満足度★★★★★
人間の一生をハイライトで。
時々すれ違う複数人の一生を、リアルな事象と仮想現実のハイライトによって時空間移動を繰り返しながらレイヤー状に描くこの作品は、重なり合ったすれ違いを時々共鳴しているように思わせてくれる、嘘のつき方がとにかく秀逸。そして時空を超えても尚、デス(コミュニケート)っている人間の普遍的なオカシさを根底に踊らせながらも、しかしまずはどうしたって観客たちを混乱させてやるのだぞ、という特殊な意気込みで攻めてくるため、開演直後から超難解ウルトラC級の時系列シャッフルの嵐がアナタの脳天を直撃します。
頭のねじは、何本か吹っ飛ぶかもしれません。それにエンゲキの概念だって180度変わってしまうかも。
きっと、観るひとがこれまでどういう気持ちで生きてきたか。人生において何を重きとしているか。あるいは平凡と退屈と、不滅についてどう考えているか。によって極端に評価の分かれる作品になるかもしれない。
ちなみに私は、まんまと混乱に陥って頭のねじがぜんぶ吹っ飛んじゃった側。
時々、どばどばと垂れ流されるどうしようもない時間の帯にむせ返るような沈黙を密かに感じ。その緩急が何ともドラマティックで感動すらしたのだけれど。
2010/05/21 23:08
詳細で温かな劇評を頂き、出演者・スタッフ・関係者一同、とても励みになります。
皆様のご期待に添えるよう、またご期待以上のものを提供できるよう、
よりいっそう気を引き締めて、邁進してまいります。
今後ともヲカシマシンをよろしく申し上げます。