最新の観てきた!クチコミ一覧

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月夕~GESSEKI~(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

月夕~GESSEKI~(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

どて劇団

テアトルBONBON(東京都)

2010/05/19 (水) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

引き込まれた!
見ているうちに引き込まれ、まんまと泣かされ(笑)最後は衝撃。
観て良かったです!
各々のキャラクターにも愛着がわきます。

永遠の夏休み

永遠の夏休み

劇団CANプロ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2010/05/11 (火) ~ 2010/05/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

とても良かったです!!
とにかく、生内香織さんの脚本が素晴らしい!!

少女期の友情と大人の友情をサスペンス仕立て、ホラー仕立てで作られていて最高でした。

ネタバレBOX

ラストシーンが秀逸でした!

現実と夢想の世界がシンクロしている様は不思議な感覚を呼び起こしました!

過去と現在、実際と小説の中身、それに夢想が展開します。暗転する度に、次はどのようなシーンになるのかとワクワクしました。

女友達4人の2対2の組み合わせが微妙に変わったり、また戻ったりして、面白かったです。

君ちゃんの文学的表現も素敵です。

あの「きゃーー!」は最高のきゃーでした。

ただ、一部の俳優さんの台詞回しに、少し稚拙なところが見受けられたのは残念でした。
月夕~GESSEKI~(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

月夕~GESSEKI~(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

どて劇団

テアトルBONBON(東京都)

2010/05/19 (水) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

想像を絶する結末
今までの観劇人生の中でこのような始まりの暗転があっただろうか?終盤になって序盤に撒かれた伏線が想像を絶する結末への仕込みだったことに気付き、愕然とする。その描写はあまりにも強烈だった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

聡と光一は工場の社長に給料未払いの抗議をしている場面から舞台は始まる。しかし舞台は真っ暗で何も観えない。3人の争う声と、光一の妹・夕貴の恐怖の声しか聞こえてこない。そして金属バットを叩きつける音。絶叫する声。泣き叫ぶ声。人が倒れる音。そして入り乱れる声。声。声。

このように目の前の抗いを声だけの演出でのみ表現する方法は実に効果的だと思う。目の前で起こっている状況を声を頼りに想像するしかないからだ。そうして誰もが、聡が社長を殺してしまったかのように想像した。

その事件から15年たった今、刑務所から出所した男は光一だった。この時点で光一が聡の身代わりになって服役していたかのように思わせる。やがて光一は服役後、故郷に帰ると状況は一変していた。かつての自分たちの仕事を奪ったナルミグループの御曹司との結婚を控えた妹。そしてその妹は光一の元恋人・香奈枝の現在の男を「お兄ちゃん」と呼ぶ。

15年前の真実を知る幼なじみの聡は真実を打ち明けてしまいたそうな表情をするも光一はこれを止めて頑なに秘密を守る。そして光一は妹の結婚の邪魔にならないよう、他人のフリをして生きることを決意するのだったが、そこにかつての刑務所仲間の男が現れてから、一気にデンジャラスな香りが漂い始める。

さまざまな真相や人間関係が霧が晴れたように明らかになっていく中、一番のクライマックス、15年前に社長を金属バットで殴り殺してしまったのは当時4歳だった夕貴だったのだ。序盤に撒かれた伏線が魔術のように繋がる瞬間だ。

後半から終盤にかけてのさまざまな人間関係の描写は涙なしでは観られない。誰かを守るということ。誰かを思いやるということ。想うだけで愛しさが溢れるということ。その人がこの世に生きているというだけで癒され安心し満たされるということ。大切な誰かがこの先悲しみに泣くことのないように全ての涙を吸い取りたいと考えること。

これらの描写は目の前に広がる想像の海のごとくキラキラと眩しく輝いていた。波の音も潮の香りもあまやかにさえ思える。優しげで温かみがあって愛情に満ちていた舞台だった。
そうしてワタクシの目には、うっすらとガラスの膜がかかったようにとめどもなく涙が張られるのだった。その波に揺らぐ舞台の幕引きはあまりにも美しい。

Do!太宰

Do!太宰

ブルドッキングヘッドロック

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2010/05/14 (金) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

古くて新しい物語、大きな演劇
演劇ならではの時空間の仕組みを利用した“手法”で、あたらしさや面白さを提供することが、演劇界のひとつのトレンドになっていたような気がする昨今。

でも、今回のこの作品はしっかりとした物語の中で、オリジナリティも現代性も、そして、演劇ならではのダイナミズムも実現していたと思います。

こういった「物語」の中でさまざまな試みに挑戦することの潔さには今ドキなかなか出会えなかったという気もします。2時間20分(休憩なし)の長尺もさほど気になりませんでした。



ネタバレBOX

太宰(と思われる男)の葬式に漫画家が友人として参加していたりと、現在の日常を生きる人々と太宰作品の世界を自然につないでいく手つきは、観客を気持ちよく作品の流れにのせてくれます。

太宰らしき男とその作品の登場人物たち、読者、書き手である喜安さんの作品の登場人物、そして現代を生きる漫画家と周辺の人々……が、入り乱れる構造は、ポップに軽やかに、「太宰治の作家像」を超え、やがて「創作することの意味」にたどりつきます。


独特のナイーヴさとそれを自ら相対化しウジウジする小心ぶり、そんな自分が大好きなナルシシズム……太宰治という人のさまざまな側面(それは一つでもあるけれど)は、多かれ少なかれ、誰もが持っているもの。だからこそ読者たちは「私のことを書いている」と口々に言うのでしょう。

作中では作品=排泄物といった表現が登場しますが、その発言にこそ私は作り手の大いなる自信を感じもしました。

ラスト、どこまでメッセージをハッキリ出すのか――ということに関してはきっと、好みの分かれるところかもしれませんが(あまり言わないのも、かえってあざといとは思いますし)……いずれにせよ、「今、ココで演劇をする/観る」ことの意味をしっかり示した作品だったと思います。
甘え

甘え

劇団、本谷有希子

青山円形劇場(東京都)

2010/05/10 (月) ~ 2010/06/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

変わることを望みながら
変われない人たちの物語。

小池栄子は熱演でしたね。 危うい位にピュアで世間を知らない、
知らず知らずの内に破滅に向かっていってしまう「ジュン」という
役柄を正面から演じ切っていたように思います。

水橋研二の、どこか壊れてしまったような、虚無的な雰囲気を
湛えた「先輩」役も良かった。 余談ながら、この作品ではこの人が
一番可哀想な気がする。

ネタバレBOX

頭が良いのに世間と繋がれず、結果ズレてしまっているばかりか、
それが自分の純粋性にあるのだと思い込んで、全然問題の本質には
「気づけていない」ジュン。

汚れている周囲、自分が好きだと思い込んでいるのに、実はひそかに
そこから抜け出したいと願いつつ、素直にはなれない先輩。

そんな二人は甘えあいつつも、結局は理解しあえない・・・。

ジュンは家に戻らず、雀荘でそのまま働き続けていればよかったのに。
そうすれば気づく事もあっただろうに、最初から最後まで思い込みが
あったので、結局破滅からは抜けられなかった。 救いは無いです。

前から思っていたけど、本谷さんは「生真面目で純粋、非常に
道徳的な」人だと、今作を観て感じました。 天然で不道徳な
雰囲気はせず、全部計算されているような。。

この作品、本谷さんが語るようには「不道徳」には思えなかった。 
むしろ、直球の悲劇。 全編通してすごくダークでしたね。。

最後、自分を夜這いしにくる男達の、雨だれのように鳴り響く
ノックの音の中、自分、男たち、観客に向けてポツリと放たれる

「私よ、禊がれろ!」

という台詞が今でも忘れられないです。 あの辺りすごく怖い。

賛否両論ありますが、本谷さんのターニングポイントとして記憶される
作品は、この「甘え」になりそうです。
マクベス-シアワセのレシピ-

マクベス-シアワセのレシピ-

THEATRE MOMENTS

シアターX(東京都)

2010/05/20 (木) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

そう来たか!マクベス!!
導入部から首根っこをつかまれて、オウオウとストーリーの中に連れて行かれる。マクベスを知っていようが、はじめましてであろうが、終わってみると
面白かったぜ!!と。

ジワーっと緊張してくると、エッとほぐされて、それが、なんと伏線になっている。という仕掛けがあって、うーん・・・もう一度観てみたいと思ったのは、私だけ?

笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

劇団三年物語

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2010/05/16 (日) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★

アドリブきつそうだったね
とは、劇場退出後。通りすがりに聞いた生ツィッターです。ええ確かに(^^)。
芝居上の状況説明が、各個人のモノローグで語られるのは、手抜き・・、
というか斬新でした。キャラがみなキチンとたっているので判り易かったです。でもその分内輪受けがチラホラ多かった気がしますが。


ネタバレBOX

一番受けたのが、お泊り記念日の再現シーンでした。
冷静な魔女さんのツッコミ入れながらの、他の人による当事者の行動再現。
うーむ笑えた。

3色ボタンの罠も、なかなかでした。

日常から、非日常へと。会社内での人間関係の対比や。
個性的なキャラ達の各反応。

ただ、罠の発動や。その対応。解除の方法や、説明など。
結構雑みがあって、役者さんの演技に寄りかかりすぎている感じがしました。
各エピソードのボリュームなど、メリハリのつけ方が甘いかなーって
感じがしました。でタイトルの「きつそうなアドリブ」に繋がりますね。



笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

劇団三年物語

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2010/05/16 (日) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回も笑いました♪
笑い所満載でした。
笑って笑って、だけどそれだけではなく刺さるようなメッセージが込められています。
次々にでてくる魅力的な登場人物たちによってオソロシイはずの罠が笑いに変わってしまったりするのも3年物語のパワーかな☆と思いました。

谷山浩子 Presents うさぎと猫の芝居小屋 Vol.1 第1話『不思議なアリス』/第2話『真夜中の太陽』

谷山浩子 Presents うさぎと猫の芝居小屋 Vol.1 第1話『不思議なアリス』/第2話『真夜中の太陽』

うさぎと猫の芝居小屋

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2010/05/19 (水) ~ 2010/05/22 (土)公演終了

満足度★★★★

女の子がいっぱい
女優さんたちの変わりっぷり、見事です。同じキャストと言われても、にわかには信じられない、全然毛色の違う2本。あ、しゃれのつもりはなかったのに自分で気付いてしまいました。そのまんまですね。

ラフカット2009で一度観ていた『真夜中の太陽』ですが、またしてもウルッと。やられました。

ネタバレBOX

数学苦手とおっしゃりつつ、YouTubeからあんな摩訶不思議な命題と証明をみつけたという、作家の工藤さんの終演後の裏話も楽しかったです。
赤い薬

赤い薬

MONO

HEP HALL(大阪府)

2010/02/19 (金) ~ 2010/02/28 (日)公演終了

満足度★★★★

大人の面白さ。
なんてことはないが、いい感じ。

ダメダメサーカス

ダメダメサーカス

ミジンコターボ

HEP HALL(大阪府)

2010/01/21 (木) ~ 2010/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

力のこもったファンタジー。
http://happy-cycle.jugem.jp/?eid=250

「やすしくんへ」

「やすしくんへ」

RISU PRODUCE

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2010/05/14 (金) ~ 2010/05/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

安心して見られます。
RISU PRODUCEは好きな劇団です。

役者の力量が高い。
ストーリーも面白い。
見せ方も面白い。

考えさせられるものがある。

おすすめです。

笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

劇団三年物語

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2010/05/16 (日) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり凄い
2回目を観て来ましたが、やっぱり凄い。

テンポの良い芝居で2時間を飽きさせないどころか、ストーリーが判っている分、表情の一つ一つに目を奪われます。

背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】

背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】

ヲカシマシン

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/05/19 (水) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

フラクタルスピード狂
三次元の布切れを、「かもしれなかった」四次元の糸でパッチワークした、100年弱の時間と神の視点。
言葉の濃度と、演出や構成や場所との関わり合い、それがどう舞台として立ち上がっているのか説明しようとしてもできない、挑戦を見届けたい人必見な舞台。
わざわざパンフの表紙にまで載せている「混乱しよう」の言葉の通りに、観客は言葉と時間空間の混乱に興じるのが吉。しかしそこで付いていくことと考えることをやめてしまってもおもしろくない。おもしろい舞台。

残念だったのは空間環境。ルデコの壁は音を反響させるので、せっかくのスピード(主に言葉)が四方八方に拡散してしまって、展開とは関係ない所に集中力を割かざるをえなかったのは観客としては大変だった。
「舞台上」の概念に挑む演出は全くルデコ向きだったので一概に会場設定を否定はできないのだが。

演技で特に眼に付いたのは作・演の橋口周公。「舞台」への入退場を含めた奇妙な佇まいが興味深かった。

どこまでもゆける

どこまでもゆける

水写

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/05/20 (木) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★

楽しいのは?
よくいえば、静かな
悪く言えば、単調な作品でした。

きっと役者さんたちは、仲が良いのだろうなと、観ていて思いました。
誰が楽しむ為の公演なのかと、素直に疑問に思いましたね。

私には、合いませんでした。

新・八犬伝

新・八犬伝

劇団Spookies

新宿シアターモリエール(東京都)

2010/05/19 (水) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★

そもそもが8人で…、
よっぽど長編にしようと思ったんですね。

その上、八犬士グループ、子孫グループ、…、…、総勢35人は凄い。客席は35人の知り合いで盛況!!

ネタバレBOX

ダメな若者に対して年寄りが大活躍する話かと思っていましたが、最後若者が自立する話でした。

八犬伝の時代から200年経って八犬士の末裔が跡を継いでいる一方で、当の八犬士が未だ生きていることが理解できず、ずーっともやもやしていました。

由井正雪の時代に設定したために無理があるのか、素直に60年後ぐらいにすれば良かったのにと思いました。
笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

笑う魔女の罠~Traps of the Laughin' Witch~

劇団三年物語

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2010/05/16 (日) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

2時間笑いっぱなし^^
ずっと笑ってました。
始まって~終わりまで、ずっと笑ってられるのもなかなかありませんw

舞台装置も素敵です。
またいっちゃいます^^

月夕~GESSEKI~(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

月夕~GESSEKI~(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)

どて劇団

テアトルBONBON(東京都)

2010/05/19 (水) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
かなりホロッとくる内容。出所した男に感情移入してしまうと、とても切ない。
と言うか、男性陣は、みんなつらくやるせなく胸がしめつけられる。

最後の所は「そうきたか!」と、まさかの展開にちょっとショック状態に・・・。

見終わった後は、優しい気持ちになるが、それ以上に切なさとショック状態が結構引きずられる。


KYな娘の役の子が、良い感じでアクセントになっていた。展開を間延びさせない、ある意味スパイスのような役割だったのを、上手く演じて、物語を引き立てていた。
今後は、この劇団とともに、この子にも注目していきたい。

どこまでもゆける

どこまでもゆける

水写

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/05/20 (木) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★

情感を紡ぐ芝居が心地良い
オムニバス形式の3部構成の舞台。
最初の場面では、素人っぽい演技の方が多く、付いて行けるか心配でしたが、3部まで観たら、結果オーライ。
かえって、その素人っぽさが、この芝居向きなのかもしれないと思えました。
どこにでもいる普通の人間生活の日常が、胸にスーっと染み渡ったラストシーンは、演技過剰な役者さん達では、紡ぎ得ない世界でした。
昔、私が子供達に読み聞かせた絵本の世界のような情感劇。
最後のシーンはスーラの点描画のようでした。
よく外国語映画賞の対象になるようなドキュメンタリータッチの映画では、撮影場所でオーディションで選ばれた素人さんがよく新人賞を受賞してしまったりすることがありますが、この舞台の役者さん達にも、そんな不思議な自然の魅力がありました。

ネタバレBOX

3部構成の1場は尾崎さんの作演、2場は森谷さん、そして3場は、お2人の共作のようでした。
3つの話は、独立形態を取りながら、関連づいていて、もたついた1場、2場より、圧倒的に3場が秀逸でした。
3場の、ハラハラと時折舞い散る青い葉っぱの美しかったこと!
粗筋で語れるタイプの芝居ではありませんが、どこか情感に伝わる、素敵なエンディングで、人間は、浅く広く誰かと関わりながら、また後世の人間にバトンを渡して、連関しながら、一生を終えるのだなあと感じられる、何だか、現代版「徒然草」や「方丈記」風の趣ある舞台でした。

ただ、見せ方では、やや疑問も感じました。1場の、テレビの報道番組場面は、後方の枠を使って見せた方が白けなかったのではと思いました。
でもでも、これ、旗揚げ公演の初日だということを想起すると、感嘆物です。
だって、誰も噛んだりしなかったもの。(お知り合いが、4人も御出演で、どうしても好意的になってしまいますが、でも、旗揚げでここまでできる劇団なんて、そうそうないですよね。)
背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】

背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】

ヲカシマシン

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/05/19 (水) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間の一生をハイライトで。
時々すれ違う複数人の一生を、リアルな事象と仮想現実のハイライトによって時空間移動を繰り返しながらレイヤー状に描くこの作品は、重なり合ったすれ違いを時々共鳴しているように思わせてくれる、嘘のつき方がとにかく秀逸。そして時空を超えても尚、デス(コミュニケート)っている人間の普遍的なオカシさを根底に踊らせながらも、しかしまずはどうしたって観客たちを混乱させてやるのだぞ、という特殊な意気込みで攻めてくるため、開演直後から超難解ウルトラC級の時系列シャッフルの嵐がアナタの脳天を直撃します。
頭のねじは、何本か吹っ飛ぶかもしれません。それにエンゲキの概念だって180度変わってしまうかも。
きっと、観るひとがこれまでどういう気持ちで生きてきたか。人生において何を重きとしているか。あるいは平凡と退屈と、不滅についてどう考えているか。によって極端に評価の分かれる作品になるかもしれない。
ちなみに私は、まんまと混乱に陥って頭のねじがぜんぶ吹っ飛んじゃった側。
時々、どばどばと垂れ流されるどうしようもない時間の帯にむせ返るような沈黙を密かに感じ。その緩急が何ともドラマティックで感動すらしたのだけれど。

ネタバレBOX

楕円形状に配置された観客席の後方にはイントレ(鉄パイプ)がぐるりと組まれており、客入れ時からイントレの一部に黒い服を着た男が抽象的なポーズをとってひっそりと誰かの影の存在のように静かに佇んでいる。

どうやらこの黒い服を着た男が、物語の鍵をにぎっているらしい。
彼は神だとおもえば神にもなれる存在らしい。
そんな風に浮世離れした男から物語の登場人物の紹介と、
この物語の時間や混乱することに関するルール説明を受け、スタートする。
なんだか一度間違えたら死んじゃいそうなゲームみたいだ。

物語は非常に多岐に及ぶ。乱雑であるといっても過言ではない。
時空間を自由に行き来する物語の点、モノローグする演者の言葉をなぞり
観客がそれぞれ想像上で造形し補完していくスタイル。

登場人物は、作品タイトルにもなっている、どちらかといえば背徳的な二股男・ハイチと、ハイチが二股をかけている末期ガン患者・ハイジ、視覚障害者・アイリの3人に、
ハイジの担当医・タミチ&タミチの奥さん。
この5人の視点が混ざり合い、循環しながら描かれる。
途中で話しが変化してくることも多々あるが、
それは嘘をついているのではなく、伝言ゲームの過程において
今言ったことが”たまたま”伝わらなかった偶然、という感覚に近い。

それでも彼、彼女らの言うことをすべて信じていると時々、
わからなくなることがある。
それは、例えば誰かに「ずっと好きだよ。」と言われたとして、
それを信じていいのかどうかわからない気持ちに似ている。

人と人とが完全に”すれ違う”時。
時折軋むような音が聞こえてくる瞬間があった。
その音を聞くためにすれ違うのかな、と思うと無性にオモシロオカシくなるのでした。

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