甘え 公演情報 劇団、本谷有希子「甘え」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    変わることを望みながら
    変われない人たちの物語。

    小池栄子は熱演でしたね。 危うい位にピュアで世間を知らない、
    知らず知らずの内に破滅に向かっていってしまう「ジュン」という
    役柄を正面から演じ切っていたように思います。

    水橋研二の、どこか壊れてしまったような、虚無的な雰囲気を
    湛えた「先輩」役も良かった。 余談ながら、この作品ではこの人が
    一番可哀想な気がする。

    ネタバレBOX

    頭が良いのに世間と繋がれず、結果ズレてしまっているばかりか、
    それが自分の純粋性にあるのだと思い込んで、全然問題の本質には
    「気づけていない」ジュン。

    汚れている周囲、自分が好きだと思い込んでいるのに、実はひそかに
    そこから抜け出したいと願いつつ、素直にはなれない先輩。

    そんな二人は甘えあいつつも、結局は理解しあえない・・・。

    ジュンは家に戻らず、雀荘でそのまま働き続けていればよかったのに。
    そうすれば気づく事もあっただろうに、最初から最後まで思い込みが
    あったので、結局破滅からは抜けられなかった。 救いは無いです。

    前から思っていたけど、本谷さんは「生真面目で純粋、非常に
    道徳的な」人だと、今作を観て感じました。 天然で不道徳な
    雰囲気はせず、全部計算されているような。。

    この作品、本谷さんが語るようには「不道徳」には思えなかった。 
    むしろ、直球の悲劇。 全編通してすごくダークでしたね。。

    最後、自分を夜這いしにくる男達の、雨だれのように鳴り響く
    ノックの音の中、自分、男たち、観客に向けてポツリと放たれる

    「私よ、禊がれろ!」

    という台詞が今でも忘れられないです。 あの辺りすごく怖い。

    賛否両論ありますが、本谷さんのターニングポイントとして記憶される
    作品は、この「甘え」になりそうです。

    0

    2010/05/21 08:55

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大