劇団のかたは、無料で教示しますので、私までご連絡ください(笑)。
次の「おるがん選集」の際、せめて、わたしが所作のお手本に集めた美人画画家の小説挿絵のコピーでも差し入れましょう。



THE LEFT STUFF

THE LEFT STUFF

Piper

本多劇場(東京都)

2010/04/10 (土) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★

なかなか面白かった
相武紗季ちゃん、舞台栄えするね。
こう言ったコメディー風のお芝居は、良い感じの印象がありました。

ネタバレBOX

お芝居全体が上手く出来すぎていて、テレビみたい。
職員室

職員室

U-1グランプリ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/04/24 (土) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

満足度★★★

なるほどね。
野波麻帆さんの一人芝居部分が最高に良かった。

ネタバレBOX

全体的にはありきたりのギャグばかりで、新鮮味は無かった。
In The PLAYROOM

In The PLAYROOM

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/04/27 (火) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★

疲れた…
近すぎて、緊迫しすぎて、ちと疲れました。

ネタバレBOX

シチュエーションは昼間ですが、夜観た方が良い感じの芝居でした。
でも、もう少ししかないですが。。。
ピースピットVOL.11 『MOTHER』 緊急追加公演 in HEP HALL

ピースピットVOL.11 『MOTHER』 緊急追加公演 in HEP HALL

ピースピット

HEP HALL(大阪府)

2010/04/16 (金) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

大阪の誇り
3月の應典院公演を観て、追加公演に演劇初心者の友だちを誘いまくって観劇。そろってみんな「連れてきてくれてありがとう」といってくれた。そんな芝居。小劇場の公演は残念ながら普通に生きていてそうそう出会えるものではない。でも小劇場には素晴らしい世界が確実にある。だからたくさんの人に出会って欲しい。人生史上初めてそう思わせてくれたカンパニーだ。

ミッション女・プロジェクト男

ミッション女・プロジェクト男

よしもとクリエイティブ・エージェンシー

駅前劇場(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/03 (月)公演終了

満足度★★★

ダイハードな二人
脚本が上田誠なのでネタ的にはヨーロッパ企画のSFものに近いんだけど、二人芝居なのでネタの濃縮度が高まっている。「一難去ってまた一難」とはまさにこの芝居のための言葉。それに比例するように役者二人の発汗量がこれまたすごい。上着だけでなく、ズボンにまで汗のしみができていた。これもある意味で見所かも。
福田転球という役者は、アドリブ命みたいなところのある人なので、この芝居でもいろいろやっていたし、相方の平田敦子もかつてサモ・アリナンズの芝居で、アドリブが飛び出す雰囲気には慣れている。
上田誠のギャグセンス豊かな脚本と、福田・平田の丁々発止な演技がいい具合にミックスして、汗だくの舞台とは対照的に、客席にはリラックスした笑い声が響いた。

ネタバレBOX

テレビゲームの画面みたいな映像がとても効果的で、空間的にものすごく広がりが感じられた。舞台装置もかなり作りこまれていて、しかも単なる装飾ではなく、どの部分もちゃんと話に絡んでいる。

それにしてもいろんな危機があったなあ。マザーコンピュータとの戦い、多数の小型ロボットによる襲撃、巨大な蜘蛛型ロボットの出現、レーザービーム、バイオタワーの崩壊によるスライム?の流出、核融合なんとかの異常による高熱化、宇宙空間に投げ出され、エイリアンの宇宙船に拾われ、エイリアンの卵を体に産み付けられ、エイリアンの棲む星を目指すべくコールドスリープに入らんとするところで、to be continued だって。

15 Minutes Made Volume8

15 Minutes Made Volume8

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★

企画自体には今回も敬服
前回から観始めた、15Minutes 、興味ある劇団を一挙に知ることのできる良い機会です。今回は、いつも見逃してばかりいる国道五十八号線に興味があって、行きました。
ところが、残念ながら、そちらにはあまり好感が持てず、逆に、あまり興味なかった劇団を追いかけたくなりました。
時間堂の演目は、ある仕掛けが施されていたらしいのですが、出演者から、そのネタバレを聞かされた息子から話を聞くまでは、私には全く気付けなかった仕掛けでした。何故気付けなかったかは、ネタバレにて。

たとえ15分でも、その劇団の色やエキスは伝わるので、この企画、本当にありがたく思います。
できる限り、続けて頂きたいと思いました。

ネタバレBOX

国道五十八号線…脚本も特に目新しさはなく、役者力は不足していて、一番楽しみにしていただけに、かなり肩透かしを食いました。本公演に行ってみたい意欲がかなり削がれてしまいました。

芋屋…こういうテイスト、大好きです。役者さんも、総じて皆いい!!特に、美香役の桑原さんの酔っ払い振りと、気の小さい草食系男子、斉藤役の磯矢さんの人の良さそうな雰囲気が、申し分ない役作りで、感心。コント的雰囲気作りに一役買う京ちゃん役の鈴木さんの軽妙な演技も魅力でした。是非、本公演にも行ってみたいと思います。

時間堂…「月並みなはなし」の時にも、違和感を覚えましたが、今回はもっと受付ませんでした。脚本も、演出も、役者も、何をどう見せたいのかが、私には不明。ただただダラダラ続く会話にイライラするばかり。そんな中、競泳水着の大川さんだけは素敵な雰囲気のある女優さんで、彼女が出演して下さったことが、最後まで、目を背けずに観られた要因だった気がします。
後で、聞いたところでは、登場する二組のカップルは、同一カップルの過去と現在の姿だったとか!!私には、全く気付けない仕掛けでした。男性二人はルームシェアしている同士だとばかり思っていました。
そう言われてみれば、確かに、女性は、お菓子作りの話をしていたし、2人の男性は、女性に聞いたおまじないの言葉「マカロン…」を口にしていました。でも、それでも尚、この二組を同一人物なんて思いようがありませんでした。
何故なら、二組のキャストがあまりにも似ても似つかないから…。そういうことを客に気付かせるには、仕草を同じにするとか、雰囲気だけでも似たキャステイングにするとか、もう少し工夫が必要な気がします。その上、この日は、そのネタバレになる台詞を黒澤世莉さんがお忘れになったらしく、残念ながら、作者の趣向には気付けずじまいでした。それに気付けたら、もう少しだけ、好印象だったのかもしれません。

Mrs.fictions…こんな素敵な企画を実行に移して下さる、ありがたい劇団なので、正直な感想を書き辛いものの、ここの芝居は、評価対象外でした。前回も、よくわからなかったけれど、今回はそれ以上。Dさんが、なかなか味のある演技をされる方だということだけは、わかりました。

PLAT-formance…名前も知らなかったこの劇団、個人的には、一番注目したい団体でした。芝居ではなく、コントの部類だけれど、脚本も演者も、もっと成長する可能性をたくさん持っている感じがして、今はまだ未完成だけれど、磨けば光る原石のような、楽しみを感じました。安藤さんと吉田さん、瞬時に何役も変わるけれど、登場人物の数だけ、役者さんがいるかのように、見事に錯覚をさせて下さいました。お2人とも、役者さんとしての華もあるし、本公演を観てみたくなりました。

TOKYO PLAYERS COLLECTION…ここも知りませんでしたが、競泳水着の上野さんが始められた新ユニットなんですね。可もなく不可もなくの印象。中西役の富永さんの演技が秀逸で、彼女ばかり目で追いかけてしまいました。劇作家としての上野さんの着眼点には、今回も敬服。楽しみな作家さんであることは確かです。
15 Minutes Made Volume8

15 Minutes Made Volume8

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★

こういうのが増えると嬉しい
一度でいくつものグループを観れるというのは素敵です。中身も、1本目以外は魅力ありました。役者さんで光る方がほぼ居なかったのが残念。 時間堂、組立は素朴でシンプルで素敵なのに、役者さんの演技にガッカリ。主催が一番飛んでて笑いました。いつもこんななのか。 PLATformance、とても好みでした。音、照明、2人の動きがたまらなかった。
これからも楽しみにしています。

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

風琴工房

ルーサイト・ギャラリー(東京都)

2010/04/26 (月) ~ 2010/04/29 (木)公演終了

満足度★★★★

藤-風情のある会場にて
ルーサイトギャラリーのことは以前、TVの情報番組で知ったが、詳しく場所が紹介されず、開館されていない日もあるとのことだったので、行く機会もないままになっていた。今回おるがん選集の会場がそこと聞いて、大変嬉しく、早速予約した。
建物の持ち主だったという芸者さんは元祖美人歌手の市丸姐さんのことだった。お若いかたは市丸という芸者歌手をご存知あるまいが、わたしは生の歌も聴いたし、一度だけお会いしたこともある。父の学生時代の友人がレコード歌手をやっていて、その人のスポンサーが市丸さんとも親しく、うちの隣家に住んでいた関係で、リサイタルのお祝いに行った。そのとき、市丸さんがゲストで来ていた。昭和32,3年ごろだったと思う。当時、わたしが熱中していたのは日本髪の女性の絵を描くことだったため興奮して、楽屋の艶やかな市丸さんの傍を離れず、市丸さんは自分の簪を抜いてわたしに見せながら、「お嬢ちゃんはよっぽどこういう物が好きなのねぇ。大きくなったら、いくらでもお着物着れるし、簪も付けられるわよ」と言われて期待に胸がふくらんだものだ。そんなことを併設のカフェで懐かしく思い出していた。
今回は、桜、藤、両公演とも続けて観劇した。まずは「藤」から。

ネタバレBOX

太宰治の「親友交換」。太宰がモデルであろう津島(浅倉洋介)という作家が、終戦直後、田舎に帰っているところへ、幼馴染だと言ういけずうずうしい男・平田(好宮温太郎)がふらっと現れ、支離滅裂なことを言い散らかし、応対を強要した津島の奥方(松木美智子)にも悪態をつき、ウィスキー、毛布、金、タバコ、いろんなものを略奪同然に受けとり、酔っ払って帰っていく。
結局、平田は金や酒を無心しに来たのであり、津島の旧友というのもたぶん口から出まかせなのだろう。しかし、終戦直後のどさくさにはこういうでたらめな嘘を言って縁もゆかりもない他人の家に上がりこみ、「押し借り」という悪事をはたらく者が多かったという。それほど、終戦は世相が混乱していたということである。終戦からだいぶたった私の幼いころでさえ、こういう輩はいて、家にもやって来た。父の知人を装って戦時中の話をし、事情を知らない母が金品を渡してしまったこともあった。
好宮は、こういう「どさくさ男」のうす気味悪さをよく出していたが、時折、ふとした瞬間にこの役ではなく、現代人のような表情をしてしまうのをわたしは見逃さなかった。残念。玉に瑕です。
浅倉は、この時代の人物がとてもよく似合っていた。
カフカの「流刑地にて」。判決文の紙を機械の中にセットすると、自動的に罪状を囚人のからだに刻み付けたうえで殺害するという「人の胴体型」をした実に残酷な死刑執行の機械の話。
流刑地を訪れた旅人=外国の皇太子殿下(五十嵐勇)と従者(松木美智子)は、そこの裁判官だという将校(浅倉洋介)から、その機械の説明を受ける。機械はこの国の前司令官が考案・施行したものだという。
将校は殿下に処刑を見学するように頼むが、殿下はこの刑罰制度に反対の考えを述べる。全否定されたと解釈した将校は刑の執行を待っていた囚人(好宮温太郎)を放免し、手に持っていた「正義をなせ!」という判決文の紙を機械部品にセットし、機械のある別室に入っていく。たぶん、機械の中に入り、自らの刑を執行したのだろう。
この芝居のもうひとつの主役はこの機械の立体設計図。詩森さんによれば、専門家に製図してもらったそうだ。著作権料の関係でダメだったのかもしれないが、願わくば、当日のお土産台本に図版として入れてほしかった。
役名は「旅人」とは言え、軍服の将校、ジャケットを着た従者に比べ、殿下の衣装だけがいまふうのニット・カーディガンというのが気になった。ミリタリー調の感じを出すマオカラーのジャケットでも着てほしかった。
15 Minutes Made Volume8

15 Minutes Made Volume8

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★

6編の配置が絶妙
前半は動きのある絵2枚の後に静物画、後半はコメディ、コント、本格短編、という6編の配置が絶妙。
もちろんそれぞれ特色があって各編とも面白かったが、トリである印象深さもありTPC(じゃなくてトープレ、トーコレ?)が特に好きかも。

ネタバレBOX

意表をつく擬人化(笑)も含めて「東京というもの」を15分のワク内で鮮烈に描き出していたと思う。
奇妙奇天烈ファンシーハウス in大阪 (公演日は24日!15時と19時からです!!)

奇妙奇天烈ファンシーハウス in大阪 (公演日は24日!15時と19時からです!!)

劇団ぎゃ。

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2010/04/10 (土) ~ 2010/04/11 (日)公演終了

無題
 女の子4人による楽しいコスプレ芝居を観たつもりで帰りましたが、うまいことごまかされて本質を見逃していたことに2日経ってから気づきました。怖い話です。

 ネタバレになるので詳しい内容は語りませんが、親子(母娘)関係の暗い面をさんざん見せつけられて、最後に与えられる小さな救いにすがりたくなる物語でした。

 毒々しい内容が軽いノリで演じられていました。でもやっぱり楽しい観後感です。福岡の劇団なので大阪ではなかなか観られないと思いますが、今回観られて良かったと思います。

モテハン・オンライン

モテハン・オンライン

ファントマ

ABCホール (大阪府)

2010/04/03 (土) ~ 2010/04/05 (月)公演終了

無題
 「ダメ男が波乱万丈のバーチャル世界で鍛えられて、現実世界でもちょっとだけ成長する」という構図はまあベタですがお約束としてありでしょう。現実・バーチャル・回想シーンなどが交錯しますがわかりやすく表現されており、エンターテイメントとして楽しめました。

 ただ2階席で舞台から遠かったため、なんだか楽しい雰囲気の場所を遠くから眺めているような感覚になってしまうことが何度か。1階席が盛り上がっているのに2階席はそれほどでもなかったりしたので、やはり距離は大事だなと思いました。

教育

教育

夕暮れ社 弱男ユニット

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

無題
 物語の内容はどうあれ、この作品のチャレンジは舞台配置に尽きる。スペースの中央に客先が四方を向いて組まれ、役者はその周囲をぐるぐる回りながら演技し続ける。

 ひたすら回り続けているので役者は体力勝負だろう。しかし細かい演技はほとんどなく、セリフだけで語られているに等しい。いや、細かく演技していたのかもしれないが、全体の三分の一くらいしか視界に入らないので、よくわからない。

 この舞台配置をとることで何が得られたのか。当人達は色々狙ったことがあったのだろうが、本作について言えばアイデア倒れな感が否めない。物語としては“客席を中央にしてぐるぐる回る”というスタイルで見せる必然性もないし、観客としてはどのみち全体が見えないのだから眼前の役者も見る必要を感じなくなり、むしろ全体の「音」を聴くために目を閉じてしまった。

 とは言え、このアイデアは一発ネタではない。上手に発展させれば色々なことができるのではないか。偏った視界になるのは円形劇場だって同じことなのだ。どうせならぐるぐる回ったりせず、本当に一部しか見えない作品にしても良かったのではないか。

 しかも全体を見ることができないと言ってもこのスタイルなら、振り返れば真後ろ以外は見える。客が能動的に動かなければ見えないし動けば見える舞台というのは、今までなかったように思う。せいぜい花道くらいだろう。

 せっかく面白いスタイルなのに戯曲はさほど練り込まれている感じがしなかった。だから本作自体が成功していたとは言えないが、次はもっと上手に工夫して挑戦してもらいたいと思う舞台だった。

UBUROI

UBUROI

マレビトの会

ギア専用劇場(京都府)

2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

無題
 物語の内容は問題ではなく、演出が圧倒的だった。こんなヘタウマな芝居で、基本的に無表情で棒立ち、セリフ棒読み。多少動きがあるところでも操り人形のようにギクシャクした身振りだけ。本当に下手な役者たちがこれをやったら金返せレベルになるだろう。それでちゃんと観客を魅了する舞台ができているのだからたいしたものだ。

 しかし残念ながらこれは一発ネタだろう。同じことを別の戯曲や役者がやっても面白くはない。本作を知らなければ楽しめるだろうが、基本的に二度使える手ではない。そういう意味で、本作を観られたのは幸運だったと思う。

レベッカ

レベッカ

東宝

帝国劇場(東京都)

2010/04/07 (水) ~ 2010/05/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

祝・帝劇版! 深みと幅がスケールがアップ!主人公"わたし"の自立・サクセス・ラブ・サスペンス・ストーリー。
避暑地で大富豪に見初められ結婚した"わたし"は、
亡き前妻レベッカの影と、夫の秘められた過去に
苦しみながらも立ち向かい、戦い、自立していく。

2008年、シアター・クリエで初演を観劇。
とっても良かった本作でしたが、
このたびめでたく帝国劇場バージョンに!

生フルオーケストラ(やっぱオペピが見えないと!)、
ヴァンダース夫人がダブル・キャストに、
豪華セットに本物の炎の効果、
歌曲の追加、
アンサンブル増員!
見事にグレードアップしました!

ヒッチコックの映画で有名な小説を原作にした
ミステリーがベースですが、
まだ若かった"わたし"(そう主人公には名前がない)
が、夫のために意を決して戦って、強くなり
大人になる、ラブ・ストーリーでもあるところが
このミュージカルの優れたところです。

大塚ちひろ さんの演技の変化が見所。
反撃に出るくだりが爽快。
山口祐一郎さんの、なよっとした伊達男ぶりもいい。

そして欠かせないのが、姿を見せないレベッカの
影を際立たせる、彼女のメイドで女中頭の
ダンヴァース夫人。
すべてにおいてレベッカ命の彼女の愛。
冷酷で無表情。
初演でもシルビア・グラブさんの演技が
だんぜん光ってましたが、今回、涼風真世さんも
ダブルキャストで担当。じめっ、として怖い。

来月、今度は、シルビア・グラブ版を観ます!

In The PLAYROOM

In The PLAYROOM

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/04/27 (火) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇中虚構と劇中現実がシームレスにつながり観客を幻惑
劇中虚構と劇中現実が(いや、本当の現実までもが)クラインの壷の如くシームレスにつながり観客を幻惑させ、一旦謎解きをしてから複数回どんでん返しがあるのに破綻しないストーリーが鮮やか。
リピートしたいがコマがないのはつくづく残念。
初演を見逃したことも今さらながらに悔やまれる。

15 Minutes Made Volume8

15 Minutes Made Volume8

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★

観て来ました。
やはり楽しかったですね。
個人的には時間堂が一番良かった。前に本公演を見た時はどうかなと思ったのですが、あの空気感は素敵でした。
全部の団体が良かったとはさすがに言えませんが、ハズレだなと思っても15分、次に期待すれば良いのです。

恋愛恐怖病

恋愛恐怖病

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2010/04/28 (水) ~ 2010/04/29 (木)公演終了

満足度★★★★

フランス映画のような短編
2日間・2班に分かれての公演なので1班しか観られないのかと思っていたら、45分の短編で、2班続けて上演されたので両方とも観ることができた。研究生の公演なので身内しか観に来ないのかと思ったら、通常の公演同様、満席だった。改めて、この劇団が地域の人々や、本物志向の演劇愛好家たちに愛されていることを知った。
また、岸田國士の未見の作品を観る貴重な機会に恵まれたことにも感謝。
「フランス映画」のような作品だと思ったが、岸田がフランスから帰国後に書いた作品。岸田國士は、わが国でまだ恋愛結婚自体が珍しかった時代の作家だ。劇の内容と岸田國士の恋愛観についてはネタバレで。

ネタバレBOX

第一場。砂浜に腰をおろし、女は歌を口ずさむ。男は女に好意を持っている。女は「自分は男女の別なく、恋愛感情ではない友情を育むことが可能な人間なのだ」ということを男に伝える。
しかし、男に、突然、女は男言葉で話しかけながら接吻し、男は女の心をはかりかねた様子で動揺するが、女は冗談だと言う。男は走り去る。女はひとり声を出して笑うが、男のあとを追うように走り去る。
第二場。「男」と「別の男」が砂浜に腰をおろしている。「別の男」は、彼女は自分に異性としての感情を持った男性をことごとく拒絶し、二度と会わないのだ、実は自分もその一人だが、きのう彼女と結婚したのだと告げる。「女」はあのあと、砂浜で泣いていたという。そして、結婚後、トランプのハートをすべて破り捨て、自分に対してLOVEという言葉を決して口にせぬように命じたのだと言う。「別の男」は結婚で彼女の肉体は得たが、心は得られず、彼女の心は「男」のもとにあると言う。「女」はその想いを封印して「別の男」と結婚をしたのだ。「女」は「男」に自分も惚れたことで敗北したと思ったようだ。「女」は自分を異性として意識する「男」に対して、初めて愛を感じたが、「女」と「男」、互いに相手の裏の裏をかきあったのかもしれない、と「別の男」は「男」に言う。「別の男」は、「男」がほかの同級生たちのように自分を資産家で高額納税者の家のドラ息子として扱わなかったことで、「男」に好感を持ったのだと語る。「男」は当然だと答える。「別の男」が去ったあと、「男」の耳に女の歌声が幻聴として聴こえてくるところで「完」。
本作に、新聞の連載小説で、岸田國士のベストセラーとなった「暖流」との共通点を見出すことができて興味深かった。「暖流」で自ら身を引いた令嬢啓子が涙を見られまいと波打ち際で顔を洗う場面は有名になったが、自尊心が強い啓子は、本作の「女」を思わせる。しかも、芝居がかった啓子のこの仕草が、実生活ではドラマチックな恋愛をすることなくほとんどが見合い結婚していく当時の若い女性たちの紅涙を絞り、新しいタイプの行動的な女性像として憧憬を得た。「暖流」は映画化され、大ヒットし、当時まだ無名の若手だったのちの恋愛映画の巨匠・吉村公三郎の出世作となった。本来、前後編3時間の長編映画なのだが、松竹には2時間に編集したフィルムしか現存していないという。これも私が以前説明したように、TV放映の弊害の典型例と言えよう。「暖流」はその後も何度か映画、TVでリメークされ(近年も昼ドラで放送された)、時代に合わせて主役像が変化していったが「恋愛恐怖病」は、ヒロインの性格描写に「暖流」の原点が見てとれる。
「男」、「女」をそれぞれ研究生が演じ、別の男の役を劇団員の大多和民樹が演じた。芝居は、一班が本多弘典と川上志野、二班が坂本勇樹(劇団員)と天利早智コンビで、二班の芝居から始まった。
本多、坂本ともに、この劇団の男優らしく、実直で古風な味を持っている。坂本が端整で凛々しい正統派二枚目風なのに対し、本多はナイーヴな草食系男子っぽい感じ。女優は、天利は口跡が良く透明感があり、川上は中性的で少しコケティッシュな雰囲気があった。
今後、彼らがどんな俳優に成長していくのか、楽しみである。
天利はこの時代の良家の女性の言葉遣いの「・・・してよ」の語尾のアクセントがおかしく、命令形に聞こえてしまうのを気をつけてほしい。稽古のときに演出家は注意しなかったのだろうか。劇団員の大多和、坂本が先輩として研究生の芝居をしっかりと受け止める。大多和の演じる「別の男」により、この恋の全貌が語られ、男女の心理分析が行われ、2人の人間像が浮かび上がるという重要な役まわりで存在感を示した。
演出を担当したのは先輩俳優の松下重人。女優2人の演技をあえて抑揚のない棒読み調にしゃべらせることで、「女」のとらえどころのないミステリアスな性格を浮き彫りにしたのだろうか。
波の音が効果的で、いっそう「暖流」を想起させた。
およそ確たる恋愛観を持たず、恋バナに興味がない私にとっては、このような恋の駆け引きは複雑でよく理解できなかった(笑)。
風琴工房が「おるがん選集」で上演すると面白いと思い、先日、同劇団のアンケートでリクエストしておいた。
嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生

ネルケプランニング

青山劇場(東京都)

2010/04/17 (土) ~ 2010/04/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

愛に生き男に翻弄され続けた『松子』の壮絶な人生!小劇場で円形囲み舞台、ケレン味たっぷりの迫力演出、良かった!
全力で男を愛し、信じ続けるのに、次々に裏切られ続け、
堕ちて行く、松子の生涯!
「信じること」の大事さ、信じきれないとき、
一瞬の行き違いによって狂ってしまう人生が切ない。
裏切る男が許せない。
もどかしい!
でもこれだけ劇的な恋愛人生を精一杯生きれたら
と思うと、とってもうらやましい。

劇中で、絶望した松子は手近な木片を拾うのですが
それが十字架の形をしている。
(チラシ参照)
ある男も言っていた、松子は「神様」だと。
純真過ぎる彼女に自分なんかには近寄れないと。

ショッキングな展開の「ポイント」では、
大音量の歌・音楽、照明、ケレン味たっぷりの演出が
小劇場しかも円形囲み舞台ならではの迫力で
めちゃくちゃ気持ちいい!!
もっとあってもいいくらい。
・・・良かったです。

今回も、あれだけ話題になった映画(中谷美紀)も
ドラマ(内山理名)も原作小説も未経験という不勉強な私です。
申し訳ありません。
大堀こういち さんは、ドラマ「ケータイ刑事シリーズ」の
だめだめでハチャメチャなところしか知らなかったのですが、
松子の同僚トルコ嬢と、善人風の床屋の店主と
どっちもまじめな役でした。(トルコ嬢だけど。)
なんと、劇団健康(現・ナイロン100℃)旗揚げ
メンバーだったんですね!知らんかった!

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